CD 輸入盤

ホルン協奏曲『開花の時』、『月夜の蓮』、『チャント』 ドール、児玉桃、カルットゥネン、準・メルクル&スコティッシュ・ナショナル管

細川俊夫 (1955-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8573239J
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

細川俊夫:管弦楽作品集 第1集
シュテファン・ドール、児玉桃、ほか
準・メルクル指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管
作曲者による日本語解説付き


独特の美しさを持つ話題のホルン協奏曲『モーメント・オブ・ブラッサミング(開花の時)』を収めた注目盤。この作品はベルリン・フィルからの委嘱作で、ここでは初演者のベルリン・フィル首席奏者シュテファン・ドールがホルンを吹いています。

【開花の時、初演時のベルリンでの評】
「細川は、この神秘に満ちた東洋の花をテーマとした作品を、すでに何作も作曲している。今回は、『モーメント・オブ・ブラッサミング』というホルン協奏曲として書き上げた。曲は、はすの花が開く過程を描き出したものである。水面下のカオスの上には静寂が支配しているが、睡蓮のつぼみはやがて太陽の光を求めて水面に現われ、水に浮かぶ宝石へとメタモルフォーズする。音楽は、この作曲家が常に好むように、無音から突如として生まれ、狭い音域の間で振動しはじめる。これは何かが始動する音である。あるいは何かの反響だろうか。ホールのなかに配された副ソリストの2つのホルンが、オーケストラに呼応する。ソリストのシュテファン・ドールは、ミュートの掛かったホルン(睡蓮の象徴)で、花びらの開花を歌い始める。そしてそれは、劇的な所作でついに開花する。ここで聴かれるのは、単に花が開いたという事実ではなく、自然そのものの生成過程である。その魔法に溢れた響きは、いかなるものか?細川はこれを見事に描き出し、ドールは同様に卓抜な演奏を示した。聴衆は、大波が押し寄せるような喝采を送った(ジビル・マールケ『ターゲスシュピーゲル』2011年2月11日)」(ベルリン・フィル・ラウンジより)

「細川俊夫のホルン協奏曲『モーメント・オブ・ブラッサミング』は、聴衆より真の共感を持って受け入れられた。細川はミュンヘン・ビエンナーレやドナウエッシンゲンで好評を得た後、専門家向けの限られた環境から、一般の音楽シーンへとジャンプすることに成功した。例えばベルリン・ドイツ響などは、彼の作品を規則的に演奏している。細川は日本に生まれ、ベルリンとフライブルクで学び、現在はベルリン科学学会のフェローを務めている。彼は作品の解説に際して、自然のメタファーを用いることを好む。オーケストラの響きも、自然を想起させるものであるが、それは自然描写ではなく、むしろ生成のプロセスとしての音のさざめき、といった趣である。
 マーラーの〈交響曲第1番〉では、Aの音が7オクターブにわたって鳴りわたり、“自然の音”を呼び起こすが、細川のこの作品では、逆にひとつの音に集約される。つまり空間を表現するのではなく、ホリゾント(地平線)を表すのである。また舞台以外の場所に置かれたソロ楽器(この場合、副ソロとして客席側に置かれた2本のホルン)も、マーラーを連想させる。しかしマーラーにおいてそれが“空間の遠近感”を表すものであったのに対し、ここではソロが発するロングトーンから派生する“メロディーの空間的展開”として表現される。ホルンという楽器は、伝統的に自然の象徴として理解されるが、細川においてはその逆で、個となりつつある主体(人間)を表している。それは空間の中で多彩な姿を見せてゆくが、(自然を表す)オーケストラの波からは、独立しているのである。  細川は、小難しい音楽を書かない作曲家である。彼のホルン協奏曲も、ほとんど聞き取れないピアニッシモから短い劇的な頂点に移行し、やがて再び静かな、各楽器が囁きあうような音調で終結する。しかしこのシンプルさは、非常に繊細な書法で書かれており、聴衆が和音や響きに注視することを可能にする。そして聴き手は、美しいものを聴いた、という感覚をも手にするのである(ペーター・ユーーリング『ベルリナー・ツァイトゥング』2011年2月14日)」(ベルリン・フィル・ラウンジより)

【組み合わせの作品】
月夜の蓮
サブタイトルに「モーツァルトへのオマージュ」とあるこの作品は、モーツァルト生誕250年を記念して、NDR(北ドイツ放送)からの委嘱によって書かれたピアノとオーケストラのための美しい音楽。初演は準・メルクルの指揮、児玉桃のソロによっておこなわれました。

チャント
WDR(西ドイツ放送)からの委嘱による、チェロとオーケストラのための作品。ここでのオーケストラは、和楽器も含む各種打楽器が活躍するものとなっています。(HMV)


【収録情報】
細川俊夫:
1. ホルン協奏曲『開花の時』(2010) [19:21]
2. ピアノとオーケストラのための『月夜の蓮』(2006) [20:52]
3. チェロとオーケストラのための『チャント』(2009) [19:13]

 シュテファン・ドール(フレンチ・ホルン:1)
 児玉 桃(ピアノ:2)
 アンッシ・カルットゥネン(チェロ:3)
 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
 準・メルクル(指揮)

 録音時期:2013年6月10-11日
 録音場所:スコットランド、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 全曲世界初録音

内容詳細

静かに、漂うように流れ、移りゆく時間。そのうねりの中に見出すもの。それは静かにもの言わぬ生命。日本人は自然の息吹に永遠と救いを求めた。蓮の花に永遠と平安をを見る。それはまさに日本的仏教の世界。細川俊夫が求める根元でもある。準・メルクルが共感をもって細川の音楽を描き出す。(長)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

ユーザーレビュー

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細川作品は視覚的かつ立体的で、西洋音楽の...

投稿日:2015/10/18 (日)

細川作品は視覚的かつ立体的で、西洋音楽の技法を駆使しながら日本的な香りがする。「開花の時」と「月夜の蓮」は素晴らしく、強く魅了されてしまった。演奏と録音も文句のつけようがない。

saitaman さん | 埼玉県 | 不明

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美しいし、面白いです。感覚に訴えてくる音...

投稿日:2014/04/03 (木)

美しいし、面白いです。感覚に訴えてくる音楽には味わいがあります。

カズニン さん | 東京都 | 不明

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 ベルリン・フィルのDCHで観て魅了され...

投稿日:2014/03/30 (日)

 ベルリン・フィルのDCHで観て魅了され、CD化を待っていたホルン協奏曲がやっとお目見え。CDで聴きなおして、あらためてその美しさに聴き惚れてしまった。DVDでも観たいが今はこれで満足。          ホール全体を池に見たて、各所に演奏者が配置される視覚的な面白さをCDで観ることは無理だが、じっくり聴くと細かい音(景色)のうつろいや池に吹く風が水面(または蓮の音に至るまで内部で行われている呼吸)や蓮を静かに揺らしていくさま、光・時間の経過(蓮の開花の過程)が手に取るようにわかる。    現代音楽ながら描写的で情緒的。他の2曲も非常に美しい曲(特に「月夜の蓮」でのピアノのたおやかさといったら・・・)であるし、頭で考えさせる曲ではないので現代音楽を敬遠される方にこそお薦めしたい。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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