こんな音源が残っていたとは!
シェルヘンのブルックナーや『ドン・ジョヴァンニ』の一端を伺える
ファン狂喜の記念アルバム登場
今年(2011年)はヘルマン・シェルヘン誕生120周年にあたります。それを記念して愛娘が社長を務める「Tahra」レーベルがレア音源の大奉仕。大半が初出なだけでなく、シェルヘンとしては他に録音のない珍しいもの目白押しで衝撃。放送用音源が多いため、曲前にアナウンスが入っているものもありますが、音質良好。
最も古いものは終戦の1945年スイスのベロミュンスター放送管を振ったシューベルトの協奏作品で、新しいものは65年にトロント響を振ったブルックナー。シェルヘンのブルックナーは驚きですが、第2番の第3楽章だけで、それも放送時間の関係でカットされたものながら、彼のブルックナー解釈の一端が伺えて興味津々。また、わすか7分ながらモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』の録音も残されていました。ドイツ語上演でハイテンポ、不思議なボルテージの高さに満ちています。
さらにベートーヴェン作品中でもあまり演奏されないカンタータ『栄光の瞬間』が掘り出し物。約30分を占め、独唱もフィッシャー=ディースカウほか豪華。シェルヘンの指揮ぶりも強烈かつ充実度満点。作品を再認識させてくれます。(キングインターナショナル)
【収録情報】
・シューベルト:ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド イ長調 D438
ロア・スポエッリ(ヴァイオリン)
ベロミュンスター放送管弦楽団
録音時期:1945年11月12日 アセテート盤より
・ラヴェル:組曲『マ・メール・ロワ』(全5曲)
RIAS交響楽団
録音時期:1949年1月31日
・シェーンベルク:ワルシャワの生き残り Op.46
ハンス・オラフ・ハイデマン(語り)
ダルムシュタット州立劇場管弦楽団
録音時期:1950年8月20日
・ヘンデル:水上の音楽
ローマRAI交響楽団
録音時期:1957年1月5日
・ベートーヴェン:カンタータ『栄光の瞬間』 Op.136
ウルズラ・リップマン(ソプラノ)
クラウディア・ヘルマン(ソプラノ)
ルイ・リアラン(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ベルリン聖ヘドヴィヒ大聖堂合唱団
放送交響楽団(不詳)
録音時期:1957年4月30日
録音場所:パリ、シャンゼリゼ劇場
・モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』〜あの悪党はどこに隠れているの(ドイツ語)
シュザンヌ・ダンコ(ソプラノ)
マリアンネ・シェヒ(ソプラノ)
エリカ・ケート(ソプラノ)
ハインツ・マリア・リンス(バリトン)
ヴァルター・ベリー(バス)
バイエルン放送交響楽団
録音時期:1957年10月6-12日
・ドビュッシー:バレエ音楽『遊戯』
北西ドイツ・フィル
録音時期:1960年2月1日
・ブルックナー:交響曲第2番〜第3楽章スケルツォ(カット版)
トロント交響楽団
録音時期:1965年12月14日
ヘルマン・シェルヘン(指揮)
録音方式:モノラル(ライヴ)