ティアクライス（オルガン版）　ドミニク・ズステック

夏の七夕に向けて
シュトックハウゼンの名作『星座のための12のメロディー』
オルガンによる、すべてを超越した壮大な音宇宙
星空を彩る決定打登場！

シュトックハウゼンの「星座のための12のメロディー（ティアクライス）」は、もともとはオルゴールのために生まれた音楽で、前衛的なところがほとんどありません。もちろんハーモニーは古典のものとは少々趣が異なりますが、メロディーと伴奏という伝統的で明確な構成をとっています。
　この作品は演奏者に楽器や音色の選択などを委ねており、ピアノ版や室内楽版、また、６人の奏者による版（WER6659）など様々な録音がありますが、ここに新たに登場した録音は一人の奏者が奏でるオルガンによるもの。
　それにしても、このオルガンの音はすごい！　オルガン・マニアの間では有名なケルンのザンクオ・ペーターのオルガンを使用しています。この施設は、信仰の場であると共に、「クンスト・シュタツィオーン」とも呼ばれていて、現代美術の展覧会や、新しい音楽のコンサートが開かれている、いわば現代芸術の砦。日々の礼拝もすべて現代音楽で執り行われているというから徹底しています。
　ここに備えられているオルガンは、エオリアン・ハープ、チェロ、ハープ、サックス、打楽器、ホイッスルなど様々な音を模した音色が出るストップを合計１０４兼ね備えていて、すべての音が一人の奏者の指や足から発せられている音とは信じられない壮大さです。さらに、この録音でオルガンを弾いているのは、当教会オルガン奏者のドミニク・ズステック。日々の礼拝で楽器に触れ、楽器を熟知してすべてのストップの音色を巧みにブレンドすることができる、まさに理想的な布陣での録音となっております。
　オルガンによるこの作品の演奏は、極彩色の世界。どことなくメシアンのオルガン作品を想起させるようでもあります。あらゆるものを超越したもの、時に呪術的なものを強烈に感じさせます。ひとつひとつの曲が終わり、ウヮンッというオルガンの残響が消えたあとの静寂は、まるで宇宙に放り出されたような感覚。究極の宇宙遊泳世界を是非ご堪能下さい。（キングインターナショナル）

【収録情報】
シュトックハウゼン：『ティアクライス（黄道十二宮）』星座のための12のメロディー（オルガンによる）
・みずがめ座
・うお座
・おひつじ座
・即興I
・おうし座
・ふたご座
・かに座
・即興II
・しし座
・おとめ座
・てんびん座
・即興III
・さそり座
・いて座
・やぎ座
・即興IV

　ドミニク・ズステック（オルガン、即興）

　録音時期：2008年9月
　録音場所：ケルン、聖ペーター教会
　録音方式：デジタル（セッション）