シェーンベルク(1874-1951)

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SACD 輸入盤

『グレの歌』 サロネン&フィルハーモニア管(2SACD)

シェーンベルク(1874-1951)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SIGCD173
組み枚数
:
2
レーベル
:
フォーマット
:
SACD
その他
:
ライブ盤, ハイブリッド,輸入盤

商品説明

首席指揮者エサ=ペッカ・サロネン!
シェーンベルクの『グレの歌』で初登場!

イギリスのレーベル、シグナム・クラシックス(Signum Classics)とフィルハーモニア管弦楽団のコラボレーションによる「フィルハーモニア管弦楽団シリーズ」。シリーズのスタート以来、名誉指揮者ドホナーニ、首席客演指揮者マッケラス、桂冠指揮者アシュケナージ、サー・アンドルー・デイヴィスなど大物指揮者たちが名を連ねてきたこのシリーズに、現首席指揮者エサ=ペッカ・サロネンが遂に登場! しかもプログラムはシェーンベルク初期の超大作「グレの歌」のライヴ録音!
 現名誉指揮者ドホナーニよりタクトを受け継ぎ、2008/2009シーズンからフィルハーモニア管の首席指揮者兼芸術監督に就任したサロネン。首席指揮者就任後最初のレコーディングがシェーンベルクの『グレの歌』という大胆不敵な選曲は、サロネンがフィルハーモニア管に対する大きな信頼、演奏への絶対的自信の現われと言えるでしょう!
 この『グレの歌』はサロネンが首席指揮者着任直後に発表したコンサート・シリーズ「夢の都、ウィーン1900〜1935」のオープニング・コンサートとして上演されたもので、コンサート後には英国のメディア各紙から大絶賛を浴びています。
 なお、このアルバムはハイブリッド・タイプのSACDなので、通常CDのステレオ音声のほか、SACDのステレオ音声、SACDのマルチチャンネル音声という3つの音声が収録されています。直接音の切れ味、楽器の音の細密な描写を味わうのであれば2チャンネル・ステレオが、ホールに響く全体の雰囲気を味わうにはマルチチャンネルが適しているとよくいわれますが、それらを聴き較べて楽しむのもハイブリッドSACDならではの楽しみと言えるでしょう。

【収録情報】
シェーンベルク:『グレの歌』
 スティグ・アンデルセン(テノール:ヴァルデマール)
 ソイレ・イソコスキ(ソプラノ:トーヴェ)
 モニカ・グロープ(メゾ・ソプラノ:山鳩)
 ラルフ・ルーカス(バス・バリトン:農夫)
 アンドレアス・コンラート(テノール:クラウス)
 バルバラ・スコヴァ(語り)
 フィルハーモニア・ヴォイセズ
 バーミンガム市交響合唱団
 フィルハーモニア管弦楽団
 エサ=ペッカ・サロネン(指揮)

 録音時期:2009年2月28日
 録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)

【グレの歌について】
 『グレの歌』は、実在のデンマーク国王ヴァルデマール(在位1157-1182年)をめぐる伝説にもとづいています。国王とその愛人トーヴェとの悲しくもグロテスクな物語のあらましは以下の通りです。
 この手の寓話に良くあるパターンですが、国王ヴァルデマールには嫉妬深くわがままな妃がおりました。嫌気がさしたヴァルデマールは、トーヴェという美しく気立ての良い女性を愛人とし、グレの地にある狩猟用の城郭で逢瀬を重ねます。
 が、ほどなく不倫は妃にも知れるところとなり、やがてトーヴェは妃によって毒殺されてしまうのです。ヴァルデマール王は激昂して神を呪ってしまいそれが原因で天罰によって命を落とすこととなり、おまけにその魂は昇天することが許されず、大勢の兵士の幽霊を引き連れトーヴェの魂を求めて夜な夜なグレの地を徘徊することになってしまいます。
 時は流れ夏の嵐に替わって実りの秋が到来。収穫の季節にふさわしく農夫も登場し、やがて道化師と語り手も登場して、幽霊たちの壮絶な合唱を交えながらも、二人の魂の救済に向けて盛り上がりをみせます。最後は混成8部合唱による壮大な太陽の賛歌となっており、女声合唱の参加による色彩の変化が、魂の救済の可能性を暗示しているかのようです。

 この作品は最初、シェーンベルクがまだ若い頃に一編の歌曲として書き上げられ、その後巨大化の道を歩んだという後期ロマン派風の作品。ワグネリズムの影響、特に『神々のたそがれ』や『さまよえるオランダ人』を髣髴とさせる場面があるなど、シェーンベルクらしからぬ親しみやすさと、通常のレパートリーではおそらく最大音量と言われるその迫力ある音調、および変化に富む曲調から、これまでにも注目すべきレコーディングがいくつもおこなわれてきました。
 オーケストレーションするにあたり、シェーンベルクが48段の五線紙を特注したというエピソードはよく知られるところで、その編成は、ティンパニ6、バスドラム、スネアドラム、ガラガラ、タム・タム、それにハープ4ほかを含む150人近い巨大なオーケストラに、5人の独唱者、3群の男声四部合唱、混声八部合唱を加えた300人近い声楽陣を要するという途方もなく大規模なものです
 その編成の巨大さゆえに実際の上演の数が非常に少ないことを考えれば、録音の数はむしろ多いとさえいえるほどで、以下のようにストコフスキーからラトルにいたるまで、個性豊かな演奏が目白押しです。中でもライヴ盤が目立つのは、上演そのものが大きな話題を呼ぶということが要因になっていると思われます。

 ストコフスキー&フィラデルフィア(1932年Live)
 レイボヴィッツ&パリ新交響楽協会(1953年)
 クーベリック&バイエルン放送交響楽団(1965年)
 フェレンチーク&デンマーク国立放送交響楽団(1968年)
 クリップス&ウィーン交響楽団(1969年Live)
 ブーレーズ&BBC交響楽団(1974年)
 小澤&ボストン交響楽団(1979年Live)
 シャイー&ベルリン放送交響楽団(1985年)
 ケーゲル&ドレスデン・フィル、ライプツィヒ放送響団員(1986年)
 インバル&フランクフルト放送交響楽団(1990年)
 メータ&ニューヨーク・フィル(1991年)
 アバド&ウィーン・フィル(1992年Live)
 シノーポリ&ドレスデン・シュターツカペレ(1995年)
 クラフト&フィルハーモニア(2001年)
 レヴァイン&ミュンヘン・フィル(2001年Live)
 ラトル&ベルリン・フィル(2001年Live)
 ギーレン&南西ドイツ放送響(2006年Live)

これらのほか、変りダネとしては、アルバン・ベルクによるピアノ伴奏版ヴォーカル・スコア編曲を基にしたと思われる「チェロ&ピアノ版」がありましたが、これは『グレの歌』のイメージとは対極にある簡素な響きが印象的なものでした。

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Orchestral Prelude
  • 02. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. O, Wenn Des Mondes Strahlen Leise Gleiten
  • 03. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Sterne Jubeln, Das Meer, Es Leuchtet
  • 04. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. So Tanzen Die Engel Vor Gottes Thron Nicht
  • 05. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Nun Sag' Ich Dir Zum Ersten Mal
  • 06. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Es Ist Mitternachts Zeit
  • 07. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Du Sendest Mir Einen Liebesblick
  • 08. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Du Wunderliche Tove!
  • 09. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 1. Orchestral Interlude

ディスク   2

  • 01. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Deckel Des Sarges Klappert Und Klappt
  • 02. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Ein Seltsamer Vogel Ist So 'N Aal
  • 03. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Du Strenger Richter Droben
  • 04. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Der Hahn Erhabt Den Kopf Zu Kraht
  • 05. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Seht, Die Sonne
  • 06. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Der Hahn Erhabt Den Kopf Zu Kraht
  • 07. Gurrelieder, Oratorio for 5 Soloists, Reciter, Chorus & Orchestra: Part 3. Seht, Die Sonne

総合評価

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期待の新盤。第1部は抒情的でロマンティッ...

投稿日:2013/07/16 (火)

期待の新盤。第1部は抒情的でロマンティック。やや流れをつかみ損ねて、劇性に欠けるうらみがあります。第1部はほとんどがヴァルデマール王とトーヴェの同じパターンの対話ですが、繰り返される度に何らかの変化や悲劇への予感が高まるとかいう描き方があろうかと思うのですが、この演奏はそれを感じさせませんな。ヴァルデマールのアンデルセンさん、ちょっと不調だったのか、うまく歌い切れておりません。もちろん、この役、実演ではスーパーがつくほどの難役で(きっとトリスタンより大変)、御察しはいたします。トーヴェのイソコスキはそこそこ。第2部は一転劇的で大変すばらしい。王の嘆きと怒りが爆発です!第3部もその勢いを駆って好調です。総じて、サロネンさん、無理をせず、比較的まっとうなアプローチにてこの大曲をまとめました。録音も超優秀。結構でしょう。でも最後に一言、個人的な好みを記しておきます。語り手を、バルバラ・スコヴァが担当しておりまして、これが私はどうにも気に入らない。ピッコロをはじめオケが神秘的な音色を引っ張る中、彼女の甲高い声が響きだすと全てが台無し。夢幻と神秘が渦巻く雰囲気が、彼女の一声でいっぺんに現実に引き戻されてしまう。最後のコーラスでカタルシスが得られません。スコヴァはアバド盤でも語り手でしたが、全く同じ感想でした(いずれレビューしましょう)。といふことで、画竜点睛を欠くディスク。そこで減点。遺憾であります。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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この盤の他に小澤盤を持っているが、オケの...

投稿日:2011/10/25 (火)

この盤の他に小澤盤を持っているが、オケの迫力はこちらが上である。しかし、歌手がオケに比べると弱い気がする。どうしても許せないのがラストの語りの部分だ。女声はいいとしても、その語り口の抑揚のなさ。たんたんと棒読みしているように思えてならない。最後の絶叫も意味不明。語りの部分を除けば水準は高い。

ロマン派 さん | 新潟県 | 不明

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フィルハーモニアが、新たな音楽監督に、長...

投稿日:2010/03/08 (月)

フィルハーモニアが、新たな音楽監督に、長年待ち望んだサロネンを選んだのが、正解!と言うのを物語る、いきなりの大作、完璧盤。今春、来日しますが(with H.ハーン!)、テンシュテット・ロンドンフィルのような、一時代を築いてほしいものです。ガンバレ、スーパーラニングオーケストラ。黒のジャケットもいい。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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