END OF DECADEの才能
1978年 サザンオールスターズ、1988年 DREAMS COME TRUE、1989年 Mr.Children、1998年 MISIA、1998年 宇多田ヒカル、1998年 浜崎あゆみ。
日本の音楽シーンを彩ったアーティストは当然のことながら枚挙に暇がない。
しかし10年、いやそれ以上の時代を牽引し続けるアーティストは数少ない。
上記のアーティストは、間違いなくその10年単位で時代を作ってきた。
そして、そのデビュー年に面白い共通点があることに気付く。
それは、「70年代〜90年代にかけて、10年周期の終わりにデビューが集中している。」という事実。
このアーティスト群に共通すると思われること、それは、「邦楽の音楽的進化」と「言葉の力」の融和があるのではないかということ。
邦楽の主軸が演歌/歌謡曲にあった時代から、進化する洋楽のエッセンスを取り込み、さらにそこに日本語での歌詞表現で時代の感情を捉えたアーティストこそが、その次の10年を牽引していくという図式が推察できるのではないか。
そして2009年にデビューするJASMINE。19歳。
上記の偉大なアーティスト群との比較はいささか早焦であるかもしれないが、その音楽感性は「END OF DECADE の才能」として、可能性を大いに感じさせる。
まずは、その圧倒的なヴォーカル力。
レコード会社のオーディションで歌ったマライヤ・キャリーの「HERO」で暗闇を切り裂かんばかりの鋭い辺縁のボーカルは、そこにいたディレクター陣の意識を一気に覚醒させた。
そして、その言葉力。
自らの正直な気持ちにストレートな歌詞表現は、時にその表現の過激さがリアルな心情を炙り出す。
「クソくらえ 思い出なんて」「ちくしょう あたしだって泣くよ」。。。そのいづれもが文字面だとかなりなインパクトであるが、JASMINEの歌で表現されると、「突き抜けるセツナサ」となってココロに突き刺さる。
横田基地のゴスペルクワイア入門を機に、ヴォーカリストとしてのキャリアの幕をあけた彼女は、自ら渋谷のクラブで歌い始めてその存在は話題となり、僅か一年足らずでメジャーデビューのきっかけを掴んだ。
まだまだ荒削りの才能ではある。がしかし、出逢ったプロデューサーや関係者を、その存在は次々と虜にしていく。
驚異の才能である。
『END OF DECADE の才能』 JASMINE本人は全く意識もしないこのフレーズであろう。
がしかし、彼女がオーディションで本人が放った一言、「歌うために、生まれてきました」
この歌力、と言葉力に裏打ちされているからこそ、今になって強くリフレインする言葉である。
NEXT DECAEDE、次の10年がその答えを出してくれるであろう。
デビュー前はゴスペル・クワイアに参加していたという実力の持ち主で、ファースト・シングルのこの作品で、すでに成功を収めた。ブラック・ミュージックが基調で、メロディの上下が激しく、高音のヴォーカルと、これこそが2009年のJ-POPといったようなスタイル。(楡)(CDジャーナル データベースより)