商品の詳細
| ジャンル : | クラシック | カタログNo : | ORFEOR581083 |
|---|---|---|---|
| フォーマット : | SACD | レーベル : | ORFEO DOR *CL* |
| 発売日 : | 2008年10月21日 | 発売国 : | Germany |
| 組み枚数 : | 3 | ||
| その他 : | ライブ盤, ハイブリッド | ||
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HMV レビュー
「クライバーの『ばらの騎士』」
クライバーの「ばらの騎士」は、ミュンヘン・ライヴの映像がすでに発売されており、それに加えてウィーン・ライヴの映像も存在する。そういう点では目新しくはない。しかし、演奏の生気という点では今回のが群を抜く。私の記憶に残っているクライバーの生「ばらの騎士」の印象にもっとも近いのが、今回のCDである。1974年のバイロイト出演を目前にして、クライバーは絶好調のようだ。ただし、このきわめて直接的な感情表現や素直さ、屈託のない軽やかな足取りは、ウィーン風の優雅や気取りとはまったく別のものだということは言っておかねばなるまい。暗示やほのめかしではない、生の感情が溢れている。
第2楽章冒頭からしばらく、オクタヴィアンが登場するまでのほとばしるような音楽といったら。このようなわくわくするような、感動的なまでに幸福な演奏を知ったら、他の演奏はすべて色あせて聞こえるのも無理はない。そう、この演奏はひたすら若々しく、幸福に満たされた音楽なのだ。しかも、バカ騒ぎとか軽薄という感じがしないのが不思議なのである。オーケストラが生きもののようにうねるこの演奏に比べれば、他は杓子定規的に聞こえてしまう。このペースに巻き込まれると、歌手について文句を言う気も失せてくる。ルチア・ポップが異常に興奮したゾフィーを演じているが、おそらくオーケストラのものすごい熱気にやられてしまったに違いない。
そしてオクタヴィアンの登場。ここでの脳天をつんざくような響きが録音され切れていないのは仕方がないけれど(何せ、こうして25年たっても鮮明に覚えているくらいである)、その後のオクタヴィアンとゾフィーの絡みもあまりにも美しく、しかも切実だ。単にきれいなのではない。その美しさはどこまでも人間の生のはかなさ、人生の一瞬の輝きの尊さを示してやまない。人間に対するいとおしさに満ちている。たぶんクライバーの音楽が人々をあれほどまでに強烈に魅了したのは、だからなのである。
もう何度も書いたことだが、私は1983年、18歳のときに、まさにこのような「ばらの騎士」を聴いて、絶大なショックを受けた。その数日後聴いたカラヤンとウィーン・フィルの同じ曲など、屍にしか思えなかったし、その後クライバーがウィーン国立歌劇場に出演したときの生気が抜けた演奏には愕然とした。まさに今回の録音のような演奏をするからこそ、クライバーはクライバーなのであり、他に類がない音楽家だったのである。第1幕はすごい勢いで突き進む演奏だが、ちょっとせっかちな感じがしなくもない。だが、この第2幕にはぐうの音も出ない。
第3幕でも、オックスとオクタヴィアンのやりとりなど、どうしてこんなに美しいのかと怪しまれるほど甘美で美しい。今にして思うが、オックスは決して悪者ではないのである。彼もまた愛すべきひとりの人間であり、オックスもいれば、オクタヴィアンもいれば、元帥夫人もいるのがこの世界なのである。彼らは等しくこの世に場所を与えられて生きているのだ。
歌手では、クライバーの「ばらの騎士」はこの人なしではあり得ないというファスベンダーのオクタヴィアンが、とにかく勢いで聴かせる。ただ、元帥夫人の、ヴィブラートが大きいし、音程も非常に悪い。オクタヴィアンに向かって「カンカ〜ン」と呼びかけるあたりは、正直言って不気味だ。私はおぞましく感じた。第3幕3重唱の開始部など、はっきり言って耳を覆いたくなる。だが、それを支えるオーケストラはすばらしい。おそらく、歌唱や合奏の細かな精度などは、最初からクライバーの眼中にはないだろう。考えてみれば、1970年代以後でもなおこうした指揮者が活躍できたということは、今になってみれば実に例外的なことではないか。
音質はクリアではある。ただし、制限の多い劇場ライヴのせいか、コンサートものとは比べられない。声が近いのに比してオーケストラが遠いのだ(こういうのが1980年代までオペラ録音の主流ではあったのは確か)。またノイズをカットしたせいか、人工的な感じもする。明らかに不自然な残響も感じられる。ミュンヘンのオペラハウスは決して音響的に一級とは言えないとはいえ、もっと何とかなるはずだ。正直言って日本のアルトゥスとかで音を調整してくれたら、もっとよかっただろうが。演奏がすばらしいゆえ、あえて書かせてもらう。
とはいえ、聴いているうちに耳が慣れる部分もある。神経質な人以外は(クラシック好きには神経質な人が多いけどね)、満足できるだろう。気にしだせば気になるだろうが、演奏に集中すれば、どうでもよくなる。
(きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授)
カルロス・クライバーの『ばらの騎士』
1973年ライヴ、正規盤登場!
ORFEOがやってくれました! 1973年にカルロス・クライバーがミュンヘンで上演した『ばらの騎士』をCD化。当時43歳のクライバーは、エネルギーたっぷりの鮮やかな音楽で、ただ最高の一言。しかも歌手は、ファスベンダー、ポップ、リッダーブッシュとミュンヘンの『ばらの騎士』の極めつけ3人に加え、クレンペラーとショルティから重用された美声ソプラノ、クレア・ワトソンの元帥夫人と、この上なく強力。ステレオの蔵出し音源をSACDで発売。この秋、クライバーのゾクゾク感を再び!(キングインターナショナル)
・R.シュトラウス:『ばらの騎士』全曲 [177:36]
元帥夫人:クレア・ワトソン
オックス男爵:カール・リッダーブッシュ
オクタヴィアン:ブリギッテ・ファスベンダー
ゾフィー:ルチア・ポップ
ファーニナル:ベンノ・クッシェ
テノール歌手:ゲルハルト・ウンガー
マリアンネ:アンネリーゼ・ヴァース
ヴァルツァッキ:デイヴィッド・ソー
アンニーナ:マルガレーテ・ベンツェ
警官:アルブレヒト・ペーター
元帥夫人の執事:ゲオルク・パスクダ
ファーニナルの執事:フランツ・クラールヴァイン
弁護士:ハンス・ヴィルブリンク
主人:ロレンツ・フェーエンベルガー
フルーティスト:ラインハルト・シュミット
美容師:カール・シュレーダー ほか
バイエルン国立歌劇場合唱団
ヨーゼフ・バイシャー(合唱指揮)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
カルロス・クライバー(指)
録音時期:1973年7月13日(ステレオ)
録音場所:ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場(ライヴ)
プロデューサー:フリードリヒ・ヴェルツ
エンジニア:マルティン・ヴェーア
リマスタリング・エンジニア:クリストフ・シュティッケル
SACD Hybrid
CD 2.0ch/ SACD 2.0ch/ SACD 5.0 ch
内容詳細
曲目
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商品ユーザーレビュー
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かくとしらじ | 愛知県 | 不明 | 2010年04月16日
きんきんさんのおっしゃるとおりです。クライバーならではのすばらしい演奏が 蘇ります。 まだ眠っている音源があるなら、マスターテープがいかれる前に SACDで復刻してください、お願いします。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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きんきん | 目黒区 | 不明 | 2008年10月30日
素晴らしい録音です。今まで「ばらの騎士」はあまり聴きませんでしたが、このCDで開眼です。 なんと美しい音楽!ムダな音など一音もありません。 それを完璧に表現したクライバーもさすがです。オルフェオの復刻はセンス抜群!次はクライバーのオテロ、ラ・ボエームあたりを発売して欲しいものです。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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フィッツカラルド | 北区 | 不明 | 2008年10月27日
思っていた以上に鮮明な音質でした。クライバーの指揮の推進力も相変わらず聴き応え満点!0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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