わたしを離さないで ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151200519
ISBN 10 : 4151200517
フォーマット
出版社
発行年月
2008年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,450p

商品説明

残酷な運命に翻弄される若者たちの一生を感動的に描き、世界中で絶賛された、ブッカー賞作家の新たなる傑作。解説:柴田元幸

自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく。英米で絶賛の嵐を巻き起こしたイシグロ文学の最高到達点。

内容詳細

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。

【著者紹介】
カズオ・イシグロ : 1954年11月8日長崎生まれ。1960年、五歳のとき、海洋学者の父親の仕事の関係でイギリスに渡り、以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育つ。その後英国籍を取得した。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。一時はミュージシャンを目指していたが、やがてソーシャルワーカーとして働きながら執筆活動を開始。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年発表の『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞した。1989年発表の第三長篇『日の名残り』では、イギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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こんなに美しく残酷な物語があるでしょうか...

投稿日:2021/04/09 (金)

こんなに美しく残酷な物語があるでしょうか。いつまでも続くと思っていた日常に突然差し込まれる現実。それを淡々と受け入れていく若者たちがつらい。

ゆめゆめゆめ さん | 福岡県 | 不明

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キャリー・マリガンやキーラ・ナイトレイら...

投稿日:2012/10/17 (水)

キャリー・マリガンやキーラ・ナイトレイらの主演で映画化もされたベストセラー小説。静かなる序盤から余りにショッキングな結末に至る過程は、胸をつぶされる思い。著者カズオ・イシグロはその名の通り英国に帰化した日本人であるが、日本語は話せないため、原作は英語で書かれている。

サニーデイズ さん | 千葉県 | 不明

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タイトルだけを見ると、安っぽいラブストー...

投稿日:2009/05/18 (月)

タイトルだけを見ると、安っぽいラブストーリーなのかと思うかもしれないが、そうではない。 生きることの憂いを描いた傑作です。

Doo さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    小説を読むよりも前に映画を見てしまったのだけど、映画は原作にかなり忠実で、しかも原作の持つ趣もよく伝えていたと思う。ただし、語り手であり、主人公でもあるキャスをはじめとした登場人物たちの心の表現の微細さは小説ならではである。生きることの意味を問いかける本書のテーマは、この特異な構想の中でみごとに描き出されているといえるだろう。ヘールシャムからノーフォークにいたるまで、その情景は常に冬枯れたかのような光景であり、一人称体で淡々とした語りの手法も成功しているだろう。

  • starbro さん

    読友さんのオススメで読みました。忘れられた巨人に次いでカズオ・イシグロ二冊目です。今回はミステリ調でしっくり来ました。読み進める上で内容が明らかになりますが、良質なホラーのように正体を中々現しません。臓器移植、選民思想等、色々考えさせられました。代表作だけあり骨太の素晴らしい作品だと思います。

  • 抹茶モナカ さん

    物凄く抑制の効いた文章で、奇妙な物語を描きつくしていて、見事。文体が印象に残ったのは、翻訳者の努力もあるだろうか。奇妙な物語で、三角関係の恋愛小説という側面もある。ミステリー小説の要素もあるけど、それはそんなに重要ではない。

  • パトラッシュ さん

    キャシーたちの生きざまについて、多くの読者が疑問に思っているだろう。なぜ自分たちが生体臓器工場であり、早死にする運命を甘受しているのか。なぜアメリカの黒人奴隷や、ナチスの強制収容所に閉じ込められたユダヤ人のように自由を求めて立ち上がらないのかと。『猿の惑星』など似たテーマのハリウッド映画は何本もあるが、すべて支配する者とされる者の対立と抗争を描いてきたのに。もしイシグロが、実はオリジナルの人間に忠実になるよう睡眠教育でも施されているとの裏設定をしているのなら、一瞬で悪夢の如きホラー小説に変貌してしまうが。

  • 遥かなる想い さん

    イギリスの美しい田園地方ヘールシャムの私立学校で子ども時代を過ごした3人、キャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。だが、この私立学校は臓器提供者の学校であり、美しい田園描写とは裏腹にそこで育つ子供たちの不安・怯えのようなものが巧みに描かれていく。著者はこの本で何を描こうとしたのだろうか…

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