モーツァルト(1756-1791)

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DVD

歌劇『フィガロの結婚』 ベーム&ウィーン国立歌劇場、プライ、ポップ、バルツァ、他(1980)(日本語字幕付)

モーツァルト(1756-1791)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
NSDS9492
組み枚数
:
2
:
日本
画面サイズ
:
通常
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
ライブ盤

商品説明

高画質&高音質でよみがえる伝説の名演!
カール・ベーム/『フィガロの結婚』
ウィーン国立歌劇場日本公演 1980年

実際に見に行った人はもちろん、その後のTV放映を見た人にも大評判となった名舞台が、30年近く前の劇場ライヴ収録とはとても思えない高水準な画質と音質でよみがえりました。
 この公演の最大の特徴は、作品の隅々まで光を当てた遅めのテンポによるベームの入念な音楽づくりにありますが、少し前に製作されたオペラ映画とは違って、こちらは実演だけに、劇場的というほかない豊かなドラマの起伏が感じられるのが大きなポイントでしょう。
 ヘルゲ・トマの演出、ジャン・ピエール・ポネルの舞台装置と衣装も、ここでは音楽に奉仕する控えめで写実的なものとなっており、ずらりと揃った名歌手たちも、歌に専念できたせいか、素晴らしい歌唱を聴かせてくれています。
 特にヤノヴィッツとルチア・ポップ、バルツァの3人の女声は見事で、ヤノヴィッツによる陶酔的で透明な「楽しい日々はどこへ」はじめ、名アリアの数々が極上の美しさで歌われています。まるで絵画の中の登場人物のようなポップの魅力的な容姿も特筆すべきでしょう。
 なお、終演後のカーテン・コールは、当時のTV番組ではほとんど放送されなかったという事情から映像が残されていないのですが、音声は残されていたので、ここでは敢えて写真を用いてカーテンコール音声を長く収録することにしたそうです。
 ボーナスとしてベーム&ウィーン・フィルによる『君が代』と「オーストリア国歌」の演奏音声が収録されています。
 世界的名指揮者・名だたるオーケストラによる日本公演を贅沢にラインナップした「NHKクラシカル・シリーズ」の第1弾。

・モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』 K.492
 フィガロ:ヘルマン・プライ
 スザンナ:ルチア・ポップ
 アルマヴィーヴァ伯爵:ベルント・ヴァイクル
 伯爵夫人:グンドラ・ヤノヴィッツ
 ケルビーノ:アグネス・バルツァ
 マルチェリーナ:マルガリータ・リローヴァ
 バルトロ:クルト・リドル
 ドン・バジーリオ:ハインツ・ツェドニク
 ドン・クルツィオ:クルト・エクウィルツ
 バルバリーナ:マリア・ヴェヌーティ
 アントニオ:ワルター・フィンク
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 カール・ベーム(指揮)
 演出:ヘルゲ・トマ
 舞台装置・衣装:ジャン・ピエール・ポネル
 収録:1980年9月30日、東京文化会館(ライヴ)

・特典映像:国歌演奏

 収録時間:本編182分+特典2分
 画面:カラー、4:3
 音声:リニアPCMステレオ
 字幕:日本語
 ライナーノーツ:
 解説: 黒田恭一(音楽評論家)/辻本廉(NHKテクニカルサービス)
 1980年日本公演メンバーリスト
 NTSC
 Region 2

内容詳細

ベーム最後の来日となった、80年のウィーン国立歌劇場の引っ越し公演を収録した映像。豪華な歌手陣とウィーン・フィルの充実した演奏とで、ベームの最後の花道を飾った。ファンには感涙ものだ。(CDジャーナル データベースより)

総合評価

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モーツァルトの最上の音楽がつまった作品で...

投稿日:2013/02/24 (日)

モーツァルトの最上の音楽がつまった作品であることには異存ありません。充実の序曲や3名のSのアリアや二重唱を聴いただけで明らかです。弱点は台本です(台本に弱点のないオペラなんてほとんどないだろうが)。筋は従僕が主人の貴族の横槍をはらいのけて首尾よく結婚するというのだが、フランス革命前夜の民衆は喝采しても、現代人にはさっぱり実感がわきません。ハウスキーパーをやっていてセクハラをうければさっさとおさらばして別の勤め先をみつければいいわけです。脇筋は妻をないがしろにしている夫が計略にかかって浮気がバレて妻にあやまると妻はあっさり許すという話だが、とことん仕返しするくらいでないとおもしろくなりません。敵対していたのが実は親子だったというのもご都合だし、何より喜劇だというのがつらい。変装して混乱するからおもしろいというのだろうが、初回は観れてもネタバレした後では興味は続きません。レシタティーフをばっさりカットして録音した一流指揮者がいたと思うが、一つの見識だと思います。そういうものをノロノロ運転されたらどうだろう、踊る阿呆を観ているつもりが、観る阿呆に化してしまいます。少しテンポが遅いきらいがあるが問題になりませんとしている評論家がいるが、問題でしょう。問題ないとされる方は実演を観た方に多いようです。何から何まで一流で揃えたウィーン国立歌劇場の引っ越し公演というふれこみで、当時の熱狂は例えばヤノヴィッツ(S)が登場のカヴァティーナを歌い終えたところにみられます。Sはまあ自分として普通に歌えたかなという感じなのに熱烈な拍手をうけややめんくらっています。実際その場に立ち会った方はそのときが懐かしく冷静ではいられないのです。しかし、ベームもポップ(S)もとっくに世を去り、何も知らず何の思い入れもない方が本盤を見たらどうだろうか。歌手には旬を過ぎたルーム行きとみられる方がいます。ベッリーニのベルカントオペラではないから即アウトにはなりませんが。そうでない方でもヴァイクル(Br)は見た目不細工ではないのになぜかどん臭い感じがする方です。もっとしっかりした印象の方のほうが一杯くわされたとき快哉が叫べていいと思います。満点はわずかにバルツァくらいでしょう。色気がないのが男の娘をやるズボン役にピッタリです。総合するとフレーニの映画仕立てと帯に短し襷に長しではないでしょうか。もう一つ問題は価格です。歴史的価値は十分かもしれないが、30年以上前の映像です。ウィーンの連中が強欲だからというならさもありなんと考えますが、NHKが利幅を上げているのなら承服いたしかねます。公共放送と称してなかば強制的に受信料を国民(公共放送に期待される中立性に疑問をもつ者を含む)から徴収し、国民の平均からかけ離れた給与水準を維持している団体だからです。公共を唱え本盤が日本文化の向上に資すると考えるのなら損はしないが儲けもしないという態度が当然でしょう。何が何でも本盤でとは思えません。

西荻椿山 さん | 東京都 | 不明

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ベームのテンポが遅いだの、プライのフィガ...

投稿日:2010/11/14 (日)

ベームのテンポが遅いだの、プライのフィガロが年を取っているだの、ヤノヴィッツの伯爵夫人がやはり老けているだの、みなさんいろいろ感想をお持ちのようだ。想像するところ、いずれのレビューライターも若年で、当時のことをよくご存じないようだし、ご存知の方も残念ながらFMでエアチェックをしているぐらいで、実際のステージをご覧になった方は数名のようである。→  80年当時は、現在から比較するとツアー料金も相対的に高く、気軽にウィーンへ出かけてシュターツオパーでオペラを鑑賞するということは、なかなかできなかった。そういう時に、完全な引越し公演、歌手は全て現役で脇役までそろっている、コンサートマスターにはちゃんとゲアハルト・ヘッツェル(故人)が座っているというレベルの公演は、ウィーンでもプレミアなどは別にしてそうたびたびお目にかかれなかったのではないかと想像する。現在は映像メディアが以前に比べて大普及しているので、これを超える公演の記録もあるのだろうが、上に述べたような時代の状況を鑑みて比較しないと意味がない。→  歌手陣にはほとんど文句がないが、ヤノヴィッツの伯爵夫人がもう少しおきゃんであればよかったし(伯爵夫人ということに惑わされてはいけない、彼女はセヴィリァの散髪屋に出てくるロジーナそのものなのだ)、みなさんの評価の高いポップのスザンナも歌唱・演技には文句がないけど、容姿がふっくらしすぎていて、DVDの映像で見ると少しつらいところがある(これはぜいたくな感想であると自分でも思う)。実際のステージではそういうことはほとんど感じさせないが、それがウィーンの宮廷歌手の称号を持っている所以でもあろう。スザンナについては、同時期のベルリンのシュターツオパー日本公演(1977年、ズイトナー指揮)で歌っていたレナーテ・ホフの方を評価したい。彼女もやはり宮廷歌手だった。余談だが、このときのキャストは伯爵夫人=トモワ・シントゥ、フィガロ=ジークフリート・フォーゲル、伯爵=アダム、マルチェリーナ=アンネリーズ・ブルーマイスター、ケルビーノ=インゲボルク・シュプリンガーとそろっていた。ただ、ズイトナーとベルリンのシュターツカペレはモーツァルトでは相性が悪く、レコードで聴いていたドレスデンのものほど感銘は受けなかった。→  少々脱線したが、小生にとってこのベーム指揮の映像は現在もベストで、30年たった今も古さを感じさせない。→  実際のステージをご覧になった方も、一部マイナス評価をしているようだが、それは悪名高い東京文化会館というホールでお聴きになったからではないか。小生に言わせれば当時の東京文化会館の雰囲気は最悪で、とても一流のオペラの引越し公演を楽しめるようなものではなかった。入口のチケットチェックは場末の映画館のようにスモック(スモックなんて今や死語かもしれないが、当時はそうだった)を着たおばちゃんが、にこりともせずに半券を切るし、ロビーへ入ったら上野精養軒がやっているコーヒーショップのマネージャーが大声で呼び込みをやっている、ベンチで握り飯を食べている客がいる。数万円も出してオペラを楽しむのだから、少しはおしゃれをすればよいものを、ドレスコードなどどこ吹く風という客がたくさんいる。関西中華思想が抜きがたくある大阪出身の小生にあえて言わせてもらえば、当時の大阪のフェスティバルホールは、東京の諸ホールに比べて客のグレードもホールのソフトのグレードも高かった。ホール内のコーヒーショップはグランドホテルの直営だったし、なによりホテルと直結しているため、オペラの幕間にはホテルのコーヒーハウスやバーがホールから流れてくるドレスアップした客で満員となっていた。終演後、ホテルのバーには指揮者やオケの連中がなだれ込んでくる。現に小生はベルリンシュターツオパー公演のとき、そのバーでズイトナーにサインをもらっている。ステージだけでなく、その場の雰囲気を楽しもうという客が当時の大阪にはまだまだたくさんいたということである。アリアなどに対する拍手も節度あるもので、その代わり最後のカーテンコールはオケピット前に聴衆が押し寄せるというものであった。そのように客がホールの雰囲気を良きものにこしらえているところで聴くのと、そうでないところで聴くのとでは大きな違いがある。指揮者もオケも歌手もやりやすかったと思う。ただし30年たった現在、どうなっているかは知らない。→  余談その2。バルセロナのリセオ劇場(消失する前)でモンセラ・カバリエがタイトルロールを歌う『サロメ』を聴いた時のこと。バルセロナ入りをした当日にチケットを買ったため、天井桟敷(確か日本円換算で400円くらい)しか手に入らなかった。劇場の向かいにある有名な「CAFE DE LA OPERA」というカフェでお茶を楽しんでから劇場に入場しようとすると入れてくれない。天井桟敷の入口は正面とはまったく別のところにある。民主化で入口を別にするのはいかがという意見もあるだろうが、小生は正解と思う。天井桟敷の客は服装をかまえない貧乏学生もいるわけで、彼らに遠慮なく劇場に入場できるようにという配慮と考えるべきである(退場時は正面から出ることができる)。これがヨーロッパの文化であり、このことがすんなり理解できないというのは、日本の悪しきモノクラス化した劇場文化との違いと考えるべきであろう。このサロメ、七つのベールの踊りのシーンでカバリエのストリップを見せられるのかと心配したが(今はなき大阪グランドホテルのロビーでお目にかかったことがあるが、相撲取りのような体格)、これは杞憂。新演出で、芝居は全てバレエダンサーがやっていて、カバリエは歌うだけであった。その代わり見事なプロポーションのダンサーのストリップを見ることができた。→  蛇足めいたことをあれこれ書いたが、要するにクラシックを楽しむのにCDやDVDといったメディアからのみ楽しむのではなく、優れたハード(劇場)と優れたソフト(オペラであり、シンフォニーであり、バレエであり)を数多くライブで楽しむべきであろうという考え方を披瀝したかった。入場料を払ってライブで楽しむことをしないと、国家財政が窮迫している昨今、日本のオペラもシンフォニーもバレエも演劇も補助金を断ち切られて、あっという間に崩壊してしまうだろう。国立オペラ劇場(第二国立劇場)を初台のような場末(初台近辺にお住まいの方には失礼だが)に建設したのは大間違い。丸ノ内の東京フォーラムの敷地を都庁移転時にさっさと東京都から買収して建設しておけば、ソフトはさておきハードはいいものができたであろうに。→  最後にこのDVDに苦言を一つ。みなさんも書いておられるが、カーテンコールをまともに収録していなかったこと。おそらく当時のNHKのクラシック番組のディレクターが官僚的発想でやったに違いない。文化ということについて考える力も知識もない奴に、こういうプロジェクトを任すことが大間違い。いまさら言い訳めいたことをライナーノーツに書くのは、見当違いもはなはだしい。当時の上司を含めて責任を取れといいたい。→ ※矢印は段落を示します。  

タイガー哲 さん | 埼玉県 | 不明

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諸氏が演奏の魅力については言い尽くしてい...

投稿日:2010/04/20 (火)

諸氏が演奏の魅力については言い尽くしているので、改めて屋上屋を重ねるようなものだと書き込みを控えていたが、このDVDをまた久しぶりに聴いて、拙文を書くことにした。この公演は、当日NHKFMで生中継されており、中坊だった小生は、買ったばかりのミニコンポの傍らで緊張しながら気もそぞろに「ながら勉強」していたものだ。小生にはこれがオペラ初体験であった。見るたび聴くたび懐かしさがこみ上げる。10年近く前、海賊盤でFMエアチェック音源と思われるCDが出回っていてそれを聞いていたものだが、これが出てすぐ買ったものだ。確かにテンポは古楽演奏が隆盛した現代の感覚からすれば異様に遅いと感じられるだろう。演出も演奏全般も古楽的な透明感やスマートさを重んじた今風のスタイルではないし、当時の日本のホールの貧弱な音響に加え、陰で出番や歌いだしを教えるプロンプターの声が妙に目立つマイクセッティングなど、瑣末ながら欠点はないわけではないが、戦後の欧州オペラ界で一時代を画した巨匠や名歌手らの築いたベルエポックの金字塔のようなもので、ぜひ若い人に聞いてほしい。できれば、フルヴェンの演奏などのように、未来にも長らくカタログに残していってほしいものだ。

eroicka さん | 不明 | 不明

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モーツァルト(1756-1791)

1756年:ザルツブルクで誕生。 1761年:最初の作曲(『アンダンテ ハ長調 K.1a』)。 1782年:オペラ『後宮からの誘拐』初演。 1783年:大ミサ曲ハ短調 K.427(417a)を上演。 1785年:弦楽四重奏曲集(ハイドン・セット)をハイドンに献呈。 1786年:オペラ『フィガロの結婚 K.492』初演。 1787年:父レオポル

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