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チェリビダッケ・エディションVOL.4(15CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
5578612
組み枚数
:
15
レーベル
:
Emi
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
ライブ盤, ボックスコレクション,輸入盤

商品説明

チェリビダッケ・エディション Vol.4

チェリビダッケ・エディションのクライマックスともいうべき、強烈な内容のシリーズをボックスセット化(Vol.1〜Vol.3はまとめてボックス化済み)。
 今回は宗教音楽の傑作4曲を中心に、近代のオーケストラ作品からイタリア・オペラの序曲集まで収めたという多彩な内容が特徴。
 演奏はどれもチェリビダッケ晩年ならではの精緻な美しさが光る名演揃いで、聴後の感銘の深さにはどれもすごいものがあります。
 たとえばバーバーのアダージョでは、チェリビダッケの耳の良さとミュンヘン・フィル弦楽セクションの実力が非常に高度な形で示されており、澄み切った美しさと痛切な情感表現が感動的です。
 一方、プロコフィエフの交響曲第5番やチャイコフスキーの交響曲第4番では、オーケストラから圧倒的なパワーを引き出しており、プロコ両端楽章コーダでの異様なまでの巨大さには心底驚かされますし、チャイコでは振幅の激しい演奏によって、作品の可能性が徹底的に追求されているのが印象的。
 また、作曲者のモダニズム精神が反映された青年期の傑作であるショスタコーヴィチの交響曲第1番とプロコフィエフの古典交響曲では、いたずらに軽快さに走らず、作品の情報量をきわめて豊かな表情の中に示している点がユニークで、これらの作品が単なる「若書き」ではなく、作曲者のイディオムがすでに十分に反映された作品であることを窺わせてくれます。
 しかしなんといってもきわめつきに凄いのはやはり『シェエラザード』と『くるみ割り人形』組曲でしょうか。『シェエラザード』といえば、すでにシュトゥットガルト放送響を指揮したDG盤(1982年)もリリースされて評判となっていましたが、ミュンヘン・フィル盤はそのあまりにも雄大なスケールと官能美の深みにおいて、シュトゥットガルト盤を大きく上回っているといって過言ではありません。第1曲などまさに大海原の世界です。
 『くるみ割り人形』も超のつく名演で、実際のコンサート会場では感動のあまり泣いている方もいたといういわくつきの演奏。そこで示される繊細さの極地ともいうべき幻想的かつノスタルジックな色彩の移ろい、「花のワルツ」における胸を突くような情動の激しさには言葉もありません。
 と、オーケストラ作品のことばかり書いてきましたが、このセットの最大の魅力は、やはり宗教音楽の傑作が4曲収められているという点にあるといえるのではないでしょうか。
 チェリビダッケといえば、まず「オーケストラ音楽の指揮者」であるというのが通常の認識で、実際、たとえば歌劇場でオペラを一度も指揮したことがないという事実からも、彼が「コンサート・ホールの指揮者」であるということは証明されています。しかし、チェリビダッケは実際には声楽作品でも素晴らしい演奏を聴かせていたので、必ずしも「オーケストラ音楽の指揮者」と限定して考える必要もないものと思われます。
 まず注目されるのがモーツァルトのレクィエム。チェリのモツレクといえば、かなり以前、とんでもなく音の悪い海賊盤が出回っていて、そこから窺えるテンポ感だけでもマニアを感動さていたものですが、それが今回はクリアーな音質で味わえるのです。深沈とした第1曲から、通常とは大きく異なる時間軸の支配する世界が現出します。
 次いで注目されるがフォーレのレクィエムでしょうか。フォーレについても、だいぶ以前、ロンドン響を指揮した海賊盤が出回って話題になったものですが、いかんせん音質が悪く、せっかくの美演が台無しになっていたというのが実情でした。
 ヴェルディのレクィエムも聴きものです。遅いテンポで表現の振幅を拡大した演奏で、「怒りの日」でのダイナミズムはまさに壮烈。
 バッハのロ短調ミサは、以前、聴きやすい音質の海賊盤で出回って、14分もかかるキリエをはじめ独特の美しさを孕む音楽がマニアを魅了してきたものでした。


5578442(2CD)
・J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調
 1990年11月
 バーバラ・ボニー
 コルネリア・ヴルコップ
 ペーター・シュライアー
 アントン・シャリンガー、他
5578472
・モーツァルト:レクイエム K.626
 1995年2月
 カロリーネ・ペトリヒ
 クリステル・ボルヒャース
 ペーター・シュトラーカ
 マティアス・ヘレ
 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
5578482(2CD)
・ヴェルディ:レクイエム
 1993年11月
 エレーナ・フィリポワ
 ラインヒルト・ルンケル
 ペーター・ドヴォルスキー
 クルト・リドル
 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
5578512
・フォーレ:レクイエム
 1994年3月
 マーガレット・プライス
 アラン・タイタス
 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
・ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
 1984年1月
 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
5578522(2CD)
・チャイコフスキー:交響曲第4番
 1993年11月
・チャイコフスキー:組曲『くるみ割り人形』
 1991年2月
5578532
・リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』
 1984年4月
5578542
・プロコフィエフ:交響曲第1番『古典』
 1988年3月
・プロコフィエフ:交響曲第5番
 1990年2月
5578552
・ショスタコーヴィチ:交響曲第1番
 1994年5&6月
・ショスタコーヴィチ:交響曲第9番
 1990年2月
・バーバー:弦楽のためのアダージョ
 1992年1月
5578562
・ルーセル:小組曲作品39
 1990年2月
・ルーセル:組曲ヘ調
 1992年9月
・ミヨー:フランス組曲作品248
 1991年9月
・ミヨー:マリンバ、ヴィブラフォーンと管弦楽のための協奏曲
ペーター・ザードロ
 1992年4月
5578572
・ロッシーニ:歌劇『ウィリアム・テル』序曲
 1993年1月
・ロッシーニ:歌劇『セミラーミデ』序曲
 1983年11月
・ロッシーニ:歌劇『絹のはしご』序曲
 1992年11月
・ロッシーニ:歌劇『泥棒かささぎ』序曲
 1995年4月
・ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
 1989年10月
・モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』序曲
 1982年11月
5578582
・ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』
 1988年9月
・メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』
 1993年3月
・メンデルスゾーン:劇音楽『真夏の夜の夢』序曲
 1992年4月
・シューベルト:『ロザムンデ』間奏曲
 1996年6月
・スメタナ:交響詩『モルダウ』
 1986年6月
・J.シュトラウス2世:『こうもり』序曲
 1991年2月
5578602
・ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
 1985年3月
・ワーグナー:楽劇『パルシファル』聖金曜日の音楽
 1993年1&2月
・ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死
 1983年12月
【ボーナス・ディスク】
・ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
 1985年3月
・ワーグナー:楽劇『パルシファル』聖金曜日の音楽
 1993年1&2月
・ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死
 1983年12月

 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 セルジュ・チェリビダッケ(指揮)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Messe H-moll: Kyie & Gloria

ディスク   2

  • 01. Messe H-moll: Credo, Sanctus, Agnus Dei

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総合評価

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これは、ここまで到達することが出来ると言...

投稿日:2010/10/28 (木)

これは、ここまで到達することが出来ると言う人間の、貴重な遺産、宝です。独自に全体と細部を見つめ、妥協することなく、徹底的に、人々を前に、刻銘、丁寧にライヴで演奏した集団の、大きさを獲得した素晴らしい経験の記録です。ここまでやるには、厳しいトレーニングと、信頼が不可欠です。特に、バッハ、フォーレ、リムスキー・コルサコフ、ショスタコーヴィッチ、バーバー(凄い!)は、素晴らしい。 先ほど、送信した、チェリビダッケ、、モーツァルト「レクイエム」は、間違いなので、破棄してください。申し訳ありません。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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Vol.4に至って批判的なレビューが散見され...

投稿日:2010/04/21 (水)

Vol.4に至って批判的なレビューが散見されるのは一時のブームが去ったからでしょう。残念なことです。元々チェリビダッケの演奏は極端に遅いテンポや独特の歌い回しなど表面的な部分にかなりの癖があるので、快演・爆演系を好む向きには肩すかしなのでしょう。これらはどれも極めて「丁寧」な演奏を行っており、ハーモニーの美しさや分厚さに気付かれれば他にかえがたいCD群となるでしょう。 面白いのは「こうもり序曲」で、テンポの違いは大きいものの響きがカルロス・クライバーとよく似ているように感じました。さらにスリリングなクライバーのほうが優れているのか、この曲にはあまりみられない壮大さまでが垣間見えるチェリビダッケが凄いのか。

Candide さん | 富山県 | 不明

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チェリビダッケが亡くなって、録音が次々と...

投稿日:2009/05/26 (火)

チェリビダッケが亡くなって、録音が次々と出てきたとき、期待してたくさん購入した。その中ではチャイコの5番がベストだと思っている。しかし、私にとって良いと思えるものはそれほどなく、がっかりしたのも事実だ。このセットを購入したのは、ひょっとしてレクイエム系ならと思ったのだが、やはりこのテンポの遅さにはついていけない。ひょっとしたら実演なら感動したのかもしれないが、弛緩した、だるい演奏でしかなかった。皆さん高評価なのが信じられません。

GZ さん | 三重県 | 不明

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