バロック音楽と国際政治

西原稔

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784865592832
ISBN 10 : 4865592830
フォーマット
発行年月
2023年12月
日本
追加情報
:
336p;19

内容詳細

音楽家たちは旅をする。国家の密命を携えて──
『クラシックでわかる世界史』の著者が放つ近世ヨーロッパ音楽歴史絵巻!

外交官の使命をおびて旅したフローベルガー。
メディチ家からフランス王家に嫁ぎ、芸術外交を展開した王妃たち。
ドイツの小国ハノーファーを国際舞台に引き上げたステッファニ。
英国の新王朝樹立をめざして暗躍したヘンデル。
海上覇権をあらそう英西間で争奪戦となったカストラート歌手ファリネッリ。
3つの継承戦争に巻き込まれたバッハ──

旅する音楽家たちが動かした世界史の真実とは!

大人気ベストセラー『クラシックでわかる世界史』の
著者が放つ近世ヨーロッパ音楽歴史絵巻!


[目次]

はじめに

序章 本書におけるバロック時代

 バロック時代の年代区分──バロック音楽の特質と背景
 パワー・ポリティックスと国際政治
 本書の構成の概略

第1章 ハプスブルク家に仕えた外交官──作曲家フローベルガー

 三十年戦争と中部ヨーロッパ
 三十年戦争後のオーストリアと国際情勢
 外交官音楽家フローベルガーの誕生
 フローベルガーの西方への外交旅行
 ヴィーン帰国と皇帝の死

第2章 フランス王家に嫁いだメディチ家王妃の芸術外交
──カトリーヌ・ド・メディシスとマリー・ド・メディシス

 ヴァイオリン時代の開幕
 カトリーヌとヴァイオリン
 カトリーヌとアンリ二世の結婚の背景
 使命を果たしたカトリーヌ
 メディチ家からフランス王家に嫁いだもうひとりの女性
  ──マリー・ド・メディシスとアンリ四世の結婚の背景
 マリーの結婚式とオペラの誕生
 マリーの失脚
 メディチ家による芸術外交

第3章 小国ハノーファーを国際舞台に引き上げた外交官
──作曲家ステッファニ

 一八世紀初期のハノーファー
 音楽家と外交官の顔をもっていたステッファニ
 スペイン継承戦争の勃発とハノーファー
 作曲家ステッファニの晩年

第4章 ハノーヴァー朝イングランドへの大躍進を支えた功労者
──国際的作曲家ヘンデル

 ヘンデルの登場と一八世紀初期の北ドイツ
 一八世紀前期のイングランドを取り巻く情勢
 ヘンデルの二度目の渡英とアン女王のための作曲
 ハノーファー選帝侯ゲオルク・ルートヴィヒのイングランド国王即位とヘンデル
 ゲオルクとヘンデルの和解

第5章 イングランド対スペインの抗争と社会を動かしたカストラート
──ファリネッリ狂騒とジャーナリズム

 歌手として名声を博したファリネッリ
 ロンドンのジャーナリズムとファリネッリ
 ホイッグ党批判の材料となったファリネッリ
 ジェンキンズの耳事件で高まる緊張関係
 ジェンキンズの耳戦争とファリネッリ批評
 ファリネッリという歴史現象と彼をめぐる英西両国の争い

第6章 ポーランド継承戦争とオーストリア継承戦争を生きた和平の使者
──大作曲家バッハと外交官カイザーリンク

 ポーランドの混乱
 ゲオルク・エルトマンとバッハ
 外交官ヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク
 バッハの作品に描かれたポーランド継承戦争
 《ゴルトベルク変奏曲》をめぐるカイザーリンクとゴルトベルク
 《ミサ曲ロ短調》の背景
 オーストリア継承戦争とバッハ
 《音楽の捧げもの》の作曲とカイザーリンクの役割
 バッハの生きた三つの継承戦争と音楽

第7章 ヘンデルとラモーが描くオーストリア継承戦争とふたりの外交官
──音楽愛好家、ヴァッセナール伯爵とサンドウィッチ伯爵

 ラモーの作品とオーストリア継承戦争の構図
 ブレダ会議とヴァッセナール伯爵の活躍
 アーヘン講和会議とサンドウィッチ伯爵の活躍
 アーヘン和約を祝う音楽

第8章 ポーランド分割のために奔走したモーツァルトの後援者
──音楽愛好家スヴィーテン男爵

 スヴィーテン男爵親子
 外交官スヴィーテン男爵の使命
 スヴィーテン男爵のフリードリヒ大王との折衝
 優れた教養人であったスヴィーテン男爵
 作曲家スヴィーテン男爵

あとがき

主要参考文献
事項索引
人名索引


《著者情報》
西原 稔(ニシハラ ミノル)
1952年山形生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部名誉教授。18、19世紀を主な対象とする音楽社会史、音楽思想史を専攻。
著書に『新版 クラシックでわかる世界史──時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲』『ピアノ大陸ヨーロッパ──19世紀・市民音楽とクラシックの誕生』(以上アルテスパブリッシング)、『神と向かい合った作曲家たち──ミサ曲とレクイエムの近代史 1745–1945』『《ドイツ・レクイエム》への道──ブラームスと神の声・人の声』『シューマン 全ピアノ作品の研究 上・下』(以上音楽之友社)、『ピアノの誕生』『クラシック 名曲を生んだ恋物語』(以上講談社)、『「楽聖」ベートーヴェンの誕生』(平凡社)、『世界史でたどる名作オペラ』(東京堂出版)、共著・共編書に『ベートーヴェン事典』(東京書籍)、訳書に『魔笛とウィーン』(平凡社)、監訳・共訳書に『ルル』『金色のソナタ』『西洋の音楽と社会(7)ロマン主義と革命の時代』(以上音楽之友社)、『オックスフォード オペラ大事典』(平凡社)などがある。

【著者紹介】
西原稔 : 1952年山形生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部名誉教授。一八、一九世紀を主な対象とする音楽社会史、音楽思想史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヨハネス さん

    その音楽しか知らなかった作曲家の人となりを知るのはワイドショーのように面白い。フローベルガーが二度も海賊の追いはぎに遭い着のみ着のままどころか漁師の服を与えられロンドンに着いた、とか(有名な話だそうだ)。その時代王族の結婚は政略結婚だから外国から妃を迎えるんだね。メディチは王族でなく富豪なのに、王家とはいえフランスに嫁ぐのは都落ちだったとか。ファリネッリを題材にしたあの有名な映画を観ていないので、ここで読めてよかった。彼をめぐりヨーロッパが回っていたとか。

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西原稔

1952年山形生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部名誉教授。一八、一九世紀を主な対象とする音楽社会史、音楽思想史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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