ともぐい

河ア秋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784103553410
ISBN 10 : 4103553413
フォーマット
出版社
発行年月
2023年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;20

内容詳細

死に損ねて、かといって生き損ねて、ならば己は人間ではない。人間のなりをしながら、最早違う生き物だ。明治後期、人里離れた山中で犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、ある日、血痕を辿った先で負傷した男を見つける。男は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていたと言うが…。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果ては―令和の熊文学の最高到達点!!

【著者紹介】
河崎秋子 : 1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で15年度JRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。他書に『絞め殺しの樹』(直木賞候補作)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 夢追人009 さん

    明治中期の北海道の山中で一人で野生動物を狩る猟をして暮らす孤高の男・熊爪が人生で初めての試練に遭遇した。圧倒的に手強い熊・穴持たず(冬眠していない熊)との壮絶な戦い。傷つきながらも全く怯むことなく強大な宿敵との勝負に人生のすべてを賭けて一心不乱にのめり込んでいく熊爪の気魄に心を鷲掴みにされました。人と熊との一騎打ちの場面には時間を忘れて没入し凄まじい迫力の描写には深く感動しましたね。彼は生涯を賭けた一世一代の大仕事を終えた後にとうとう予期せぬ最期を迎えた時にも何の悔いもなく心から大満足だったと思いますね。

  • starbro さん

    第170回直木賞候補作第四弾(4/6)、河ア 秋子、前候補作に続いて2作目です。明治時代のマタギを主人公にしたプリミティブで凄まじい圧倒的な作品でした。このまま直木賞受賞でも納得ですが、受賞作で話題を作って本を売りたい日本文学振興会の加藤 シゲアキ受賞の思惑に果たして勝てるでしょうか❓ https://www.shinchosha.co.jp/book/355341/

  • パトラッシュ さん

    人と動物の関わりをテーマにしてきた河ア秋子だが、これはもはや動物小説ではない。明治の北海道を舞台に、人が動物と化す姿を描いていくのだ。山で猟師として生きる熊爪は、捕食者の最高位に君臨する肉食獣そのものに思えてくる。そんな熊爪に影響されてか、周囲も少しずつタガが外れて壊れていく。商人の良輔は真っ当な道を踏み外し、熊爪の女になった盲目の陽子は生まれた子に名前をつけようともしない。陽子に殺され動物のエサになると悟った熊爪は、満たされて死んでいく。激変する世に背を向けて共喰いする男女には、原始的な恐怖すら覚える。

  • bunmei さん

    明治時代の北海道の山中を舞台に、野生の熊とその熊を獲って生業とするマタギとの死闘を描いた作品。マタギとしての、質素な暮らしと生き様、自然に対する敬意、人と動物の業や悲哀にも触れる中で、重厚で且つ臨場感溢れる描写力で、開拓前の雪深い北の大地へと導いてくれる。狩猟シーンや一人の男として揺れ動くマタギの心情等、時にグロテスクに時に繊細に、各シーンが生々しい映像や匂い、触感等の五感を通して伝わってくる感覚に包まれる。標題の『ともぐい』の意味が、壮絶な最終章によって心に染み渡っていく、直木賞に相応しい作品。  

  • fwhd8325 さん

    血なまぐさい匂いと対極にある甘美な香りの両方が感じられる作品でした。私は、どうして猟師に憧れるのだろう。生と死が紙一重にあるから、そこに究極の美を感じるのかもしれない。「ともぐい」というタイトルがどこに行くつくのか、ワクワクしながら物語を読み進めていました。そして、このタイトルはとてつもない輝きを放っていたように感じます。

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