DVD

楽劇『ばらの騎士』全曲 ハルトマン演出、カラヤン&VPO、シュヴァルツコップ(日本語字幕付)

シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
DLVC1183
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
通常
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明

シュワルツコップ追悼企画ということで、オペラ映画史上あまりにも有名な作品がDVD化されます。以前、VHSビデオやレーザーディスクで発売されていましたが、DVD時代になってからは契約上の問題でPAL仕様のディスク(RCA)しかリリースされず、ほとんど幻になりつつあった傑作が、ようやく通常の日本製機器で手軽に再生できるようになります。

 1960年のザルツブルク音楽祭、新しく建設された祝祭大劇場の杮落とし演目として上演されたカラヤン指揮、ハルトマン演出による『ばらの騎士』は、大きな賛辞をもって迎えられました。6回おこなわれた公演のうち、シュワルツコップが出演したのは8月6日の一回のみでしたが(初日などほかはデラ=カーザ)、幸いなことにエドガー・フェッターによって収録されたライヴ録音はモノラルながら非常に良い状態で、鑑賞には十分なクオリティが確保されています。
 今回、DVDとして登場する映像作品は、その録音をもとに、ルドルフ・ハルトマン演出、パウル・ツィンナーの監督により、出演者たちが同じ舞台で後から演技した映像を収録してかぶせたというものです。映画会社によるフィルム撮りだけあって画質は鮮明なカラーで、カメラ・ワークもきめ細かく、当時としては非常に高い水準に達しています。これがもしリアルタイムでの映像収録であれば、コントラストの低い低画質なモノクロ映像で、しかも固定されたアングルになってしまったことは確実なので、カラヤンの選択には賛意を呈しておきたいところです(実際、ユーロビジョンによるテレビ用抜粋収録はモノクロであることが確認されています)。
 なお、フルトヴェングラーの『ドン・ジョヴァンニ』も同じ手法で制作されていますが、カラヤンの『ばらの騎士』は、音質・画質とも格段にレベル・アップしているのが嬉しいところ。当時の技術はまさに日進月歩でした。
 なお、音声については、ヨーロッパでDVD化(PAL仕様)された際に、ロンドンのスタジオでステレオ効果を与える処理がおこなわれているということで、大きな空間を捉えたカラー映像と合うように、広がりのある雰囲気感が表現されています。

 冒頭、颯爽と登場するカラヤンの凛々しい姿にまず驚かされますが、演奏もその印象通りの活気に満ちたもので、ボスコフスキーがコンサートマスターを務めるウィーン・フィルの美しい演奏が魅力にさらに輪をかけます。
 贅を尽くした配役もみごとというほか無く、高い品格と繊細な情感表現が素晴らしいシュワルツコップの元帥夫人役を筆頭に、ユリナッチ演じる美貌のオクタヴィアン役、決して不快な下品さには陥らないエーデルマンによるオックス男爵役、いかにも純情そうなローテンベルガーのゾフィー役、揺れ動く感情をコミカルな中にも見事に示すクンツのファーニナル役など、当時のウィーンで絶大な評価を得ていた人材を惜しげもなく投入、ゼンガー役にもロブストな美声が素晴らしい名テノール、ザンピエーリを起用する豪華さです。果ては動物売りの男にバッハ歌手のクルト・エクヴィルツが出演しているなど、当時のカラヤンの驚くべき権勢と、このプロダクションの注目度がいかに高いものであったかがよくわかります。
 有名なテオ・オットーによる舞台装置や、エルニ・クニーペルトのデザインによる衣装も豪華絢爛というほかないもので、撮影技術の高さゆえか、24年後にテレビ放映用にビデオ収録された同じ舞台装置を使ったカラヤンの『ばらの騎士』ライヴよりも、画質・カメラワークとも明らかに上であり、劇場公開前提で撮影されたことが、大画面時代の現在にはむしろ合致しているものと考えられます。
 オペラ・ファン必携、歴史的な傑作と言い得る映像作品の嬉しいDVD化です。

R.シュトラウス:楽劇『ばらの騎士』Op.59
 元帥夫人:エリザーベト・シュワルツコップ(S)
 オクタヴィアン:セーナ・ユリナッチ(Ms)
 ゾフィー:アンネリーゼ・ローテンベルガー(S)
 オックス男爵:オットー・エーデルマン(Bs)
 ファーニナル:エーリッヒ・クンツ(Br)
 歌手:ジュゼッペ・ザンピエーリ(T)
 マリアンネ:ユーディト・ヘルヴィヒ(S)
 ヴァルツァッキ:レナート・エルコラーニ(T)
 アンニーナ:ヒルデ・レッセル=マイダン(A)
 警部:アロイス・ペルネルストルファー(Bs)
 侯爵家の家令:エーリヒ・マイクート(T)
 ファーニナル家の家令:ジークフリート・ルドルフ・フレーゼ(T)
 公証人:ヨーゼフ・クナップ(Br)
 料理屋の主人:フリッツ・シュパールバウアー(T)
 調理師:ハンス・クレス(T)
 帽子売り:メアリー・リチャーズ(S)
 動物売り:クルト・エクヴィルツ(T)
 楽師たち: ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団員
 ウィーン国立歌劇場バレエ団
 ウィーン国立歌劇場合唱団

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン

 収録:1960年8月、ザルツブルク、祝祭大劇場
 演出:ルドルフ・ハルトマン
 装置:テオ・オットー
 衣装:エルニ・クニーペルト
 録音エンジニア:エドガー・フェッター
 制作・監督:パウル・ツィンナー

 字幕:日本語
 音声:リニアPCMステレオ
 画面:カラー、スタンダード(4:3)
 収録時間:192分
 リージョン:2

ビデオクリップ1

このアイテムはビデオクリップ1をご覧いただけます。
218k 視聴方法は こちら

総合評価

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画像も音声も古いのはいたし方ないですが、...

投稿日:2013/01/03 (木)

画像も音声も古いのはいたし方ないですが、それでもこのステージ・演奏が残されたことはなんと幸せなことでしょう。ストーリーから音楽まで全てが現実離れして「人工物」であるこのオペラ、その「人工」ぶりをこれほど完璧に極めた演奏もありますまい。美しくはかなく、その一方、下世話で下品であるこのオペラの演奏としても究極と言えましょう。歌手もみんないいでしょう。主役3人の女声は文句なし。エーデルマンのオックスはまさしくイヤな奴の体現。なんかよく評論でオックスも貴族で悪い奴ではないみたいなことを言う人がありますが、西洋東洋を問わず、貴族といっても貧乏なのも品性下劣なのも残酷なのもいっぱいいまして、オックスはむしろその典型ですぜ。漁色と吝嗇、歌詞で追っていけばオックスのキャクタライズはそれ以外にないでしょう。オックス弁護はむしろ歴史に不勉強な庶民のたわごとであります。それはさておき、ファーニナルのクンツがすばらしい。ずっとずっと自分の地位向上しか考えぬ勝手オヤジで通しながら、オペラのラストで全てを理解し「若い人はこんなもんですな」という達観と同時に未来がひらめいたような見事な一言で去ってゆく、その姿の何とすばらしいこと!!感動しましたね。最後ながら、カラヤン&ウィーンフィルも申し分なし。何もかも全ての条件が揃った1960年の奇跡。良いソフトであります。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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凛とした(17歳の少年に見えるか?)ズボン...

投稿日:2011/04/10 (日)

凛とした(17歳の少年に見えるか?)ズボン役の風情か否かで評価が変るのが「バラ」の宿命。二組のカップルの決別と新たなカップルの誕生が、ラストの三重唱に昇華させられるか否かで公演成功が決まる。リマスターによる、濃厚だが人工的色彩も評価が割れるだろう。BD化で浮き彫りになったカラヤンのナルシストぶりが、キャストから気品ある名演を引き出した側面を強く感じた。色んな意味で、カラヤンで始まりカラヤンで終わったオペラ映画を強く感じさせる・・・。

燕の巣 さん | 静岡県 | 不明

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皆さん絶賛の嵐だが、私は第1幕で引いてし...

投稿日:2011/01/27 (木)

皆さん絶賛の嵐だが、私は第1幕で引いてしまった。シュワルツコップとユリナッチのいちゃつきが熟女レズにしか見えず、耐えがたい。第2幕でかわいいローテンベルガーが出てくるとほっとする。ユリナッチは決して不細工なわけではなく、美人というべきなのだが、おばさん体型が隠せないのだ。オペラ映像の難しいところであり、これだけの名演奏でも視覚的には1度見たら再度見る気にはなれない。

フォアグラ さん | 愛知県 | 不明

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