雲を紡ぐ

伊吹有喜

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163911311
ISBN 10 : 4163911316
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
追加情報
:
368p;20

内容詳細

壊れかけた家族は、もう一度、ひとつになれるのか?羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布」ホームスパンをめぐる親子三代の心の糸の物語。

【著者紹介】
伊吹有喜 : 1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒業。出版社勤務を経て、2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第三回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

その他のバージョン

雲を紡ぐ のバージョン一覧へ

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
東京に住む3人の親子はそれぞれに問題を抱...

投稿日:2021/04/08 (木)

東京に住む3人の親子はそれぞれに問題を抱えていて、岩手に住む祖父をはじめとする工房の面々と関わっていくことで家族関係に変化が訪れます。 現実に東京が荒んでて岩手が暖かいのかはわかりませんが、風景の描写も含めて岩手の工房の癒しがリアルに感じられました。 家庭内での諍いというのはどの家族でもそれなりに行われてるものだと思うので、みなさん感情移入できるんじゃないかと思いました。

さまざん さん | 埼玉県 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • starbro さん

    伊吹 有喜、二作目です。本書で第163回直木賞受賞作・候補作、漸くコンプリート(5/5)となりました。現在の家族の問題を岩手の豊かな自然が紐解き、美しい布が壊れた家族を包む感動の秀作でした。作品的には、今回の直木賞受賞作よりも上かも知れませんが、7回ノミネートに負けた感じです。著者が次回ノミネートされるとすると4回目なので、本作を上回る出来の作品でぶっちぎりで受賞して欲しいと思います。 https://books.bunshun.jp/articles/5636

  • さてさて さん

    『壊れかけた家族は、もう一度、ひとつになれるのか?』という問いかけに対する伊吹さんなりの答えを見る物語。『“運命の糸”というように、古くから、人は糸に運命や人生を重ね合わせて表現してきました』とおっしゃる伊吹さん。『糸は、一度切れても、撚りをかけてまたげることができるんです』と優しく語る伊吹さん。そんな伊吹さんが、壊れかけた家族が再び一つにまとまっていく様を、紡がれていく糸に重ね合わせて描くこの作品。お互いの心の糸を紡ぎあうその先に、家族というものの一つのあり方を見た、そんな繊細さに満たされた作品でした。

  • ウッディ さん

    雲のような羊毛を紡ぎ、染色して、布に織り上げるホームスパン。友人の言葉に傷つき、引き籠りになった美緒は、祖母から贈られた毛織物のショールに包まれると心が安らぐ。母と衝突した美緒は、岩手の祖父の工房を訪れ、ホームスパン作りに魅せられる。孫を見守り、優しく言葉をかける祖父と自然の中で夢を見つけ、自分らしさを取り戻していく美緒。教師でもある母の言葉が厳しく、読んでいても胸を切り裂かれるようだった。子供の将来を思う気持ちは変わらないはずなのに、感情に任せて投げた言葉の鋭利さに自分も気を付けなければと思った。

  • とろとろ さん

    羊毛を手で染め紡ぎ織りあげた布をホームスパンというのだそうな。すなわち、家庭で紡いだ糸で織った織物のことで、その太く粗い織物はオーバーコートやジャケットに丁度良い生地になるんだそうな。その工房を巡る親子三代のこだわり物語。羊毛が織物になるまでの工程の最初の部分、糸に紡ぐまでの話が主。その工房にたどり着くまでの主人公の紆余曲折やそこに関わり合う人達の話。親子それぞれの夫婦の絆、家族の絆、親の立場、子供の立場としての葛藤が並行して繰り返し繰り返し語られるが、最後は収まるべき所に収まった、そんな感じかな。

  • tenori さん

    読後感の良さと「小説を読んだな」という充足感に満たされる伊吹有喜さんの優しい物語。崩壊しかけた家族、居場所のない学校生活。主人公の美緒を支えていたのは、一枚の赤いショール。それは交流が断たれていた父方の祖父母からの唯一の贈り物。家を飛び出した美緒の向かった先は、ショールを紡いだ祖父の工房がある岩手。糸を紡ぐことで自分の居場所と価値を見いだすきっかけをつかみとる過程が岩手の風土や街の景色とともに柔らかく描かれる。馴染み深い地名や店の名前が随所に織り込まれ、盛岡市民としては嬉しい限り。祖父の語る言葉も沁みる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

伊吹有喜

三重県生まれ。中央大学法学部卒。2008年『風待ちのひと』(『夏の終わりのトラヴィアータ』を改題)でポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。主な著書に、全国有志の書店員による「乙女の友大賞」を受賞した『彼方の友へ』、高校生直木賞を受賞した『雲を紡ぐ』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品