弦楽四重奏との楽しいひととき　ヴェネツィア四重奏団

弦楽四重奏との楽しいひととき
1997デジタル録音。イタリアの団体、ヴェネツィア弦楽四重奏団による楽しいアルバム。
1.ウェルナー・トーマス＝ミフネ：ベートーヴェンの第５交響曲による滑稽な弦楽四重奏曲
　バイエルン放送響の首席チェリストでチェロ・アンサンブルやソロ小品の編曲、普及に情熱を傾けるトーマス＝ミフネの手によるパロディ版《運命》。冒頭から「運命の動機」が３回奏されたり、《レオノーレ第３番》のテーマが現れたり、不協和音を繰り返したり、一つのパートが暴走して勝手に長いソロを作ってしまったりと大いに楽しませてくれます。

2.チャーリー・チャップリン：ライムライトのテーマ
　チャップリンの名作「ライムライト」のテーマを第２ヴァイオリン、ヴィオラの伴奏に乗り、第１ヴァイオリンの感情豊かなメロディ、チェロの深みのある合いの手が美しい曲です。

3.ショスタコーヴィチ：アレグレット（バレエ《黄金時代》から）
　ショスタコーヴィチのバレエ《黄金時代》の中でも作曲者自身がとても気に入っていた《ポルカ》（作曲者自身のピアノ編曲も有るほど）をピツィカートの響きを中心に繰り広げるユーモラスな曲です。

4.ラフマニノフ／Thorp編曲：ヴォカリーズ
　言わずと知れた「名曲」。弦楽四重奏用編曲で切なさが倍増した感のあります。

5.ペーター・ハイドリッヒ：ハッピー・バースデイ変奏曲（弦楽四重奏のための変奏曲）
　1.主題
　2.変奏曲I　バッハ-4声コラール風
　　まず最初はバッハのコラールに似せて作られた変奏。
　3.変奏曲II　ハイドン-弦楽四重奏曲op.76-3風
　　《皇帝》の第３楽章との見事な融合。
　4.変奏曲III　モーツァルト-《不協和音》四重奏曲K.465風
　　第２楽章の最後の部分との掛け合わせ。
　5.変奏曲IV　ベートーヴェン-弦楽四重奏曲op.59-2風
　　《ラズモフスキー第２番》第３楽章との組み合わせ。
　6.変奏曲V　シューマン-弦楽四重奏曲op.41-3風
　　第２楽章冒頭との融合。
　7.変奏曲VI　ブラームス-弦楽六重奏曲op.18風
　　第１楽章との融合。
　8.変奏曲VII　ワーグナー-G.アブラハムによる弦楽四重奏版ジークフリート牧歌風
　9.変奏曲VIII　ドヴォルザーク-弦楽四重奏曲op.96風
　　第１楽章の冒頭のヴィオラ・ソロがそっくりそのまま『ハッピー・バ−スデイ』に入れ替っています。
　10.変奏曲IX　レーガー-弦楽四重奏曲op.109風
　11.変奏曲X　ウィーン音楽風
　　ポルカやワルツのリズムに乗って「ハッピー・バースデイ」のメロディが楽しく踊ります。
　12.変奏曲XI　映画音楽風
　　弱音器をつけ、物悲しげに一昔前の映画のワンシーンを想起させる曲です。
　13.変奏曲XII　ジャズ風
　　ジョプリン風のラグタイムのリズムによる変奏。
　14.変奏曲XIII　タンゴ風
　　今流行のタンゴのリズムによる変奏。
　15.変奏曲XIV　ハンガリー音楽風
　　ハンガリーのジプシー音楽のリズムに乗って加速していき、盛り上げた所で全曲
を閉じます。