職人歌合 平凡社ライブラリー

網野善彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582767636
ISBN 10 : 458276763X
フォーマット
出版社
発行年月
2012年05月
日本
追加情報
:
238p 15cm(A6)

内容詳細

たとえば、番匠と鍛冶、壁塗と桧皮葺、あるいは医師と陰陽師、巫女と博打…、道々の者らが番(つがい)となって、歌を作り、その優劣を競い合う―日本の中世には、そんな趣向で、絵をもそなえた、数種の「職人歌合」がある。乏しい史料のうちに非農業民の世界を掘り出しながら、稲作・農業偏重の日本史像を根底からとらえなおした網野史学のエッセンスが、この特異な史料を中心軸に、平易に語りだされる。新鮮な問いにあふれた中世世界。

目次 : 第1講(研究の現状/ 職人歌合とはなにか/ 日本の職能民の歴史/ 職人歌合の構造―和歌と図像)/ 第2講(職人歌合の前期・後期/ 文献に現われる職能民/ 変貌する職人像―博打・遊女/ 賤視されはじめた職人―非人・河原者)/ 第3講(烏帽子姿―職人の地位の象徴/ 職能民としての女性―聖なる性/ 変化する図像―賎視の徴表/ 近世へ―職人尽絵と洛中洛外図/ 残された課題)

【著者紹介】
網野善彦 : 1928年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は日本中世史。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授などを務めた。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 壱萬弐仟縁 さん

    職人、職能民のように、平民と違い、特異能力をもち、生業としている人びと(12ページ)。現代では後継者不足という難題を抱えている。「ざえ」(才)は職能民の鍵語(35ページ)。サボりマンは油を売るというが、その油売の絵が描いてある(71ページ)。手づくり精油なのだな、当時は。餅は餅屋の餅売(75ページ)。専門性への尊敬。金融は出挙(96ページ〜)。164ページにはマツコデラックス氏のような方を女性の借上に抱きかかえられている絵。飢えてなさそうだ(密か笑)。多彩な職人がおられたことが、絵の説明と共に理解できる。

  • 邑尾端子 さん

    図書館の和歌のコーナーに配架されていたが、内容は歌合や和歌そのものの解説ではなく、歌合の出演者から日本の職業観の変遷を読み解こうという趣旨の一冊。遊女や白拍子はかつては女系で世襲される職能集団、職人であったが、後に男性の女衒に管理される売春婦へと変わっていった。その画期は14世紀頃であった。という話など、『日本の歴史を読みなおす』などで語られてきた網野史観を振り返るような内容。セミナー資料だから当然かもしれないが、網野氏の著書を読んだことのある人には多分に既視感のある内容かと。

  • nisico さん

    非常に明快かつ批評的に、簡潔に中古における「職人」についてまとめられている良本。職人歌合から見られる職人の系譜をその始まりから辿り、どういった変遷を行ってきたかだけでなく、図像学や古文書学にも切り込み、最後に近代、日本人の文化論までまとめられている。

  • ねぎとろ さん

    内容は歌の分析ではなくて、画の分析といった感じ。日本中世における職人の独特なあり方は、アニミズムの影響を残す下部構造と、中国から輸入した高度な制度の折衷による。また非人が差別されていったのは、それまで穢れを清める聖別された職業だったのが、天皇権力の低下によって、穢れに触れる=けがれた存在へと変化していったためではないか、という議論が興味深かった。他にも転換点としての十四世紀、被差別民と鎌倉仏教とか、重要論点頻出で面白く読めた。

  • effe さん

    再読。13世紀までの遊女の地位と14世紀以降のそれが異なり、穢多などの職能差別もまた14世紀以降に強まる。 それの理由までは解き明かしてはくれないけど、非常に面白かった。

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人物・団体紹介

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網野善彦

1928‐2004年。東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高等学校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、同大学経済学部特任教授を歴任。日本中世史を中心に列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家

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