基本情報
内容詳細
たとえば、番匠と鍛冶、壁塗と桧皮葺、あるいは医師と陰陽師、巫女と博打…、道々の者らが番(つがい)となって、歌を作り、その優劣を競い合う―日本の中世には、そんな趣向で、絵をもそなえた、数種の「職人歌合」がある。乏しい史料のうちに非農業民の世界を掘り出しながら、稲作・農業偏重の日本史像を根底からとらえなおした網野史学のエッセンスが、この特異な史料を中心軸に、平易に語りだされる。新鮮な問いにあふれた中世世界。
目次 : 第1講(研究の現状/ 職人歌合とはなにか/ 日本の職能民の歴史/ 職人歌合の構造―和歌と図像)/ 第2講(職人歌合の前期・後期/ 文献に現われる職能民/ 変貌する職人像―博打・遊女/ 賤視されはじめた職人―非人・河原者)/ 第3講(烏帽子姿―職人の地位の象徴/ 職能民としての女性―聖なる性/ 変化する図像―賎視の徴表/ 近世へ―職人尽絵と洛中洛外図/ 残された課題)
【著者紹介】
網野善彦 : 1928年生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は日本中世史。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授などを務めた。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
網野善彦
1928‐2004年。東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高等学校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、同大学経済学部特任教授を歴任。日本中世史を中心に列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家
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