Tropicalia: A Brazilian Revolution In Sound

数多くの素晴らしい作品をリリースし、世界的にも絶大な信頼を得ているSoul Jazz Recordsから、一連のブラジル・シリーズ『The Sexual Life of The Savages』(BRSJ112)、『As Mercenarias』(BRSJ117)に続いて、またもや注目の音源が登場です。ジルベルト・ジル、カエターノ、ガル、ジョルジ・ベン、オス・ムタンチス、トン・ゼーといったトロピカリズモ運動の中心人物を豪華収録した本作は、カエターノとジルベルト・ジルが発端となって起こった革命ともいうべきトロピカリアを当時の興奮そのままにおさめています。当時のブラジルにおけるエリート主義のMPBと呼ばれる音楽シーンを牛耳っていたナショナリスト達の偏見に対して怒ったその運動は音楽分野だけでなく、映画、演劇、詩、美術...といった分野を巻き込み既成のものを打ち壊そうというラディカルな部分と過去との断絶を図ろうとするかのような大胆で実験的な姿勢で一般的にハイ・ソサエティの音楽とされていたボサノヴァを進歩的な階級のインテリに好まれるサイケとブラジリアン･リズムが同居する音楽へと変化させた。1968年に軍事精勤の圧力でジル、カエターノが逮捕され、1967年のトロピカリズモの運動が終息するまでのわずか1年に残された軌跡がおの現在に至るまでの世界の音楽シーン（アシッドジャズ・ムーヴメントや、クラブシーンにおけるブラジリアン・ミュージック）に多大な影響を及ぼし続けているのは本当に脅威。