アルス・ポエティカ　アルメニア室内合唱団

マンスーリアン：アルス・ポエティカ
アルメニア室内合唱団

20世紀アルメニアの大詩人、イェギシェ・チャレンツ[1897-1937]の詩に基づいたマンスーリアンのア・カペラ合唱曲、世界初録音！

ECMがその活動を常にフォーカスし続けてきたアルメニアの世界的現代音楽作曲家、ティグラン・マンスーリアン[1939-　]の合唱作品の世界初録音。
　テキストに用いた詩の作者、イェギシェ・チャレンツ[1897-1937]は、グループを結成して世界各国の優れた文学作品をアルメニア語に翻訳・出版していたほか、活発な政治活動をおこなったことでも知られるアルメニアの国民的大詩人。共産主義思想に共鳴し、情熱的なボルシェビキとして国家主義者たちと戦ったチャレンツでしたが、最終的にはある詩作が「国家主義的」と見なされて投獄され、ハンガーストライキを強行して40歳で獄死することとなってしまいます。その後も、スターリン存命中は発禁処分が継続され、1953年までチャレンツの書が出版されることはありませんでした。

　今回、マンスーリアンは、チャレンツが1915年から1936年に書いた詩を用いてア・カペラの音楽を作曲。子音の豊富なアルメニア語ならではの特性を前面に押し出した美しい作品を書き上げています。
　ちなみに8トラック目の「短歌」はまさに日本の短歌にインスパイアされた5行詩で、アルメニア語でどのように響くかたいへんに興味深いところです。
　アルメニア室内合唱団は35人からなる混声合唱団。結成された2000年から首席指揮者であったムルキアンがここでも指揮を執っています。

ティグラン・マンスーリアン
Part I　３つの夜の歌
1.夜
2.インソムニア
3.不安
Part II　３つの女性の肖像
4.Your Enamel Profile
5.虹
6.マノン・レスコー
Part III　３つの秋の歌
7.風
8.短歌
9.秋の歌
10.Part IV　そして、静寂が降りてくる

　アルメニア室内合唱団
　指揮：ロベルト・ムルキアン

録音：2003年6月3日、ライヴ