プロレスデビューがまだのあなたに贈る「初めてのプロレス体験記」

2018年01月06日 (土) 08:00

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新春開催の熱い大会に初参戦。男たちの激闘に触れ、その魅力の片鱗を感じることができた「WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム」。初めての生プロレス観戦で男たちの熱い生き様を感じた筆者が贈る“初めてシリーズ”プロレス編。

プロレスの技の名前も、選手の名前も、果てはきちんとしたルールすら知らない…そんな筆者が“生観戦”で、プロレスの楽しさ、カッコよさを知ってしまった。誰にでもある“初めて”体験で得た面白さを、この体験記を通して少しでも多くのプロレス未体験者に届くよう祈らずにはいられない。

いきなりの感動、プロレスの魅力を前哨戦から感じとる


「みんなでプロレス!イッテンヨン!!」を掲げ、新春早々1月4日に東京ドームで開催された「WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム」。年明け一発目の大きな大会とあって、会場は中も外も人、人、人の山。入口前のグッズ売り場は長蛇の列、そして入口も長蛇の列。この日の東京ドームはいつもの野球やライブの時とは違う興奮に包まれていた。

以前、棚橋選手と田口選手の「新日本プロレス大作戦」発売記念イベントに取材に行った際には「プ女子」なる“プロレス女子”が大多数だったため、恐らくこの大会にも多くのプ女子が駆けつけているのだろうと勝手に想像していたのだが…いやいやいやいや。やはりそこは格闘技、観客の8〜9割方が男性だ。しか〜し!女性の皆さん、心配はご無用。中にはまるでそのままリングに立てそうないで立ちの方や、腕にタトゥーが入ったゴリゴリの外国人もいたにはいたが(「これがプロレスか!」とテンションが上がったけど)、殆どが街中で見かける“一般の方”だと思っていただければ間違いなく、怖さや入りづらさは微塵もない。場所柄で考えたら、逆にアーティストのライブの方が、熱狂的なファンたちでちょっと怖く感じるかもしれない(私はその方が怖い)。

ふむふむと感じ入りながら、早速、人混みをかき分け会場の中へ。17:00が試合開始の時刻なのだが、16:00過ぎの時点で既になかなかの人の入り。実はすでに、前哨戦として試合が始まっていたのだ。行われていたのは、1分時間差バトルロイヤル「NEW JAPAN RUMBLE」。シングルマッチからスタートして、1分毎に1選手が登場してくる時間差バトルロイヤルだ。敗れた選手から退場していき、最後まで残った選手を勝者とする戦いだというのだが、次から次へと選手がリングに上がってくるので、しばらくの間何が起こっているのかよくわからず、状況を静観。そしてこの日は垣原賢人選手が勝者となり、最後にマイクを握って挨拶をしたのだが、この挨拶がまた良かった…!

「お久しぶりです!垣原です!ガンに負けずリングに戻ってまいりました!皆さんの応援のおかげです!本当にありがとうございました!さらに今大きなケガと戦っている高山善廣選手にエールを送りたいと思います!」と自身も闘病を経てリングに復帰したことを感謝し、さらに現在闘病中の同志である高山選手への応援を客席に訴えかけ、四方にお辞儀をしてリングを後にしたのだ。

・・・おいおい、とてもカッコいいじゃないか・・・!

リング上で戦う迫力の姿から一転、この礼儀正しさ、謙虚さ、そして優しさ。なんてカッコいいのだろう。まだ前哨戦だというのに、既に感動させられた。ちょっと待て、いくらなんでも早すぎる。この調子では、帰る頃には感動でズブズブになっていることだろう(笑)。

第1試合を前にしばしの間時間が空いたので、人でいっぱいのアリーナやスタンドの様子をうかがってみる。会場の外で感じた男女比は中に入っても当然変わらず、プ女子の姿はあまり見られない。男臭さはそこまでないものの、華やかさもほぼない(会場のセットは華やかだが)。こうなると、プ女子を望む選手たちの気持ちがわからないでもない。

そして17:00、ついに戦いがスタートした。
モニターに大きくカウントダウンの数字が映し出され、共にカウントダウンの歓声。客電が落ち、煌びやかなライトと共にこの日行われるマッチがモニターで一挙紹介された。まだ試合を観ていない段階であったため、誰が人気選手なのか、どの試合の注目度が高いのか、全く勝手がわからない中であったため、歓声の大きさでその様子を窺いつつ試合開始を待った。

紹介が全て終わるとアンバサダーであるSKE48の松井珠理奈が華やかな振り袖姿でリングに登場。挨拶を「みんなでプロレス!イッテンヨン!」というコールで締め、戦いの火蓋が切って落とされた。

試合はノンストップ、第1試合から怒涛の戦いが繰り広げられる


大会の本番がスタートすると、第1試合から第9試合までノンストップで行われる。間髪入れずに試合が行われるため、観客は思い思いの時間にお手洗いや飲食のために席を立つ。ちなみに、会場内は飲食自由。ドーム内で販売されている食べ物飲み物はもちろん席に持ち込めるし、飲食しながら観戦することも可能。中にはファストフードなどの持ち込みをしている方もいたので、このあたりはスポーツ観戦ならではの雰囲気だ。

レスラーたちを迎えるリングにはスポットライト、モニターには登場選手の紹介ビデオが流れる。いやー、派手だ。潔いまでの派手な演出に、否が応にも会場の雰囲気が高まる中、第1試合「IWGPジュニアタッグ王座戦」がスタート。チャンピオンチームであるSHO&YOHからチャンピオンベルトが返還され、ゴングが鳴った。リング上部と壁にあるモニターに試合の様子が映し出されるのだが、そこに映る選手たちの激しい技の繰り出し合いとは別に行われる小競り合いからも目が離せない。技が決まりリングに打ち付けられるバシーンという音、チョップをした際の身体と身体が打ち付けあうペシッという音、そして選手たちから漏れるうめき声と気合の叫び声がドーム内にこだまする。選手たちはリング上だけに留まらず、リング脇や花道にまで戦いのフィールドを広げていく。技の名前はわからなくとも、それが決まったか決まらないかはわかる。さらにいえば、素晴らしい身体能力を駆使して繰り出される迫力が凄くて、何が何だかわからなくとも自然に盛り上がることができるのが、実に凄い。

鍛え上げられた肉体から繰り出される想定外の動き、さらにいえば最後まであきらめない屈強な心。もちろん多少のストーリーや見せ場、コミカルさも含めてのエンターテイメントであるのだろうが、“やらせ”などという言葉を吹き飛ばすほどのド迫力だ。

リング上には屈強な肉体美を誇るレスラー、笑いと歓声で沸く会場。「マジで、スゴイ」しか言葉が出ない。

そして試合は30分ほどで勝負がつく。第1試合は防衛に失敗、新たなチャンピオンが誕生したのだが、実に濃い30分だ。これがあと8試合も続くのかと思うと、これは見応えがある。ファンたちが色めき立つのを第1試合から理解できたような気がした。

飽きさせない試合形態、試合を重ねるごとに盛り上がる客席


第2試合は各60分一本勝負「NEVER無差別級6人タッグ選手権試合 ガントレットマッチ」。チャンピオンチームに対し、チャレンジャーチームは3組。2チームで通常の6人タッグマッチを行い、勝ったチームが次のチームと対戦。勝ち残ったチームが勝者となる試合形式だ。

この試合ではチャンピオンチームが最後に登場、ほぼなし崩し気味で試合がスタートする。これまで戦ってきた選手たちは休む間もない状態で、すでにリング上で這う這うの体だ。にも関わらず容赦なく切り込むチャンピオンチーム。まあそれがあるべき姿なのだと理解はしていても、どう考えてもチャンピオンチームが有利だ。そんな中、チャレンジャーチームから勝ち残っているバレッタ選手に客席から大きな歓声が飛ぶ。声援を力にバレッタ選手が見事に技を決め、この試合でも新たなチャンピオンが誕生した。

鍛え上げられた肉体と肉体のぶつかりあいは、ただ強いばかりではなく、動きがとても軽やかでしなやか。格闘技なのか、体操なのか、はたまたショーステージなのか、その“魅せる”力はハンパない。勝負は瞬く間に決まり、次から次へと選手たちが登場する。何が決め技になっているのか、正直やっぱりわからない。でも、そんなことはどうでもいいのだ。うーん、すっかり魅せられている(笑)。

続く第3試合は60分1本勝負の「スペシャルシングルマッチ」。このあたりから選手の登場がとても丁寧になり、じっくりと一人ひとりが時間をかけてリングに上がってくる。

60分1本勝負ではあるが、勝負がつけばそこで終わり。時間いっぱい戦う訳ではなく、なんとも観ていて潔い。試合を観る前は、こんなにたくさん60分1本勝負が並んでいて、一体何時に終わるんだろうと心配したのだが、選手たちの体力を考えてもさすがに1時間を戦い通すことはありえないよなあと改めて実感。

ここでは華麗な飛び技を披露して飯伏選手が勝利を収め、続く第4試合へ。60分1本勝負の「IWGPタッグ選手権試合」。チャンピオンチームは2度目の防衛線とあって、なんだか強そうだ。だが、防衛はならず、ここでも新たなチャンピオンが誕生。次いで第5試合、60分1本勝負の「NEVER無差別級選手権試合 歯医者髪切り&ノーセコンド・デスマッチ」がスタート。これはフェンス内にセコンドがおらず、場外カウントもない試合。もちろん決着はリング上のみなのだが、何が凄いかというと、試合後にリング上で勝者が敗者の髪を切るという無情な見せ場が加わっている点だ。

激しい攻防戦が繰り広げられ、客席からは技一つひとつにどよめきが起こる。15分の激闘の末、新たなチャンピオンが誕生。敗者の鈴木選手は、リング上に用意されたパイプ椅子を別のパイプ椅子でなぎ倒し、勝者の後藤選手の手からバリカンを奪い取る。そして自らの手で自身の毛を刈り込むというドラマティックな展開で最後まで魅せた。

次の第6試合までの間に2018年上半期のビッグマッチが発表。次から次へと発表される試合スケジュールの中でも特に反響が大きかったのは、今年の「G1 CLIMAX」の決勝戦。日本武道館で3連戦と発表された時の、会場のどよめきの凄さたるや。思わず鳥肌が立ってしまった。

その興奮も冷めやらぬうちに、第6試合がスタート。60分1本勝負の「IWGPジュニアヘビー級選手権試合4WAYマッチ」は、チャンピオンに対し3名のチャレンジャーが登場、4選手が同時に試合を行い、いずれかの1選手が勝利した時点で決着がつくという戦い。いわゆる4つ巴になるのかと思いきや、お互いに機を狙いながらある種協力しているかのような戦い方。3対1の戦いのようになりながらいつ終わるともしれない雰囲気の中、20分以上の戦いの末、新チャンピオンの誕生で幕となった。

こんな場外乱闘も


盛り上がりはそれまで以上、プ女子の存在が見え隠れし始めた終盤戦


第7試合は、60分1本勝負の「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」。ついに棚橋選手の登場とあって、会場からは割れんばかりのどよめきが生まれた。ゴングがなると会場からは棚橋コール。そしてここに来て初めて、プ女子の歓声や「TANAーッ!!」という叫び声が響き渡る。棚橋が着地で痛めた右ひざを執拗に攻めるジェイ・ホワイト選手。会場からは棚橋選手を応援する声が響き渡る中、満を持しての反撃開始。痛めつけられた足を引きずりながら、コーナーから飛び技を決める。両選手の動き、一挙一動に会場が反応し、手に汗握る迫力だ。この激戦を制したのは棚橋選手。会場の期待を一身に受け、4度目の防衛を守り切った。

そして試合は残すところはメインイベントの2試合となった。第8試合はダブルメインイベントの一つ目「IWGP USヘビー級選手権試合 ノーDQマッチ」、反則裁定なしのゲームだ。さすがメインイベント、会場の沸き方がハンパない。ここでも「ケニー!」というプ女子の声が聞こえる。解説席へのジャンプ、研究生たちへの攻撃、場外乱闘、カウントギリギリでリングに滑り戻る、よれよれ状態でのチョップの応酬、カメラマンからカメラを取り上げる・・・会場が期待しているであろうエンターテイメントが全て詰め込まれたような徹底した試合ぶり。ハラハラしながらも、魅せるという行為に徹底している姿から目が離せない。そして何より凄いと思ったのが、ケニー・オメガ選手への声援の方が多かったものの、会場の応援がとてもフェアなのだ。どちらの選手の攻撃にも観客はもれなく反応。もはや会場全体がリング上で行われている戦いに飲み込まれている状態だ。

互いに技の数々を繰り出すもなかなか勝負は決まらない。スリーカウントで見事勝利かと思いきや実はロープをつかんでいたり、と劇的な流れは続き、ギリギリの戦いであるが故に、勝負がなかなか決まらない。そこで意地の勝利を勝ち取ったのはケニー・オメガ選手で、棚橋選手同様に4度目の防衛に成功した。30分超えの試合に両選手ともにヨレヨレなのだが、それでも自身の足で歩いて退場するその体力と気力。凄すぎる。素晴らしい戦いに会場からの声援はますます大きくなっていった。

そしてついにラストゲーム。第9試合はダブルメインイベント2試合目「IWGPヘビー級選手権試合」、本日のメインイベントだ。9度目の防衛戦を迎えるオカダ・カズチカ選手とチャレンジャー、G1 CLIMAX27の優勝者である内藤哲也選手の“頂上決戦”だ。

リング上で、着てきた白いスーツをゆっくりと脱ぐ内藤選手。対する王者オカダ選手はそれを静かに、まるで獲物を狙う獰猛な鷲のような眼で見つめている。ゴングが鳴るとドームが割れんばかりの歓声で包まれた。両者静かに間合いを詰めていくがなかなか仕掛けない。緊張感がこちらにまで伝わってくる。大人の声援に交じり、子供の「内藤〜!」という声もチラホラ聞こえる。さすが頂上決戦だ。ここが見せ場とばかりに内藤選手がじっくりと時間をかけて会場を盛り上げ、徐々にオカダ選手を攻め上げていく。そんな内藤選手に対し、反撃に出るオカダ選手。攻防戦は続き、両者ともに満身創痍だ。どちらが勝ってもおかしくないという戦いの中、会場は二人をあおるような声援でさらに沸き立っていく。そして互いに譲らないまま25分が経過、両者からは華麗な技が繰り出されるのだが、その美しさがまるで体操の床運動のようで見惚れてしまう。互いの技が効きリング上に倒れ込んだ二人に、会場中が大きな歓声を向ける。だが、それはもはや「オカダ」なのか「内藤」なのかわからない。それほどに会場が熱気と興奮のるつぼと化している。そして30分が経過。正直、もう終わらせてあげたい、早く決めてあげてと思わずにはいられない状況の中、両者倒れ込みながらも最後の力を振り絞り技をかけあう。そしてついに、オカダ選手が9度目の防衛に成功、またもベルトを勝ち取った。

試合後、王者オカダ選手がマイクを握った。内藤選手へ「東京ドームのメインイベントでもう一回やろうぜ」と賛辞とエールを贈り、さらに新日本プロレスを盛り上げていくことを誓った。まさに絶対王者君臨といったオーラ全開の姿に会場中が魅せられていた。

最後に・・・


解説席の様子


時間を追うごとにさらなる盛り上がりを見せる怒涛の試合。観終わった後に、結構身体に力が入っていたことに気づかされる(ちょっと肩が痛くなっていた・・・笑)ほど、真剣に見入ってしまっていた。

いまだに技の名前はわからないが、選手の顔と名前は一致した。選手たちの戦い方もなんとなく理解した。それぞれの選手の登場の仕方、登場曲にそれぞれのキャラクターが表れていて、それを見ているだけでもなかなか面白かった。

なによりも選手たちの動きのキレが凄い。バネが凄い。ビジュアルはもちろんだが、その選手の戦い方や立ち居振る舞いを見ているうちに、いつの間にか推しができるような流れになっている。

見せ場に次ぐ見せ場。場外の飛び技、リング内でのせめぎ合い。試合を観る前は「演技なんでしょ?」と思っていたけど、仮にあれが全て演技だとだしたら、もはや賞レースに参加できる域だ。あれだけの激しい技の数々に耐えられるだけの肉体と、そこから盛り返してさらなる見せ場を作る気合と根性は、実に素晴らしい。究極のエンターテイメント。

今回はかなり離れた席での観戦だったにも関わらず楽しめたこの迫力の試合。ぜひ次はもっと近いところで男たちの熱い戦いを観てみたい、そう思いながら会場を後にした。

何歳になっても、どのタイミングでも新しい体験は楽しい。新たなプロレスの世界を知ってまたも得をした気分だ。プロレスデビューができていない方、2018年こそチャレンジしてみてはいかがだろうか。

開催概要


『WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム』

【開催日時】
2018年1月4日(木)

【会場】
東京ドーム

【入場料金】
ロイヤルシート(特典付=特製パイプ) 50,000円<完売>
アリーナA 22,500円(当日 23,000円)<残僅か>
アリーナB 12,500円(当日 13,000円)
1Fスタンド 9,500円(当日 10,000円)
2FスタンドA 7,500円(当日 8,000円)
2FスタンドB 4,500円(当日 5,000円)
小中高生・シニア 3,000円(当日のみ/要身分証明書)
※車椅子で観戦の方は「1Fスタンド」をお買い求めください


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