【インタビュー】WORLD WAR ME

2017年10月20日 (金) 21:00

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


 イリノイ州シカゴ出身の5人組、ワールド・ウォー・ミーが、デビュー・アルバム『ワールド・ウォー・ミー』を完成させた。「俺の世界大戦」というアルバム名が示す通り、フロントマンのスティーヴン・クライペルが自分自身と闘った経験を語るリアルな歌が詰まった作品で、パンキッシュでダイナミックなロック・サウンドと、究極にポップでキャッチーなメロディーが一体となった痛快なロック・ナンバーが勢揃いしている。サム41、ブリンク182、マイ・ケミカル・ロマンス等を聞いて育ったというスティーヴンが、バンドの結成からアルバムのテーマまで、正直に語ってくれた。

――バンドを結成してから、レーベル契約を結ぶまでは、大変でしたか?

スティーヴン:実は、契約を得るのは早かったんだ。2016年にバンドのメンバーが揃ったんだけど、5年半ぐらい前から一緒にこのアルバムを作曲していたニック・マシュー(ゲット・スケアードのヴォーカル兼ギター)が、SharpTone Recordsで働いてる人を知ってて、彼に俺達がレコーディングしたデモを送ったら、すごく気に入ってくれて、即、俺達と契約を結んでくれたんだよ。契約が確定したのは、2016年の半ば位だった。

――それはラッキーでしたね。

スティーヴン:俺達にニックがついてたのが、すごくラッキーだったんだよ。彼は俺と同じぐらい、このバンドの創始者なんだよ。

――デビュー前からファンベースを築くために、地元のシカゴで沢山ショウを重ねたのでしょうか?

スティーヴン:シカゴでは、何度かショウをやったよ。俺はその数年前に、ソロとしてショウをやってて、その時のファンが少しいたんだ。彼らがバンドのファンになってくれた。その後、レーベルが俺達との契約を発表したことで、ファンベースが広がったんだ。シカゴって、バンドに興味を持ってもらうのが難しい場所なんだよね。かなり頑固で批判的な人間が多いからさ(笑)。そんなシカゴでも、興味を持ってくれた人は少なからずいたけどね。俺は長い間一人で活動してたから、メンバーが入ってからは、メンバーの友人達が口コミで俺達の名前を広めて、助けてくれたよ。

――デビュー・アルバム『ワールド・ウォー・ミー』は、エネルギッシュでダイナミックでキャッチーな、素晴らしいロック・アルバムですね。このアルバムのサウンドを端的に表現するとしたら、「90年代のポップ・パンクと新世代のオルタナティヴ・ロックを掛け合わせた音楽」だと思うのですが、合ってますか?

スティーヴン:その通りだよ。日本の音楽シーンがどんな状況なのかは知らないんだけど、アメリカのラジオで主に流れてるのはヒップホップで……いや、良いヒップホップですらない、酷い音楽でさ。

――(笑)。

スティーヴン:なんで、もごもご言ってるラッパーがラジオでプレイされまくるのか、俺には理解不能なんだよ。俺は革新的な音楽には大賛成だけど、知性を欠く革新性は消費者にとって有害だと思う。俺はロックの人気を取り戻したいんだ。瀕死のジャンルって感じだからね。ロックが再びラジオで流れるようになって欲しいし、トップ40チャートにも入るようになって欲しい。(電車の音)うるさくてごめん、今から電車に乗るとこで。

――移動中なんですね、どこに行くんですか?

スティーヴン:実は、ニックの家に行くんだ。次のゲット・スケアードのアルバム用のレコーディングをしにね。俺は、こないだのゲット・スケアードのアルバムでも作曲したんだよ。

――とてもいい関係なんですね。

スティーヴン:うん。彼とは、このアルバムのレコーディングで、5ケ月ぐらい一緒に暮らしてたんだよ。本当に、親しくしてるんだ。俺が人生で出会った中で、最高にいい人の一人だね。

――いいですね。あなたのヴォーカルについてですが、エッジーで尖ってて、でも美しくもなれる声なのが魅力的です。このユニークな声は、どうやってものにしたんですか?

スティーヴン:昔から、こういう尖った声で歌ってたんだ。その理由は分からない。多分、ヴォーカリストとしてちゃんとトレーニングとか受けたことがないからじゃないかな。自然と出てくるんだよ。いつも思ってたんだけど、好き嫌いがはっきり分かれる声だと思う。大好きになってくれるか、嫌われるかのどっちかだと思うんだ。かなり変わってる声なのは自覚してるよ。時々、天使みたいな声だったら良かったのにと思うこともあるけどさ、現実はそういう声じゃないから、持ってるものでなんとかやろうとしてる。歌う時は、俺の心と魂を込めるように心がけてるよ。それがアルバムに表れているといいなと思う。

――ええ、表れてます。すごくロックな声だと思いますよ。

スティーヴン:ヴォーカルのシアトリカルな部分は、多分、マイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイとか、ザ・ユーズドのバート・マクラッケン、サム41のデリック・ウィブリーに影響を受けてると思う。子供の頃、彼らの曲ばかり聞いてたからね。自然とそれが、俺の声ににじみ出てるんだと思うよ。


――そもそも、あなたがバンドを仕事にしたいと思ったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?

スティーヴン:俺は子供の頃から音楽が大好きだった。母親が教えてくれたんだけど、小さい時は、アリス・クーパーの曲をいつも人前で歌ってたんだよ。四六時中、音楽を聞いてたし、作曲しようとしてたんだ。だから、バンドをやって曲を作るって、俺が唯一、得意なことなんだよ。他の仕事ができるとは思えない(笑)。音楽がなかったら、今頃どこにいたか分からないね。どんな職につけるか分からないから、すごくヤバい場所にいることになってた気がする。俺は昔からずっと、日常的に歌って、曲を作ってるけど、ほぼ中毒みたいなもんだよ。でも、ヘロイン中毒とかと違って、いい中毒でさ。いつだって、何かを乗り越える助けになってきたんだ。だから、バンドを始めるっていうのは、自然なことだったんだよ。

――「ブレイク・ア・レッグ・キッド」は、今作の中であなたが気に入っている曲の一つだそうですが、最高にキャッチーな曲で、歌詞には希望が感じられます。この曲はどうやって書いたんですか?

スティーヴン:「ブレイク・ア・レッグ・キッド」は、ニックが書いたギターのリフとメロディから始まった曲で、それがイントロの部分だった。それを聞いた瞬間に、俺は「当たって砕けろよ!(Bleak A Leg, Kid!)やつらはお前をめちゃくちゃにするからな」って歌詞を思いついたんだ。4、5年前、俺は短大で演劇を専攻してたんだ。舞台俳優になる勉強をしてたんだよ。楽しかった。そこでは舞台に上がる前とかに、お互いに「当たって砕けろ」って声をかけるんだ。「グッドラック」っていう意味でね。それで、これは俺達のファースト・アルバムで、デビュー・アルバムで、俺はかなり長い間活動してきたけど、このアルバムで初めて人々が俺達の曲を聞くことになるわけだから、「ブレイク・ア・レッグ、キッド!グッドラック!」っていうのはすごく適切だと思ったんだ。「やつらはお前達をめちゃくちゃにする」っていうのは、俺のことや、俺達の音楽を気に入らない人もいるかもしれないっていう不安を表してるんだ。でも、コーラスと、曲の後半で、「俺の不安なんかクソ食らえ」って言ってるんだ。自信のなさがどうした、誰がなんと言おうと俺は自分の信じることをやり続けるってことなんだよ。それで、最高の結果が得られることを願うけど、そうならなくても、信じることをやったことになるからね。「これが今のお前の人生なんだから、思いっきりやれよ」っていう曲なんだ。

――「リヴ・ウィズ・アワセルヴ」も気分が高揚する素晴らしい曲だと思いますが、この曲についても教えて下さい。

スティーヴン:この曲も俺が気に入ってる曲なんだけど、今まで質問されたことがなかったんだ。ありがとう。気に入ってくれて嬉しいよ。この曲は、俺が酒を飲み過ぎてた時のことで、朝11時から深夜1時まで飲んでたんだ。今でも酒は飲むけど、昔よりよくなったと思う。だから、アルコール依存症というよりは、その当時俺が経験してた苦難が問題だったと思うんだ。そのダークな時期に書いた曲だよ。「時計を見たら/ちょうど狂気を15分過ぎたところ」っていうのは、俺がバーで時間をチェックしてる時のことで。視界がぼやけてて、どれだけ自分が泥酔してるか気づいて、そのことを憎んでさ。アルコール中毒のせいで、俺は人々を傷つけてた。本当に沢山、酷いことをやった。盗んだり、浮気したり、嘘ついたり、酷い人間だった。そういうことをしてしまった上で、どうやって生きて行くのか、どう前進するかを歌ってるんだ。そして、最後のコーラスで「俺たちは俺たち同士でどうやって生きていくのか」って歌ってるんだけど、それは俺が当時つき合ってた人達、そういう酷い行ないを俺に勧めた人達のことを言ってるんだ。どうやったらそれと共に生きて行けるか、そもそも俺はこのグループの中にいたいのか? それが俺には分かってなかった。そういうことを歌った曲だよ。俺は神を信じてる人間じゃないけど、もし神がいたら、俺は地獄に行くことになってたよ(笑)。当時の経験の記憶は全てぼやけてるから、ちゃんと説明するのは難しい。俺がその時経験していたこと、それから俺が考えてたことを、ありのままに語ることはできないんだ。でも、曲を聞き返すことで、その時経験してたことが何だったのか、理解できるんだよね。

――「ワールド・ウォー・ミー」という曲から、バンド名を取ったんですよね?

スティーヴン:そうだよ、バンド名はあの曲から来てる。そしてあの曲は、俺自身が世界で、俺が自分と闘ってるっていう意味なんだ。


――このバンド名を見て、あなた方のことを政治的なバンドかと勘違いする人もいるのではないかと思いますが、アルバムの歌詞は、全てが非常にパーソナルな内容ですよね。

スティーヴン:俺は、何に関しても政治的なスタンスはとらないんだ。それは、政治を理解してる人達に任せるよ。政治について全く教養がないのに、意見を言う人達を大勢見てきてるからね。俺は政治を学んだこともないし、よく知らないから、それについては語らない。でも、政治的な曲だって解釈する人達を批判はしないし、好きなように解釈してくれって言うよ。皆が、彼らなりの意味を曲から受け取ってくれることは、すごく気に入ってるんだ。

――でも、このアルバムを通してあなたが伝えたいメッセージがあるとしたら、何になりますか?

スティーヴン:メッセージは、変わり者でも、人と違っていても、大丈夫だ。他の人が賛成してくれないかもしれない感情を抱いていてもいい、アウトサイダーでもいい、ってことだと思う。なぜなら世の中には、君と同じように変わってて、混乱してて、不安を抱えてる人間がいるから。それって、俺のことだけどね。どんなことを経験していたって、君は一人じゃない。誰も、一人じゃないんだ。世の中にはいつだって、君と同じように大変な経験をしてる奴がいるものなんだよ。このアルバムは、それを乗り切って生きられるっていうことの証なんだ。

取材・文:鈴木美穂
Photo by Bryce Hall




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