【インタビュー】Michael Kaneko『Westbound EP』

2017年10月20日 (金) 18:00

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ローチケHMV - 邦楽・K-POP

南カリフォルニア育ちのシンガーソングライター Michael Kaneko が、遂にデビューEP『Westbound EP』を origami PRODUCTIONS からリリースする。フジロック、サマソニなどの大型フェスは、既に出演済。音楽ファンには既によく知られた存在だし、それどころか Panasonic “ふだんプレミアム” シリーズ(西島秀俊出演)の CM をはじめ、数多くの CM で起用されたその歌唱は、音楽ファンでなくても聴いたことがあるほど、多くの耳に浸透している。正式リリース前の段階で、これ程までにその歌声を浸透させたアーティストは他にいないだろう。にもかかわらず、Michael Kaneko という人物像に関しては未だ謎なままだ。今回は、実際に Michael Kaneko に会いに行き、デビューEPの事はもちろん、彼のこれまでの生い立ちや音楽的な嗜好に至るまで、色々と伺った。歌詞のセンシティブな印象よりも、人懐っこい笑顔で、今こういう形で音楽活動が出来る事が嬉しくてしようがないといった風情の、青年がそこにいた。

インタビュー・文:松井剛(ローチケHMVニュース)


--- 今年はフジロックに出演、既に昨年の時点ではサマソニ、朝霧Jam、TAICO CLUB に出演してたり、Kan Sano の作品に参加してたりで、いわゆる音楽好きの人達の中での Michael Kaneko の注目度って相当高いと思うんですよね。僕もそうですけど「Michael Kaneko まだリリースしないのかな〜?」って。

やっとって感じですよ、ほんとに。

--- 結果としてしっかり注目を集めた中でのリリースになったわけで、凄い状況は良いですよね。

僕も origami PRODUCTIONS に所属してすぐの頃は、出来るだけ早く自分の作品を作って、人に知ってもらいたいって思ってたんですよ。でも事務所からは「待て!」って言われてて(笑)。だから僕としては「何で出せねーんだよ!」っていう気持ちが正直なところでした。でも、今になってみるとやっぱりその「待て!」を聞いて良かったと思ってます。こんなシチュエーションでファーストをリリースする人ってなかなかいないし、本当に感謝の気持ちしかないです。

--- これだけ注目されているのに、Michael Kaneko がどんな人なのかっていう事に関しては、あまりフォーカスされてこなかったように思うんですよ。なので今回のインタビューでは、そういう部分にまで伺えればと思ってます。

よろしくお願いします。

「自分は白人だと思ってた」南カリフォルニアで過ごした少年時代


--- まず、マイケルというファーストネームのため誤解しがちですが、生粋の日本人なんですよね?

日本人です。

--- 4歳から15歳まで南カリフォルニアで育ったとか。

そうです。4歳の時からアメリカにいるので、自分は白人だと思ってたくらい感覚的にはアメリカ人でした。自分が日本人だっていうアイデンティティは、完全に無かったですね。日本語も家で親とちょっとだけ話す程度でした。

--- そもそもアメリカに移住したきっかけはご両親だったんですよね?「子供にアメリカの教育を受けさせたい」って。

そうですね。親には感謝してます。普通は仕事の転勤で行く事が多いと思うんですけど、僕のお父さんは変わってて、仕事無いのに行っちゃったんですよ。環境がいいからって(笑)。うちの親はヒッピーなんですよね。僕は大学も出てるんですけど、一度も「就職しなさい」なんて言われたことなくて。僕の音楽を100%サポートしてくれてます。

--- 住んでいたのは、オレンジカウンティですよね。LA と同じ様に多人種が混在するカルチャーなんですか。

市によりますね。金持ちエリアは白人が多いけど、その隣町は看板とかも全部スペイン語だったり。友達にメキシコ人も多かったですし。

--- その中のアジア人ってどんな立ち位置だったんですか?

やっぱり白人社会なんですよね、アメリカって。カリフォルニアはリベラルな場所なので、差別っていうものは無いんです。それでも、日常を生きていく中で、差別とまでは言わないちょっとした事を感じる事はありました。テレビを見てても、アジア人のヒーローっていないんですよね。アメリカに住んでるアジア人にとって、「この人みたいになりたい」っていうアジア人のモデルがいないんです。だからこそ、凄くマイノリティー感があるというか。音楽に興味はあったけど、そこまで夢中にならなかったのは、「アジア人でもミュージシャンになれる」っていう可能性さえ感じていなかったんですよね。

--- 自分はアメリカ人なのか?日本人なのか?そういう自身のアイデンティティ的な部分に対して悩むことは無かったですか。

めちゃめちゃあります。15歳の時に日本に帰ってきて、最初はカルチャーショックも受けるし、日本語もそこまでちゃんと喋れないから大変で。日本の高校に通いながらも、「俺はアメリカ人だ。近い将来絶対に日本から出ていくんだ。」と思いながら過ごしてました。大学3年の時にアメリカに行った時は「やっとアメリカに行けた」みたいな気分でした。ところが実際に行ってみたら「アメリカ合わない...」ってなってて(笑)。

--- それは何故だったんですか?

日本の高校に通いながらずっと「自分はアメリカ人だ」って言い聞かせてたんですけど、その間にどれだけ日本人になっていたかっていう事に気付かされたんですよね。「俺、アメリカ人じゃないんだ...」って。

ギターを本格的に始めるきっかけとなった母の言葉とは?


--- 初めてギターを手にしたのは、いくつくらいの時だったんですか?

14歳の時ですね。兄貴がアコースティックギターを持ってたんで触らせてもらって。日本に帰ってくる1年くらい前に、ジャック・ジョンソンが好きになって、弾いたりしてましたね。でもその当時は、ただ遊びでやってた程度で。本格的に始めたのは日本に帰って来てからですね。

--- 本格的に始めたきっかけは何だったんですか?

日本に帰ってきてカルチャーショックでうつ病みたいな感じになったんですよね。それでずっと続けていたサッカーもやめちゃって。その時にお母さんから「何かに夢中なティーンエイジャーになりなさい」って言われたんです。それでエレキギターを習う事にしたのが始まりですね。そしたら凄いハマっちゃって。ブルースに夢中になっちゃったって感じです。ジミヘンのカバーバンドとかをずっとやってました。歌は大学に入ってアコースティックギターを弾くようになってから。でも人前で歌う事は無かったですね。

--- 活動を続ける中、origami PRODUCTIONS とはどのように出会ったんですか?

音楽活動を続けて来て「もうダメかな...」って沈んでた時に、オーストラリアのチェット・フェイカーのライブを観に行ったんです。その時のオープニングアクトが mabanua さんだったんですよね。それで検索して origami PRODUCTIONS を知ったんです。他のアーティストの活動も洋楽っぽくていいレーベルだなって。それで「返事なんて来ないだろうな」と思いながらもレーベルのオフィシャルフェイスブックにメッセージを送ったのが始まりです。そしたら直ぐに「凄くいいね」って返事が返ってきて。それから少しずつ仕事を貰ったり、アーティストのオープニングアクトをやらせて貰うようになりました。

「Westbound」新しい世界を見つけに


--- 出会いが2015年で約2年くらいですかね?ようやくEPがリリースされるわけですが、『Westbound EP』というタイトルには、どのような意味を込めたのでしょう?

海外では「西に行く」っていうのは「新しい世界を見つけに行く」っていう意味があるんです。僕自身、今まさに "ジャーニーの始まり" なんですよね。初アルバムをリリースして、これからどういう世界にたどり着くかわからないけど旅に出る。Westbound は、そういう今の自分に相応しい言葉だと思いました。それに僕は将来的には海外で活動していきたいと思ってるんです。アジアももちろんなんですけどヨーロッパも。だから「西洋に行くぞ」みたいな気持ちも込められています。

--- やはり海外での活動は考えているんですね。

僕は、小さい頃からアメリカを見てきて「アジア人がアメリカで成功するのは難しい」って事を嫌っていうほど感じてるんです。だから可能性すら感じていなかった。でも日本で活動を始めて、いいチームが出来て、段階を踏んでいけば可能性はゼロではないんじゃないかって思えるようになったんです。今は、西洋でもアジア人の文化に対してオープンになってきていると思うし、20年前とは状況も違いますよね。

--- 今回収録される楽曲は、いつ頃作られたものが多いですか?

結構バラバラで、リード曲『Lost In This City』は、実は一番古い曲だったりします。

--- 訳詞を読ませてもらったのですが、Michaelさんの繊細さが表れているというか。

そう。実は心はダークなんです(笑)。悩みまくってます。

--- 先の見えない不安だったり、人生に苦悶している様子、それから孤独が歌われていると思うのですが、曲が生まれるのはどういう時ですか?

すごく落ち込んでいる時、それから悲しい気持ちの時にしか曲は生まれないですね。だから、曲調はハッピーだとしても、歌詞の内容的にハッピーな曲はあまり無いかもしれないです。

--- でもアンハッピーにも聴こえないですよね?むしろ、そういう事に負けないように自分自身を鼓舞しているように聴こえる。

まさにそうだと思います。

--- だから、楽曲全体から漂うムードは決してネガティブではなくて、ポジティブなものになっていると思います。

そうですね。自然と自分自身に元気を与えようとして書いているかもしれないですね。意識してはいないけれど、書いたらこうなっている感じです。

--- 楽曲にポジティブな印象を与えている要素は、もう一つあって、それは Michaelさんのハートフルな声、歌唱だと思います。歌う事で気を付けている事やこだわっている事はありますか?

歌に関しては... 僕は今までボイトレも行った事無かったんですよね。最近ようやく行き始めたんですけど。自分は、どこかで「シンガーではない」と思ってるんです。ギターが無いと歌えないので(笑)。だからシンガーと言われると、凄く違和感があって。やはりシンガーソングライターがしっくりきますね。

初レコーディングは緊張と勉強の連続?


--- origami PRODUCTIONS の面々に演奏面でバックアップして貰ってるのも、曲の良さを最大限に引き出しているように思います。

origami PRODUCTIONS に入ってから、凄くいい環境にいるなって思ってて。プロデューサーとしての参加ももちろんなんですけど、普段から音楽的にテクニカルなアドバイスをもらったり。僕は全然トラックとかは作れなかったんですけど、そういうアドバイスのおかげで出来るようになって、今回の作品は、家でプリプロ作るところまで自分でやってからレコーディングに臨みました。

--- レコーディングの雰囲気はどのような感じでしたか?

僕は初レコーディングだったので、正直ピリピリしてましたね(笑)。

--- そうなんですね。音源からはむしろリラックスした印象を受けるので。

それは、origami PRODUCTIONS のメンバーがいたからでしょうね。

--- 今作の中で特に気に入っている曲はありますか?

個人的に一番気に入っているのは「Flooded」です。一番これからやりたいスタイルに近いんですよね。壮大で、アデルっぽくて。この曲は自分でプロデュースまでしてて、結構こだわったんです。何度もやり直して、納得できるところまで詰めて。そういう点で思い入れはあります。

Michael Kaneko のルーツは?そして今後の目標とは?


--- Michaelさんが一番影響を受けたアーティストっていうと、誰になるんですか?

一番影響を受けているのは、ジョン・メイヤーかな。ギタリストであり、シンガーソングライターじゃないですか。それは僕の目指すところですね。

--- ジョン・メイヤーの音楽とはどのように出会ったんですか?

ブルースを好きになると、いろんなギタリストを知りたくなるじゃないですか?そうやって探している中で、ジョン・メイヤーがやってるブルースのトリオに出会ったんですよね。「今でもこんな人いるんだ!」っていう感じでジョン・メイヤーの事が好きになって。しかも検索したらシンガーソングライターで、全然違うジャンルの曲をやってるじゃないですか?それでハマりましたね。ジョン・メイヤーの音楽に出会った事がきっかけで「僕も曲を書きたいな、歌いたいな」って思うようになったんです。

--- そこがベースなんですね。

あとは両親の影響で聴いていたルーツミュージックですね。今ってブラックミュージックと言えば、ヒップホップとかソウルじゃないですか?でも僕にとってのブラックミュージックはブルースなんですよね。ブルースと言えばクラシックロックじゃないですか?ストーンズだったりツェッペリンだったり。そこが僕のファンデーションになっていると思います。今、日本ではブルース・ロック系のブラックミュージックは少ないですよね?だからこそ自分の中の、そういう要素はどんどん出していきたいと思いますね。

--- 今後どのような活動をしていきたいと考えていますか?

やっぱりフルアルバムを出したいですね。曲もあるし。それに日本のフェスは全部出たい(笑)。僕活動を始めた時に「2年以内に GREENROOM FESTIVAL に出る」っていう目標を立てたんですよ。それが去年(2016年)に叶って凄く感動したんですね。「次の目標は何か?」って考えていた時に、FUJI ROCK FESTIVAL '17 に出演して、実際に行くのも初めてだったんですけど「これこそフェスだな」って感じたんです。だから次の目標はメインステージ、「2年以内に FIELD OF HEAVEN に絶対出たい」って思ってます。

--- FIELD OF HEAVEN の雰囲気は、Michaelさんの音楽性にもぴったりですよね。フジロックでは、他のアーティストのライブとかも観れました?

日帰りだったんですけど夜まで遊びましたね。THE XX、GALLANT、FATHER JOHN MISTY...

--- FATHER JOHN MISTY 最高でしたよね。

元々好きで音源も聴いてたんですけど、観た後ドハマりして。2月にまた来ますよね。それも絶対に行こうと思ってます。彼のバンドも最高ですよね。そうだ、バックステージで Josh Tillman と写真撮ったんですよ。


背が多分195センチくらいあるんすよ(笑)。超カッコイイ。デモ音源のCD渡したら「デザイン凄くいいねー」って言ってくれました(笑)。

--- SoundCloud には、今作に入っていない楽曲のデモもたくさんあるじゃないですか?フルアルバムも、そう遠くはないんじゃないかと。

僕自身も、デモ音源のまま終わらせたくないと思っている楽曲がたくさんあるんですよ。「これがこの曲の本当の姿だ」っていう風に出していきたいですね。

--- 楽しみにしてます。ありがとうございました。

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ローチケHMV-邦楽・K-POP|2017年08月25日 (金) 18:00



作品情報


Michael Kaneko
『Westbound EP』
2017年10月25日(水)
¥1,200(+tax)

少しだけ人と違う人生の中で、自らを癒すべく弾いたギターと歌。リリースという形で提示せず、ライブ、ネット、メディアを使い縦横無尽 に声を届け続けた。独特の倍音と憂いを帯びたその声は、いつしか5,000万人以上の人々に。デビュー前に大型フェスを総なめにし、国内どころかすでに世界中で話題。カリフォルニア育ちの日本人シンガーソングライター Michael Kaneko、遂にデビューEP をリリース。


<収録曲>
1. Lost In This City
Co-produced by mabanua
Drums & All Other Instruments- mabanua
Bass- Shingo Suzuki
Guitar- Michael Kaneko
Recorded & Mixed by yasu2000

2. Flooded
Drums- Junpei Kamiya
Bass- Naoto Tada
Guitar & All Other Instruments- Michael Kaneko
Recorded & Mixed by yasu2000

3. Separate Seasons
Co-produced by Shingo Sekiguchi
Drums- Junpei Kamiya
Bass- Naoto Tada
Keyboards- Kan Sano
E.guitar, Organ- Shingo Sekiguchi
A.guitar- Michael Kaneko
Recorded & Mixed by yasu2000

4. Cracks In The Ceiling
Co-produced by Shingo Suzuki
Drums, Percussion- mabanua
Bass, Organ- Shingo Suzuki
Guitar- Michael Kaneko
Recorded by yasu2000
Mixed by Shingo Suzuki

5. It Takes Two
Drums- Junpei Kamiya
Bass- Naoto Tada
Keyboards- Kan Sano
Guitar- Michael Kaneko
Recorded & Mixed by Masato Fujishiro

All Songs Written & Produced by Michael Kaneko
All Songs Mastered by yasu2000(big turtle STUDIOS)
Art Direction & Design by Sachiko Yamada (GLOWZ)
Photography by Takateru Yamada (GLOWZ)

ご予約はこちら

Westbound EP

CD特典

Westbound EP

Michael Kaneko

価格(税込) : ¥1,296

発売日: 2017年10月25日

【先着特典】CD (アルバム未収録 新曲1曲収録)



ライブ情報


Westbound EP Release Party
2017年11月24日(金) 東京・代官山LOOP
open 19:00 / start 19:45
adv. ¥3,300 (+drink ¥600) / door ¥4,000 (+drink ¥600)

Westbound EP TOUR 2017
<愛知公演>
2017年11月18日(土) 刈谷 Cafe Nation
open 18:00 / start 19:00
adv. ¥3,000 (+drink) / adv. ¥3,500 (+drink)

<大阪公演>
Magical Echo 2017 fall
2017年11月19日(日) shinsaibashi SUNHALL
open 17:00 / start 17:30
adv. ¥3,400 (+drink)
Kan Sano / 七尾旅人 / Michael Kaneko / 中村佳穂

<熊本公演>
2017年12月8日(金) Thought whole living store
open 19:00 / start 20:00
adv. ¥2,500 (+drink) / door ¥3,000 (+drink)

<福岡公演>
2017年12月9日(土) 大名 brick
open 19:00 / start 20:00
adv. ¥2,000 (+drink) / door ¥2,500 (+drink)

<長崎公演>
2017年12月10日(日) Ohana Cafe
open 19:00 / start 20:00
adv. ¥2,500 (+drink) / door ¥3,000 (+drink)



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