【インタビュー】KADAVAR

2017年10月05日 (木) 21:45

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


 ドイツのベルリン出身のサイケデリック/ヘヴィ・ロック・トリオ、KADAVARが4作目のアルバム「ROUGH TIMES」を発表した。前作「BERLIN」(2015年)は日本未発売だったので、本邦再デビューということになる。昔ながらの機材と録音方法に拘ったこの新作について、ギターとヴォーカルを兼任するルーパス・リンデマンが語ってくれた。

――「BERLIN」発表後の活動はいかがでしたか?

  ルーパス・リンデマン(以下L):あのアルバムが2015年の8月に出てすぐにツアーに出て、ヨーロッパで長いツアーをしたし、北米と南米でもツアーをしたから、アルバムのリリース後はほぼ3ヵ月続けてツアーをしていたよ。そして1年半の間、殆どいつもツアーをしていて、それからスタジオに戻って新しいアルバムを書いたんだ。

――「ABRA KADAVAR」(2013年)発表後、ベーシストの交代がありました。マムートが脱退してシモーン“ドラゴン”ボウトループが加わりました。マムートの脱退理由とドラゴンが参加した経緯を教えてください。

L:マムートはバンドを本業とは考えていなかったんだ。彼はバーをやっていたし父親になったばかりでもあり、やらなくてはいけないことが沢山あった。だから彼はバンドを辞めることにしたんだよ。ドラゴンはいつも俺達と一緒にいた。俺達の運転手だったんだよ。それで、マムートが辞めた日に俺達は彼に電話をかけて、バンドに入ってベースを弾かないかと訊いたら、イエスという答えだったんで、それ以来彼は俺達のベース・プレイヤーだ。彼はAQUA NEBULA OSCILLATORというバンドにいた。パリ出身のバンドだ。


――今回が初取材ですので、基本的なこともお聞きします。KADAVAR結成時にどういう刺激を得たのでしょうか? BLACK SABBATH、PENTAGRAM、HAWKWIND、LUCIFER'S FRIEND、EPITAPH、SECOND LIFE、初期SCORPIONSといったバンド名が以前のアルバム発表の際のプレス・リリースに影響源として書かれていたように記憶しています。

L:ああ、彼らからは間違いなく影響を受けているよ。俺達のレコード・コレクションの大きな部分を占めているしね。だが、結成時の理由も動機も特に思い出せないんだ。ただ集まってジャミングを始めただけだったと思う。タイガー(バーテルト/ds)は既にスタジオを用意してあって、テープに録音することが出来たし、古くてヴィンテージなサウンドの機材も持っていた。だから、俺達はそういったレコードで聴いてきた古い音がどうやって録られていたのかと考えたんだ。どうしてBLACK SABBATHはBLACK SABBATHのように聞こえるのか。どうして古いSCORPIONSのレコードはそういう風に聞こえるのか。そうやって考えていって、自分達のスタジオがあったから、いつもあれこれやってみることが出来たね。

 唯一俺達が決めていたのは、モダンなストーナー・ロック・バンドみたいに聞こえるようなことはやらない、それだけだった。ビッグなプロダクションやスーパー・ファットなギターやラウドさは不要だった。俺達はルーツに戻りたかった。3ピースでのライヴ録音だ。あれこれ2年ほどやっているうちに興味深い旅に出るようになったという感じだ。

――あなたはどういうきっかけで音楽が好きになったのでしょうか?

L:俺はドイツの中心地から離れた村で育ったんだけど、10歳か11歳の時にMETALLICAのコンサートに生まれて初めて行って、そしてメタルに夢中になったんだ。そして、IRON MAIDENやMETALLICAなどメタルなら何でも好きになったんだよ。METALLICAのコンサートは祖父からの誕生日プレゼントだった。11歳の誕生日に祖父はシュトゥットガルトで開かれるフェスティヴァルのチケットを2枚買ってくれて、一緒に車で行った。あれは決定的な瞬間だったよ。何千人、何万人がいたか知らないけれど、ステージの上にいるバンドを観て、俺は完全に虜になってしまった。その後ハード・ロックやパンク・ロック、ウェスト・コーストものを聴いていた。俺はかなり長い間パンク・ロックに夢中になっていたね。THE DAMNEDとかね。その後、ベルリンに引っ越して、KADAVARの前のバンドに入ったところ、そのメンバーが俺が見たこともないほど膨大なレコード・コレクションを持っていた。彼は俺より20歳以上も年上だったから俺の指導教官みたいな存在になって、俺に沢山のレコードを教えてくれた。MAGMAやGONGなどサイケデリックなもの、プログレッシヴなものを沢山教えてもらった。HAWKWINDも。彼のお陰で俺はプログレッシヴでサイケデリックなものに夢中になった。それ以来、俺もそういうのをやりたいとずっと思っていたが、ぴったりの仲間を見つけられないままでいたところ、ある晩あの2人が現われた。タイガーとマムートが。その後のことは、知ってのとおりだよ。(笑)

――では、新作の話を。幕開け曲の“Rough Times”をアルバム・タイトルにした理由は?

L:俺達は今、ラフな(波乱の、荒れた)時代に生きているからだよ。少なくともここヨーロッパでは。物事は急速に変化しているし、団結したヨーロッパという夢が、どの国も門戸を開いていて、全員で平和に暮らしていけて、互いを尊敬し合って、という状態が危機に瀕している。少なくとも俺が育った時にはそういった状態が当たり前だったし、民主主義に疑問を抱いたことも一度もなかった。だが、今はヨーロッパで変化が起こり、アメリカでも変化が起こり、世界中のどこでも変化が起こっている。俺達はゆっくりとラフ・タイムズに入りつつあると俺は思う。だから、このレコードのタイトルに相応しいと思った。そうするのに適切な時機だと思ったのさ。


――アートワークは顔の部分が骸骨になった少年の絵画です。これにはアルバム・タイトルと関連はありますか?

L:ああ。俺がどこかで見つけて、カリフォルニアのアーティストの作品だったので、連絡して俺達のレコード・カヴァーに使いたいと申し出た。それから俺達はアルバムを書き始めた。これが俺達のレコードのカヴァーになるというのを念頭に置いてね。凄く強烈な絵だし、本当にこのレコードの一部になった。レコードを完成させてから探したものじゃない。今回、この絵が最初にあって、そこから音楽が生まれたんだ。

 この少年は胸に傷痕があって、まるで誰かが心臓を取ってしまったように俺には思えた。そして、プールかどこかで日光浴をしているようにも見えた。それが俺達の世代に完璧に合っていると思ったね。俺達はずっと太陽の光を浴びて生きていた。何もかもが良好で、必要なものは何でも楽に手に入った。だが同時に、俺達の周りでは色々なことが起こり、今の俺達の生き方が危機に瀕しているというのに、俺達はあまりにも怠惰で愚かだからそれに気付いていない。今の生き方が近いうちに終わるかもしれないのは、俺達自身が理由だ。何故なら俺達が今の生き方を守るために戦わないから。だから、少年の顔が骸骨に変わりつつある。何もしないことによって、自分を破滅させているからだよ。それが、このアルバムの考え方だ。

――“Skeleton Blues”もアートワークに関連がありそうですね。

L:ああ、ある意味でね。“Skeleton Blues”は、起きてニュースや新聞をチェックしたら、あまりにも沢山の情報が流れ込んで来るから、適切なフィルターを通さないと、何が起こっているのか、さっぱり判らなくなるという曲だよ。何が正しくて何が間違っているのか、それさえ判らないんだからね。そして、それによって、引き裂かれるような気分になる。どちらの方向に進んだらいいか決められないからだ。左に行くべきか、右に行くべきか、先に進むべきか、後退するべきか…。そして、その感覚に、ある意味、狂わされるんだよ。さっき言ったように引き裂かれるような気分になって、骨格だけが残されたように感じる。身体が破裂してしまったように。何故なら、今のヨーロッパでは、未来も過去も判らなくなって、何もかもが今は物凄い速度で過ぎていくから、ここで生き残るための一番良いやり方は、骸骨になることなのかもしれない。

――“You Found The Best In Me”はサイケデリックな印象ですね。この曲については?

L:俺はどちらかというと、ニール・ヤングの「HARVEST」辺りを思い出すかな。そして、そこから俺達はちょっとジャミングをしたんだ。これは俺達が一緒に書いた曲だよ。他の2人は、このレコードには合わないと言ったけれど、俺は、そんなことはないと言ったんだ。他の2人はあまり満足していなかったものを持ち帰って2日ほど色々やってみたよ。最終的には、俺がガールフレンドについて書いた曲になった。ツアー中には、時には2ヵ月ぐらい離れていることもあるけれど、それでも本当に好きな相手と繋がっていると感じられるからね。その歌詞を読んでみて、凄く強力だと思ったんで、他のパートも2人に聴かせてレコーディングしてみたら、2人とも「ああ、これはこのレコードに入れるのにぴったりだ、このレコードのあの場所に入れるのにぴったりだ」と賛成してくれたんだ。それで、もう一度アルバム用にレコーディングをして、ここに入れたんだよ。

――新作発表後の予定を聞かせてください。

L:まず(9月)10日後からツアーを始めるよ。6〜7週間の予定でね。その後、クリスマス頃にも短いツアーをやって、それから来年になったら南米やロシアなど沢山の国に行く。日本に行ってショウをやれたら最高だと思う。

取材・文:奥野高久/BURRN!
Photo by Elizaveta Porodina



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