【インタビュー】BELPHEGOR / Helmuth

2017年10月02日 (月) 22:15

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


ベルフェゴールの往くところ、待っているのは闇と死だ。オーストリアのザルツブルクといえばモーツァルトを生んだ音楽の都として知られるが、彼らは脳天をかち割るブラックンド・デス・メタルで世界を蹂躙してきた。
彼らの最新アルバム『トーテンリチュアル〜屍骸典礼(しがいてんれい)』は、さらに多くの犠牲者を出すことになるだろう。より激しく、速く、儀式色を増した音楽には、我々をレミングのように崖っぷちからダイヴさせるマジックがある。
バンドのギタリストでありヴォーカリスト、ヘルムートが下す魔の啓示を聞け!

──ベルフェゴールというバンドの基本理念を教えて下さい。

ヘルムート:規律なく生きる者は、名誉なく死ぬことになる。心を開け放つ者は混沌に連れ去られるんだ。俺は常にサタン/ルシファーを誇り高く崇高な存在として描写してきた。自らの意志で行動し、反逆者として独自の道を歩み、愚民どもを嘲笑う。ただ、俺は自分を無神論者で虚無主義者(ニヒリスト)だと考えている。ベルフェゴールの曲のアイディアは、あらゆるところからインスピレーションを得るんだ。オカルトや怪奇現象、降霊術、食人、連続殺人者...ホラーを描いた本や映画からも触発されている。ダークでアンチ、非服従なものだったら何でも俺の注意を捉えるよ。現実はあらゆるフィクションよりはるかに異常なものだということを、俺は人生で学んできたんだ。


──『トーテンリチュアル〜屍骸典礼』はどんなアルバムだと説明しますか?

ヘルムート:俺たちが目標としたのは、ベルフェゴール史上最もブルータルでヘヴィな作品にすることだった。ドラムスは爆裂しながら、同時にブレイクやフィル、テンポ・チェンジなどのテクニカルな要素もある。ベースは道路を突き進むパンツァー戦車のようだ。リズム・ギターは攻撃的で悪魔的でもある。それに加えて、俺のヴォーカルは今までで最も多彩で質の高いものだと思う。グラウル、グラント、スクリーム、スポークン・ワード、チャント、祈祷共唱までがある。このアルバムは我々が過去にやったことすべての限界を超えているし、誇りにしている。誰もが聴かねばならないアルバムだ。

──アルバムの音楽性でこだわったのはどんな箇所でしょうか?

ヘルムート:俺たちは常に“死のメタル”をプレイしてきたし、ブラック・メタルからの影響も強い。それと同時に俺たちはリフ重視のバンドでもあり、俺の中に浮かぶ音世界をサウンドにする。『トーテンリチュアル』はベルフェゴールの2017年を完璧に描写した作品だ。我々は特定の方程式に囚われることなく、常に新しいスタジオや新しいプロデューサー、スタッフなどを起用することで炎を燃やし続ける。停滞は憎むべきものだ。俺たちのmusick(music+sickの合成語、また黒魔術magickとかけた語句)にはさまざまな新しい要素があって、それを発見するには何度も聴き込む必要があるかも知れない。『トーテンリチュアル』は我々の作品で最も凶悪なものだよ。

──アルバムでどんな新しい要素を取り入れていますか?

ヘルムート:「死兆星を抱きて」は『トーテンリチュアル』で音楽的に最も実験的な曲で、俺は誇りにしている。あらゆる影響を加えたデス/ブラック・メタル・オペラであり、エクストリームなサウンドの爆発となって次の「屍骸典礼」に雪崩れ込んでいく。真のマジックだ。それ以外にもアルバム全体でアコースティック・ギターや祈祷共唱、チャントなど、いろんな試みをしている。それと、チューニングをさらに下げたことだな。

──チューニングはどれぐらい下げたのですか?

ヘルムート:『Lucifer Incestus』(2003)の頃から1音下げでプレイしてきたけど、さらにチューン・ダウンすることにしたんだ。新たな低音のトーンはサウンドをさらにエクストリームに、音楽をより儀式的にすることになった。俺たちは常に自分自身の可能性に挑戦し続けなければならない。レコーディングや曲作りの過程、スタジオ、プロデューサー...そうすることで、顔面を直撃するような作品を作ることが出来るんだ。

──具体的なチューニングを教えて下さい。

ヘルムート:2音半下げが「屍骸崇拝〜腐敗釈義」「悪魔の末裔」「狂顕(きょうけん)の呪文」、3音下げが「邪神バフォメット」「闇の凶蛇アポフィス」「死兆星を抱きて」「猪紅熱(ちょこうねつ)〜豚権政治」「蘇る亡骸」「屍骸典礼」だ。

──歌詞はどんなことを歌っていますか?

ヘルムート:俺たちは歌詞の中で古文書や呪文・詩・詠唱を引用してきた。そうするにあたって、英語やラテン語、ドイツ語など、そのまま引用することで、原語の持つニュアンスを生かしたかったんだ。ラテン語はキリスト教の言語だ。奴らの言葉で、奴らを嘲ってやるんだよ。ドイツ語の発音もハーシュな響きがあるし、ブルータルな雰囲気を出すことが出来る。俺たちは1997年から3カ国語を使ってきたし、バンドの個性になってきたと思う。


──「悪魔の末裔」はニコロ・パガニーニ(1782-1840)を題材にしたそうですね。

ヘルムート:この曲はパガニーニの視点から書かれている。彼はイタリアのヴァイオリン奏者で、青ざめた肌をして、常に黒い服を着ていた。彼の長い手足、凄まじく速い指の動きを見た人々は、彼が悪魔と契約したと思い込んだんだ。「悪魔の末裔」は彼からインスパイアされて、速弾きギター・ソロとクラシカルなアレンジを施している。

──「闇の凶蛇アポフィス」は古代エジプト神話の蛇神アポフィス(アポペ)を題材にしていますが、どのように表現していますか?

ヘルムート:アポフィスは闇と混沌の支配者であり、無敵の黒龍だ。彼はドラゴンや蛇の姿をしていて、彼の目をずっと見ていると死に至る。彼は古代エジプト神話の女神ネイトの唾液から生まれ、太陽神ラーの最古の敵だといわれる。この高貴なる曲のヴォーカルは、4つの異なる言語で歌われている。歌詞の一部はトート神の古文書から古代エジプトの言語で歌われているんだ。俺はエジプトを3回訪れていて、ギザのプラミッドの中に入ったり(メキシコの太陽のピラミッドに上ったのと同じ感動があった)、王家の谷、ルクソールにも行った。カイロ博物館でツタンカーメンのミイラと黄金の仮面も見たし、自分が何を言っているかは判っているよ。


──「邪神バフォメット」について教えて下さい。

ヘルムート:バフォメットはサバトの山羊であり、神聖なる両性具有の絶対権力者、崇高なる山羊神だ。この歌詞はまた、生命の二面性についてでもある。男女、生死、火と水、人間と魔物、愛憎とかね。さらに規律と自由、他人に指図されることなく“独りで”自分の道を進んでいくことを描いている。孤独というのは純粋なものなんだ。俺は普段、山の中に一人で住んでいる。パーティー・ライフに身を置いたら、またアルコールとかで身体と精神を滅ぼすことになるからな。

──「猪紅熱(ちょこうねつ)〜豚権政治」ではどんなことを歌っていますか?

ヘルムート:教会の偽善と腐敗についてだ。この曲はアルバムでも最もエクストリームだよ。

──アルバムのレコーディング・ラインアップについて教えて下さい。

ヘルムート:『トーテンリチュアル』のラインアップは歴代最強だし、誇りに出来る作品になった。アルバムでは俺がすべてのギター・パートを弾いている。ただ、ライヴでは経験豊富なセッション・ギタリストを参加させることになる。セルペント(ベース)はベルフェゴールの活動で忙しくないときはタトゥー・アーティストをやっているんだ。こないだブラッドハマー(ドラムス)のお腹にバンドのロゴを彫ったばかりだよ。ドイツのモンスター・ドラマーであるブラッドハマーには、それだけベルフェゴールに対する熱意があるということだ。彼は100%のメタルヘッドだし、ダイナミックでテクニカルなスタイルを持っている。彼をパーマネント・メンバーとして迎えることが出来て嬉しいよ。ブラッドハマーが加わったことで、バンドはさらなるエクストリームの境地に達することが出来た。すべてがよりブルータル、より魔力的になり、ベルフェゴールが結成当初から目指していたサウンドが遂に実現したんだ。

──ベルフェゴールは現代のデス・メタル/ブラック・メタル・シーンにおいてどのような位置を占めると考えていますか?

ヘルムート:シーンなんて俺の知ったことではない。好きなものは支持して、嫌いなものは無視するだけだ。好きでもないクソに割く時間などない。エクストリーム・ミュージックは癒やしのためでなく血をたぎらせ、鼓動を駆け巡らせ、反逆の魂を燃やし、精神に衝撃を与えるためにある。ベルフェゴールは『トーテンリチュアル』で世界の進軍を続けるだろう。

──再来日を楽しみにしています!

ヘルムート:ベルフェゴールの儀式は、悪魔の舞踏会だ。血や骨、感情、緊張感、すべてが本物なんだ。我々のステージは単なるメタル・コンサートではない。イントロが鳴り響き、お香の匂いを嗅いだ瞬間、俺の精神は別の次元へと転生していく。ベルフェゴールがステージ上にいる1時間、俺の精神は肉体を離れ、魔物に身を委ねる。観客がクレイジーでワイルドになって魔王ルキフェルを讃えると、射精しそうになるほどだ。それこそがマジックであり、俺にとって最も重要なことだ。ベルフェゴールは常にサウンドを次のレベルへと昇華させ、ブルータルな正統の儀式を提供する。観客が200人だろうが2万人だろうが関係ない。俺たちの儀式は常に新しい挑戦なんだ。

取材・文:山崎智之
Photo by Seth Siro Anton


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