フジロック17 編集部が観たベストアクト15選

2017年08月04日 (金) 18:00

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雨の多い3日間となった今年のフジロック。来場者にとってはタフな環境となったが、そういう条件の時こそ奇跡は起こり、後に "伝説" として語られるもの。フジロック17は間違いなくそういう年になったはずだ。エイフェックスツインを筆頭に、様々なアーティストがこの瞬間にしか感じ得ない特別な時間を運んでくれた。前夜祭も含め全日程に参加したローチケHMVニュース編集部が、勝手ながら今年のベストアクト15組を選出させて頂いた。「ベストアクトが15組って全然選べていないじゃないか!」とツッコミを受けそうだが、まったくその通り。観たアクトほとんど全てに感動してしまったので、書きたくなってしまったのだ。

ともあれ「FUJI ROCK FESTIVAL '17」。最高に楽しかったです。

※ ライブ写真は随時追加します

APHEX TWIN
7月29日(土) GREEN STAGE


終日、雨模様となったフジロック2日目。そのタフな1日を締め括るべく登場したエイフェックスツイン。フジロックには、2000年に RICHARD D.JAMES(aka Aphex Twin) & DJ GRANT 名義での出演はあるものの、エイフェックスツイン名義では、あの伝説の第一回、終始犬小屋に籠ってパフォーマンスするという破天荒ステージ以来20年ぶりだ。過去の来日でステージ上に姿を見せなかった前科があるだけに、その辺にも注目が集まったが、今回は最初から普通にいる...。

何よりも注目が集まった、サウンドはもうバキバキ。暴力的で破壊的、しかしヘルプレスではない美しさに貫かれたテクノミュージックが苗場を支配する。中盤、その凶暴なサウンドに比例するかのように、強さを増す雨。そのシチュエーションの妙、ハマりっぷりが完璧過ぎて、熱量を増すオーディエンス。フェスの中で「今日、雨で良かった!」なんてまず無いはずなのだが、この時ばかりは心の底からそう思えた瞬間だった。ステージから放たれるレーザーライトも雨粒が当たってキラキラと綺麗だ。

VJも最高で、オーディエンスが映し出されると次第にそれぞれの顔が、お馴染みのあの顔に。さらに、アーティストビジュアルで見られる目の上下部分を切り取って潰したようなコラを様々な画像に適用。ゴリラズ、ビョークなどフジロック出演者たちの画像から、時の人、さらには「これはまずいでしょ(笑)」っていう有名人の画像までが、コラージュされていく様子に会場からは笑いが漏れる。

これ以上は無いと思えた轟音ビートは、ラストに向かいさらに壮絶さを増していく。全身でそのビートを浴び、豪雨の中ひたすら踊った僕らは、最後にはその壮絶さを前に踊る事も忘れ、ただ立ち尽くすばかりだったのだ。

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BJÖRK
7月30日(日) GREEN STAGE


正直なところ、僕はビョークの熱心なリスナーでは無い。というよりも僕は、ビョークの音楽にある種の難解さを感じていて、どこかで自分にはフィットしない音楽なのだと思っていた。そのどれもが僕が頭の中で勝手に作り上げたイメージでしかなかった事を痛感させられたライブだった。

僕が地球上の生き物では無いように感じていたビョークは、明らかに生身の人間だったし、僕が難解だと感じていた音楽は、理解する事が正解ではないように感じさせてくれた。

まるで呼吸をするように表現するビョークは優雅でキュートだった。

ライブ中、僕の頭に浮かぶ事柄と言えば、大地の歴史、自然への畏怖、命の営み、母親の愛、残酷さを含んだ "生きる" 事の尊さ...

どれも、根源的な事柄ばかりだ。

ビョークの音楽は、確かに常人の理解を超えたところにあるかもしれないが、根幹にあるのは決して複雑ではなくシンプルなものなのではないか?

全ての音が止まった後、僕があんなに距離を感じていたビョークの音楽が、すぐそばにあった。

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FATHER JOHN MISTY
7月28日(金) FIELD OF HEAVEN


個人的に最も楽しみにしていたのが、ファーザー・ジョン・ミスティ。フリート・フォクシーズの元ドラマーといった方が伝わりやすいだろうか?何しろ4月にリリースされたサードアルバム『Pure Comedy』が、ボブ・ディラン、ニールヤング、ジャクソン・ブラウン、トム・ウェイツ... 豊饒なアメリカンロックの系譜に位置する素晴らしい作品なのだ。

ブラック細身のセットアップスーツで登場した髭の伊達男こそ、ファーザー・ジョン・ミスティことジョシュ・ティルマン。思ったよりずっとキザでセクシーだ。

ピアノの伴奏から歌声が空気を切り拓いた「Comedy」。身振り手振りを交えながら、感情を全身で表現しながら語りかけるように歌う。ピアノ以外の楽器が加わる。そこにあるのは、シンプルな演奏とうただけだ。普遍である事の美しさよ。至福の時が訪れる。

ヘブンのあのナチュラルでオーガニック、ピースフルな雰囲気にもぴったりだ。美しいファルセットが暮れかけた空に溶けていく。

ラスト弾き語りから始まった「Holy Shit」は、ブレイクを挟みバンド演奏が加わると高揚感が生まれる。森に囲まれた会場が圧倒的な感動と多幸感に包まれた。

終演後、オーディエンスから口々に聞こえる「すげーもん観たな」。全く同感だ。

RON SEXSMITH
7月30日(日) GREEN STAGE


ロン・セクスミスは、僕にとってモスト・フェイバリットではないけれどオールタイム・フェイバリット、そんなアーティストだ。彼が紡ぎ出す繊細な言葉とメロディーは、いつだって聴く者に寄り添い「こんなクソな毎日も意外と悪くないな」と思わせてくれる。

この日の歌唱もそうだ。頬に当たるこの雨だって「意外と悪くないな」と言うよりもむしろ「心地良いじゃないか」と思わせてくれた。

4月にリリースされた新作『The Last Rider』の1曲目「It Won’t Last For Long」で幕を開けた3日目のグリーンステージ。その歌に引き寄せられるように、オーディエンスが徐々にステージ前に集まってくる様もフェスならではの素敵な光景だ。

新作からはもちろん「Secret Heart」など95年の名曲も。演奏前にはその曲の説明なども添えながら1曲1曲丁寧に歌われるうた。彼の人柄の良さがそのまんま表れたような楽曲たちが、日曜朝の僕らに幸せな気分を運んでくれた。

RHYE
7月28日(金) FIELD OF HEAVEN


グリーンステージでは、ゴリラズが演奏を控えるその時刻、ヘブンに集った好事家オーディエンスたち。彼らは、結果的にものすごいステージを目撃する事になる。多少時間がずれていたため、ライを少し観てからゴリラズを観に行こう、あるいはレッドマーキーのサンファを観に行こうなどと考えていた人もいるのではないだろうか?しかし、ライのステージはそれを許さなかった。その場から決して離れられないスペシャルな音がそこには溢れていたのだ。

ボーカリスト、マイク・ミロシュの歌声は評判以上に美しく、1曲目「Verse」でその甘美な歌声が空中に漏れた瞬間、会場全体が異世界に導かれるよう。温度感のある演奏は音源で聴くよりもずっとフィジカルで感情的だ。ライブで聴くと彼らの音楽が、ソウル・R&Bをルーツに持っている事がよく解る。品の良い打ち込みビート、室内楽のように静謐なアレンジ、白昼夢のようなアンビエント感覚。スローだけど確実に、観客を高揚させていく。

終盤に、マイクの指示でステージ上の明かりが最小限まで抑えられると、観客も一層その美しい音だけの世界に吸い込まれる。この体験は言葉では形容しがたい。終演後、未だその夢から覚めず余韻に浸る観客が大勢いた事が、この場所で起こった奇跡的な時間を物語っていた。

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LORDE
7月30日(日) GREEN STAGE


3日目の夕刻、グリーンステージに黒のドレッシーな衣装にアディダスで登場したロード。この日のライブの中で僕が特別に感動したのは中盤以降、ステージの縁に腰掛けたロードの長いMCからだ。

そのMCでは、自分の事、楽曲の事、そして孤独について、正直に語られた。そして、そのまま座って聴かせたバラード曲「Liability」の素晴らしさ。フジロック17の中でも、かなり重要なハイライトの一つと言える場面だったと思う。何と正直でピュアな歌なんだろうか。

彼女の歌には、彼女の20年の人生が全部詰まっていて、それを今このステージに立てる喜びに乗せて全力で表現しているのだ。そんなステージ上の彼女を見ているだけで、何故だか涙がこぼれてきた。

終盤には、スニーカーを脱ぎステージから降り、オーディエンスと同じ目線で歌うロード。強靭なダンスビートで歌われるラストチューン「Green Light」が鳴った時、もはや会場は一つだった。

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BONOBO(Live)
7月30日(日) WHITE STAGE


音楽好きが今回のラインナップ発表の時点で興奮を隠しきれなかった(Live)の文字。ボノボのバンドセットでのライブが遂に日本で実現するのだ。予定時刻の5分ほど前、僕がホワイトステージに到着した頃には、後方までいっぱいの観客で埋め尽くされていて少々あせった。

今年1月にリリースされた新作『Migration』の1曲目「Migration」で幕を開けたライブは、女性シンガー Szjedene も加わり、ゆっくりとメランコリックで美しく静謐な世界が構築されていく。小雨が降り注ぐ中、内省的でセンスの良いビートに酔いしれる。

中盤以降、ビートが強調されると、フロアにはさっきまでとは別の外向きの熱が生まれる。グルーヴの中で踊る。前方では、肩車をされて踊っているオーディエンスもいる。様々なオーディエンスが、同じビートを様々な形で感じて踊る様は圧巻だ。この瞬間もまたフジロック17のハイライトの一つと言えるだろう。

来年2月には、バンドセットでの初単独来日公演も決定しているボノボ。更なる興奮と感動が期待される。

ヤシの木フラミンゴ(never young beach)
7月30日(日) 苗場食堂


タイムテーブルに配置されたヤシの木フラミンゴという謎のバンド。それでも2月に PAELLAS のリリースツアーに出演していたりで、カンの良い人は気付いていたその正体はネバヤンだったのだ。あるインタビューによると、ヤシの木フラミンゴはバンド名の候補だったとか。

前日のレッドマーキーは、テントの外まで人で溢れかえる程の人気っぷりだったので、こういう形でしか規模の小さい苗場食堂には出演出来なかったのだろう。見逃した人は残念。彼らがそうまでして苗場食堂に出演したかった理由は、2年前彼らとフジロックの歴史がこのステージから始まっている事が関係しているはずだ。

「夏がそうさせた」からスタートしたライブは比較的、初期曲多めのセットリスト。こうやって小さいステージで、もみくちゃになって踊るネバヤンはやっぱり最高だ。全体があり得ないくらいのテンションになって、メンバーも演奏しながら観客にダイブする始末。

彼らの出自がインディーバンドである事、小さなライブハウスである事を感じさせる。やっぱりこれだと。

今年メジャーデビューを果たした never young beach は、今後もっともっと大きくなっていくべきバンドだ。来年グリーンステージに出演してたって何の不思議もないくらい。でも、彼らがどんなメジャーバンドになったとしても、このインディー感は絶対に消えないだろう。そう感じさせてくれるライブだった。

アンコールを求められ、歌った曲は2年前と同じく「恋は桃色」。細野晴臣が73年に発表した名曲だ。そんな彼らが敬愛する細野晴臣と今やレーベルメイト(SPEEDSTAR RECORDS)となったネバヤン。2年前、誰がこんな未来を想像しただろうか。改めてストーリーのあるバンドだと思う。

PUNPEE
7月29日(土) WHITE STAGE


これまでに、トラックメイカーとして、フィーチャリングラッパーとして、数々のクラシックを叩き出し、その存在感を示してきた "板橋のダメ兄貴" こと PUNPEE。長年待たれたソロアルバムも9月に決定した彼が、2010年のデイドリーミング出演(PSGとして)から一気に飛び級、ホワイトステージに登場した。

雨という悪条件の中、ホワイトステージはパンパンの大入り。登場した PUNPEE は、2013年 同ステージに出演した際のケンドリック・ラマーを想起させる、ビニールの雨ガッパ姿だ。ニクい演出に思わずニヤリとしてしまう。

加山雄三の名曲「お嫁においで」大胆リミックスした「お嫁においで 2015」で幕を開けた、PUNPEEショウ。「夜を使いはたして」などのクラシックを決めつつ、Seiho と制作中だというチューンなど次々に投下されていく。

先日のリンキン・パークのフロントマン、チェスター・ベニントンの訃報に心を痛めたのは、オルタナ世代である彼も同様。代表曲「Numb」をサンプリングしてラップしたのは彼らしい追悼だ。

雰囲気をガラリと変えて、BECK「Loser」、レッチリ「Scar Tissue」、オアシス「Wonderwall」という、フジロックにちなんだ大ネタをサンプリングしてのフリースタイルでは、フジロッカーをニヤリとさせるキーワードを随所に盛り込み、オーディエンスを盛り上げる。彼らしいエンターテイナーっぷりを発揮した。

さらに、同級生 GAPPER と実弟 5lack も登場。このステージでの PSG に、オーディエンスも沸きに沸いた。

「日本語のラップでこの状況はヤベーよ」

5lack が漏らしたこの言葉にこの日のステージは象徴されるだろう。MCバトルが一つのブームになった昨今ではあるけれど、それとは別の形で日本のヒップホップの歴史が更新される予感がしたのだ。

PUNPEE が最後につぶやいた一言。「オレはこんな髪型だしメガネだし取っつきやすいと思うけど、ヒップホップのシーンには、もっとカッコイイやついっぱいいるから。誰と誰が仲悪いとかそういうのも見えやすい世界なんで、ヒップホップいろいろ聴いてみて下さい」それは、彼のヒップホップ愛であり、偽らざる本音だろう。

パフォーマンスを終え一旦はけるも「ありがとうが言い足りねえ!」と戻ってきた PUNPEE のいい奴っぷりも印象的に映った。

Yogee New Waves
7月28日(金) FIELD OF HEAVEN


現行のインディーシーンを語る上で絶対に外すことの出来ないキーマン、その第一人者的な存在である Yogee New Waves が初日朝一のヘブンに登場。彼ら自身、希望していたステージでの出演に気分が良いのか、リハの時点で「最高になりそうだな」と予感させるいい音を鳴らしていた。気合は乗っているけど、余計な力が入っていなくて開放感のある音なのだ。

1曲目は「Megumi no Amen」。うたの通り、それまで曇り模様で持ちこたえていた空からポツリポツリと...「あー、ヨギー調子よすぎて降らせちゃったなぁ」と思っていたのだけれど、小雨はその一時だけ。"外は晴れたようだ 曇り空はもう逃げた" と歌う「World is Mine」演奏時には、遠くに晴れ間も見えた程だ。

さらに「Dreamin' Boy」でのエモーショナルな歌唱が感動的に空に突き抜けて、サイケデリックに酔わせる「HOW DO YOU FEEL?」で夢見心地になった僕らを待っていたのは真夏の青空でした。っていう出来過ぎた話。

小沢健二
7月29日(土) PYRAMID GARDEN


ピラミッド・ガーデンは、フジロックのメインとなるステージエリアとは真逆のキャンプサイトエリア最奥に位置する小規模ステージだ。CandleJUNE が空間演出を手掛けており、幻想的でとても温もりのある雰囲気が特徴的。ステージには何十本ものキャンドルが配置されている。ステージの高さも比較的観客に近い目線なので、ステージ前方の観客はみな座りで、ゆったりとした音楽を楽しむ。

そんな特別な空間での小沢健二のライブは、ホワイトステージでの好演とは全く別の、穏やかで距離感の近いものとなった。

1曲目は、以前から "やる" と宣言していた「天使たちのシーン」。東京スカパラダイスオーケストラの NARGO との共演だ。リラックスした雰囲気と、アコースティックギター、ドラムマシーン、トランペットだけのシンプルな演奏。楽曲の素晴らしさ、小沢健二のシンガーソングライターとしての魅力に改めて気付かされる。

MCでは、美術館で行っているライブ同様、このステージでのライブも「モノローグ」という朗読パートも用意されている事が伝えられる。ただ、会場は小雨。観客の体調を気遣い「モノローグは無しで早めに切り上げた方がいい」か確認する場面も見られた。もちろん観客の答えは「大丈夫!」。モノローグは誰しもにとって身近な「休み」をテーマに語られ、そのウィットに富んだ多面的な内容は興味深く、聴く者ひとりひとりに何かを残したはずだ。

セットリストは、「ぼくらが旅に出る理由」「それはちょっと」「ドアをノックするのは誰だ」「流星ビバップ」「いちょう並木のセレナーデ」「天気読み」など90年代を過ごした僕らにとって血肉になっているような曲たちに、「飛行する君と僕のために」「神秘的」「流動体について」といった新曲たち。

終演後のピラミッドガーデンには、ホワイトステージとは違った種類の「幸福の余韻」が拡がっていた事は言うまでもない。

サニーデイ・サービス
7月28日(金) FIELD OF HEAVEN


直前までの激しく降っていた雨もあがり、曇り空の中スタートしたサニーデイのライブ。曽我部恵一も「なんか雨あがっちゃうんだよね」と一言。そう、サニーデイはそういうバンドだ。

「さよなら!街の恋人たち」のバンドサウンドで幕を開けた今回のライブ。「恋におちたら」「江ノ島」など初期の楽曲から、「I'm a boy」「苺畑でつかまえて」といった新しいナンバーが並列に披露されていく。

圧巻だったのは、ラッパーの C.O.S.A. と KID FRESINO の登場で沸いた最新曲「街角のファンク」、そしてサニーデイ史上最強のライブチューン「セツナ」のエモーショナルな展開。さらに沸きに沸いた観客をチルアウトさせる「白い恋人」、畳みかける「サマー・ソルジャー」、とろけるような夏の2曲にみんなもうヤラれっぱなし。

「サニーデイのライブはいつだって僕らに夢見させてくれる」

改めてそう感じさせる素敵な時間だった。

'74ネングミ
7月28日(金) PYRAMID GARDEN


出演アーティスト発表の際に、何となくカンが働いて検索をかけた「'74ネングミ」。ヒットした1件のツイートには、#TOSHI-LOW #ハナレグミ のハッシュタグ。「これは行ってみる価値がありそうだ」と向かったピラミッドガーデン。予想通り、'74ネングミは、ブラフマン TOSHI-LOW とハナレグミのユニットだった。

ハナレグミの「音タイム」でスタートしたこの日の演奏。さながら普段僕らが観る事の叶わない、アーティスト同士のプライベートセッションみたいで、とてもいい雰囲気だ。

ザ ディラン II「プカプカ」、ゆらゆら帝国「空洞です」、BO GUMBOS「トンネル抜けて」といった名曲たちが、二人のうたとアコースティックギターでゆっくりと丁寧に演奏される。さらに、二人のリラックスしたトークも相まって、全然進行しない(笑)。

なんだか、二人の隠しきれぬ人柄の良さが演奏ににじみ出てしまっている。

アコースティックで歌われる BRAHMAN「鼎の問」には、バンド演奏と違った新しい命が与えられたよう。本当にうたの純粋な良さが飾りなくシンプルに伝わってくるのだ。

さらに、the HIATUS としてホワイトステージに出演していた細美武士が飛び入り参戦。エリック・クラプトン「ワンダフル・トゥナイト」、ボブ・マーリー「リデンプション・ソング」が、ハナレグミ・細美という日本を代表する "いい声" で歌われる。

ハナレグミ「光と影」、TOSHI-LOW がファルセットで歌うニールヤング「Only Love Can Break Your Heart」も素敵だ。

結局ゆるゆるとしたその時間は予定していた終了時刻 深夜1:00を大幅に超え、1:45に憂歌団「嫌んなった」でフィニッシュ。みな至福の余韻に浸りながら、それぞれの寝床へ向かうのだった。

CORNELIUS
7月29日(土) GREEN STAGE


定刻前、ステージ前に張られた紗幕には日食の円模様が映し出され、SEの波音に合わせ波紋が広がる。やがて、Cornelius の文字が映し出され、紗幕が落ちた所からライブは始まった。

ステージには、堀江博久、あらきゆうこ、小山田圭吾、大野由美子の4名が横一列に並ぶ。各ライブメンバーの背中には照明装置が配置され、このビジュアルだけで観客の興奮は煽られそうだ。

楽曲は「いつか / どこか」から。最新アルバム『Mellow Waves』楽曲のサウンド「やっぱり好きだな〜」と特別な肩入れをしていたら、「STAR FRUITS SURF RIDER」から「あなたがいるなら」という終盤の流れの中で、過去曲の中に最新作で僕が「好きだ」と感じた耳の中がボワっと暖かくなるような音像を見つけてしまって、帰宅後慌てて過去作を聴き直すハメになった。

10月からは『Cornelius Mellow Waves Tour 2017』がスタートする。再びこの体験が出来るチャンスが手の届く場所にある僕ら日本人はとても幸運だと思う。

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THA BLUE HERB
7月30日(日) RED MARQUEE -SUNDAY SESSION-


フジロック3日目の夜というべきか、4日目の朝と言うべきか。終盤も終盤、日曜深夜のレッドマーキー午前2時。クラブだったら最もいい時間帯と言えるかもしれないが、ここはフジロック。しかも最終日の最後から3番目という、殆どの人が3日間の壮絶なアクトに満足し、それぞれの寝床で疲れ切った体を休めている時間だ。加えて今年のフジロックは多くの雨に見舞われ、タフな3日間となった。みんな絶望的に疲れている。こんな条件で果たしてどれだけの強者が残っているのか?

深夜2時直前、レッドマーキーからは出てくる人の数よりも入っていく人の数の方が圧倒的に多い。この時間にはちょっとあり得ないくらいのオーディエンスが、THA BLUE HERB のライブを前に相当な熱量を発している。

ILL-BOSSTINO がたった一人でステージに現れ、アカペラで言葉を落としていく。気合の乗りもハンパない。DJ DYE が O.N.O. のビートをドロップする。BOSS が言う "あんたたちのうただよ"。「Ame Ni Mo Makezu」だ。

この圧巻の始まりに誰が文句を付けられようか。今この原稿を書きながら再び思い返すだけで鳥肌が立ってくる。

そこから先は、鬼気迫る表情で60分間一度も止まることなく落とされた BOSS の言葉。リリックの中の一節一節がオーディエンスを鼓舞し、ボロボロな体でこの時間のこのステージにたどり着いたオーディエンスへの賛辞が響きわたる。全力で言葉を放ち続ける BOSS だってボロボロだ。それでもなお放たれる言葉は感動的に心に刺さってくる。

時折、汗を拭いながら気合の乗った表情でビートを繋ぐ DYE のプレイにもトバされた。大勢あの場所にいた外国人も、そのプレイにはぶっ飛んだはずだ。

終盤、誰もがレッドマーキー内に特別な一体感を感じていた瞬間。それまで鬼の表情で言葉を吐き続けた BOSS が満足げな笑顔を見せた。後ろでは祝祭感あふれる開けたビートが鳴っている。8月にリリースを予定している20周年の新曲だろうか。20年間を回想したようなリリックだ。8月1日に公開されたマンスリーレポートで BOSS は新曲に関して「今までで1番良い曲になった」と語っている。「きっとこの曲の事だ」と直感的に思えた。

この素晴らしい楽曲でフィナーレを迎えるかと思えば、まだ先があった。「AND AGAIN」。Mr.BEATS aka DJ CELORY によるスムースで優しいビートがフロアを包む。BOSS の熱い言葉が最後まで観客を鼓舞する。

「フジロックの最後にこんな瞬間が待っているなんて」

演者も観客もみんな晴れ晴れとしたいい顔をしていた。"まさか" の先まであがった60分間。この瞬間を味わえて本当に良かった。

開催概要


名称:FUJI ROCK FESTIVAL'17
期間:2017年7月28日(金)、29日(土)、30日(日)
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場

来場者数:延べ 125,000人
7月27日(木) 15,000人(前夜祭)
7月28日(金) 32,000人
7月29日(土) 40,000人
7月30日(日) 38,000人

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出演アーティスト


GREEN STAGE(グリーンステージ)


7月28日(金)

GORILLAZ
THE XX
RADWIMPS
ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA (feat. 加山雄三、ELVIN BISHOP、仲井戸”CHABO”麗市、トータス松本)
RAG'N'BONE MAN
グループ魂

7月29日(土)

APHEX TWIN
CORNELIUS
THE AVALANCHES
Cocco
JAKE SHIMABUKURO
サンボマスター

7月30日(日)

BJÖRK
LORDE
YUKI
JET
LUKAS GRAHAM
RON SEXSMITH
SPECIAL GUEST:G&G Miller Orchestra plays Elvis Presley

WHITE STAGE(ホワイトステージ)


7月28日(金)

QUEENS OF THE STONE AGE
CATFISH AND THE BOTTLEMEN
the HIATUS
THE BACK HORN
TRAIN
DOCTOR PRATS

7月29日(土)

LCD SOUNDSYSTEM
小沢健二
DEATH GRIPS
CHRONIXX
10-FEET
PUNPEE
H ZETTRIO

7月30日(日)

MAJOR LAZER
ÁSGEIR
BONOBO(Live)
レキシ
トクマルシューゴ
REAL ESTATE
THE NOVEMBERS

RED MARQUEE(レッドマーキー)


7月28日(金)

SAMPHA
スチャダラパー
GALLANT
EDEN
DÉ DÉ MOUSE
DATS

PLANET GROOVE(プラネットグルーブ)※深夜枠
yahyel
ARCA DJ & JESSE KANDA AV
EVIAN CHRIST (DJ set)
CLARK
mouse on the keys

7月29日(土)

TEMPLES
THE LEMON TWIGS
never young beach
THE AMAZONS
DAY WAVE
The fin.
THE RAMONA FLOWERS

TRIBAL CIRCUS(トライバルサーカス)※深夜枠
MONDO GROSSO
A GUY CALLED GERALD (Live)
NINA KRAVIZ
TAKKYU ISHINO

7月30日(日)

THE STRYPES
GRAPEVINE
SLOWDIVE
MAGGIE ROGERS
DYGL
GUCKKASTEN
MONO NO AWARE (selected by ROOKIE A GO-GO)

SUNDAY SESSION(サンデイセッション)※深夜枠
水曜日のカンパネラ
GOLDROOM
TROYBOI
THA BLUE HERB
Licaxx
YOUR SONG IS GOOD

FIELD OF HEAVEN(フィールドオブヘブン)


7月28日(金)

RHYE
FATHER JOHN MISTY
サニーデイ・サービス
OGRE YOU ASSHOLE
原始神母
Yogee New Waves

7月29日(土)

くるり
ELVIN BISHOP
THE MARCUS KING BAND
THE GOLDEN CUPS
WESTERN CARAVAN
KYOTO JAZZ SEXTET

7月30日(日)

THUNDERCAT
TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUE
STURGILL SIMPSON
LOVE PSYCHEDELICO
T字路s
J-SQUAD

Gypsy Avalon


7月28日(金)

tio
木暮 "shake" 武彦 with Big Mountain Blue
MARTER
SAKi & the factor
アトミック・カフェ Number the.
アトミック・カフェ トーク 【津田大介・泉田裕彦・富澤タク】
Michael Kaneko
Upendra and friends plus Mr. Sunil and Sabin

7月29日(土)

Yasei Collective & THE MAKER - 伏見蛍+ナスノミツル+沼澤尚
Declan O’Donovan
名渡山 遼
アトミック・カフェ エセタイマーズ
アトミック・カフェ トーク【津田大介】
Anly
ヒグチアイ
sugar me

7月30日(日)

Codex Barbès avec Akino Arai
LITTLE CREATURES×原田郁子
Communism
アトミック・カフェ 松崎ナオ & 佐藤タイジ(シアターブルック)
アトミック・カフェ トーク【津田大介・佐藤タイジ・Special Guest】
ikanimo
DJみそしるとMCごはんのケロポン定食

THE PALACE OF WONDER


7月28日(金)

CRYSTAL PALACE TENT
ウエノコウジ
ELVIN BISHOP’S BIG FUN TRIO
黒田マナブ
THE MARCUS KING BAND
SERGIO ROTMAN (Los Fabulosos Cadillacs)
DOCTOR PRATS
DJ TXAKO (Japonicus)

PALACE ARENA
INFERNAL VARANNE'S MEGA GLOBE OF DEATH

7月29日(土)

CRYSTAL PALACE TENT
藤井悟 aka Satol.F (Caribbean Dandy)
MIMI MAURA
SOI48
T字路s
JAMES
BIG WILLIE'S BURLESQUE
井出 靖

PALACE ARENA
INFERNAL VARANNE'S MEGA GLOBE OF DEATH

7月30日(日)

CRYSTAL PALACE TENT
NAOKI IENAGA (DUB STORE RECORDS)
MATT SOUNDS
IZUMI SAWAMOTO (NUDE RESTAURANT)
竹内朋康カルテット
TAIZO
オーサカ=モノレール
DJ. JIM
THE CABARET CATS' REVUE with JVC FORCE TYO

PALACE ARENA
INFERNAL VARANNE'S MEGA GLOBE OF DEATH

苗場食堂


7月28日(金)

苗場音楽突撃隊 [池畑潤二/井上富雄/花田裕之/ヤマジカズヒデ/細海 魚/青木ケイタ/MIKUNI DOLLS(Keicot・ 角島美緒・Asami)+ 突撃人]
JOHNSONS MOTORCAR
リクオ
Western Caravan
スカート
ドミコ

7月29日(土)

苗場音楽突撃隊 [池畑潤二/井上富雄/花田裕之/ヤマジカズヒデ/細海 魚/青木ケイタ/MIKUNI DOLLS(Keicot・ 角島美緒・Asami)+ 突撃人]
トミー富岡
MORE THE MAN
義理と人情
neco眠る
Tempalay
マキタスポーツ

7月30日(日)

苗場音楽突撃隊 [池畑潤二/井上富雄/花田裕之/ヤマジカズヒデ/細海 魚/青木ケイタ/MIKUNI DOLLS(Keicot・ 角島美緒・Asami)+ 突撃人]
ヤシの木フラミンゴ
UHNELLYS
エマーソン北村
トリプルファイヤー
むぎ(猫)

木道亭


7月28日(金)

富澤タク
kirim
Belly Love
Rei

7月29日(土)

EDEN KAI
SUGEE feat.小嶋さちほ
平賀さち枝とホームカミングス

7月30日(日)

Upendra and friends
AO YOUNG new TRIO
Gotch

PYRAMID GARDEN


7月28日(金)

'74ネングミ
曽我部恵一
DJ/ZAMIANG
ASA-CHANGとタイコで遊ぼう!
DJ/M田大介
ASA-CHANG&巡礼
ヨガワークショップ/BASEWORKS

7月29日(土)

SILENT POETS
小沢健二
DJ/斎藤寿大 (Pepe California)
DJ/sunny sappa
LOVE FOR NIPPON (谷本賢一郎,青谷明日香,yae )
ヨガワークショップ/BASEWORKS

7月30日(日)

SUNIL AND SABIN
青葉市子
DJ/SHACHO(SOIL&"PIMP"SESSIONS)
SILENT POETS( DJ SET)
KENJI JAMMER+石井マサユキ+クニ杉本
ヨガワークショップ/BASEWORKS

Café de Paris


7月28日(金)

ヒカシュー
Declan O’Donovan
flOr & The VinMush
Big Willie's Burlesque

"INAI INAI BAR" produced by ALL NIGHT FUJI
AYASHIGE / BRYAN BURTON=LEWIS / DJ TASAKA / DUB SQUAD / ELLI ARAKAWA / imai (group_inou) / MAJOR FORCE / チャッカーズ

7月29日(土)

加藤登紀子
Big Willie's Burlesque
FURISON LATIN BAND with DATEGEN(BANDERAS)&TINNEN(BANDERAS)

7月30日(日)

Front Page Orchestra
戸川純 WITH VAMPILLIA
MIMI MAURA
SHAMANZ

Day Dreaming


7月28日(金)

ARTMAN a.k.a DJ K.U.D.O.
JUZU a.k.a. MOOCHY
HOBOBRAZIL

7月29日(土)


NAOKI SERIZAWA
Wata Igarashi
Mustache X

7月30日(日)

FORCE OF NATURE
DJ YOGURT
Licaxxx

Orange Café


7月28日(金)

〜ザ★音頭〜
悪名桜(AZUMI&鈴木常吉)
伊藤多喜雄(ITO TAKiO)
羊歯大明神
冨田麗香

7月29日(土)

〜トリビュート天国〜
Kenneth Andrew & the Oddities
ABBAN / ONCEMORES
まねだ聖子
桑田研究会バンド
TRIPLE KING(王様)

7月30日(日)

〜鳴るほどザワールド〜
ドブロク
Suming Rupi
Ilid Kaolo
冷牟田竜之 【MORE THE MAN】
太陽肛門スパパーン

ROOKIE A GO GO


7月28日(金)

イロハ
CHAI
ヘンショクリュウ
踊Foot Works
NENGU

7月29日(土)

バレーボウイズ
tatara
MINAKEKKE
バスクのスポーツ
落差草原 WWWW / Prairie WWWW

7月30日(日)

おとぼけビ〜バ〜
THE GURL
fornow
King Gnu
ディープファン君

GAN-BAN SQUARE


7月28日(金)

GAN-BAN NIGHT
SUGIURUMN plays MADCHESTER & ACID HOUSE CLASSICS
Monjoe & Miru from yahyel Feat. 荘子it
DAITO MANABE

7月29日(土)

GAN-BAN NIGHT
SUGIURUMN plays MADCHESTER & ACID HOUSE CLASSICS
SUNSEAKER
SHINICHI OSAWA
SUGIURUMN

7月30日(日)

GAN-BAN NIGHT
SUGIURUMN plays MADCHESTER & ACID HOUSE CLASSICS
TAKKYU ISHINO
SUNSEAKER

2016年のレポートはこちら

行ってきました!FUJI ROCK FESTIVAL '16 レポート

今年20回目を迎えたFUJI ROCK FESTIVALが7/22(金)〜24(日)の3日間、苗場スキー場で開催。国内外で活躍する人気アーティストのライブを厳選レポート。

ローチケHMV-音楽フェス|2016年08月05日 (金) 18:50

2015年のレポートはこちら

行ってきました!FUJI ROCK FESTIVAL '15 レポート

日本が世界に誇る野外フェスティバル、FUJI ROCK FESTIVAL '15が7/24(金)、7/25(土)、7/26(日)の3日間、苗場スキー場で開催。アーティストインタビュー第1弾、アップいたしました。

ローチケHMV-音楽フェス|2015年08月12日 (水) 18:00

2017年フェス最新情報はこちら

【ニュースまとめ】2017年 音楽フェス

今や邦楽・洋楽関係なく、野外・屋内共に日本全国津々浦々で開催されている音楽フェス、音楽イベントの情報をまとめてみました。

ローチケHMV-音楽フェス|2016年09月06日 (火) 15:30



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