【インタビュー】ALL THAT REMAINS / Philip Labonte

2017年05月02日 (火) 22:15

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


アメリカ東海岸マサチューセッツ州スプリングリールドを拠点とする実力派5人組ALL THAT REMAINSが、2015年発表の『THE ORDER OF THINGS』に続く8枚目のフルレンス作品『MADNESS』を完成させた。同郷のKILLSWITCH ENGAGEやSHADOWS FALLらと同じく、彼らがメタルコアの盛り上がりを力強く牽引しシーンに確たる存在感を示して以降も留まることなく音楽的進化を遂げ続け、キャッチーなメロディやメランコリックなハーモニーに弛まず洗練の手を加えてきたことはファンならばよく御存知のとおり。しかし今回、彼らはエレクトロニック・ミュージックの要素を大胆に取り入れるなど、これまで踏み込んだことのなかった領域へと野心的な一歩を踏み出している。『LOUD PARK 15』での来日直前に加わったアーロン・パトリック(b)を含む布陣で初めてレコーディングされたこのチャレンジングなアルバムについて、中心人物フィル・ラボンテ(vo)が自信と手応えたっぷりに語ってくれた。

--新作『MADNESS』は、かなりチャレンジングなアルバムですね。むろんこれまでに築き上げられてきたALL THAT REMAINSのトレードマークと言うべき要素もたくさん入っていますが、一方でこれまでには聴かれなかった新たな要素もふんだんに盛り込まれています。バンドの従来の持ち味とエレクトロニクスなどの新機軸を1枚のアルバムに同居させるにあたって、最適と思えるバランスを考えたりはしましたか?

フィル・ラボンテ(以下PL):いや、自分達の中から出てきたものをただ書いていっただけだよ。どんなアイディアでも、俺達の中から出て来るのに任せて曲にしていっただけだ。言ってみれば、そうしたアイディアが俺達に指示を出していったという感じさ。それがどういう曲になるのか、どういう結果になるのか、アイディアの方が俺達を導いていった感じだね。なにかアイディアを思い付いて、それがどういうものなのかわからない時の方がうまくいったりもするものだし。だから俺達がそうしたバランスを意識していたかどうかというのもわからない。そういうことについては特に考えていたわけじゃなかったから。俺達はただ、新しい感じに聴こえる曲、これまでとはスタイルの異なる曲、境界を押し広げようとしているように感じられる曲がいくつもできたから、それを育てたという感じなんだ。曲によっては、長くファンでいてくれている人達でさえ入り込めないと思うようなものもあるかもしれないけど……でも、俺達としては特に何かを考えていたわけじゃなかったんだ。“これは古くからのファンのための曲だ”“これはメタル・ファンのための曲だ”“これは新しいタイプの曲だからクールだ”というような判断はしなかったね。

--アルバムの幕開きを飾る「Safe House」はいろいろな要素が織り込まれたダイナミックな曲ですが、例えばこれなどはどのように書かれたものなのでしょうか?

P:この曲について俺達が話していたのは「ストレートなメタルの曲を書こう」ということだけだったよ。10代の頃、あるいは20代になった頃の俺達が書きそうな、とにかく速くてヘヴィな曲を書こうと話して、それを実行したまでさ。(笑) こういうヘヴィな曲はどのレコードにも少なくともひとつは入れてある。だからこの次に出ることになる新しいレコードにも、これくらいヘヴィなものは入ることになると思うよ。

--続くタイトル・トラックの「Madness」は叙情的なヴァースとビッグなコーラスとの対比が鮮やかな曲ですが、これについてはいかがでしょう?

PL:この曲の最初のアイディアはビートだった。誰が作ったものなのかわからないんだけど、Instagramにアップロードされていたものを聴いて、一緒に曲作りをしていたショーン(ボウ/外部ソングライターのひとり)に「こういう感じのビートが入ったものをやりたいんだ」と話してみたんだ。そしたら彼がそのビートを聴いて、プログラムしたようなものを作ってくれた。そこから先へ進んでいったんだ。“4分の6拍子のフィールが4分の4拍子のフィールに戻る”といったような、ヴァースのクールなアイディアが出て来たりしながらね。だからこれは、音楽的にはグルーヴがすべての曲だと言えるよ。


--新作のプロデュースはハワード・ベンソンが手掛けています。彼を起用するのは初めてのことですが、それについてはマネージメントの勧めもあったそうですね?

PL:特に勧められたわけではないけど、彼への最初の紹介をしてもらったんだ。そうして俺達はハワードに会いに行き、彼のスタジオも訪れた。そこですぐに“俺達が一緒に仕事をしたいのは彼だ!”とわかったよ。

--ハワードはプロデューサーであると同時にソングライターでもあります。さきほどショーンの名前が出ましたが、作曲面でもハワードの貢献はあったのでしょうか?

PL:ああ、彼もアイディアを持っていたから「こうしたらどうだ」「これはダメだ、止めておいた方がいい」という風に提案してくれたよ。だから、彼も間違いなく貢献している。

--音楽面と同じく、新作はアートワークもこれまでとは違ったイメージのものになっていますね。アルバム・カヴァーに描かれている人物の内面で燃えている建物はホワイトハウスのようにも見えますが、このイラストの意味するところというと?

PL:あれはいわば、アルバムのタイトル『MADNESS』が示すものを要約しているんだ。最近のアメリカの政治情勢は……ほとんど熱病みたいになっている。アメリカの多くの市民の間には今、何が真実なのかわからない、何を信じたらいいのかわからない、あるいはニュースを信じるべきなのか政府を信じるべきなのか考えてしまったり、またどちらも信じるべきではないと思ってしまったりするような……そういう考え方が蔓延しているようなんだ。俺自身、これからそういう風潮はもっとヒートアップしていくんじゃないかと思っている。(苦笑) 誰しもリアクションが過激になっているからね。俺には不必要なほど過敏に反応してしまっているように思えてならないよ。だから『MADNESS』なんだ。些細なことにも常軌を逸して反応するというか、すぐに我を忘れてしまうというかさ。

--そうした風潮は大統領選挙に刺激されて生まれたものなのでしょうか?

PL:いや、大統領選挙は、人々の反応ほどには大きな影響を与えちゃいないよ。選挙戦の時に示されていた反応の大きさほどにはね。俺自身、どの候補者のファンだったとも言えないし。だから歌詞は、政治へのコメントと言うよりむしろ、政治のあり方へのコメントと言えるかな。何らかの問題に対してどちらかを支持するというのではなく、全体的に、問題に対するアプローチが本当に理性を失ったものになりつつあるということだね。

--なるほど。さて、追ってツアーも始まるようですが、具体的な予定はどうです?

PL:アメリカでのツアーは5月に始まるんだ。4月にも何度かショウをやるよ。夏にはふたつのツアーをやろうという話をしているところだけど、具体的には今はまだ話せないんだ。まだちゃんと決まっていないからね。まあ、そのうちわかると思うよ。(笑)

--ちなみに、今回も来日公演の予定はありますか?

PL:そうなってほしいね。ぜひそうなってほしい。早くキミ達に会いに行きたいよ!

取材・文:山口勝正



日本盤

Madness

CD

Madness

All That Remains

価格(税込) : ¥2,700

発売日: 2017年05月05日


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