【インタビュー】ARMORED SAINT

2016年10月26日 (水) 20:00

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


結成から30年以上。ついに待望の初来日を果たしたArmored Saint。ヴォーカルのJohn BushとベースのJoey Veraに話を聞いてみた。Joeyの到着が少々遅れるということで、まずはJohnとの雑談でスタート。実はこのインタビューの前、私がトイレの個室で用を足していると、トイレ内で発声練習を始める人物がいた。ドアを開けてみると、何とJohn Bushだったのである。
John Bush(以下、B):John Bush:君さっきウンコしてたよね?

川嶋未来(以下、川嶋): え?

B:君さっきウンコしてたでしょ。

K:え、まあ、してましたが。

B:俺はいつもトイレで発声練習をやるんだよ。トイレはリバーヴが効いているからね。

K:なるほど。日本にはいつ来られたのですか。

B:昨日だよ。

K:カリフォルニアとの時差は今16時間ですか。

B:そう、16時間。息子と妻と日本に来たんだ。明日娘が来るんだよ、一人で。

K:おいくつですか?

B:11歳だよ。

K:11歳で一人で飛行機に乗るのですか!

B:そうなんだよ。彼女も、俺たちもちょっとビビってるんだけどね。彼女はどうしても出たい学校の行事があったから、遅れてくるんだ。

K:カリフォルニア-日本間はどのくらいかかるんでしたっけ。

B:日本に来るときは11時間で、帰りはもうちょっと短い。乱気流が無いと良いんだけどね。俺たちが来た時は、結構酷かったんだよ。大阪の方に台風も来てただろう。

K:今年はずっと天気が悪いんですよ。今日も雨でしょう。

B:明日も雨と聞いたよ。

ここでJoey登場。

B:どこ行ってたんだよ?Queensryche?

Joey Vera(以下、J):話すと長くなる。Queensryche見に行こうと思ったんだけど、場所がわかりゃしない。

K:ここは迷路みたいになっていますからね。

J:本当、巨大な迷路だよ!

K:では始めましょう。これはHMVのウェブサイト用のインタビューです。

J:HMVはもちろん知っているよ。

B:日本人はまだ皆CD買ってる?

K:日本は良い方だと思いますよ。

B:俺は実際に商品を手に取りたいタイプなんだよ。

J:ライナーノーツを読んだりね。

B:たとえ一度しか見ないにしても、ブックレットを見たりさ。

K:80年代にLAに行った時は、天国でしたよ。たくさんレコード屋があって、安いLPもたくさんあって。

B:今は皆無くなってしまったよ。アメーバ・レコードも閉店すると聞いている。建物自体、何だかしょうもない店に変わってしまうらしいよ。そもそもアメーバ・レコ―ドは最初ベイエリアにあったんだよね。そういえばホテルの近くでタワーレコードを見たんだけど、こっちはまだタワーレコ―ドあるの?

K:ありますよ。

B:それはクレイジーだね!LAのは無くなってしまったよ。

K:私も行ったことがあります。サンセット・ストリップでしたよね。

B:そうそう。

K:日本に来られるのは何度目ですか。

J:Armored Saintとしては初めてだけど、俺は個人的には6度目かな。JohnもAnthraxで何度か来ているし。

K:印象はいかがですか。

J:俺は日本も東京も大好きだよ。街はクレイジーだし。素晴らしいエネルギーがある。

B:日本人は他人を尊敬するよね。アメリカ人も学ぶべきだ。

J:世界中が学ぶべきだよ。

B:その通りだね。

K:今日のショウはいかがでしたか。

J:良かったと思うよ。テクニカルな問題はあったけれど。オーディエンスは素晴らしかった。温かく受け入れてくれたし。1曲目に新曲をやったのだけど、それも反応が良かった。俺たちは30年ものキャリアがあって、日本に来るのは初めてなのに、古い曲だけでなく新曲にもきちんと反応してくれて。


K:バンドが結成された頃のLAのシーンはどんな感じでしたか。当時スラッシュをやるか、ヘア・メタルをやるか、みたいな感じだったのでしょうか。

B:いや、スラッシュ・メタルはまだ誰もやっていなかったよな?Metallicaくらい?

J:当時はまだシーンは分かれていなかったよ。分かれるようになったのはもっと後だね。86年か87年くらい?ヘア・メタルにしても、L.A. GUNSやGuns N' Rosesが出てくるまでは、特に存在していなかったよ。

K:Slayerは83年にデビューしてますよね。

J:でもスラッシュが大きなシーンにはなっていなかったよ。

B:そうそう、だからMetallicaはサンフランシスコに移住したんだ。サンフランシスコにはもっとへヴィなシーンがあったからね。ExodusとかVio-lenceだっけ?

J:82年頃というと、俺の印象は多くのバンドがNWOBHMから影響を受けていた感じだった。初期のIron MaidenやMotorhead、Def Leppard、初期Saxonとかね。ヘア・メタルはまだ無かったよ。

B:当時俺たちはGreat WhiteやSteeler、RATTなんかとプレイしていたけど、彼らは皆普通のロック・バンドという印象だった。それらのバンドがビッグになってくると、ヘア・メタルというスタンプが必要になってきたんだ。だけどそれはだいぶ後になってからだよ。今日Dokkenも出てるけど、彼らも普通のロック・バンドだった。Armored Saintはあらゆるバンドと一緒にプレイしたよ。Lita Ford、Black 'n Blue、W.A.S.P.、Great WhiteにSteeler。いつも素晴らしいショウだった。俺たちは他のバンドよりも常にヘヴィだったけどね。俺たちが影響を受けたのはScorpions、Thin Lizzy、SabbathやPriestだったから。俺たちはLA出身だけれども、イギリスのバンドのような音を出したかったんだ。

K:なるほど。LAで他に似たような方向性をとっているようなバンドはいましたか。

B:俺たちはさっき挙げたようなバンドと一緒にプレイしていて違和感はなかったよ。このラインナップは微妙だな、なんて思うことはなかった。

J:当時はシーンが分かれていなかったからね。後になって分かれてしまったけど、あの頃は一つのコミュニティだった。

B:当時Perkins Parisというライブハウスでよくプレイしていてね、W.A.S.P.やRATTとかと一緒に。とてもヘヴィなショウだったよ。

J:89年には考えられないラインナップだよ。もうその頃はグラム・メタルだなんだってすっかり分かれてしまったからね。シーンはすっかり変わってしまった。



K:自分たちのスタイルはパワー・メタルだと思いますか。それとも普通にヘヴィ・メタルでしょうか。

J:ロックだよ(笑)。俺たちはキャリアを通じて何度もアイデンティティ・クライシスに遭遇した。後になって考えてみると、自分たちのアイデンティティを探していたっていうことなんだろうね。結局はただロック・バンドであろうとしていたのかもしれない。俺たちはThin Lizzyなどから影響を受けたわけだけど、Thin Lizzyなどはフォーク・ソングをやったかと思えばヘヴィな曲もある。メタルっぽい曲もあればポップな曲もある。非常に多様だろう。俺たちもそういうことをやろうとしていた。しかしシーンが細分化してくるにつれ、どこかに属している必要があると感じ始めた。結果、時にスラッシュ・メタルに接近しようと頑張りすぎたり、商業的に受け入れやすいようなものを作ろうと頑張りすぎたりね。そのたびにアイデンティティを喪失しかかった訳さ。まあ振り返ってみると、俺たちはやりたいことをやっていたのだと思うのだけど。

B:おそらくその度に商業的成功から遠ざかっていたんだろうね。あれが流行っているぞ、だからあれをやってみよう、なんて調子ではね。俺たちは確かにアグレッシヴなバンドではあるけれど、スラッシュ・メタルをやっているわけではない。遅い曲もある。一方で俺たちは、いわゆるコック・ロックよりはヘヴィだ。コック・ロックと言ったのは決して悪い意味ではないよ。彼らの音楽は俺たちよりもソフトだろう。俺たちがやっていることは、中間地帯とでも言うべきものだったんだ。今でも状況は同じで、俺たちとはまったくスタイルの違うエクストリーム・メタル・バンドともプレイしているけど、もはや気にしていないよ。


K:Armored Saintは、初期は鎧のようなコスチュームを着てライブをやることで知られていましたよね。映画から影響を受けたそうですが。

B:俺たちは『マッド・マックス2』が大好きだったからね。『エクスカリバー』とか。それでバンド名もArmored Saintだし、さっき話したようにアイデンティティを作り出そうと思ったんだ。でも一方で、Metallicaのように、普通にTシャツやジーンズでプレイをしているバンドもいた。それで多少混乱もあってね。とにかく俺たちはバンド名をうまく使おうとしたんだ。

J:他のバンドと差別化を図りたかったからね。

K:そのコスチュームを着るのをやめてしまったのは何故なのですか。

B:濡れて冷たいレザーを、1月にニューヨークのバッファローで着ることを想像してみてくれ。凍え死んじゃうよ!

J:3カ月もツアーをしていると、臭いも半端じゃないしね。

B:俺のケツなんて2か月間も青いままだったんだよ。皮を染めている染料が落ちてさ。2カ月間もだよ!アメリカでスペース・ヒーターと呼ばれる暖房器具があるんだけど、それにコスチュームをかけてさ。でも乾かないんだよ。85年にMetallicaとW.A.S.P.とツアーしたのだけど、ちょうど1月、2月でどこも凍えるような寒さだった。汚いクラブで控室はトイレみたいなところだよ。そこでヒーターでも乾かないから濡れたままの冷たいコスチュームを着てさ。もうこんなの着たくない、やめようということになったのさ。

K:つまり実用的な理由でコスチュームをやめたんですね。

B:そうなんだよ(笑)。

J:確かにやめた理由の一つはそれだね。バンドのワードローブを見てみると、『March of the Saint』から始まって、『Delicious Nomad』になると鎧の量が減って、『Raising Fear』になるとさらに減って、とだんだんとフェイドアウトした感じだった(笑)。最終的には大切なのは音楽だという結論になり、イメージにはあまりこだわらなくなったんだ。完全にやめるまでに3枚のアルバムが必要だったのだけどね。

K:MetallicaとW.A.S.P.とのツアーというのは、もはや伝説ですよね。何か面白いエピソードはありましたか。

B:Metallicaとはとても仲良くやって、W.A.S.P.は少々違う感じだった。主にBlackie(Lawless)があまりつきあいのよい方ではなかったせいなのだけど。Chris(Holmes)やRandy(Piper)は良かったのだけど。Metallicaはちょうど人気が爆発し始めた頃でね。

J:『Ride the Lightning』のツアーだった。

B:ヘッドライナーは交代でやってたよな?

J:そうだね。確か西海岸からスタートだったと思う。(訳注:実際はボストンでスタートの予定がキャンセル、ニューヨークから始まっている。)

B:Metallicaが先に出て、W.A.S.P.がトリをやるときもあったけど、Metallicaの後にやるのは大変だったと思うよ。良いツアーだったと思う。今でもあのツアーの話をする人は多いしね。楽しかったよ。

K:W.A.S.P.とMETALLICAがダブル・ヘッドライナーという形だったんですよね。

B:そう。確か始めの方はW.A.S.P.が最後に出ていたのだけど、途中からMetallicaに君たちがヘッドライナーをやれって。

J:W.A.S.P.は最後の方いなかったんじゃなかったっけ?

B:そうそう、MetallicaとArmored Saintだけだった。

J:西海岸だったよな。

B:あとテキサスも。


K:昨年ニュー・アルバムが出ましたが、ファンからの反応はいかがでしたか。非常にArmored Saintらしい作品ですよね。

B:そうだね。リアクションも素晴らしかったよ。非常に誇りに思っているよ。たくさんの愛を込めたからね、ファンにもそれが伝わっていると思う。

K:その前のアルバムから5年を要していますが。

J:何でだろう。何というか、俺たちは…

B:急ぎすぎないようにした?

J:そうそう。仕事みたいにしたくないからね。定期的にアルバムを作って18カ月ツアーして、というバンドではないし。俺たちはメンバー間で、それからレーベルとも、アルバムを作るべき時が来たら作るようにするという合意ができているんだ。インスピレーションがあれば曲を作るようにしている。義務としてではなくてね。心から湧き出る音楽を作りたいからね。だから時に5年を要してしまうんだよ。次にライブ・アルバムを出すのだけど、これも計算してリリースするわけではない。


K:Anthraxに誘われた時は、どのように感じましたか。

B:複雑だったよ。Armored Saintのメンバーとは非常に親しくて、一緒に育ったわけだからね。不安になったよ。だけど救いは、一生懸命素晴らしいアルバムを作って、口論をしながらタフなツアーをやってという感じだったので、Armored Saintを少し休むにはちょうど良いタイミングだったということさ。正しい決断だったと思うよ。

K:別のヴォーカリストを加えてバンドを存続するという選択は無かったのですか。

J:俺の頭にはなかったね。

B:サンキュー(笑)。

J:彼が言ったように、10年バンドをやってきて、88年だったかな、クリサリス・レコードからもドロップされ、新しい契約を探すのにも苦労し、曲も色々書いていたのだけど、そんな矢先ギタリストが亡くなり、色々な感情が渦巻いて乗り越えていくのに苦労した。『Symbols of Salvation』がリリースされた時はプレスでは絶賛され、ビデオもMTVでプレイされたりもしたのだけど、SoundgardenやNirvanaが出てきた時期で、アメリカのミュージック・シーンは完全に変わりつつあった。なので、なかなかファンにリーチできず、レコ―ドの売り上げも思ったほどにならなかった。「今回のレコードはあまり売れなかった。頑張って次の作品を作ってくれ。」と言われたときに、「え、次の作品?マジかよ?」という感じになった。

B:David(Prichard)が亡くなって、彼はたくさんの曲を書いていたからね。ちょっと休む必要があったのさ。

J:Johnが抜けなくても、バンドは崩壊していたよ。「一体俺たちの何が間違っているんだ?なぜ俺たちのレコードはもっと売れないんだ?」って、悩み過ぎて、メンバー間でもあまりに口論しすぎていたし。間違いないよ。だからバンドにとっても、休むのにパーフェクトなタイミングだったのさ。ストップ!テイク・ア・ブレイク!ってね。

B:ストップ(笑)

K:90年代初頭というのは、へヴィ・メタル自体受難の時代でしたからね。

B:その通りだね。

J:へヴィ・メタルは一度アンダーグラウンドに潜って、その後Panteraが出てきたんだよね。それからSlayerも復活して、デス・メタルなども出てきて。へヴィ・メタルはこの時方向転換したんだよ。これは良かったと思うんだ。個人的にはヘア・メタルがメタルを壊し、それからSoundgardenやPearl Jam、Nirvana、Alice in Chainsがとどめを刺したと思ってる。

B:彼らは良いバンドだったけどね。彼らのやっていたことは、俺たちがやっていたこととそれほど違わなかったよ。見た目が違っただけで。パワフルなハード・ロックさ。

J:メタルが方向転換して、PanteraやSlayer、デス・メタルのようなまったく違ったものが再び出てきたというのは非常に興味深いよ。まったく新しいニュー・メタルと呼ばれるものが出てきたわけだから、というお話さ。良いドキュメンタリーだっただろ。

B:そうだね(笑)。

K:では今日のメタル・シーンについてどう思われますか?80年代、90年代よりも良くなっているでしょうか。

B:どうだろうね(笑)

J:どうだろうね(笑)あの頃とは違うよね。

B:音楽にとっては奇妙な時代さ。例えば俺たちにしても、今日出たCandlemassもExodusも80年代からやってる訳だろう。

J:Queensrycheも。

B:Dokkenもね。つまり人々はノスタルジーを感じているんだ。ヘヴィ・メタルやハード・ロックに限らず、あらゆるスタイルの音楽でね。俺はいつもIron Maiden、Black Sabbath、Judas Priest、The Rolling Stones、The Whoといったバンドがいなくなったらどうするんだって皆に言ってるんだよ。誰がその穴を埋められるんだ。これらの伝説的なバンドは皆高齢になってきている。この週末にLAでOldchellaっていうイベントがあるんだけど知ってる?Paul、Stones、Who、Roger Watersとかが出るんだ。Bob Dylanも。彼らは皆70代だろう。Paulがレジェンドであることに異論がある人はいないよ。しかし彼らはあと何年プレイできるだろう。Sabbathにしても同じことだよ。Iron Maidenはまだしばらく続けられるだろうけど。しかしいずれこれらのバンドが終わるときが来るわけだけど、その時に誰が代わりを務められるだろう。誰が彼らの代わりを務められるほどビッグなのだろう。Metallicaはビッグだけど、彼らはあくまでMetallicaだよ。

J:AC/DCとかね。

B:AC/DCはもうやめるべきだよ!俺はAC/DCが大好きだけど、今みたいな状態で続けるべきではないよ。

K:「新ヴォーカリスト」を迎えてですからね。

B:勘弁してほしいよ。いずれにせよAC/DCがいなくなったときに、誰がAC/DCの代わりになれるかということさ。誰もできやしないよ。もちろん新しいロック・バンドもいることはいる。Foo Fightersみたいな素晴らしいバンドもいるけれど、彼らにしても20年くらいやっているからね、もはや新しいバンドとは言えない。彼らは大きなホールでプレイできるバンドだけど、そんなバンドは多くない。他に誰がいる?

J:Pearl Jam?

B:Pearl Jamは新しいバンドじゃないよ!新しいバンドの話をしているんだよ!

J:おじいさんバンドよりは新しいよ!

B:Def Leppardなどはデビューから5年でもうアリーナでプレイしていたよね。Iron Maidenも5年で、『The Number of the Beast』が出た頃にはアリーナでプレイしていた。一体今ロックの世界で、誰がそんなことをできる?メタルだけじゃなく、ロックの世界ででもね。ロックはこれから一体どうなってしまうんだろうね。人々は古いバンドばかりを求めているからさ。おかげでArmored Saintのようなバンドがいまだにプレイできているわけだけど。80年代俺たちは20代前半だったのだけど、それでも「あいつらジジィだな!」って言われたものだよ。今は俺たちなんて50代だからね。俺たちはいまだに若いつもりだけどね。エネルギーにあふれているし。メタルだけでなくロックがどうなるか考えると恐ろしいよ。ロックもいずれクラシックのようになってしまうかもしれない。若いメンバーを集めて、Pink Floydの『The Wall』の全曲演奏会をします、なんていう風にね。モーツァルトの演奏会をするのと同じようにさ。ありえない話じゃないよ。


K:あなたはFates Warningでもベースを弾いていますよね。加入のきっかけはどんな感じだったのですか。

J:もう17年にもなるね。彼らとはMetal Bladeでレーベル・メイトだったこともあるから、長いつきあいなんだ。確か例のW.A.S.P.とMetallicaのツアーを彼らが見に来ていて、それが最初の出会いだった。Jim Matheosとはそれ以来友人なんだ。で、彼らのベーシストがもうツアーをやりたくないと、『A Pleasant Shade of Gray』の前にバンドを去ったので、俺に打診してきたんだ。

B:Fates Warningは日本でプレイしたことある?

J:いや、ないね。

K:日本のマーケットはアメリカとちょっと違いますからね。

J:でも、一部のプログレ・メタルは日本で人気あるだろう?

K:そうですね、Dream Theaterなどは非常に人気があります。

B:パワー・メタルっぽいやつが人気あるみたいだね。

K:そうですね。日本のマーケットはやはり欧米とは違うので、例えばCandlemassなんかにしても、今回が初来日なんですよ。

B:そうなんだ!彼らはオリジナル・メンバー何人いるの?

K:ベース、それからギターが一人オリジナル・メンバーのはずです。

B:日本は陸続きじゃないからね。やはり簡単に来ることはできないんだろうね。ヨーロッパからもアメリカからも遠いし。おそらくはアジア・ツアーの一環として行くバンドが多いのだろうけど、やはりそれなりにビッグなバンドじゃないと難しいんだろうね。アジアだとどこの国を回るんだろう。

K:最近は中国ツアーをするバンドも増えてきているようです。メタル・ファンも増えてきているようですし。何しろ人口が凄いですからね。

B:それは良いことだね。デカい国だし。でも彼らはレコ―ドは買わないんじゃない、海賊盤ばかりで(笑)。

J:あと中国と言えばiPhoneだよね(笑)。


K:お気に入りのメタル・アルバムを3枚教えてください。

B:それは参ったな(笑)。

J:この瞬間のでいいかな。

―しばらく沈黙―



J:よし、俺が先に行く。

B:よし行け!参考にさせてもらうよ。

J:10分後には変わってるかもしれないけど。Judas Priestの『Unleashed in the East』。Thin Lizzyの『Thunder and Lightning』。Motorheadの『Ace of Spades』。

B:俺はレイズするよ!

J:まるでラスヴェガスだな。

B:UFOの『Lights Out』。

J:やられた!変えてもいい?

B:AC/DCの『Power Age』。

J:うわあ。

B:それから今日出るからね、Scorpions。

J:うわあ、どれ?

B:『Love Drive』。

K:(Johnに)ではお気に入りのヴォーカリストを教えてください。

B:ロックの歴史になってしまうよ!Bon Scott。Rob Halford。Robert Plant。Maurice White。

K:Maurice White!

B:Earth Wind & Fireのね。Steven Tyler。

J:Bonoは?

B:Bonoだね。Thom Yorke。Lionel Richie。Al Green。Stevie Wonder。Lemmy。Phil Lyott。これで十分かな?

K:十分です。(Joeyに)ではお好きなベーシストを教えてください。

J:ベーシスト?俺にも好きなヴォーカリスト聞いてくれよ(笑)。

K:ヴォーカリストでもよいですけど。

J:たくさんいるけど、大きな衝撃を受けたのはGeezer Butler、John Paul Jones、Larry Graham、Louis Johnson、Jaco、Marcus Miller。

K:ジャズやファンク系のベーシストがお好きなんですね。

J:大好きだよ。

B:Joeyのプレイはとてもファンキーだろ。

J:さっき「どんなプレイが一番好きですか?」って聞かれたから、ファンクだって答えたら信じてもらえなくてさ。「そんな訳ないでしょう、本当のことを言ってください。」なんていう調子だったよ。

K:最近の若いメタル・バンドも聞いたりしますか。

B:聴こうとはしてるよ。

J:俺はOpethとか好きだよ。まあ若いバンドではないけれどね、大好きだ。デス・メタルから初めて、自分たちの世界を作り上げたよね。素晴らしいよ。限界を超えていこうとするバンドには敬服するよ。Between the Buried and MeとかPeripheryとかね。

K:(Johnに)あなたはいかがでしょう?

J:92年以前のバンド限定ね。

B:以前?

J:間違えた、92年以降。

B:Queen of Stone Age。彼らは素晴らしい。彼らは92年以降だよね?

K:では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

B:ずっとサポ―トしてくれてどうもありがとう。日本が大好きだよ。ファンも素晴らしいし。来日するのに随分時間がかかってしまったけど、次回は33年後ということにはならないようにするよ。その頃俺は86歳だからね!さすがにその年で「March of the Saint」をプレイするのはキツイよ。

J:一体ファンがどんな反応をするか想像もできなかったけど、素晴らしかったよ。来日するのに時間がかかってしまい申し訳なかったけど、Johnが言ったように、

B:またすぐに来日するよ。


80年代の初頭から、ヘヴィ・メタルの栄枯盛衰を肌で感じてきたアーティストによる証言は、実に興味深いものであった。

85年1月〜3月のMetallicaとW.A.S.P.とのツアーは、もはや伝説である。これは名目上MetallicaとW.A.S.P.のダブル・ヘッドライナーで、サポートがArmored Saint+ローカル・バンドという形式だった。しかし前年の7月に『Ride the Lightning』をリリースしたMetallicaの勢いは凄まじく、さしものW.A.S.P.と言えどMetallicaのパワーには圧倒されたことだろう。この翌年に『Master of Puppets』が発売され、ビルボード・チャート29位を記録する訳であるから、この時のツアーはMetallicaがスターダムへとのし上がっていく真最中の、正に伝説と呼ぶにふさわしいものであったのだ。西海岸のショウではローカル・バンドとして若きDeath Angelも出演しているし、こんな凄いメンツのライブを体験できた80年代のアメリカの人々がうらやましくて仕方がない。

Armored Saintというと、正統派のメタルを貫いたバンドという印象があるが、その実音楽性についても葛藤があったという告白は面白い。MetallicaやいわゆるLAメタル勢が、商業的に大成功していくのを目の当たりにして、内心穏やかでいられるはずはなかっただろう。



それにしてもまさか2016年に、あのArmored Saintのライブを日本で、しかもラウドパークという大舞台で見られるとは。感無量であったオールド・メタル・ファンも多いことだろう。

取材・文 川嶋未来/SIGH


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