【インタビュー】LUCIFER

2016年02月23日 (火) 22:00

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先日初来日を果たしたドゥーム・ロックの新星Lucifer。新星とは言っても元Cathedralに元The Oathという、このジャンルの重鎮が集結したバンドなのだが。ヴォーカルのJohanna Sadonis、ギタリストのGaz Jenningsに話を聞いてみた

川嶋未来(以下、Mirai)---では始めましょう。あなたは90年代に CryogenicDies Aterなどのブラック・メタル・バンドに参加されていましたが、その後The Oathで作品を発表するまで長い間隔があります。その間は何をされていたのですか?

Johanna Sadonis(以下、Johanna):色々やっていたわ。様々な作品にゲスト・ヴォーカルで参加したりね。アメリカにも3年間住んでいて、そこではOsmose Productionsのアメリカ事務所をやっていた女性と、暗いインディー・ポップのようなプロジェクトもやっていたの。とにかく色々なことをやっていたけれども、またロックしようと思ってThe Oathを結成したのよ。

Mirai---ブラック・メタルからドゥーム・ロックへと方向性を変えたのは何故ですか。

Johanna:もちろんブラック・メタルも大好きだけれども、両親の影響で70年代のロックもずっと大好きだったの。それに年をとるにつれ、もっとルーツというか、クラシックな作品により魅力を感じるようになったのよ。Luciferの本質はBlack SabbathDeep Purpleなどの70年代のロックだから。今は主にそういうバンドを聴いているわ。

Mirai---The Oath解散後にLuciferを始められましたが、あなた程のヴォーカリストならば他のバンドへの加入の誘いもあったのではないですか。

Johanna:どうもありがとう。でも、それは無かったわ。The Oathを解散してすぐにLuciferを始めたから。こういうスタイルを続けたいと思って。幸運にもGazと一緒にできることになったのよ。

Mirai---先ほどBlack SabbathやDeep Purpleの名前を挙げていましたが、影響を受けた70年代のバンドというと、他にどんなバンドが挙げられますか。

Johanna:私たちは二人ともオールド・スクールなへヴィ・メタルが大好きなの。他にも音楽マニアとしては、色々なジャンルの隅にいるようなバンドを聴いているわ。私個人的には70年代のJefferson Airplaneなども大好きだし。

Gaz Jennings(以下、Gaz):俺も色々な音楽を聴いているよ。70年代のクラシック、Uriah Heepとかね。Jerusalemなどにも影響を受けたし、知名度では劣るがMay BlitzWarhorseSir Lord Baltimoreのようなへヴィなバンドとか。70年代のあらゆるスタイルの音楽を聴いているよ。プログレとかもね。

Jahanna:私も同じね。60〜70年代のRolling Stonesも大好きだし。

Gaz:いずれにせよこういうスタイルをやるならば、Black Sabbathは避けて通れないよ。このスタイルを定義したバンドだからね。

Mirai---他のジャンルからの影響はありますか。例えば映画のサントラなど。

Jahanna:私はイタリアのホラー映画が大好きだけど。フルチとか。

Gaz:俺たちのドラマーのAndyはサントラが大好きなんだよ。

Johanna:プログレっぽい複雑なやつね。

Mirai---あなたのヴォーカルやLuciferの音楽の雰囲気は、時にAphrodite's ChildBlue Oyster Cultを思い出されることがあるのですが。

Johanna:どちらも大好きよ!(Aphrodite's Childの)『666』は素晴らしいアルバムだわ。特に「The Four Horsemen」ね。Blue Oyster Cultは『Secret Treaties』が大好き。

Mirai---お好きなヴォーカリスト、ギタリストというと誰になりますか。

Gaz:そうだね、色々いるけどTroubleの二人のギタリストかな。RickとBruce。

Johanna:彼はTroubleの刺青を入れるくらいTroulbeが好きなのよ。

Gaz:あとはMichael Schenker。それからAce Frehley。彼は非常にダイナミックで、彼だとはっきりわかるサウンドを持っているだろ。Thin LizzyのギタリストBrian RobertsonとScott Gorham。それから俺のスタイルとは異なるけど、もちろんRitchie Blackmore

Johanna:私はFleetwood MacStevie Nicks、Jefferson AirplaneのGrace Slick、ShockingBlueのMariska Veres。それからOzzy。Ozzyはどんなに音程をはずしても素晴らしいでしょう。

Gaz:彼は特別な声質を持っているというだけでなく、素晴らしいシンガーだよ。非常に音楽的で。

Mirai---CovenのJinx Dawsonはいかがですか。お友達とのことですが。

Johanna:ええ、彼女とは友達なの。彼女は非常に長いことシーンにいて、特にオカルト的な歌詞について非常に真剣な態度をとっているわ。ただのショウではなくてね。彼女は美しいし、非常に才能もある。ハイ、ジンクス!

Mirai---(Gazに)あなたはDeath Penaltyでもギターを弾いていますが、二つのバンドを同時進行するのは時に難しいことがありますか。

Gaz:この世界では3つ4つのバンドを掛け持ちするのなんて当たり前のことだからね。厳密にはSeptic Tankも解散した訳ではないから、今は3つのバンドをやっている。時々予定がぶつかることはあるけど、それほど問題はないよ。ドラマーのAndyも2つバンドを掛け持ちしているし、ライヴの予定が重なってしまうこともある。それでどちらのバンドが優先なのかという問題が発生する訳だけれども、できればどちらの気分も害したくはないだろうからね。彼はLuciferに入る前からやっていたバンドのライヴをLuciferの活動のせいでキャンセルをしなくてはならなくなり、それでそのバンドとの関係が悪化してしまった。

Johanna:片方のバンドでずっと前からライヴが一本決まっていたところに、もう一つのバンドで長いツアーが決まりそうだとなったらどうすべきか、ということなのよね。難しいわ。

Gaz:俺はまだそういうバッティングがないからラッキーなのだけど。3つ4つバンドをやっている奴らがどうやって切り抜けているのか、よくわからないな。

Mirai---二つのバンドであなたの音楽的なアプローチは異なっているのでしょうか。

Gaz:違うね。しかし一方で近い部分もあるよ。俺の曲の書き方、ギターの弾き方というのはあくまで俺のスタイルだからね。どんなに違うことをやろうと努力をしても、

Johanna:あなたのサウンドだってはっきりわかるわ。私も自分の声を変えることができないし。二つのバンドはマインド・セットやコンセプトが異なるのよ。だからGazは好きにへヴィ・メタルしてもらえば良くて、それでも自然と仕上がりは違ったものになるのよ。

Mirai---お気に入りのアルバムを3枚教えてください。

Johanna:Black Sabbathの『Black Sabbath』。次はあなたの番。

Gaz:(笑)オール・タイムのお気に入りの3枚?

Mirai---はい。

Johanna:難しいわね。

Gaz:サバスの『Sabotage』。このアルバムは初期から中期への転換期に当たる作品だ。『Technical Ecstasy』が中期だとすると、そこへの橋渡しというのかな。

Mirai---あれは非常に実験的な作品ですよね。

Gaz:そうだね。とても気に入っているんだ。それからTroubleのファースト・アルバム。Witchfinder General『Death Penalty』

Johanna:Black Sabbathの『Black Sabbath』、Fleetwood Macの『Rumours』Queenも最高ね。他のインタビューでは違う作品を挙げたかもしれないけど、好きなアルバムを挙げるとしたら20枚くらいになってしまうわ。もし無人島にアルバム3枚しか持っていけないとしたら、好きな曲を切り取って行かないと。Rolling Stonesの『Beggar's Banquet』。あとはScorpions『In Trance』。これを忘れるわけにはいかないわ。

Gaz:俺が挙げた3枚のアルバムは、正に俺がやっている音楽を形作ったものだよ。

Mirai---あまり知られていないけれどもチェックすべきオカルト・ロックの名盤を教えてください。

GazIl Balletto di Bronzoが72年にリリースした『Ys』。これは最もクレイジーな作品の一つだよ。 あとはNight Sunの『Mournin'』。これも72年のリリースだね。これはUriah HeepやLucifer's Friend、Deep Purpleのようなギター・スタイルが好きならお勧めだ。ヴォーカルもトップ・クラスの作品だよ。

Mirai---残念ながら時間が無くなってきてしまいました。最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

Gaz:バンドをサポートしてくれてどうもありがとう。日本でプレイできてとてもうれしい。今晩見に来てくれた人たちが皆楽しめるよう良いショウにするよ。

Johanna:日本に来るのは初めてだけど、来られてとても光栄だわ。今晩見に来てくれたファンの皆、どうもありがとう。ぜひまた日本に戻ってきたいわ。


 今回は、いつも私がやっているインタビューで飛び出してくるものとは随分毛色が違うバンド名、アーティスト名が多く挙げられた。ヒット曲「ヴィーナス」が、Bananaramaなどを経由して多くの人に親しまれているオランダのShocking Blueの名が、このコラムで出てくるというのはかなり意外であろう。Shocking Blueはシタールを大幅導入したり、ヴォーカル・ラインにもかなりエスニック色を取り入れているので、Jefferson Airplaneの「White Rabbit」あたりとともに、女性ヴォーカル+エスニックというLuciferのルーツは、このあたりのバンドにあると考えて良いだろう。

 Luciferの音楽に感じられる乾いた冷たい怖さ---最近だとGhostが広めたスタイルと言えば良いのだろうか---、はそのルーツをBlue Oyster CultやAphrodite's Childなどに求められる。具体的に言えば、Johannaが挙げているAphrodite's Child「The Four Horsemen」や、Blue Oyster Cultの「(Don't Fear) the Reaper」あたりである。Black Sabbathを軸としながらも、Luciferは実に多彩な音楽を消化し、自らの音楽としているのだ。

 平日にもかかわらず、多くのドゥーム・ファンが集まったLuciferのライヴ。ドヘヴィなバックにまるで儀式を行うかのようなヴォーカルのJohanna。怪しいライティングも功を奏して、とてもイーヴルな雰囲気を作り出すのに成功していた。こういうスタイルのライヴは日本ではあまり見られないので、多くの人にとって非常に貴重な経験になったと思う。

Johanna, Mirai & Gaz

川嶋未来 / SIGH

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