【インタビュー】「ブラック メリーポピンズ」鈴木裕美×中川翔子×小西遼生

2016年03月04日 (金) 10:00

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ローチケHMV - 演劇

2012年、韓国ソウルの大学路で誕生し、心理スリラーという新たなジャンルを打ち立てたミュージカル『ブラック メリーポピンズ』。韓国で人気を博し、驚異的な記録を打ち立てている作品が日本に初上陸したのは、2014年。
それから約2年の時を経た今年2016年5月、再演が決定した。

たった5人で展開されるこのミュージカルに出演するのは、初演から続投するハンス役の小西遼生、ヨナス役の良知真次、ヘルマン役の上山竜治、物語の鍵を握る家庭教師メリー役の一路真輝。そして今回、アンナ役として、新たに中川翔子の出演が決定した。

ライブ活動からタレント活動まで幅広く活躍の場を広げている中川翔子だが、意外にも今回が初舞台。舞台という新たなフィールドにチャレンジすることで緊張の塊のようになっている中川、演出家の鈴木裕美、そして初演から続投する小西遼生がインタビューに応じてくれた。

「裸で飛び込んでいって、ボコボコにされたいです(笑)。」(中川)


― 再演が決まり、改めて初演時の手応えについてお伺いできますか。

鈴木 実はお客さんの反応はあまり覚えていないんですが、ものすごくお客様が緊張して固唾を呑みながら観てくださっていたことと、お芝居の内容に相反して、稽古場は愉快だったことを覚えています(笑)。これまでのインタビューでも何度も言っているんですが、初演時の5名の俳優さんが割とボケているのに“自分はボケていない”と信じている人たちでして(笑)。

― (笑)。小西さんはいかがでしたか。

小西 本番中は必死でしたが、集中してできる濃密なお芝居でした。出ずっぱりだし、作品もあのテイストですし。でも、子ども時代の明るいシーンもあって、とても居心地がよかったです。体力的にも声的にも負担がかかる作品だった記憶はありますが、あまりそういう意味での大変さは覚えていないんですよね。ただ、スゴい汗をかいていたことだけは覚えています(笑)。暗い作品は公演が終わってもそのまま重さが残ることがあるんですが、裕美さんの作ったラストシーンにとても救いがあったので、作風に反して、どこか清清しさがあって、楽しかったです。

― 今回が初舞台の中川さんは、「レベル30」(30才)を迎えての新たな挑戦ですね。

小西 皆知ってるんだ、「レベル30」の意味(笑)。

中川 「レベル30」〜(笑)。今回のように、チームワークで一つの作品に長く取り組むこと自体が新しい世界です。繊細で深いけれども、そこが面白くもあり難しくもあり…という作品で、もう、こりゃこりゃこりゃ、です(笑)。一瞬ずつが全て経験値になる学びの時間になりそうで、今脳が「吸収したい!ゴクゴク飲みたい!」と言っていますし、ハートが「面白そうだ」とワクワクしております。

― 舞台のお話を聞いたときは?

中川 えっっっ!!です(笑)。ビックリしました。ヒット作の再演、しかもスゴく主要なキャストで、初演のメンバーから私だけが変わっていますし、全く初めての世界なので、ご迷惑をおかけしてしまったらどうしよう!と、ネガティブモンスターが故にそうも思いましたが、それ以上に人間として成長できる場所になるんじゃないかと思いました。以前コンサートで、アニメソングを歌って興奮しすぎてしまい、ツアー2日目にしてお尻を骨折してしまったことがあったんです。その時はなんとか気合でやり通したんですが、そういうことは絶対にありえないですよね。迷惑をかけてはいけない中で、声も嗄らさず、役柄になりきり、稽古でチームワークを作り上げる。そもそも一人っ子なので、兄弟がいる人生というのが想像つかないんですが、アンナに共感できる部分もありますので、とにかく裸で飛び込んでいって、ボコボコにされたいです(笑)。

鈴木 ボコボコにする予定はないです(笑)。

― 初舞台に向けての準備は順調ですか?

中川 先駆けて前回の台本をいただきましたし、ボイストレーニングを始めました。今までは、ライブでもレコーディングでも、仮歌が入っているものをもらっていたんですが、今回は譜面をいただいたんです。変わったときに対応しやすいから、耳で覚えるんじゃなくて、譜面で覚えるようにと言われたんですが、「ふ、譜面とは…!?」という、根本から叩き直してもらわないといけないような状況です。もう目も脳もボディーも内臓もハートも全部生まれ変わるのかもと思っています。

― 小西さん、鈴木さんは再演に向けていかがでしょう。

小西 今の時点では準備などは特にないです。ただ、中川さんが今回入ることで、また新しい気持ちや原動力が生まれると思うので、ゼロから作り上げようという新たな気持ちになりやすいと思います。新鮮にできる気がします。

鈴木 初演の時は初演の時の人間関係がありましたし、“こういう妹には、こういうお兄ちゃん”という関係性で役が出来てくると思うので、今回もゼロから作りたいと思っています。再演だからとなぞりだしてしまうと演劇はあっという間に死んでしまうので、同じメンツだったとしても毎回そうしています。再演の時には、スタッフにも俳優にも、「“前はこうだった”というのは禁止ね」と言うところから始めていますし、今回、翔子ちゃんが妹になると、兄弟の関係性も全く変わってくると思うので、楽しみにしています。前回もそうですが、“イスとりゲーム”のシーンとか、台本には丁寧に書いてないんですよ。

中川 えええええええーーーー!!

小西 そうですね、“リアル・イスとりゲーム”をやってる感じでした。

鈴木 そう、それを何回かやって、「あ、そのネタにしよう」という感じで決めていきました。

中川 え〜、どうなるんだろう…(焦)。でも、今裕美さんが「“前はこうだった”は禁止」とおっしゃっていたのでホッとしました。胃薬の飲む粒が減ります(笑)。これまで一人っ子が染み付いてしまっていて、Wi-Fiさえあれば無人島でも生きていかれるんじゃないかという性格を十分に味わって生きてきたので、皆さんと仲良くなりたいです。皆で作っていくためにメンタルもポジティブの次元に上げなければいけないと思っていますので、内面が鍛えられそうです。喉を壊さない歌い方や日々何を食べているのか、いろいろと訊きたいと思います。

小西 いうほどロクなもの食べてないですよ(笑)。中川さんとは今日初めてお会いしたんですが、僕が楽しみなのは、中川さんが入ったことで、一路さんも含め、4人がどういう反応をするのか、どういうリアクションをするのか、ですね。僕の想像だと、中川さんはスゴく自由に羽ばたく気がします。

中川 どうなんでしょう?!

小西 この芝居は人数が少ないので、受けの積み重ねでスゴく楽しいものが生まれたように思います。アンナを必死に助けようとする気持ちがとても大事なんですが、“守ってあげたい妹”というのがもう想像できるし、そこは作りやすそうですし。新しく中川さんの風が入ることで、皆の受け方がどんどん変わって、全然違う積み重ねが出来て、自分のことは分からないけど、僕以外の兄弟二人がスゴく変わるんじゃないかと、今とても楽しみです。

― 中川さんは、良知真次さん、上山竜治さんとも初共演ですか?

中川 お仕事は初めてなんですが、先日裕美さんが演出をしていた『花より男子 The Musical』を拝見したときに、裕美さんが上山さんとのお食事会を開いてくださったんです。稽古でいきなりお会いするのではなく、本番の後の貴重な時間にそういう機会を作っていただき、とても楽しかったですし、本当にありがたかったです。あと、この年末からいきなりワインが美味しくなったこともあって、舞台前に一緒に乾杯ができたこともよかったです。普段一人で黙ってご飯を食べているので、皆さんとワイワイ過ごす時間を楽しみにしています。

「とにかく俳優を観てもらいたいです」(鈴木)
「総合力を観てほしい舞台だと思っています」(小西)


― この台本の面白さ、大事に演出したいポイントを教えてください。

鈴木 初演の時も強く思っていましたが、ソ・ユンミさんが、ご自身で戯曲も曲も書き、その上韓国版では演出、ステージングまでこなしていたので、美意識が統一されているというか、やりたいことがとてもはっきりとしている作品なんです。若い魂が書いた若い台本で、若いエネルギーに溢れた筆の勢いを感じる作品なので、そこを大事にしたいと思っています。

― 今回、稽古の中で何が生まれてくるか楽しみですね。

鈴木 この舞台は、兄妹がとても仲が良いことが重要で、その仲の良い兄妹がバラバラになっていないとつまらない。コミュニケーション能力の高い方たちばかりだったのですが、皆がその仲の良い感じを出すために、意識的にやってくださったのが印象深いですね。今回は今回のチームで仲の良さを意識的に作っていかなくてはいけませんし、この4人じゃなきゃできない仲の良さをお客様にもお見せしたい。それを作っていくのが楽しそうだなと思います。大変ですけどね。

― “お母さん”みたいですね。

小西 お母さんじゃなくて、“母ちゃん”です(笑)。稽古場では完全に“母ちゃん”ですよ。

鈴木 割と自由な人たちなので、「ほら、やるよー!おいでー!」みたいにはなります(笑)。

小西 僕らの場合は、お互いに大好きな“仲良しこよし”ではなくて、好きなところもそうではないところもお互いにあって、伝え合わないまでも「きっとここは好きだろうな」「こういうところは嫌いだろうな」と分かるくらいにお互いのことが分かっている感じ。そういうところが一緒に育ってきた兄弟に近いような気がしています。しかも実際の僕らが、年齢も近いし、血が繋がっていない役の境遇とうまく重なっているんですよね。多分皆それに気付いて、それを活かそうと考えていたと思います。

鈴木 本当にそう。とても頭がいい人たちだなと感心したんです。

中川 やっぱりコミュニケーションが大事なんですね。脱ぼっち属性を図らないと(笑)。

小西 でもある意味、アンナは人と接するのが苦手なところがあるから、そこは利用できると思うよ。

― 舞台でアンナが変わる様が、中川さんの変貌と重なりそうです。最後に、舞台の見どころを教えてください。


鈴木 5人しか出ない上に、一路さん以外はほぼ舞台から捌けずに歌って芝居をするので、とにかく俳優を観てもらいたいです。「よくアレだけ叫んでその後歌うね?!」と思っていました(笑)。持っているものを全部使わないとこなせないほどの分量で臨んでいる俳優たちを、とにかく観て頂きたいです。

小西 作品を楽しんで頂けたらいいですね。スタッフ、キャストの皆で、深みのある日本版の作品ができあがったと思います。日本人なりの解釈もあって、最後にはちゃんと完結する、僕としては、そこに救いを感じました。だから、鈴木裕美さんの演出でこの台本をやっているときはスゴく楽しかったし、生き生きと役を生きられました。それに小野寺さんの振り付けもとても斬新だったんです。純粋に楽しんでできる作品だと表情が生き生きとすると思うんですが、これは特にそういう作品でした。実際の舞台も、作りこんだセットも何もない、丸裸の状態。そういう空間で演じられることでチャレンジ精神が湧きました。裕美さんは役者を観てほしいと言っていましたが、僕は総合力を観てほしい舞台だと思っています。今回はさらにそこが新しい方向に向かえればいいなというのと、“可愛い妹”を観てもらえればいいなと思います(笑)。

中川 まず作品が素晴らしいです。作品を観終わった後に心にズシンと残る感覚、観た人それぞれの人生によっても色が違ってくると思います。悲しみや心に負った一生消えない傷とどう向き合っていくか、それぞれの孤独もあるような舞台。子ども時代にタイムワープしたときの兄弟たちの楽しそうに明るく幸せをかみ締めているシーンとのギャップがまた面白いですし、対照的な瞬間があるからこそ、より悲しみも深くなるんです。私は、今回何もかもが初めてということもあるので、もう、もうもうもうもう…全裸でぶつかっていきます!(笑)

小西 今のだと「全裸を観てください!」って書かれちゃうよ(笑)。この舞台を観たことがない人が「ええーーーっ!」ってなっちゃうし(笑)。

鈴木 今のは…なるよねえ(笑)。

稽古前にもかかわらず、既にアットホームで温かい雰囲気。まるで“リアルお兄さん”のような優しい対応の小西をはじめ、急にイケメン兄弟に囲まれるシチュエーションを「まるで今の女子向けのゲームのよう。人生でいきなりのフィーバーモード(笑)」と中川らしい表現も飛び出し、終始和やかなインタビューとなった。

心理スリラーミュージカル「ブラック メリーポピンズ」東京公演は2016年5月14日(土)より開幕、次いで兵庫、福岡、名古屋で順次上演となる。

ストーリー
1920年代初頭、ドイツの著名な心理学者グラチェン・シュワルツ博士の豪邸で火事が起こり、博士の遺体もろとも、すべてが燃え尽きた。全身に火傷を負いながら、猛火の中から博士の4人の養子達、 ハンス、ヘルマン、ヨナス、アンナを救い出した家庭教師メリー・シュミット。しかし、翌日メリーは失踪。
子供たちは誰一人その悲惨な出来事を覚えていない。

それから 12年。
いつしか事件は忘れられ、それぞれ違う家庭で新しい人生を送っている4人は、当時グラチェン博士によって書かれた手帳の存在を知る。
そこには事件の真相が・・・。あの夜、いったい何があったのか・・・。
封印されていたパンドラの箱が開けられる。

ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』告知映像

公演概要


ミュージカル「ブラック メリーポピンズ」

東京公演
2016年5月14日(土)〜29日(日)
東京・世田谷パブリックシアター
S席 9,000円 A席 7,000円(全席指定・税込)

兵庫公演
2016年6月3日(金)〜5日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
S席 9,500円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可

福岡公演
2016年6月9日(木)
福岡市民会館
S席 9,000円 A席7,800円(全席指定・税込)
U-25 4,500円(税込/25歳以下当日座席指定・交換時要身分証)※未就学児童入場不可

名古屋公演
2016年6月17日(金)
愛知県芸術劇場 大ホール
S席 9,800円 A席 7,800円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可

脚本・作詞・音楽:ソ・ユンミ
演出:鈴木裕美
上演台本:田村孝裕
訳詞:高橋亜子
出演:中川翔子 小西遼生 良知真次 上山竜治 一路真輝

公式HP:http://m-bmp2.com/
公式Twitter:@musical_bmp

■公演詳細・チケットはコチラ


小西スタイリスト:森宗大輔
小西ヘアメイク:小口あづさ(Nanan)
中川スタイリスト:宮崎真純
中川ヘアメイク:柏瀬みちこ(Rooster)

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