【インタビュー】GOJIRA / マリオ・デュプランティエ

2015年10月22日 (木) 18:30

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル

L to R: Joe Duplantier(Vo/Gt), Christian Andreu(Gt), Jean-Michel Labadie(Ba), Mario Duplantier(Dr)

Gojira - Japan 2015

Here's a little video filmed and edited by Mario on our Japanese experience. It's been one of the most exotic and mind blowing trip we've had so far Konichiwa witches ! And see you Japanese friends ASAP.

Posted by Gojira on 2015年10月17日
 Sabaton、Abbathと共に、今年のラウドパークのまだ見ぬ強豪枠で待望の初来日を果たしたGojira。そのドラミングに度肝を抜かれた人も少なくなかったであろうMario Duplantierに、Dr. Mikannibalが話を聞いた。
Dr. Mikannibal(以下、Mika)---日本のファンが待ち望んでいたGojiraの来日がついに実現した訳ですが、昨晩の大阪でのショウはいかがでしたか。

Mario Duplantier(以下、Mario):日本での初めてのショウだったので、色々な感情が湧きあがって来たよ。ずっと来たかった日本についに来られて、思わず日本のファンの前で跳びはねてしまった。ファンの反応もとても良かったよ。Gojiraを知らないお客さんもたくさんいただろうし、新しいオーディエンスの前で演奏するというのは一つのチャレンジだからね。日本ではGojiraはあまり大きなプロモーションをされていなかっただろうし。若いバンドはステージで自分たちの力を証明しなくてはいけないから。おかげで俺は全力でドラムを叩いて、スティックを16本くらい折ってしまったよ!素晴らしい夜だった。

Mika--- 日本ではどこか観光に行かれましたか。

Mario:ショウの前日に日本に着いたので、大阪では殆ど時間が無かったのだけど、とりあえず街には出て、なるべく多くのものを見るようにした。ヨーロッパとはすべてが違うからね。大阪では小さなお店でご飯を食べたのだけど、とてもおいしかったし、素晴らしい経験だった。魚や餃子、チキンとか、たくさん食べたよ。日本酒も飲んだし。

Mika---GojiraはMetallicaとツアーをしましたし、今回日本でSlayerのオープニングもやりました。さらにラウドパークではANTHRAXMegadethと共演をするので、いわゆるBIG4すべてとステージを共にしたことになりますね。

MarioMetallicaSlayerと共演するというのは、すべてのメタル・バンドの夢だからね。俺たちは彼らと頻繁に共演できて、とてもラッキーだよ。Slayerとは2013年に、とても大きなUSツアーもやっているんだ。なので今では彼らは友人だよ。彼らはとても良い人たちだし、ステージも素晴らしい。ビッグなバンドと共演をすると、毎回色々なことを学ばせられるよ。

Mika---ラウドパークで見るのを楽しみにしているバンドはいますか。

Mario:うーん、だいたい出るバンドは知っているからね。Children of Bodomともツアーをしたことがあるし、All That RemainsやSlayerともツアーをしたから、殆ど共演済みのバンドなんだ。なので日本のバンドを見るのを楽しみにしているよ。

Mika---あなたとJoeはご兄弟ですが、兄弟でバンドをやることの良い点、悪い点は何でしょう。

Mario:お互いのことを完璧にわかっている。それが良い点でもあり、悪い点でもある。彼は親友でもあるし、俺たちは同じヴィジョン、同じ音楽の好みを共有してるし、作曲方法や見た目も近い。だから何かを一緒にやるというのはとても楽だよ。

Mika---Joeがデスメタルやスラッシュメタルから影響を受けた事は聞いたことがあるのですが、あなたはどういったバンドから影響を受けていますか?

Mario:バンドを始めた頃は、Metallicaのファンだったんだ。やがてJoeと俺はMorbid AngelDeathのようなバンドを発見し、Deathのようなバンドを始めたいと思ったんだ。なので俺たちのルーツはデスメタルだよ。俺はツーバスや狂ったように叩きまくるドラムスタイルが大好きだからね。Deathが大好きだったのは、ドラミングにジャズの要素があったからというのもある。非常に細部にまでこだわった繊細な音楽だからね。

Mika---あなたたちの初期のサウンドは、プログレッシヴなデスメタルという感じでしたが、その後さらにプログレッシヴな方向性にシフトしましたよね。

Mario:そうだね、色々な音楽を聞き、人としても成長し、その結果の自然な流れさ。デスメタルから出発してさらにプログレッシヴな方向性に行ったわけだけど、俺たちはそれだけでなく様々なスタイルの音楽が好きだからね。意図的に方向性を変えたというよりも、自然な変化だよ。より個人的な、自分たちのスタイルになってきていると思う。


Mika---『あなたは現在34歳とのことですが、1stデモは96年発表で15歳という事になりますね。一体いつからドラムを始めていたのですか?

Mario:ドラムを始めたのは12歳の時。とにかくMetallicaが大好きで、Lars Ulrichが世界一のドラマーだと思って、白いTAMAのドラムに物凄く惹きつけられた。それでドラムをやりたくなったのだけど、母親が俺があまりに熱心なのを見て、「それならドラムを買いましょう。」と言ってくれたんだ。それから毎日ドラムを練習して、2年後に兄貴とこのバンドを始めたんだ。

Mika---お兄さんはどのようにギターを始められたんですか?

Mario:俺がドラムを始めた時、兄貴は15歳ですでにギターを弾いてバンドもやっていた。だから兄貴と一緒にバンドをやれるというのはとてもエキサイティングなことだったよ。

Mika---お好きなドラマーは誰ですか?Larsについてはお聞きしましたが。

MarioDeftonesのAbe Cunningham。彼から学んだことは多いよ。それからKornのDavid Silveria。Gene Hoglan、DeathのDrummer Sean Reinert。Morid AngelのPete Sandval。Pierre Belleville。彼は今The Doというバンドでドラムを叩いている素晴らしいドラマーだ。SepulturaのIgor Cavalera。MetallicaのLars Ulrich。他にもたくさんいるよ。CandiriaのKen Schalkとかも。

Mika---80年代のフランスには、Sortilege、Blaspheme、H-Bombなど多くのへヴィメタル・バンドがいましたが、90年代に入るとあなたたち以外にはあまり多くのバンドがいなかったように思うのですが。

Mario:90年代にも良いシーンがあったよ。LoudblastNo ReturnMassacraみたいに世界中をツアーしている素晴らしいバンドがいた。今もプレイしているバンドもいるしね。

Mika---LoudblastはHellfestで見たことがあります。

Mario:彼らは素晴らしいよ。Loudblastはこのバンドを始めたときのインスピレーションの一つさ。フランスで何度かライヴを見たけど、とても情熱的で、今でも素晴らしいし創造的なバンドだね。今は新しいジェネレーションの良いバンドがたくさん出てきているよ。最近のお気に入りはTrepalium。本当に良いバンドだよ。

Mika---あなたたちの音楽は、フランスの文化から影響されていると思いますか。

Mario:もちろん。フランス人としてのアイデンティティもあるし、フランス人特有の思考もある。フランス人は非常に面倒臭いというのかな。例えばアメリカ人はすぐに核心に迫るというか、曲はとてもキャッチーで、コーラスに良いリフが中心だろう。フランス人はまったく逆で、さんざん回り道をしてなかなか核心にたどり着かない。俺たちはそのあたりのうまいバランスを見つけようとしているんだ。俺はどちらのアプローチも好きだからね。フランスの音楽は複雑で感情的で、プログレッシヴなものになりやすい。

Mika---前作『L'enfant Sauvage』からすでに3年がたっていますが、ニューアルバムの予定はありますか。

Mario:もちろん。すでにレコーディングは始めていて、まもなく完成するよ。2016年にRoadrunner Recordsから出る予定さ。ニューヨークのブルックリンにある兄貴のスタジオでレコーディングしていて、すでにドラムもギターも録り終えてある。日本でのライヴが終わったらまたスタジオに戻って、アルバムを仕上げる予定さ。

Mika---それでは最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

Mario:日本を愛しているよ。まだ来て二日だけど、素晴らしい食事も堪能した。とても神秘的でパワフルな国で、とにかく来られてうれしい。今晩のショウが楽しみだよ!

 この中で面白かったのが、「フランス人としてのアイデンティティもあるし、フランス人特有の思考もある」という発言。「さんざん回り道をしてなかなか核心にたどり着かない」というフランス的な思考法、フランスの現代思想、いわゆるフレンチ・セオリーなどに興味をお持ちの方は、その通りだよなあと膝を打つであろう。音楽は世界共通の言語だ、音楽に国境は無い、などとノーテンキに語られることも多いが、これは本当なのだろうか。そりゃもちろん言語そのものと比べれば、その通りだろう。しかしそれでも「フランスらしい音楽」という共通理解も成り立つだろうし、アメリカでは大人気なのに日本人にはイマイチピンと来ないというバンドもいくらでもいる。何故なのか。これは当たり前のことであるが、結局我々人間は音そのものを、ありのままに聞いている訳ではないからなのだろう。

 音というのは、空気などの振動でしかない。それを鼓膜でとらえ、信号が脳に伝えられ、それを脳が「解釈」したものだ。その「解釈」が曲者なのである。耳から入って来る音をすべてありのままに受け入れていたら、とても言葉というものは理解できない。日本語には「あ、い、う、え、お」という五つの母音が存在するが、私の発音する「あ」とあなたの「あ」が、まったく同じということはあり得ないだろう。それこそ100人いたら、100通りの「あ」の発音の仕方がある。しかしこれをすべて別の「あ」なのでは?と判定していたのでは、コミュニケーションが成り立たない。なので我々日本人は成長していく中で、ある一定の範囲の中で発音されるものをすべて「あ」と判定するようなフィルターを脳に作っているのだ。これのせいで他言語を習得するときに苦労が生じることは、皆さん経験的に知っているだろう。

 例えば英語を母国語とする人の脳は"bug""bag"を異なる発音と認識するようなフィルターを持っている一方、日本人用フィルターではこれらはどちらも「あ」になってしまう。LとRも同様、日本語で生活するためには、これらを区別する必要がなかったから、脳にこれらを判別するフィルターが作られないのだ。逆にフランス語では長母音、短母音の区別を必要としないため、フランス人が日本語を学ぶ際、例えば「広大」「古代」の区別に苦労を強いられるらしい。日本人からすればこの二つ、聞き間違いようもないまったく別の単語だが、それは我々の脳にこれを区別するフィルターが備わっているからなのだ。「橋」「箸」「端」の区別も、アメリカ人にとってはやっかいであろう。つまり、母国語によって脳に形成されるフィルターというのは大きく異なっており、これは言語だけでなく、音楽を聴く場合であっても、そのフィルターを通らずに音が脳に到達するというのは考えづらく、すなわち国(言語)によって同じ音楽でも受容のされ方が違ってくるというのはある意味当然なのだ。さらに人間は物を考える場合、必ず言葉を必要とする。それは作曲をするときでも同じ。  日本人ではあれば日本語で考えながら曲を作る。フランス人ならばフランス語でだ。発音も文法構造も違う、つまり全然違う道具を使って思考をするわけだから、結果も違って当然のことなのである。Gojiraの場合、このように避けえないフランス人としてのアイデンティティを意識しつつ、過度にフランス的(=フランスでしか受け入れられない)にならぬようバランスをキープしているというのが、世界的に大きな人気を博している理由の一つであろう。

 フランス的なものを消してしまわぬことにより、他国のバンドとの差異化を図りつつ、しかしフランスを強調しすぎることもない。ドイツやスウェーデンなどいわゆるヘヴィメタル的にメイン・ストリームでない国、すなわちフランス、そして日本などのバンドがワールドワイドに成功するためのヒントがこのあたりにあるかもしれない。まあそれ以前に、12歳でドラムを始め15歳でこのバンドを結成したというMarioが神童すぎるのかもしれませんけど。

川嶋未来 / SIGH

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GOJIRA

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価格(税込) : ¥2,654

会員価格(税込) : ¥1,326

発売日: 2012年06月20日

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