HMVインタビュー: RAM RIDER

2007年3月27日 (火)

☆『きみがすき+ REMIX TUNES』発売記念インタビュー!



ダンス、ロック、ポップスの三位一体、「音」と「映像」をテーマに2003年に本格活動開始。現在はヴォーカルであり、作詞作曲、プログラミングすべてを司るRAM RIDERに、VJ、ギターを加えた編成で活動。 2004年、インディーズ時代に発売したシングル「MUSIC」がオリコン・インディーズチャート7位を記録!各地のFMでもオンエアの度に問い合わせが殺到し話題となる。

2005年に入り『Sweet Dance』をリリースした後、同年6月に『ユメデアエルヨ』でメジャーデビュー。その後、『ベッドルームディスコ』『HELLO』をリリースし、11月にはSpace CowboyRyukyudisko等も参加した1stアルバム『PORTABLE DISCO』をリリースし、ダンスミュー ジックの枠を大きく超えるスマッシュ・ヒットを記録した。それはDaft Punkのようでもあり、Fatboy Slim、さらにSpace Cowboy(アルバムに参加!)のようでもあり...アッパーでディスコティックで、キラキラとした美メロ満載の胸キュン・サウンド!どこか切なさを感じさせる楽曲から、フィルターサウンドに乗せた甘い恋の歌、ハウス調の心地よすぎるアッパーソングまで、隙なしのポータブルディスコ! 昨年4月にはファミコンに代表される8bitサウンドによるチップチューン盤『PORTABLE DISCO 8bit Edition』をリリース。

そして2007年4月11日、さらに進化を遂げた"ポータブルディスコ"を展開するべくまずは、ミニアルバム『きみがすき+REMIX TUNES』をリリース!

そんなRAM RIDERにいろいろお話をお聞きしました!

 


Interview with RAM RIDER


新曲+リミックスアルバムの完成おめでとうございます!

RAM RIDER(以下:R): ありがとうございます。


まずは、今回のリミックスアルバムを作ろうとした経緯を教えていただけますか?

R: 元々ある"RAM RIDER"という形式に拘らないという点と、1番最適なメニュー・ヴァリューや値段を念頭に置いた時に、単純に2曲のシングルを出すのであれば、もう少し違った形でできないかなと。シングルでもアルバでもない規格の面白い「サイズ」でリリースができたらというのが僕とスタッフの中であって、自分のルーツ的にも色々な方とDJで知り合い仲間になって、リミックスをお願いできる人が増えてきたというのもありました。


ちなみにリミックスアルバムより『8bit Edition』を先にリリースした理由ってありますか?

R: 『8bit Edition』も同じような理由で違う方向性に行ったんですけど、とりあえずチップチューンというメジャーでまだ人がやってないことをやりたかったというのがありました。あのアルバムも新曲が2曲あって、且つリミックスが8曲、それもオマケ的なものではなくて、ちゃんとしたアーティストに全て頼んで作ったというところがRAM RIDERらしいところだったと思っていますね。


今回のリミキサー陣はRAM RIDERさんご自身のラブコールで?

R: 勿論僕のラブコールもありますし、僕とスタッフの方々含め皆で誰にお願いしたいというのは決めました。VJの子が個人的に思い入れがある人がいればその方にもみたいな形で。結果的に全て日本人のアーティストで固まったというのはすごく面白いというか、海外の有名リミキサーにドーンと1曲ちょっとネタでやってもらうというのではなく、旅先で共演した方とか、普段顔見知りの方にやってもらったのはすごく良かったと思っています。




RAM RIDER  『きみがすき+ REMIX TUNES』
01.きみがすき
02.卒業
03.ANY COLORS(Remixed by 田中ともなお)
04.FEELS GONNA FEEL(WALL 5 aka Co-Fusion)
05.MUSIC(Remixed by石野卓球)
06.Smile Again(Remixed by Sugiuramn)
07.Sun Lights Stars(Remixed by 中田ヤスタカ-capsule-)
08.ベッドルームディスコ(Remixed by Ryoji-ケツメイシ-)
09.ユメデアエルヨ(DUCKROCK Remix)
10.旅へでよう(Remixed by i-dep)





元々RAM RIDERさんはリミキサーというお仕事をされてきていますが、ご自身にとって「リミックスアルバム斯くあるべき」みたいなものはお持ちですか?

R: 斯くあるべきというルールがないというのが大前提かなとは思いますね。そうあってはいけないというか、歌を全部使わなきゃいけないということもないし。今回のリミックスアルバムでも、仕上がりをある程度予想してお願いしたりはしたんですけど、その通りにあがってきた人もいれば、全く違った形になった人もいて。それは期待とかではなく、単なる予測だったので、結果、皆さんイイもの仕上げて下さってすごい良かったなと思っています。


ご自身もリミキサーとして、やはりこれらのリミックス作品に触発されたりはしますか? 

R: そうですね。今年、自分のリミックスのオファーを出している間に、僕もNirgilisのリミックス(「Sakura」)等をやらせて頂いていて、人にやってもらっている間に僕も人の声を使ってリミックスをやったりはしてたので。で、その仕上がったものを先週もDJでかけさせて頂いたりして。何て言うか、ムダがないですね、RAM RIDERのプロジェクトは。リミックスも作ってもらいっぱなしではなく、例えば、英語の詞のものができれば、それを海外のDJの方にオファーするのに持っていくツールとしてっていう発想がスタッフにあったりとかして。オマケでとりあえず曲数を増やすようなものではない形としてリミックスというものは常に考えていますね。  


今回のリミックスアルバムの中で、ご自身のリミキサーという視点から最もエキサイティングな曲を挙げるとしたら?

R: 中田くんの「Sun Lights Stars」ですかね。少ない音数でドラマチックに作ってあって、CDでありながらそのままクラブでかけられるようなエディットもされていて。まぁ、細かいところというよりは感覚的に僕が単純に好きだったのがそれだったんですけど。  


1stアルバム『PORTABLE DISCO』から1年半経過して、ご自身を取り巻く環境等を含め制作やパフォーマンスする上で気持ちの変化は?

R: それはもう多すぎて、何からという感じなのですが…とりあえず1stアルバムが、ほぼ四つ打ちの「ちょっとハウスっぽい日本語の歌」みたいなカテゴリ−にハマったというか、そこで男が歌っているというところでちょっと面白がっていただけて広く認知された部分もあると思うので、今回やこの後の2枚目のアルバムとかでは、そこをちょっと壊していけたらいいなと思っていまして。

生ドラムっぽいフレーズが入った曲とか、ストリングスを録ったりとか、アコースティックギターが入っている曲が多かったりとか、生楽器の比率はすごい増えましたね。あとは歌詞の世界観の変化とかもそうだし。「キラキラポップ」とか「ピコピコ」とか言われてきたので(笑)、全くないわけではないんですが、そことはちょっと違ったようなものもやっていこうかなというのが昨年から今年にかけてはあったので、制作に関してはそこが大きく違いますね。






『きみがすき+ REMIX TUNES』のリミキサーに起用されているアーティスト作品 左から 1. Ink 『C-46』(2006年) / 2. Capsule 『Sugarless Girl』(2007年) / 3. Sugiurumn 『What Times Is Summer Of Love?』(2007年)/ 4. i-dep 『Super Departure』(2006年) / 5. ケツメイシ 『ケツノポリス 5』(2006年) 



タイトルチューン「きみがすき」もそうした制作上の変化が大きかったのでしょうか?

R: あの曲に関しては、どこまでポップで極端に甘い歌詞でやれるかというところをちょっとやってみたので、あの歌詞の世界観というのは、あれ1つきりであそこまでやってみたというのがあるので、また次は全然違うことをやると思うんですけど。

コンセプト的には、「ユメデアエルヨ」とか1stアルバムでは結構妄想だったり、独りよがりだったりするところの歌詞をロマンチックに描くみたいなことをいっぱいやってきて、逆に今回は割と身近に生活感があって現実的で平凡なカップルのフツーの生活の中でちょっと輝くものがあれば、それは本人達にとってドラマ以上のものがあるのかなぁみたいな。そういった何でもないところに光るものみたいのを歌にできればというのが元々の歌詞の世界観の発想としてありました。それに合わせて生ストリングスを入れたりとか、ワウギターでやるところをアコースティックギターでガシガシ叩くみたいなことをやってみました。


歌詞の部分からみると、ポップス/ニューミュージックからの影響が随所に見受けられますが。

R: 他の皆さんが作詞をどこから始めるか分からないんですが。僕は最初自分のオリジナルの曲を作って詞を書くっていう時に結構文体とか書き方に照れがあって、例えば電気グルーヴとか大好きで、でもああいう面白くて激しいラップみたいのができなくて、で、ちょっとキザなって言ったらおかしいんですけど、男の子が気持ち悪いぐらいすごくストレートに言葉を並べるっていう方が僕には割りと違和感なくできたので。まぁ、そこが今は僕のキャラクターかなとは思っているんですけど。

電気グルーヴを聴いて、オールナイトニッポンで卓球さんが紹介していたアナログを買い漁りつつも平行して普通にオリコンの上位に入るような曲も聴くような人だったので、学生時代もそうだったし。それこそ小室哲哉さんだったり、B'zだったり、Wandsドリカムを聴いて、その一方でアナログ買って。その2つが上手くくっつけばいいなみたいなのはあって。だから、歌詞の世界観にはこの歌謡曲のテイストがすごい入っていると思うんですけど。






上記であげられているアーティストの名盤選... 左から 1. 電気GROOVE 『Flash Papa』(1991年) / 2. TM Network 『Dress』(1989年) / 3. B'z 『In The Life』(1991年)/ 4. Wands 『時の扉』(1994年) / 5. Dreams Come True 『Million Kisses』(1991年) 



当時その様に幅広く聴かれている方って割と珍しかったのでは?

R: まぁ、浅かったりはしましたけど。友達も結構何グループかいて、秋葉原にゲームを買う友達もいて、女の子と遊びに行く友達もいて、音楽の友達もいて、あとは家で一人で曲を作ってるみたいな生活だったので、その頃の交友が今ようやく自分の中でリンクし始めているかなという気はしますね。


逆に最近の若いコ達もそういった感じで広く自由に音楽を楽しんでいる感じですよね?

R: そうですね。僕がリミキサーみたいなことをやらせて頂いたり、DJを遊びとかで始めたのがちょうど90年代の真ん中から後半ぐらいなんですけど、その頃はクラブで日本語の歌がかかったりするとお客さんが引いてしまって何も盛り上がらなかったんですよ。僕はそれがすごく嫌で、例えば吉川ひなのちゃんの曲をCMJKさん(※初期 電気GROOVEメンバー)がリミックスしたとか、色々面白いのはあったんですけど、日本語の歌がかかることに対して当時クラブに来ていた人達にはかなりアレルギーがあったみたいで…。

でも現在それは大分なくなってきたし、なんだったら日本語の曲だけかけるイベントみたいなのも成り立ってきているので、そういう意味では時代はどんどん変化しているし、僕の曲も結構かけて下さっているという声を頂いて、これは10年前にそういう日本語の曲があっても僕たちじゃ(盛り上げることが)できなかったと思うので良かったかなと思います。


そういったクラブミュージックやそれを取り巻く環境の変化をライヴやDJなどで直に肌で感じたりしますか?

R: 生のエレキのギターの音が入ってきたりとか、普通にバンドの曲がかかったりとか、日本語の歌がかかったりというところで一番変化を感じる  というか。インテリジェンステクノとか言ってた頃がすごく「(笑)」みたいな。懐かしくなって。すごく多様性が出来てきていいと思いますけど。

単純にどんな音楽でも大きい音で聴けば気持ちいいっていうところがあるとは思うんですけど、僕の知っている90年代のクラブシーンとかは、そこにさらにキックの質感とかミニマルなっていう、いい意味でも色々なルールがあったんですが、そこがどんどん取っ払われていったんじゃないかなと思います。だから多分10年前だったら出てこれなかったような人がこれからいっぱい出てくるんじゃないかとも思うし。僕なんかその最たるものだと思うので。


そうしたサウンドシステムを意識した音作りとは相反する意味での「PORTABLE DISCO」ということですよね?

R: そうなんですよ。勿論最低限な音でっていうのも好きだし、そういうこともやるんですけど。小さい音でも聴ける、ポータブルプレイヤーでも踊れる音楽を作るというのが一応僕のテーマなので、そこは必ずしも低音が効いているとか、音圧がすごいとかではなくて、歌詞でちょっと踊りたくなるようなフレーズの楽曲があっていいかなと思って。


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