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100人の偉大なアーティスト - No. 49

2006年9月23日 (土)

 Thelonious Sphere Monkことセロニアス・モンクは、1917年10月10日に生まれ、ニューヨークに移住した後、このジャズのメッカで育ち、5歳にはピアノを始めていたという。

 モンクにおける最大の素晴らしさは、演奏だけでなく、ライヴ映像が物語る、他の追随を許さない“カリスマ性”を持った姿、「ジャズのプリースト−高僧」と呼ばれる孤高の姿。そして、現代に至るまでジャズというジャンルを超えた、アヴァンルドな魅力などである。

 初期のモンクの演奏を聴くとわかるようにスタイル確立以前は、テディ・ウイルソン・スタイルのストライド・ピアノ系の演奏をしており、モンクのスタイルが、ストライド・ピアノにおける「間」の存在を無視しては考えがたい。

 また、エリントン・サウンドがバンドと作曲が一緒になったいたように、モンクの隣り合った鍵盤を同時に弾くことによって生じる「唸り=不協和音」から生じる独自のオリジナリティこそが、ジャズ史上もっともユニークな存在としてのモンクの真骨頂といえる。

 作曲面においても、一番難しいとされる作曲家としてのモンクだが、その作品も持つ一種異様な雰囲気は作品が持つめメロディアスなメンというより、エリントンにおけるサウンドそのものといったほうがあたるだろう。

 したがって、作品としていえば、初期のフランス・ヴォーグへの『Solo』とCBSへの『Solo Monk』をもってモンクのすべてが言い尽くされているという見方もできる。しかし、多くのジャズジャイアンツをフィーチャーした『Brilliant Corners』『Monk's Music』、オリジナル・カルテットによる『Blue Monk』、そして、敬愛する大先輩 Duke Ellington に捧げた『Plays Duke Ellington 』などはモンクの個性が発露された演奏だ。

 また、近年復刻されたSteve Lacy『We See - Thelonious Monk Songbook 』に見られるように、急進的なミュージシャンからの支持はいまだに大きい。

 その影響力は作曲を目指すものだけにとどまらず、ほぼすべての楽器に及んでいる。名状しがたい雰囲気を再現し、さらに自身の物とするのは事実上不可能なモンク作品にあって、その精神性において、モンクの高みを感じさせるのは唯一スth−ブ・レイシーであり、さらにピアノの系譜という点からは、デューク〜モンク〜セシル・テイラー、もしくはマル・ウォルドロンがひとつの考え方といえるだろう。

 フランスの俊英ピアニスト、Laurent de Wildeのモンク論はモンク理解の一助となることを記しておきたい。
 1982年2月17日、ニカ伯爵夫人に看取られながらモンクは永眠した。享年64歳。早すぎる死だった。

 "Ruby My Dear"、"Well You Needn't" 、"Off Minor"、 "In Walked Bud,"、 "Misterioso"、 "Epistrophy"、 "I Mean You"、"Criss Cross"、"Ask Me Now"、"Little Rootie Tootie"、"Monk's Dream"、"Bemsha Swing"、"Think of One"、"Friday the 13th"、"Hackensack"、"Nutty"、"Brilliant Corners"、"Crepuscule With Nellie" 、"Evidence"、"Rhythm-a-Ning"など、レーベル名になった作品を含めてモンクが残した名曲はジャズ史上不滅であり、今後も演奏し続けていかれるだろう。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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