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永山マキ インタビュー&楽曲解説!!

永山マキ インタビュー&楽曲解説!!

2006年9月8日 (金)

今回はhmv.co.jpのインタビューにお答えいただきましてありがとうございます。どうぞよろしくおねがいいたします!
ホントに素晴らしい内容でした。僕自身、久しぶりに良い音楽に出会えたなと、思わずうれしくなってしまう作品でした。個人的には「スイミー」と「ゆうやけこやけ」が大好きです。今回は、バンドの時との違いや、永山さんの楽曲がどのように生まれるのか…そのあたりのことを知りたいなと思いました。率直にをお答え頂ければうれしいです。



ありがとうございます!とてもうれしいです。


■永山マキさんの事を既にご存知の方も、始めて知る方も、それぞれたくさんいると思います。まずは永山マキさんご自身から、簡単な自己紹介をお願いします!!

こんにちは。永山マキです。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、モダーン今夜という11人編成大人数バンドのボーカルをしています。
今回ソロアルバムをリリースすることになりました!
みなさん、よろしくお願いします。

■ソロ・デビューアルバム、『銀の子馬』発売おめでとうございます!僕自身、久しぶりに良い音楽に出会えたなと、思わずうれしくなってしまった作品でした。完成した作品の率直な感想をお聞かせください!!

うれしいコメントありがとうございます!
本当によいものができたなぁと、心から思います。

■リトルクリーチャーズの栗原務さんや鈴木正人さんをはじめ、おおはた雄一さんなど素晴らしいゲストが参加されていますがどのような経過で集まったメンバーなんでしょうか?また、レコーディングなどで印象的なエピソードがありましたらお聞かせください。

そうですね、モダーン今夜の活動を通して出会えた方が多いですね。

栗原さんとは、あるイベントで対バンしたときに知り合って、
その後、何度かレコーディングに参加させていただいたりして仲がよくなりました。
今回のタイトル曲「銀の子馬」には、栗原さんのドラムがぴったりだと思って、もし、叩いてもらえたらうれしいなーと淡い期待を胸に、さりげなく(?)プリプロを聴いてもらったんです。そうしたら、とても気に入ってもらえて、快く引き受けてくれたんですよ。それで「ベースは正人がいいな」ということになって・・・
鈴木さんとも、前にライブで共演したことがありました。クリーチャーズつながりということもあって、栗原さんに改めて紹介していただきました。
やはり長年やっている二人ですから、レコーディング中も心が通じ合ってる感じでした。

おおはたくんとの出会いは・・・そうだなぁ、かなり昔から存在を知っていて、(モダーン今夜ギターの三井が彼のことが大好きで、噂をよく聞いていたんです)あるイベントで対バンしたのをきっかけに、あらゆるところでばったり会うようになって、いつか一緒に音楽をやりたいなぁなんて、思っていたんです。
そして、「ゆうやけこやけの鐘が鳴るころ」という曲ができて、この曲にはおおはた君のギターが絶対いい!という話になって参加してもらえました。

それから、CD作成中に知り合った、荒木真との出会いも衝撃的でした。
彼の芸術的な作品をたまたま耳にして、これは是非歌いたいと思い、急遽私の1stアルバムに収録することになりました。
私にしては初めての試みなんですが、「reflection of your flowers」という英語の歌を歌わせてもらってます。
詩は、オコジタケオさんが書いたのですが、これもまた素晴らしい。

そして、今回ほとんどの曲の編曲をしてもらった、佐藤ナオユキ君。
彼は友人の友人で、好きなアーティストや音楽の話をしたら、「あのアルバムのあの曲のあのコードが好き」とか、意気投合して・・・
それから仲良くなって、今では一緒に音楽をつくる大事な相棒です。
とても面白い発想の持ち主で、かゆいところに手が届くようなアレンジをしてくれます。
今回のアルバム『銀の子馬』は、彼がいたからこそできた作品だと思っています。
レコーディングのときも、本当にいろいろ助けてもらいました。
彼がコントロールルームでディレクションをしている姿がとても印象に残ってます。友人だった彼がディレクションしている。とても新鮮でした。

その他にも、今回参加していただいた皆さんは本当に素晴らしいミュージシャンばかりです。
石田衛さん(piano)、伊藤葉子さん(drums )、大橋エリさん(marimba)、岡部琢磨さん(bass) 、鈴木潤さん(piano)、織田百合名さん(violin)/山本理紗さん(violin)/河副圭子さん(cello)、高橋ピエール(guiter・gitarere)さん、竹中俊二さん(guiter)・・・。
ほんっとうに光栄に思ってます。

■今回のアルバムのほとんど全てを作詞・作曲を手掛けていますね。バンドの時とソロの時では制作アプローチにも変化があったのでしょうか?

そうですね、バンドのときは、キーボードのタムさんと私でほとんどアレンジや作曲をしていて、
それをバンドにもっていって、ここはこうしたほうがいいのではないか?とか練るんです。
モダーンはとても面白いバンドだと思いますし、大人数には大人数のよさがあると思いますが、
やはり、楽器数が多い分、自分の声とのからみや、キー設定などで、我慢した部分もありました。

それがある意味「バンド」のいいところでもあるのかもしれないけれど
私は大人数サウンドだけでなく、もっと自由な発想で曲作りをしたいと思うようになりました。
今回のソロアルバムは、自分の歌、歌詞により焦点をあてたアレンジになっています。
シンプルだけど、より濃い自分の世界観を伝えたいと思ったのです。
曲作りの仕方、根本的なところには、変化はありませんが
今回は、佐藤ナオユキと事前に「こういうことがしたい」、というのをたっぷり話し込んでレコーディングに臨めたので、ぶれはなかったし、
筋が通った作品になっていると思います。

で、バンドなら何度か合わせているので、だいたい仕上がりの予測がつくんですけれど、
今回は様々なアーティストに参加していただいているので、未知の部分がありました。
それがスタジオで次々に化学変化していってどんどんよくなったので、レコーディング中震えました。
とても楽しかったですね。

■今回の作品は1曲ごとにストーリーがあって、目をつぶるとその情景が浮かんできました。永山さんの物語的な詩世界、人肌の温もりの様に温かなメロディーはどのように生まれるのでしょうか?またそれらは、どんな時に思い浮かぶのでしょうか?

ありがとうございます。うれしいです。
詩やメロディーは日常生活の中で生まれます。それから、ピアノに向かってそれを具体的な形に仕上げていきます。
詩は、日常生活で見たり、感じたりしたことを書き留める、日記のの発展形という感じですかね。
日常はメッセージをくれていると私は思っていて、
楽曲づくりは、そのサインを、私が私なりに受け取って表現する、その繰り返しです。
メロディーが先に浮かんでくることもあるし、一緒の場合もあるし、いろいろですね。

■今回のソロ活動を通して改めて気づいたこと、発見したことがあったら教えてください。

「一人では、音楽はできない」ということに改めて気づかされました。

ソロって「約束事」がないでしょう?かならずやってもらえるという保障もない。
ソロは、私の作品や表現に対して、
共感してもらえたりとか、気に入ってもらえたりとか、それ以外でも何か参加する意義がある、って思ってもらえなければ
一緒に音楽を奏でてもらえないわけです。

だから、自分の作品をいいものにしなければ、と思って作りこむ。
わたしはあなたの音が好きなの、好きで好きでたまらないの、私に力を貸してください。という気持ちでお願いするし、
そして、ミュージシャンのみなさんは、その気持ちにこたえようと、こだわってくれたり、とても良い表現をしてくれます。

信頼関係だけでつながっている。その関係がすごく心地よかった。
音楽って、こういうものだな、と思った。
そして、この場に、当たり前なものは、何もないんだなと。

■話は変わりまして、『キノとヒーナ』という絵本を発売されるそうですが、ストーリーも絵もご自身で作られたそうですね?簡単なストーリーやコンセプトなどお聞かせ頂けますか?

絵は、谷口智則さんという絵本作家に描いていただきました。彼の絵を見て、とても好きだ、と思ったのです。
ストーリーは、モダーン今夜のアルバムに収録されている、「ある曲」がモチーフになっています。
永山マキ キノは何でもできる人気者で、ヒーナは、物静かで小心者。
とてもいい話なので、是非読んでもらえたらな、と思ってます。

絵本も音楽と同じように、私の表現の一つです。
絵本を出すというのは、私のやりたいことのひとつだったので、念願かなって本当にうれしいです。

■今後のご予定をお聞かせください。

12月に絵本『キノとヒーナ』(新風舎刊)全国一斉発売予定です。
それから、永山マキのワンマンライブも予定しています!お楽しみに!

■それでは、最後にHMVオンラインをご利用の方にメッセージをお願いします!!

皆様、読んでくださって本当にありがとう!

『銀の子馬』、自分で言うのもなんですが、ほんっとうによい作品になりましたので、
是非聴いていただけたらな、と思います。
曲の奥底にあるメッセージも、よみとってもらえたらうれしいです。

■ありがとうございました!!

いえいえ!こちらこそ、本当にありがとうございました!



『銀の子馬』

不思議な世の中になりました。匿名でいくらでも言葉をしゃべれるんだ。
しかってくれるひともいなくなりました。誰もみていないんだ。
何か言ってください。何か言ってくれないか。

『大犬のアルファ』

雨が地面に落ちてアスファルトを流れてゆく
雨は、流れて、海になったり蒸発して雲になったり、大気になったりする
そうして移り変わってゆくものを愛しく思って書いた曲です。

『スイミーは水の中』

見守るということはある意味究極の愛情なのではないかと思います。

『グランド ウォーカー』

もう疲れたとしゃがみこんで街行く人をみていたらみんなが歩いている姿に感動したのです。
遠い昔にわたしたちの先祖が歩くことを選んでそれから、ずっとずっと受け継がれてここまで歩いてきたんだと
わたしたちは今まさに歴史の最先端を歩いているんだと
そう思ったら疲れがどこかへ行ってしまったのでした。

『refrections of your flowers』

形がないもの
ひとつでは生きられないもの

『ゆうやけこやけの鐘が鳴るころ』

わたしの小さいころ、夕方5時になると公園の鐘がなりました。
「もうそろそろ帰りなさい」
この曲は、鐘の音を人生の帰路にたとえて歌っています。
夢を追うということはとてもエネルギーのいることです。

『デカルコマニー』

無意識的に出来あがったこれらの作品を通して
私はただただ重なる人間の力に驚かされるばかりです。