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ワイマール版のマーラー『巨人』!

2005年3月13日 (日)

ワイマール版の『巨人』!
これこそ本当のマーラーの青春の息吹!

マーラーの交響曲第1番がもともと交響曲ではなく、連作交響詩だったことは有名な話。最初は2部からなる5楽章構成で、全体に『巨人』の表題と、各楽章にもそれぞれ次のような題が付けられていました。

 第1楽章:春、そして終わることなく
 第2楽章:ブルーミネ(花の章)
 第3楽章:スケルツォ
 第4楽章:カロ風の葬送行進曲
 第5楽章:地獄から天国へ

 この交響詩としての初期稿には、1889年に初演された第1稿“ブダペスト・ヴァージョン”と、大幅に改訂を加え1893年に初演された第2稿“ハンブルク・ヴァージョン”、そしてその1894年の再演に際し、オーケストレーションに若干の修正を加えたと思われる第2稿“ワイマール・ヴァージョン”の3種が存在することが知られています。
 その後、マーラーは、1896年のベルリン初演の際にすべての標題を外し、第2楽章『花の章』をカット、さらに残りの楽章にもオーケストレーションなどの改訂を加え、現在普通に聞ける4楽章構成の交響曲として完成を見ます。
 これが第3稿の最初のヴァージョンで、以後、1906年にウニフェアザールから出版された際には第1楽章と第2楽章のリピートが導入され(旧版=全音)、1910年頃にはその改訂版が出版(オイレンブルク=全音)、1967年になるとエルヴィン・ラッツ監修による全集版(旧全集版=音友)で細かなマーラーの指示テキストが採用、さらに1992年にはカール・ハインツ・フュッスル監修の新全集版で第3楽章冒頭のコントラバスがユニゾンに変更されるという変遷を経ています。

 第1稿“ブダペスト・ヴァージョン”はすでに紛失しているため、演奏することはできませんが、第2稿“ハンブルク・ヴァージョン”には、ウィン・モリス(廃盤)、若杉弘(廃盤)、ウーレ・クリスチャン・ルードなどのものがありました。
 今回登場するHUNGAROTON盤には、ジャケットに大きく“ワイマール・ヴァージョン 1893”と記されており、また、手稿譜についての言及もあるので、かなり研究して指揮にあたったものと思われます。同じ第2稿とはいっても“ハンブルク・ヴァージョン”とは異なるらしいので、マーラー好きには見逃せないアルバムの登場といえるでしょう。

 ジョルト・ハマルは1968年生まれの若い世代の指揮者。既存の第1交響曲の伝統から離れ、ワイマールの楽譜から若きマーラーの姿を蘇らせています。パンノン・フィル(旧ペーチ交響楽団、2004年に改称)は南ハンガリーの代表的オーケストラ。

・マーラー:交響詩『巨人』
 (交響曲第1番ニ長調の初期稿 1893年 『花の章』つき5楽章版)
 ジョルト・ハマル(指)パンノン・フィルハーモニー管弦楽団

 録音:2004年9月13−16日、ペーチ

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ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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