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ワルター編曲ピアノ・デュオ版! マーラー『巨人』(ハイブリッドSACD)

2003年7月9日 (水)

世界初録音!
マーラーの『巨人』を愛弟子ワルターが編曲した、世にも稀なピアノ・デュオ曲
通常のCD音声も収録されたハイブリッドSACD仕様で登場!

ブルーノ・ワルターの指揮したマーラーの交響曲第1番「巨人」といえば、同曲の決定盤とされる数々の名盤が存在します。そのワルターがこの曲をピアノ4手用に編曲していると聞いて興味を示さない人がいるでしょうか。考えうる最高の組み合わせによる編曲ながら、世に出るのは初というのが驚きです。

 マーラーが交響曲第1番「巨人」を現在の形に落ち着かせたのは1896年のこと。同曲のスコアを出版したヨゼフ・ヴァインベルガー社が第2番「復活」とともにピアノ4手版編曲を依頼してきた際、マーラーがその仕事に白羽の矢を立てたのは当時彼のもとで働いていた20歳のブルーノ・ワルターでした。

 作曲も勉強し、ピアノの名手でもあったワルターは、マーラーの期待にこたえるべく真摯に仕事をこなしました。両曲は1899年に出版されています。ワルターの回想録によると、彼はマーラーとさまざまな作品を連弾で楽しんだとされます。そのなかにはシューベルト、ワーグナーのほか、この交響曲も含まれており、当然ワルター編曲版によったと思われます。

 かくも興味深い背景を持つ編曲が、何故これまで録音されずにきたのでしょう。理由のひとつとして、マーラーの交響曲の非ピアノ的書法が挙げられます。「巨人」について言えば、弦楽器のハーモニックスが弱音で延々と続く第1楽章の序奏部で、鍵盤を押した瞬間に音の減衰する機能のピアノでは同じ効果が望めません。

 ワルターはこの部分をタイでつなげただけの長い全音符で扱っています。ピアノを弾ける人はこの部分の楽譜を見ただけで、「何の工夫もない」と即断して「非ピアニスティックな編曲」ゆえ演奏に値しない、あるいは演奏不可能と烙印を押してしまう歴史が続きました。

 本当にそうなのでしょうか。若い頃とはいえ、作曲家・ピアニストとしてもひとかどの大指揮者ワルターともあろう人が、何の意図もなく音を書き連ねたとは思えません。また、この編曲がマーラーの存命中に、その管理下で行われていることも重視する必要があります。妥協を許さないはずのマーラーが編曲に難色を示したと伝えられていませんし、もしそうなら書き直しを命じたはず。

 何よりマーラーとワルターの両者が非公開ながらこれを演奏している点から見ても、「作曲者お墨付き」編曲と言うことができるはずですし、演奏不可能でもないことがうかがえます。このアルバムはワルターの書いた音を1音符も変更せずに演奏したらどうなるかということを試みた、まさに世界初の録音となります。
 実際、ワルターの編曲は非常に良くできていて、4手による複雑なテクスチュアの味わいと美しく透明度の高い響きは思わず聴き惚れてしまうほど。
 ボヘミア出身のマーラーは、この作品に故郷の民謡を数多く引用していますが、地元の演奏家、プラハ・デュオはそうした要素への配慮も怠りなく、自然なフレーズ感はさすがといえる水準にあります。

 さらに嬉しいのは、SACD サラウンド録音のハイブリッド盤なのに通常価格が設定されていることで、広大なダイナミック・レンジを持つ優秀録音をお買得価格で楽しむことが可能です。

 ちなみに、岡城千歳がワルター版に基づくというピアノ独奏版を昨年リリースしましたが、それはワルターの編曲がピアニスティックではないという理由により全面的に書き直されていたものなので、ワルター版とは無関係と言い切ってしまう人もいたほどです。


マーラー(ブルーノ・ワルター編曲):交響曲第1番ニ長調『巨人』(ピアノ・デュオ版による世界初録音)

プラハ・デュオ(ズデンカ&マルティン・フルシェル)

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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SACD 輸入盤

(ピアノ・デュオ版)交響曲第1番『巨人』 プラハ・ピアノ・デュオ(ハイブリッドSACD)

マーラー(1860-1911)

ユーザー評価 : 4点 (1件のレビュー) ★★★★☆

価格(税込) : ¥3,179
会員価格(税込) : ¥2,767

発売日:2003年08月12日

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ユーザー評価 : 4.5点 (4件のレビュー) ★★★★★

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発売日:1999年06月25日
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ユーザー評価 : 4.5点 (2件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥3,080
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発売日:2002年10月05日
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