HMVインタビュー: SANS SOLEIL

2009年9月3日 (木)

interview

SANS SOLEIL

簡潔に美を感じさせることが出来る海の底のようなディープでダークなものだと考えています。


--- まずはじめに、SANS SOLEILを知っていただくために、あなたのコンセプトをお話しください。

Michael Trommer a.k.a sans soleil(以下、M): 最初に、私は実に多くの種類の音源をリリースしています。SANS SOLEILとして行う音楽はポップがコンセプトです。暗い美しさを持っています。ビーチボーイズから、デトロイトテクノまでの影響を受けています。リリースの中で、アートや実験音楽のように、コンセプトにアイデアがあることが好きですね。本名名義ではではエレクトロニックのインプロヴィゼーションをリリースしたりしています。とにかくSANS SOLEILは簡潔に美を感じさせることが出来る海の底のようなディープでダークなものだと考えています。

--- デリックメイのTRANSMATからのファーストアルバムから5年が経ちました。この機に思うことは?

M: 最近でもコンスタントにリリースをし続けています。SANS SOLEIL名義でもデトロイトの6one6からやdiplomatik等から‥本名名義ではcon-v、serein、audiobulb、and/OAR、public record‥。実に忙しいです。そしてこう言いましょう、ここに来てGenevieveとのアルバムが出せることは素晴らしい!Simple Machineのコラボレーション製作期間は5年と長かったです。

--- 今回のアルバムのベストポイントはどこでしょうか。

M: 個人的には、隠された細部ですね。娘の声のサンプルや、私たちの生活音がミックスされているから。それに気づく人はそういないと思うけれど、そのことは私を幸せな気持ちにしてくれますね。

--- 美しいヴォーカルが施されていますが、どのようにプロセスをしていきましたか。

M: Genevieveと常に一緒に取りくんだと言うより、香港からトロントに彼女が来ては、尊重し合いながらお互いの頭の中にあることを話し合い、音楽の話、生活の話、世の中の話をするんです。そして彼女はスタジオに座り、歌詞を書き、レコーディングに入ると言うわけです。 私はそのヴォーカルをプロダクトの中に残す作業を行い、決してカットしないで編集を行います。たまに、そのヴォーカルは私のストレンジで抽象的な音楽ののストーリーをカットしますけれどね。

--- Simple Machineのテーマは?

M: 断層、記憶、人々、そしてバイクですね。

--- 現在のエレクトロニックシーンに置いてご自身はどのようなスタンスにあると考えますか。そしておすすめのアーティストは?

M: オーケー。広い音楽シーンの中で自分がどこに当てはまるか、自分でもピッタリした所を見つけられないんです。多くの人々が私のことを知っていて、実験音楽のアーティストとして認識しているようですけれど、SANS SOLEILに関しては全くここだって言うのはないんですよ。それを気にしているどころか、私は面白いことだと思っていますよ。
ですが、SANS SOLEILを聞いていて、みんなこう思うんじゃないでしょうか。ROBERT HOOD、ALVA-NOTO、VILLALOBOS、RYOJI IKEDAをよく聞き込んでいるなって。私はこれからもそれを続けます。
ですが、私が主に影響を受けたのはダンスミュージック以外からなんです。SCOTT WALKERやMORTON FELDMAN、MARYANNE AMACHER、アラビア音楽など‥
ビーチボーイズも踏まえこれらを客観的に見てみると、私の音楽はカテゴリーには入らないと確信出来ますね。

--- それでは、今後のプランを教えて下さい。

M: SANS SOLEILの新曲をMPCと2台のシンセで作っています。コンピュータ以外の最少の機材でどんなアイデアが生まれるかを試しています。まさにSimple Machineでね。この方法はライブからのアイデアで、ラップトップの向こう側で誰もがショウをやっていると言う状況に飽き飽きしてしまったからなんです。だからもっと違うフィジカルでふれあう感覚を出したいのです。そしてスタジオでも試しているととてもいい感じでね。まるでコンピューターを導入する前の音楽を始めたての様な感覚です。ステップシーケンスなりね。こういう音源はデトロイトやシカゴの初期の音楽と同じ様に聞こえますよ。彼らは機材を使ってトリップしていた。そうやってライブやリリースにトライしてみるのも新鮮ですね。他にもインスタレーションやギグの予定はたくさんあるけれど、日本に行くことも楽しみです。

--- 最後に日本のリスナーにメッセージをお願いします。

M: 私には多くの日本人の友人がいます。そして日本にはたくさんの本当の魅力あるアート、映画、書籍、音楽、デザインがあります。それらをこの目で見るチャンスをとても楽しみにしています。そしてこの秋に、日本にこのアルバムのプロモートに出かけるのは楽しみです。

新譜Simple Machine / Sans Soliel & Genevieve
デリックメイのTransmatよりデビューしているトロント在住のMICHAEL TROMMERことSANS SOLEILと、Recloose、Theo Parrish、John Arnoldなどの作品に参加している香港のヴォーカリストGENEVIEVEとのコラボ・アルバムである本作は、ダークで抑制された催眠的なサウンドを紡ぎだしている。フレームワークとしてハウスの暖かみある音色を使用し、フィールドレコーディングから得たMICHAELの音響テクニックによりまばゆいグルーヴが刻み込まれている。
profile

SANS SOLEILは、デリックメイの世界最高峰レーベルTRANSMATから今やプレミアの付くファーストアルバムをリリースし、FRANCOIS K主宰WAVE MUSICを始め、高い評価を受ける多様なレーベルから12インチリリースを繰り返し、そして現在Beautifulを軸にリリースする日本のレーベル、FOUNTAIN MUSICと連携を取っている。

広大な未発表トラックの書庫から選りすぐられた「SIMPLE THING」は、官能的なアブストラクトハウスを通し、SANS SOLEILの存在を深く浮き彫りにしている美しさ極まるマスターピースである。<メーカー資料より抜粋>

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