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クレンペラーのマーラー7番、久々に再生産〜演奏時間99分の異常な世界!

2009年9月2日 (水)

演奏時間99分の異常な世界!
クレンペラーのマーラー交響曲第7番『夜の歌』

1968年ステレオ録音。マニアには有名な問題演奏(?)で、第1楽章冒頭と第5楽章冒頭のトレモロが克明に聴こえる点に象徴されるように、とにかくどこまでも“見える(聴こえる)”演奏になっているのがポイント。
 良心的な指揮者たちがあれほど追いかけるのに必死になる執拗なまでの表情指定もおおむねオミットしてしまう図々しさは、マーラー自身のリハーサルに立ち会ったという自信の表明なのでしょうか?
 賛否両論まっぷたつの問題演奏ではありますが、第7交響曲に興味を持つ聴き手にとっては避けて通れない刺激に富んだ内容を持っていることは間違いなく、感情重視のマーラー指揮者の演奏からは絶対に聴き取れないユニークなフォルムの美学が、初演時のシェーンベルクの感想に思いを馳せさせてくれます。
 なお、この年のクレンペラーは精力的に活動しており、2月と3月にはワーグナーの『さまよえるオランダ人』全曲をセッション・レコーディングして演奏会形式でも上演、5月と6月にはウィーン・フィルの連続演奏会に出演して数多くの作品を指揮、8月の終わりにはエジンバラ音楽祭でマーラーの9番を指揮、10月にはシューマンの2番ベートーヴェンの7番ほかをレコーディングと、意欲にあふれた年でもあったようです。

 組み合わせのマーラーの5つの歌曲は1964年2月にセッション・レコーディングされたものです。このセッションの直後には名高い『大地の歌』の女声楽章が収録されており、そこでの歌唱と同じく、クリスタ・ルートヴィヒの歌唱は実に素晴らしいもので、ほの暗い声がマーラーの込めた真情を美しく描きあげているのが印象的。クレンペラーによる伴奏も声部情報の多い立派なもので、歌と一体になった表現力がさすが。選曲も素晴らしいです。

【収録情報】
グスタフ・マーラー:
交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音時期:1968年9月
 録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)

・『リュッケルト歌曲集』〜「私はこの世に忘れられ」
・『リュッケルト歌曲集』〜「真夜中に」
・『子供の不思議な角笛』〜「浮き世の暮らし」
・『リュッケルト歌曲集』〜「私は快い香りを吸いこんだ」
・『子供の不思議な角笛』〜「トランペットが美しく鳴り響くところ」
 クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)
 フィルハーモニア管弦楽団
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音時期:1964年2月
 録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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交響曲第7番『夜の歌』 クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管

CD

交響曲第7番『夜の歌』 クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管

マーラー(1860-1911)

ユーザー評価 : 5点 (30件のレビュー) ★★★★★

価格(税込) : ¥2,990
会員価格(税込) : ¥2,751

発売日:1997年07月24日

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