小瀬村晶がオーストラリアSomeone Goodレーベルの為に制作した最新アルバム『ポラロイド・ピアノ』は、うっすらと靄のかかった映画のような印象を聴く者に与える。非常に牧歌的で美しいピアノ・サウンドと繊細なエレクトロニクス、そしてローレンス・イングリッシュが録音したフィールド・レコーディングを丁寧に織り合わせ、プリペアード・ピアノの手法やモノラル録音で独特のざらついた音の質感を作り出したという本作。ゲストギタリストにPaniyoloも参加。scholeレーベルからの前作『Tiny Musical』とはまた違った趣の、ほっとするようなノスタルジックな質感と柔らかな光に満ち溢れたピアノ・アンビエント作品が誕生。
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延近輝之によるデビューアルバム。冒頭の「pola」は、現代におけるアンビエント・ミュージックの象徴的な役割を担っているし、その後続く「tiny fairy」や「in the park」は、とてもきめ細やかなタッチで颯爽と描かれている。また、ランダムに鳴る粒子の中を軽やかに踊る「piano bit」や、綿密にプロセッシングされたギターが心地良い「p2d」からは、ジャンルにとらわれない芳醇な豊かさを味わうことができるだろう。特筆すべきは「bagatelle no.1」「reposer」「nocturne」。この最終楽章で聴かせてくれる延近の音楽に、もう余計な説明は一切必要ない。そこにあるのは、とても人に近いところの音楽。
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カナダ出身の音楽家Mockyが、パリにあるFerber Studiosにて収録した4thアルバム。
ラジオでたまたま収録曲の「Birds Of A Feather」がプレイされていたのを耳にしたのがキッカケ。
口笛の切ないメロディーとMockyの歌声がなんとも儚く美しい。
アルバムはSoulやSoft Rockまでもを内包したようなインスト中心のJazz的なアプローチ。
形容に困ってしまうほど独創的・幻想的で美しく、アナログ的な懐かしさも感じさせる、甘くてほろ苦いヴィンテージな作風。何度も繰り返し聴いてしまう心地良いさ。
仲良しのGonzales、Feist、Jamie Lidellらが参加。
(HMV/緑川 信宏)
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ちょっとした宇宙旅行。
そんな感覚に酔ってしまいそうな一枚。
子供をあやすかのように囁く声や、癖になるノイズ、浮遊感漂う電子音。
宇宙から地球を見る宇宙飛行士になったような、または、目を開くと目の前には幾千の星が広がっているような、a lilyによる素敵で独特な世界観。
「lights shone brighter.my delicate sun is my sparklin'sun」は世界を安息へと導いてくれる様で神秘的。
そして、一曲約34分にもおよぶ「shipwreck」は、聞き入っているうちに眠ってしまう位の心地好さ。
夜の御供に是非。
(HMVイオン土浦/三好 浩平)
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「美しさを言葉にするには、限界がある。」
そう思わされた、音楽は初めてでした。
ぴったりな形容詞があるとするならば、ぜひ教えてもらいたいものです。
全ての音楽愛好家に捧ぐ、究極の美。そして至高のアンビエント。
誰もが想像し得なかった、究極と至高の和解成立。
こりゃ、参りましたね。
(HMV銀座インズ/古屋 雄裕)
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SPACETIME CONTINUUM名義で数々の傑作を放っているアンビエント・プロデューサー、ジョナ・シャープと、ドイツのレーベルSOURCE RECORDSを主宰し、ドイツのエレクトロニカ・シーンを築いてきたMOVE Dことデヴィッド・モーファンによるプロジェクト、REAGENZ(レアゲンツ)唯一のアルバム!
90年代を代表する革新的なプロデューサーである2人が創り上げた本作は、テクノ〜ハウスの音響的な部分を抽出し、アンビエント/エレクトロニカとして再構築。単なるエクスペリメンタルに終わらず、心地良いマインドトラベル・ミュージックとしての表現に成功した。
(HMV銀座インズ/小原 優男)
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タイトルのとおり、弾むような水音と透明感のあるピアノが絡み合う「waterproof」で幕開け。テルミン奏者・桑島はづきとのユニット「citron」でRIZING SUN ROCK FESTIVAL 2004 in EZOに出演、坂本龍一のJ-WAVE「Radio Sakamoto」でオンエア、「帰国子女ってかんじだね」と評されるなど、にわかに話題となっているchiharu mkの最新作。KUNIYUKI BAND(mulemusiq)のギタリスト・Yoshihiro Tsukaharaが参加。
(HMV/村崎 真佑)
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当時ポリスのギタリストだったアンディと、キングクリムゾンのギタリストとして知られるフリップの共作。
UKロック界きっての技巧派ではあるが演奏のスタイルは全く異なる2人が、自身の個性を発揮し合い作り上げたサウンドはそれだけで非常に興味深い。
特にアンディに関しては、ポリスでしか知らない人にとっては意外と思えるサウンドかもしれない。
フリップ&イーノやアンディのソロ作『Mysterious Barricades』に通ずるアンビエントな曲やミニマル感あふれる曲が並び、フリップらしいプログレの要素を含みながらも全体的に心地よいサウンドが展開されている。
(HMV銀座インズ/鈴木 俊介)
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