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【連載コラム】Akira Kosemura 『細い糸に縋るように』 第58回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2014年9月11日 (木)

profile

[小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA]

1985年生まれ、東京出身の作曲家・音楽プロデューサー。
2007年「It's On Everything」でデビュー。同年、音楽レーベル「SCHOLE」を共同設立。
これまでに五枚のオリジナルアルバムを発表、いずれの作品も国内外において高い評価を獲得。
2012年にコンテンポラリーバレエ公演「MANON」(演出/振付:キミホ・ハルバート)の音楽、2014年に映画「最後の命」(監督:松本准平、主演:柳楽優弥)の音楽を担当。
やなぎなぎの楽曲プロデュースや、全日空「ANA LOUNGE」の音楽監修、イケアのテレビCMをはじめとした数々の広告音楽を手掛け、NIKON ASIA、KINFOLK、RADO Switzerlandなど国際企業とのコラボレーションも多数。
これまでに米国最重要音楽メディア「Pitchfork」、豪州最大規模の新聞紙「THE AGE」にてその才能を賞賛されるなど、日本国内に留まらない世界的な活躍が期待される音楽家の一人である。




こんにちは。
夏、終わりましたね。
前回のコラムで、今年の夏はなんだか元気がない、あんまり嫌な感じがしない、といったようなことを書いていたと思うのですが、その後も結局、パッとしないままフェードアウト。すっかり秋の風が吹いています。
いったいどうしたんでしょうね。地球温暖化は着々と進んでいるだろうに、とても不思議です。代わりに今年の冬、極寒だったらどうしよう。

それにしても、僕は日々、デング熱の動向が気になって仕方がありません。まさか、あの代々木公園が、東京のオアシス的存在で、誰からも好かれるあの代々木パークが、こういってはなんですが、たかが“蚊”ごときで閉鎖にまで追いやられるなんて・・・。とてもショッキングな事件です。報道では、蚊に刺されないようにするのが最善の予防策、と言っていて、なんだかもう、つまり予防策はないってことですよね・・・。
というわけで、しばらくの間、公園にいくのはお預けにすることにしました。
まったく、なんということだろう。

さて、天気の話、流行の話、と続いては、映画の話です。(お知らせ)

音楽を担当した映画「最後の命」が、11月8日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国公開になります。
芥川賞作家の中村文則さんが書かれた同名小説を、新鋭・松本准平監督が映画化、主演に柳楽優弥さん、共演に矢野聖人さん、比留川游さん、他にも滝藤賢一さんなど、素敵な俳優さんがたくさん出演されています。主題歌はCoccoさん。僕は劇中の音楽を担当しています。
今年の二月中頃に初めての打ち合わせがあり、三月一杯を使って作曲、月末にレコーディング、四月にミックス作業をして、五月末には完成していたので、ようやくお知らせができたなぁという感覚です。映画というのはたくさんの方々の尽力、長い月日を掛けて育まれていくんですね。作曲するために編集段階の映像を何度も観ていたわけですが、それでも完成試写を観た時は心から感動しました。その後、わざわざ試写会に三度も足を運んでしまったくらい、とても素晴らしい作品です。

人間の根源的な部分について。悪と悲劇。絶望のなかで生きること。その先にある微かな希望、救い。

そういった心の葛藤や、奥深くに潜む闇について、実直に、そして丁寧に描いた作品だと思います。映画を観終わった後で、心の奥深い部分からふつふつと湧き上がるような、そんな静かな感動のある映画です。
柳楽優弥さん演じる桂人を始めとした登場人物の心の機微に寄り添うように、とても丁寧に音楽を紡いだので、ぜひ劇場でご覧頂けたら幸いです。

そして。
映画の公開は11月8日ですが、ちょうどそのひと月前になる10月8日に、映画のオリジナル・サウンドトラックとなる最新アルバム「最後の命 EMBERS」の発売が決まりました。
久しぶりの大きなリリースですね。アルバムとしては、2012年5月の「MANON」以来になるので、実に二年半振りでしょうか。
ピアノと弦楽四重奏を用いた静かなサウンドトラックに仕上がっています。いくつかのテーマを用いながら変奏を奏でていく、映画音楽らしい手法を取っているのですが、そのどれもが気に入っていて、とても大切な作品になりました。
映画音楽なので、映像を観ながら音楽を付けていくわけですが、今回の作品では、これまでの作品ではあまり用いてこなかった種類のハーモニーや進行が映像と共に浮かび上がり、それらが主体となって音楽を形作っているので、そういう意味で、過去のどの作品とも違う新たな魅力を持ったアルバムになっていると思います。もう半年近くの間、日々このアルバムを聴いていますが、いまだに飽きがこないのでとても満足しています。
映画や舞台など、劇伴音楽を作る場合、作品からたくさんのインスピレーションを受けられるので、作曲している自分があまり磨り減るような感覚がないというか、あまり心が疲れないんですよね。それはつまり、自分自身が表現することを楽しめているということなのかもしれないのですが、例えばそれが自分のアルバム制作だったりすると、作品のコンセプトや音楽の方向性、編曲のバランス、場合によっては制作のディレクションなど、たくさんのことをすべて自分のアイディアで処理しなくてはならないので、とても大変で、すごく心が磨り減るんですね、僕の場合。
つまり、制約がない=自由というのは、その扱い方がとても難しいものなんです。
どこにだって行けるはずなのに、どこにも行き着けない、というか。
そんなジレンマのなかで、自分と向き合い、戦い続けなくてはいけない。
その一方で、制約のある劇伴音楽というのは、逆にとてもフラットな立ち位置で自分の音楽と対峙出来る仕事であって、その都度、学べることもたくさんあるし、結果として新しい世界に行き着けるものなので、常に充実感があるんですね。それは作品のクオリティーという意味でも、作品を作り上げた達成感という意味でも。

ちょっと話が脱線してしまいましたね。
つまりは、「最後の命」という作品に出会えて良かったなぁということです。素敵な作品に出会えて、大切に想える音楽を紡ぐことができ、心から幸せです。
というわけで、発売まですでに一ヶ月を切っていますが、まずは来月、サウンドトラックを聴いていろいろな想像を膨らませながら、11月8日の映画公開を心待ちにしてもらえたらと。
また、発売日となる10月8日当日は、ルーテル市ヶ谷教会で、東京では約一年半振りとなるコンサートを開催するので、東京近郊にお住まいの方は、ぜひ演奏を聴きにきて、その場でサウンドトラックをお持ち帰り頂く、というスケジュールでも・・・僕は全然かまいませんよ。
ちなみにこの日は、ピアノトリオ編成による新しい編曲でお届けします。ピアノソロで演奏していたあの曲やこの曲を、ピアノとヴァイオリン、チェロのトリオバージョンで演奏します。この編曲作業のために、最近は独り、机に向かう日々だったのですが、良い感じに仕上がったのでこちらも早く聴いてもらいたいなぁ。というか、早くこのスコアを実際に再現したい。
会場のルーテル市ヶ谷教会には、先日下見で行ってきたところなのですが、想像以上に素敵なホールでした。ピアノは久しぶりのスタインウェイ、フルコン。教会ということもあって、とても豊かな響きだったなぁ。試弾しながら、うっとりしそうだった。


というわけで、気がつけばなんだか長々とたくさんお知らせをしてしまいましたが、どこまで伝わったかな。とりあえず、今日のお知らせが僕にとってとても大事なことだということくらいは、この文章の長さで伝わったことでしょう。

詳しくはウェブで。

それではまた来月。
ごきげんよう、さようなら。



  映画「最後の命」公式サイト
  「最後の命 EMBERS」スペシャルサイト
  http://www.akirakosemura.com/
  http://www.scholecultures.net/





Akira Kosemura 最新作

Akira Kosemura 『最後の命 EMBERS』  [2014年10月08日 発売]

劇場映画「最後の命」のオリジナル・サウンドトラックを発表します。
本作品は、芥川賞作家・中村文則の同名小説を新進気鋭の映画監督・松本准平が映画化、主演に柳楽優弥、共演に矢野聖人、比留川游、そして滝藤賢一、りりィ他が出演した純文学作品。
柳楽優弥演じる主人公・桂人を始めとした登場人物の心の機微を、ピアノと弦楽四重奏によって細やかさに、そして丁寧に掬い取った非常に繊細な映画音楽です。
監督から伝えられた「彼らを肯定する。」という決意の言葉を頼りに作曲されたという本作は、かすかな希望と救いを感じさせる、静けさのなかに熱を帯びた小瀬村晶特有の胸を打つ音楽が随所に散りばめられた、ミニマルで且つ豊潤な作品に仕上がっています。

映画「最後の命」は11月8日より新宿バルト9他、全国ロードショー。



Akira Kosemura 今月のオススメ

[.que] 『water's edge』  [2014年09月15日 発売]

2013年SCHOLEよりデビューした [.que] の4枚目のアルバムがリリースされます。
彼の故郷でもある内妻海岸(徳島)の波の音や、瀬戸内国際芸術祭2013に参加するために訪れた香川の小豆島の港の音など、海沿いでのフィールドレコーディングが随所に用いられた作品です。また、演奏で訪れる事となった三好百年蔵(徳島)で録音したピアノを元に構築した楽曲(7.Homeward)も収録するなど、彼の故郷への思いが詰まった作品に仕上がっています。
心躍る故郷への出発前、寄せる波の透き通った音で記憶が甦り、夕暮れの余韻とともに懐かしさが漂い、あっという間に引いていく波のように旅は終わっていく。
そんな夏の帰郷の思い出を元に制作された、[.que]らしい清涼感のあるサウンドが夏の終わりを鮮やかに彩ります。



次回へ続く…。






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