LOUDインタビュー: ALYN

2009年7月28日 (火)

interview

ALYN

'07年に関西で活動をスタート、現在は東京のエレクトロ・シーンを拠点に注目度を高めているDJ、ALYN。☆Taku Takahashi主催の<Tachytelic>や、中田ヤスタカ主催の<FLASH>、DEXPISTOLSのレジデント・パーティー<MIDNIGHT REQUEST>などにレギュラー出演している実力派だ。
そんなALYNが、このたび初のミックスCD『HEEL DANCE JAPONESQUE』をリリースする。エレクトロからテクノ、ハウス、ダブステップまで、バラエティー豊かなサウンドが詰まった本作。ハッピーなだけでなく、ダーティーかつへヴィーなミックスは、他の女性DJとは一線を画す、ドープな世界観を持っている。また、☆Taku Takahashi、DEXPISTOLS、THE LOWBROWSらが未発表の新曲を提供しているほか、ALYNが手がけたオリジナル楽曲が初披露されている点も注目だ。
DJ活動に懸ける思いを探るべく、ALYNに対面インタビューを行った。

どこか危険な香りがする曲とか、不安をあおるような音にひかれますね(笑)。


--- インタビューではLOUD初登場なので、まずはDJを始めたきっかけから聞かせてください。

ALYN: CDJ2台とミキサー1台のDJセットが、抽選で当たったんですよ(笑)。それが、DJを始めたきっかけでした。クラブで実際にプレイするようになったのは、2年前ぐらいからですね。

--- DJをやる前から、クラブへはよく遊びに行っていたんですか?

ALYN: そうですね。当時は、トランスとかヒップホップとか、いろんなパーティーへ遊びに行っていたんですけど、テクノがすごく好きでしたね。それ以外だと、自分の根底にはビョークがあります。彼女の、ちょっとグニャっとした毒のある感じから、すごく影響を受けました。

--- DJを始めた当初は、テクノを中心にプレイしていたんですか?

ALYN: 今よりももっとミニマルで、すごく暗い、自己中なDJをしていました(笑)。もともとクラブへよく行っていたので、パーティー・オーガナイザーが身近にいたんですよ。そういう人たちに、DJ活動を本格的に始めたことを報告していくうちに、定期的にパーティー出演のオファーをもらうようになりました。

--- 初のミックスCDには、『HEEL DANCE JAPONESQUE』という、とてもユニークなアルバム・タイトルをつけていますね。

ALYN: “JAPONESQUE”は、日本的な、とかいう意味ですね。アルバムの曲目を見てもらうとわかるんですが、日本人アーティストさんの楽曲を多く収録しているんですよ。以前から、“日本にも、カッコいい曲をつくる人がたくさんいるなぁ”と思っていたので、今回はその中でも、自分にゆかりのある方々に楽曲を提供していただきました。

--- “HEEL”という言葉には、どんな意味が込められているのでしょうか?

ALYN: 女の子がはく靴のヒールという意味と、プロレスとかの悪役っていう意味の、二つがありますね。私のDJを聴いた人から、“極悪だな〜”って言われることがよくあるんですよ(笑)。そういうのもあって、“HEEL”っていう言葉は自分に合っているなと思ったんです。

--- エレクトロやテクノ、ダブステップなど、様々なタイプの楽曲がセレクトされていますが、男の子顔負けの、だいぶゴリっとしたラインナップですよね(笑)。

ALYN: わりとテイストが偏らないように意識したんですけど、ちょっと毒づいた雰囲気がありますね(笑)。自分のアンテナに引っかかる要素が何なのかは、よくわからないんですけど...。どこか危険な香りがする曲とか、不安をあおるような音にひかれますね(笑)。

--- ミックス全体では、どんなことを意識しましたか?

ALYN: 最初は楽しい雰囲気で入って、だんだん自分の色を出していきました。後半はBPMがだいぶ速くなるんですけど、ピークを迎えた後は、YATTの曲でルンルン気分で終わる感じですね(笑)。

--- このミックスCDには、大沢伸一さん、石野卓球さん、☆Taku Takahashiさんをはじめ、日本のクラブ・シーンを代表するビッグ・ネームも名を連ねていますが、みなさんとは普段から交流があるんですか?

ALYN: ☆Takuさんは、関西時代からにレギュラーで出させてもらっていて、ずっと仲良くしていただいて、お世話になってます。大沢さんと卓球さんには、私がDJを始める前からイベントで良くお会いしていましたね。

--- また、DEXPISTOLSやTHE LOWBROWS、GALBITCH、YATTをはじめ、エレクトロ・シーンの重要メンツも参加していますね。

ALYN: DEXPISTOLS、JUSEさんとは、彼らのレジデント・パーティーに以前から出させてもらっていて、交流があるんです。THE LOWBROWSやYATT、GALBITCHは、よく同じパーティーでDJしている、仲良しアーティストさんです。メジャー・レーベルからCDをリリースするにあたり、そういった仲間たちと共作できたのはとても嬉しかったですね。

--- 今のエレクトロ・シーンでは、そういった若手DJ / クリエイターを中心に、興味深いカルチャーが生み出されているように感じるのですが。

ALYN: ジャンルの歴史が短いから、みんなスタートラインが近くて、横のつながりが強いんですよね。ちなみに、『HEEL DANCE JAPONESQUE』のジャケット制作を担当したスタイリストやアートディレクターも、私の周りの若手クリエイターなんですよ。

--- ところで本作には、ALYNさん初のオリジナル曲が二曲収録されていますが、楽曲制作は以前から行っていたんですか?

ALYN: 制作自体はやっていたんですけど、発表するのは今回が初めてですね。私の周りのDJさんは、オリジナル曲をつくっている方も多くて。それを見ていたので、私も自然な流れで曲づくりをするようになりました。

--- CDの一曲目を飾っている「HEEL DANCE JAPONESQUE」は、かなりタイトなインスト・トラックですね。

ALYN: これはイントロ的な感じで、ミックス全体にくっつけるイメージでつくった曲なんです。なので、フル・バージョンを発表するかどうかは未定ですね(笑)。

--- もう一曲の「The Voice」は、対照的な雰囲気を持つ、ピアノ・サウンドを用いた壮大な楽曲ですね。ブレイクビーツっぽいリズムが印象的でした。

ALYN: オリジナル曲を発表するのは初めてなので、聴きやすい感じの曲をミックスに入れようと思って、この曲をつくりました。「The Voice」には、私が今まで通過してきた音楽が凝縮されていますね。これからは、楽曲制作にももっと力を入れていきたいです。

--- 最後に、これからDJを始めたいと思っている女の子に、アドバイスをお願いします!

ALYN: 私がアドバイスなんて、おこがましいですけど〜。まずはDJセットを手に入れて、練習をするのが第一ですね(笑)! ネットで自分の活動をプロモーションすることも、今は簡単にできるので、頑張ってアピールしていったら楽しくなると思います。

新譜HEEL DANCE JAPONESQUE / ALYN
関西Female DJ 代表 ALYN(アリン)初のオフィシャルMIX CDが完成!☆Taku Takahashi、DEXPISTOLS、THE LOWBROWSら エレクトロ・シーンを担うクリエーター陣が書き下ろし楽曲で参加している他、自身が手掛けた楽曲2曲も初お披露目。またエレクトロのみならずテクノ/ハウス/ダブステップとバラエティに富んだ選曲センスを持つ実力と、オシャレでカッコ良いルックスも◎な注目女子の登場です!!
profile

electro,Techno,Houseを中心に、攻撃的かつ繊細な独自のPLAYスタイルで07年より関西を拠点にDJ を始める。関西のみならず、頻繁に東京からのDJオファーを受けていた希有な存在であったが、現在は東京に拠点を移し、日々活動の幅を広げている。そして09年7月、自身初のオフィシャルMIX CD"HEEL DANCE JAPONESQUE"をユニバーサルミュージックよりリリース。同タイトルには自身のオリジナルトラックも収録され、DJだけではなくトラックメーカーとしての側面も見せており、今後は制作活動にも期待が高まっている。またリリース記念としてCDへの豪華参加アーティストを巻き込み、全国約20カ所を回るというリリースツアーを今夏決行!SOULWAX、MISS KITTINなど国内外の様々なARTISTとの競演を果たし続けている傍ら、現在都内では☆Taku Takahashiが主催する代官山AIR"TACHYTELIC"をはじめ、中田ヤスタカ(capsule)主催の渋谷CLUB ASIA"FLASH"、関西ではDEXPISTOLS,DJJUSE主催の大阪ONZIEME"MIDNIGHT REQUEST"でレジデントDJを務めている。

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