Quanticのコロンビア最新録音が凄い。

2009年7月2日 (木)

かつて、キューバを訪れたライ・クーダーは、この地の豊穣な音楽に完全に魅了され、やがて現地のミュージシャンとの素晴らしいセッションを収めた世紀の名盤『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を世に送り出す。ソンやボレロといったキューバの伝統音楽で全世界を感動の渦に巻き込んだのも今は昔、1997年のことである。

それから時を経ること十余年。
世界のあらゆる音楽を体感し、辿り着いた果ての南米・コロンビアの音楽に身も心も取り憑かれ、遂に移住までしてしまったある一人の男。ゆたかな土着のリズムがひしめきあうこの地にて、その男はまたひとつ、奇跡の傑作を紡ぎ上げる。それも、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』をも凌ぐほどの、奇跡の感動巨篇を。
混沌と興奮、静寂と安堵。現地の、そして隣国のミュージシャンたちとの濃密なる対話から生まれた、南国の果実のように熟れたラテン音楽。
その手法は極めてトラディッショナルでシンプル。難しい理論も何もなく、とても肉感的で自然発生的。だからこそ、日々の生活の中で純粋に"音を楽しむ"という、音楽そのものの原点・本質に迫る究極の音皿であるともいえる。

Mochillaの首謀、B+が手掛けたドキュメンタリー映像のトレイラーをご覧いただけます。

カリブ諸島、ラテンアメリカ、そしてアフリカ。まだ見ぬ辺境の音楽に、急激に世界の関心が集まっている昨今。あらゆる音楽を掘り尽くしたDJやレコードコレクターたちは今、みなこぞってここに向かおうとしていることはまず間違いない。今回の主人公、Quanticことウィル・ホランドもその一人だ。

Quanticは2007年にコロンビアの第三都市カリに移住。世界中から賞賛を集めたThe Quantic Soul Orchestra、およびトロピカル・ダブ・プロジェクトQuantic Presenta Flowering Infernoを経て、今ここに新しいプロジェクトを立ち上げた。その名も、Quantic and his Combo Barbaro。
QuanticはこのプロジェクトのためにCombo Barbaro（"異邦人の集団"もしくは"非ヨーロッパ人達"の意）を結成。The Quantic Soul Orchestraからバトンを引き継ぐ形で、彼の音楽性は新たなフェイズに突入する。

2009年、彼らの手により誕生した作品のタイトルは『Tradition In Transition』。
常に変化し、移ろいゆく日々において、動じずにそこにある伝統や本質をしかと捉える―――。
思わずはっとさせられるテーマである。

Combo Barbaroの中心となっているのは、いずれも名うてのミュージシャン達。

ペルー･サルサ･クラシックスの最重要人物で､ベネズエラ･サルサの名門グループにも携わった名ピアニスト、アルフレッド・リナレス。2008年にQuanticのライヴに参加、その驚愕のパフォーマンスで満員の観客を魅了。
フレディ・コロラドは、コロンビア/カリのミュージックシーンの礎を支えるカリスマ的コンガ奏者。
ベイビー・ベースはフェルナンド・シルヴァ、エレキギターはQuantic自身が担当。
魅力的な歌声で色を添えるのは、伝説のパナマ人ソウル・シンガーカビール、そしてインド北部のトラッドを感じさせるファルー。女性作曲家ニディア・ゴンゴーラも美しい楽曲「Un Canto A Mi Tierra」を提供。

注目すべきは、Quanticとは長年に渡るコラボレーションでおなじみのマルコム・カット(Heliocentrics)の参加！その手腕は先だってリリースされたエチオピア音楽とのコラボ『Inspiration Information: 3』を是非とも参照されたし。

また、これまでにジョルジ・ベンやイヴァン・リンス、エリス・レジーナの作品を手掛けてきたブラジル音楽界の巨匠アルトゥール・ヴェロカイの協力も大きい。彼が指揮をとった12人編成のストリング・セクションは、本作において実に効果的に、スリルとスケール感を醸している。

さらには、Mochillaの首謀、DJ/フォトグラファー/ディレクター/プロデューサー/ジャーナリストでもある気になる男B+が美しいブックレット写真を担当。偶然か、はたまた必然か？！名盤の陰には常にこの男の存在アリ。

B+ Photo

photo by B+

アメリカやヨーロッパでいまだ知られることのない、辺境の地平にきらめくストリート・ミュージック。世界中から集められた名手たちによるサイケデリックかつ実験的な試み、そして最高にリズミカルなサウンド。そこに、Quanticお得意のディープ・ファンクとソウルのエレメント。
コロンビア音楽のみならず、メンバー各々のバックグラウンドにある多様なカルチャーをパッチワークのように繋ぎ合わせ、南北アメリカ大陸の幅広い音楽を包括する…。この懐の深さにまずは感慨。

ドラムマシーンやサンプリング処理が当たり前となっている当世。この『Tradition In Transition』の極めてトラディショナルで本質的な手法に、聴く者は本能的に引き込まれるだろう。ミュージシャンたちによる即興的でエキサイティングな"対話"が、独特の親近感と、予想不可能な展開を生み出す。それこそが本作の最大の魅力である。

日々変わり続けるメインストリームの音楽シーンから距離を置き、独自の進化を続ける天才ウィル・ホランド＝Quantic。
そして、彼の底知れない可能性が集約された傑作『Tradition In Transition』。
音楽の原点であるはずの、純粋に"音を楽しむ"ということ。その喜び、そしてライヴ・サウンドの絶対的な魅力を余すところなく堪能できるこのような作品には、恐らく数十年に一度しか出会えない。2009年の大本命盤であると同時に、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』さながら後世に残したい大銘品だ。

B+ Photo 2&packshot

photo by B+

ピーター・バラカン　（ブロードキャスター）
「予想外もいいところ......「マス・パン」ではラテン・ファンクとフェラ・クティが合わさった感じのグルーヴにスティール・ギターが絡み、怪しげな場末風のピアノから始まる「リンダ・モレナ」ではニュー・オーリンズのドラマーとソウル歌手が昔のサルサ・バンドに飛び入りしたようなノリがあり、これはたまりません！」

須永辰緒　　(DJ / プロデューサー）
「back 2 basic。時代が一回りして、音楽を満たす素養と基本のグルーヴこそが最先端なんだということを確認しました。温かく、そして獰猛。」

松浦俊夫（DJ）
「2006年プエルトリコのThe Candela All StarsをフィーチャーしてブルックリンのNickodemusと共同プロデュースした"Mi Swing Es Tropical"あたりから、QuanticことWill Hollandの楽曲のファンクネスには、民族性（特にラテン）からの影響が強く現れ始めた。その後コロンビアへの移住、2枚のアルバムのリリースを経てこのアルバムでその情熱は遂に結実した。あまりにもフラットな現代のメインストリームの音楽シーンに異論を唱えるかのように有機的で音楽への愛情がたっぷり詰まった作品は、個人的に今年のベストアルバム入り間違いなしの傑作。音楽が本来の居場所に帰ってくる、そんな予感がしてならない今日この頃。」

Quantic :
Quanticことウィル・ホランド。
創立10周年を迎えるUKのレーベルTru Thoughts所属のイギリス人プロデューサー/ミュージシャンであり、熱心なレコード・コレクターとしても知られる。
Quantic名義のソロプロジェクト、またライブ・バンドとしても絶賛されるThe Quantic Soul Orchestraなどさまざまな名義で幅広い作品群をリリース。トータルで10万枚以上のセールスを記録。
特にNickodemusとのコラボレーション作品「Mi Swing Es Tropical」は、2007年のiPodのCMに起用され、Quanticの名を飛躍的に世に知らしめるきっかけとなった。
2007年、コロンビアに眠る素晴らしい音楽を自らの手で掘り出したいという情熱に突き動かされ、コロンビア第三の主要都市カリに移住。この地で、世界中から賞賛を集めたThe Quantic Soul Orchestra名義での名作『Tropidelico』（2007）、トロピカル・ダブ・プロジェクトQuantic Presenta Flowering Inferno名義『Death Of The Revolution』（2008）を制作。
この2作を通じて現地のミュージシャン達の潜在能力と、彼らが生み出す高いサウンド・クオリティに感銘を受けCombo Barbaroを結成、彼の音楽性は新たなフェイズに突入していく。

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2009年の大本命！
Quantic コロンビア新録

Tradition In Transition

Quantic and his Combo Barbaro

ユーザー評価 : 4点 (3件のレビュー)

価格(税込) : ￥2,305
会員価格(税込) : ￥2,120
まとめ買い価格(税込) : ￥1,960

発売日:2009年07月04日
入荷日未定

洋楽3点で最大30％オフ

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輸入盤&LP

輸入盤

Tradition In Transition

Quantic and his Combo Barbaro

ユーザー評価 : 4点 (3件のレビュー)

価格(税込) : ￥2,860
会員価格(税込) : ￥2,184
まとめ買い価格(税込) : ￥2,145

発売日:2009年06月25日

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輸入盤

Tradition In Transition (2枚組アナログレコード)

Quantic and his Combo Barbaro

ユーザー評価 : 4点 (3件のレビュー)

価格(税込) : ￥3,629
会員価格(税込) : ￥3,158
まとめ買い価格(税込) : ￥2,904

発売日:2017年12月20日
- 販売終了

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キートラックを12"カット！！
アカペラver.収録。

12inchシングル輸入盤

Un Canto A Mi Tierra

Quantic and his Combo Barbaro

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価格(税込) : ￥1,364
会員価格(税込) : ￥1,255
まとめ買い価格(税込) : ￥1,091

発売日:2010年02月09日

輸入アナログレコードどれでも2点以上買うと20％オフ (※一部対象外あり)

販売終了

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Quantic Works

Flowering Inferno Death Of The Revolution

Quantic

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価格(税込) : ￥2,515
会員価格(税込) : ￥2,313

発売日:2008年07月15日

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Tropidelico

Quantic Soul Orchestra

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価格(税込) : ￥2,515
会員価格(税込) : ￥2,313
まとめ買い価格(税込) : ￥2,139

発売日:2007年11月03日

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併せて聴くべし。豊穣なるマージナル･ビーツ

輸入盤(国内盤仕様)

Inspiration Information: 3

Mulatu Astatke / Heliocentrics

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価格(税込) : ￥2,608
会員価格(税込) : ￥2,399

発売日:2009年04月25日
- 販売終了

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輸入盤

Endangered Species

Nickodemus

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価格(税込) : ￥2,849
会員価格(税込) : ￥2,621
まとめ買い価格(税込) : ￥2,621

発売日:2006年11月20日

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コレクション

Brasilintime: Batucada Com Discos

B+

ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)

価格(税込) : ￥4,620
まとめ買い価格(税込) : ￥3,788

発売日:2008年05月23日

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輸入盤

Sertao Madrugada

B+ (Brazil)

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価格(税込) : ￥2,739
会員価格(税込) : ￥2,384

発売日:2009年03月10日
- 販売終了

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輸入盤

Popcorn Bubblefish

Malcom Catto

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価格(税込) : ￥2,244
会員価格(税込) : ￥1,953

発売日:2007年07月17日
- 販売終了

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輸入盤

Suite For Ma Dukes

Carlos Nino / Miguel Atwood-ferguson

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価格(税込) : ￥2,519
会員価格(税込) : ￥2,192

発売日:2009年04月25日
- 販売終了

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輸入盤(国内盤仕様)

Sujinho

Jackson Conti

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価格(税込) : ￥2,530
会員価格(税込) : ￥2,328
まとめ買い価格(税込) : ￥2,150

発売日:2008年07月05日

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Encore: Feat.Azymuth & Ivan Lins

Arthur Verocai (アルトゥール・ヴェロカイ)

ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)

価格(税込) : ￥2,075
会員価格(税込) : ￥1,909
まとめ買い価格(税込) : ￥1,765

発売日:2007年10月10日