100s 【インタビュー】

ROCK NEXT STANDARD

2009年6月24日 (水)

interview

Smooth Current

16曲に及ぶ一大コンセプトアルバム『世界のフラワーロード』。今回は初となるプライベートスタジオ、通称“100st.”にて長い期間をかけて制作されたもの。時間の制約が無く、いちから理想のサウンドを求めて創り上げた一枚。 中村一義を中心として、映画を創り上げるように制作された『世界のフラワーロード』は一曲一曲の完成度の素晴らしさと共に、アルバムトータルの世界観、ストーリー性も感じさせる、一大絵巻となっています! こだわりぬいた音とトータルの世界観、一度聴くと、また初めから聴きたくなるような素晴らしいアルバム。
今回はアルバム制作の話や、なかなか聞く機会のないメンバー全員の音楽的ルーツや最近気になってるCDなど、かなり脱線しながらも色々な話を聞いてきました!

(レコーディングは)楽しい!っていう印象しかなかったですね。

--- まず初めにアルバム『世界のフラワーロード』の完成おめでとうございます。

中村一義(以下中村):ありがとうございます!

--- レコーディングはどんな感じで進んでいったのですか?

中村:今回、自分達のプライベートスタジオで、100st.(ヒャクスタ)っていうのがあるんですけど、そこで全部録ったんですよ。なのでもう合宿状態というか、休憩の食事とかも自炊ですし、みんなで茶碗運んだりしながら(笑)。そういうのはすごい面白かったですね(笑)

--- レコーディングの制作の期間っていうのはどのくらいあったんですか?

中村:それがすごい長かったんですよ。そのスタジオの準備期間とか入れるともう去年の春ぐらいだったので、一年以上ですね。

--- それはもうアルバムをつくるぞと決めて、スタジオにこもったっていう感じなんでしょうか?

中村:まずそのスタジオを、“ドラム録りとかも含めて、ちゃんと出来るのか?”というテスト期間もありまして。そこで、僕と池ちゃんと小野ちゃんでビートルズの「Sexy Sadie」をカバーしたりとか(笑)。そういうのをやっていく中で、“これで、録れるな!”っていうのがわかってきて。それから機材なんかをだんだん導入して、録りはじめようってなりましたね。それが去年の夏ぐらいかな。

--- プライベートスタジオでの初めてのアルバム制作ということで、今までと一番違う点はどこですか?

中村:そうですね〜、やっぱり時間はデカイなと思って。プライベートスタジオだと時間をかけられるんで。いや〜外部のスタジオに頼むと時間気にしちゃいますからね。24時近くなるとみんなドキドキしだして(笑)。急にセカセカしだして(笑)

--- 時間の制限がないと、逆に際限なくやってしまうような気がしてしまうんですけど。

中村:そうなんですよね、そこをうまくコントロールしながら。でもそのプライベートスタジオでは理想の音が鳴っていたんです。例えばドラムとかも、外部でやっていたときには自分達の音を鳴らそうとしたときに、音決めだけで3〜4時間かかっちゃって、あっちにしてみよう、こっちにしてみようって色々移動したりして。で、いざプレイっていうと、もう疲れちゃって(笑)。そういうストレスはなかったので、その分作るほうに集中できましたね。

池田貴史(以下池田):スタジオはそんな広くないんで、そうするとみんなどうしても密になるというか。もちろん距離も近いですけど、気持ちが密になりますね。そういう面でもデカかったですね。

--- 逆にやりづらかったことはありますか?

中村:(メンバーで顔を見合わせながら)う〜ん、ないよね。

池田:ないね〜。例えば機材面とかでやりづらい、これが足りない、っていうことがあったとしても、そこすらも、逆にどうカバーしていくか?っていう楽しみに変わっていくという、そういう集中力がありましたね。楽しい!っていう印象しかなかったですね。

--- 振り返ってみれば、もちろんつらかったこともあったんでしょうけど、トータルでみると楽しかったイメージのほうが大きいんですかね。

中村:はい、そういう意味では一番レコーディングしてるというか、やっぱりビートルズの時代だって機材は無くて、自分達でテープをくっつけたりしてやってるので。そういう、なんとかしていく、努力していくっていうのがおもしろかったですね。

--- 作業時間的には、いままでとくらべるとどうですか?

中村:密度は濃いよね。

池田:密度は濃かったですね〜。 そんなに長くはないですね。さっき言った、音決めが早かったりとか。ギターもベースもそうですけど、普通だったら、ガラスを隔てて弾いたりとかするんですけど、もうみんなコントロールルームっていうところでディスカッションしながらやってましたから。

町田昌弘(以下町田):本当にこの距離だよね、ギター持って、この距離(1〜2mです!)であーしろ、こーしろって言って(笑)

profile

様々な音楽経歴を持つ6人…中村一義(Vo.)、池田貴史(Key.)、町田昌弘(Gtr.)、小野眞一(Gtr.)、山口寛雄(Bs.)、玉田豊夢(Drs.)からなるバンド、100s [hyaku-shiki]。[100s]として2004年にシングル「A/やさしいライオン」と「Honeycom.ware/B.O.K」を発表。2005年1月に“ファーストにして、すでにベスト!”と評された超大作の1stアルバム『OZ』を発表。 1年を要した『OZ』レコーディングにより、6人6様の“ロック”を昇華させた“100sサウンド”は、さらに深みを増し、2007年には、"熱量"を注ぎ込んだ圧倒的なバンドサウンドで聴き手の心を強く揺さぶる作品、シングル「希望」「ももとせ」、5月には2ndアルバム『ALL!!!!!!』発表。 そして、2009年3月。約2年ぶりのリリースとなるシングル「そりゃそうだ」は、100s初の映画主題歌「ウルトラミラクルラブストーリー」のエンディングテーマに決定!5月に発売された両A面シングル「モノアイ / 空い赤」に続き、7月には待望の3rdアルバム「世界のフラワーロード」を発表!