2008年12月11日 (木)
『ワン・プラス・ワン』(68年)、『ギミー・シェルター』(70年)、『レディス・アンド・ジェントルメン』(74年)、『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥギャザー』(83年)・・・ローリング・ストーンズの数あるドキュメンタリー/ライヴ映画史に新たに加わる1作品、 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』が、12/5(金)、ついに日本劇場公開! 「タクシー・ドライバー」、「グッドフェローズ」、「ギャング・オブ・ニューヨーク」の・・・というよりは、ロック・フリークにとっては、ザ・バンド「ラスト・ワルツ」、ボブ・ディラン「ノー・ディレクション・ホーム」でメガホンを執った、「ロックを最も理解した」名匠・・・と形容した方が通りがよいだろう。監督は、ミック・ジャガーが最高の映画監督と称えるマーティン・スコセッシ。2006年11月、「バンドと観客の距離を縮める手助けもしたい」というスコセッシたっての希望により、収容人数わずか2800人というニューヨークはビーコン・シアターで、ローリング・ストーンズ「ア・ビガー・バンワールド・ツアー」のライヴ・ステージが撮影された。
ならず者、今だメインストリートにて。
セット・リストを巡る、ミックとスコセッシのぶつかり合いで幕を開ける映画本編―――――。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の強烈なリフが高らかに掻き鳴らされた瞬間、ローリング・ストーンズは本能の赴くままに、”イッツ・オンリー・ロックンロール”哲学をブチ撒ける。「永遠の不良少年」だとか、「最長不倒のロックンローラー」だとか、もはや語り尽くされた感のある陳腐な称賛は、音の藻屑となって消え霞むばかりだ。紆余曲折、寒煖饑飽、ありのままに転がり続けた結果、今そこにいるストーンズの等身大の姿を捉えた、コンサート・フィルムという名のドキュメンタリズムは、皺だらけで、綻びだらけ、しかしながら、熟成されまくり、且つ、これ以上ない色香を手に入れた”ならず者”たちの現在を克明に映し出している。 過去の貴重なアーカイヴ映像を挟みつつも、「真実は、音楽とライヴ・パフォーマンスにあるんだ」と、あくまで現在進行系のストーンズの音、ステージのクオリティに命題を求めたスコセッシ。 絢爛豪華なゲスト陣の登場も、饗宴のさらなるハイ・ヴォルテージ喚起に拍車を駆ける。既にリリースされているサウンドトラックCD盤『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』をお聴きいただいても、この熱気は十分に窺い知ることができるだろう。また、「ヴードゥー・ラウンジ」、「ブリッジズ・トゥ・バビロン」でミキシングを担当した名エンジニア、ボブ・クリアマウンテンが、5.1chのマルチ・サウンド・ミックスを施し、これは、もはや"擬似"来日公演と云ってもよいほどの臨場感を味わうことができるはず。
年季の入ったストーンズ・ファンだけでなく、全ての音楽ファンに観ていただきたい「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」。いよいよ日本上陸! |
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