HMVインタビュー:MURO

CLUB JAZZ STORE

2008年11月28日 (金)

無題ドキュメント
muro
 MURO エクスクルーシヴ・インタビュー
KING OF DIGGIN’ことMUROが使い捨てのミックスCDブームに一石を投じる、 大好評の“ブルーノート”ミックスの第3弾となる『SKY HIGH! 〜Mizell Bros.Works〜 Mixed by MURO』をリリース! 今回、 誰もがやりそうでやらなかった、 生音の魔術師、ラリー&フォンスのマイゼル・ブラザーズ〜スカイ・ハイ・プロダクションのベスト・ワークス・ミックスを手がけた、 MURO氏に マイゼル・ブラザーズの魅力についてたっぷり語っていただきました!
「もう、20年以上、魔法に掛かりっきりですよ(笑)。」

--- 今回マイゼル・ブラザーズのミックスを制作しようと思ったワケは何ですか?

MURO  何となく、ずっとやりたいな、とは思ってたんですよ。ただ、2008年の年明けにドナルド・バードの『Places And Spaces』を聴いていて・・・そうなると、続けてボビー・ハンフリーとか、ゲイリー・バーツとか、もう止まんなくて(笑)、無性にプレイリストを作りたくなってブログにアップしたりして、“信号”を送りつつ(笑)。その辺りから具体化し始めましたね。クラブ・プレイだけじゃなくて、自宅でもよく聴くんですよ。しかも、家だとアルバム丸がけ状態で(笑)。

--- それくらい“よく出来たアルバム”が多いってことですよね?

MURO 間違いないですね〜。何と言うか、サントラみたいなアルバムが多いんですよ。あと、ソウル・カヴァーも何気に良くて。70年代、ブルーノートがNYからLAにベースを移した後の、俗に言う“LAシリーズ”って、やっぱりジャズ評論家からは受け付けられなかったじゃないですか?でも、例えばUKのレア・グルーヴのムーヴメントでクローズアップされたり、ア・トライブ・コールド・クエストとかUSのヒップホップ・アーティストからサンプリングされたり、と若い世代に受け継がれた部分はあるので、影響を受けた自分としても何か恩返しがしたくて。

--- なるほど。スカイハイの魔法にまだ掛かっている、と(笑)。

MURO もう、20年以上その魔法に掛かりっきりですよ(笑)。いや、テイスト・オブ・ハニーとかの“刷り込み”を合わせたら、30年位にはなりますかね。よく、言ってるんですけど、彼らの手の込んだアレンジのサウンドは僕の音楽志向の“基本”なんですよね。ジャズ〜フュージョン〜ソウル〜ディスコ、とジャンルに囚われない仕事をしてきた人たちなので、DJする時もいろんなシチュエーションでかけてきたし、かけるジャンルをスウィッチする際のブリッジにもなるし。

--- その音の魅力をズバリ一言で言うと?

MURO ズバリ、“エレガント”ってことでしょうね。エレピを含めた音使いやアレンジが凄く洒落てるんですよ。グルーヴも、そう。なんて言うか・・・狙いすましたアーバンな感じじゃなくて、もっとファンキーで芯がある。だから、ジャズ〜フュージョン・ファン以外からも人気があるんでしょうね。僕を含めたヒップホップのクリエイターからの人気も絶大ですしね。特に90年代のヒップホップに与えた影響は限りなく大きいと思います。だから、今回のミックスにはア・トライブ・コールド・クエストとか、ブラック・ムーンといった、彼らの音をサンプリングしたヒップホップの音源も混ぜてるんですよ。彼らがいかにマイゼルの音楽を愛していたかを代弁したかったんで。あと、ブルーノート音源のオフィシャル・ミックスは、今回で3作目になるんですが、毎回違った試みを見せたい、というのもあって。

--- ミックスする上で、特にこだわった点とは何ですか?

MURO やはり、全体の“流れ”ですね。最近の新譜系のミックスとかはクイックで曲がどんどん変わって、声で繋いじゃってるのが多いじゃないですか?それもアリかもしれないけど、僕としては“あ、これ全部で1曲かと思ってた”ってくらいの反応の方がしてやったり!なんですよね。自然に1枚聴ける、そんな感じを目指しました。カフェとか美容室でもBGMになるような。とにかく、スカイハイというくらい“気持ちいい音”なんで、是非体験して欲しいですね。



PAGE   1 ・ 2    



【関連サイト】
Rhythmedia
KING INC.
NOVOL official blog
Wax Poetics Japan

HIP HOP CAMP 2008 キャンペーン実施中! (〜 12/22(月)まで)

ページTopへ戻る