エイミー、ジョス、ダフィー、ノラ好きにお薦め

2008年10月21日 (火)

Amy Winehouse、Joss Stone、Duffy、Adele、Corinne Bailey Raeなど、若くしてヴィンテージ感をたっぷりに持ち合わせる新世代”早熟”女性シンガーの出現でひときわ盛り上がりをみせるブリット・ソウル・シーン。ロンドン出身、33歳の新人シンガーソングライター、このNatasha Panasも、彼女達同様に、素晴らしくソウルフルな歌声と、新人離れした「うたぢから」を持つ逸材。てか、掘り出し物！？

まぁ、完全に一目惚れですよ。そのオリエンタルな美貌もさることながら、堂に入ったソウルフルな歌唱にとにかく一目惚れしてしまいました。

オフィシャル・サイトで聴くことのできる1stシングル曲「Kennington」が、とにかく素晴らしかったんですよ。ナイジェリア系英国人シンガー、David McAlmontと共作となるこの曲。クラシック・ソウル・テイスト溢れたピアノのバッキングに導かれ、ゆったりとしたフォームで歌い込まれる様は、まるで70年代のアメリカ最南部にタイムスリップしたかのような、なかなかにディープな感覚を覚えました。　

公式のバイオには、Sadeのようなスムース・ジャズ・テイスト云々と書かれていましたが・・・いやいや、個人的には、もっと粘り気があり、コブシの効いた歌い回しをするシンガーという印象が強く残りましたね。Rita Coolidgeや、渋いところでは、Delaney & BonnieのBonnie Bramlettなんかを髣髴させる「デルタ・レディ」系のレイドバック感を漂わせるあたり、新人と言えど侮れませんよ。

彼女を語るキーワードとしては、「オーガニック」、そして、「ゴスペル」が適当と言えるかもしれません。デビュー・アルバム『Yellow Flowers』に収録される「Two Sides」（こちらもオフィシャル・サイトで視聴可）を聴けば、即座に納得いただけるはずですよ。なんですか、この蒼天翔ける日輪感は？このダイナミックなレンジは？女版Joe Cockerですかい！バックのクワイア・コーラスの迫力共々、実にパーフェクトなブリット・ゴスペル・ソウルですよね！

一方、「Strange Conversation」、「Dumb Infatuation」では、オーガニック・ネオ・ソウル系の潤いのあるタッチで、スムースな一時を紡ぎ、「Yellow Flowers」では、ピアノトリオをバックにしたジャズ色の濃いアプローチで、リッチな一時を味わわせてくれるんです。

「Perfect Score」で聴かせるスモーキーなロウ・ヴォイスや、「Moth To The Flame」で味わえるブルージーなテクスチャも、「枯れ専」寄りのソウル・マニアなどには辛抱たまらん具の合。メンフィス〜マッスル・ショールズよろしくなホーン・セクションの導入も吉★★

Aretha Franklin、Ann Peebles級とまでは言いませんが、Dorothy Mooreや、Jean Knightあたりの口当たりは、必ずお約束させていただきますよ！

プロデュースは、Amy Winehouseをはじめ、Sugababes、Atomic Kitten、Neneh Cherry、Groove ArmadaといったUKソウル／R&Bの重要作に数多携わってきた、Paul Simmが手掛けております。

秋の夜長にぴったりな良質SSW作品を・・・なんて悠長に構えて語ってる場合じゃないんです。Amy Winehouse、Joss Stoneファンは、必ずや秒殺で恋に落ちるんですから・・・ということは、大ブレイクにすでに片足かけてるってことでしょう？

兎にも角にも、HMVシンガーソングライター部、大推薦の1枚ってことです！