--- ファニアをはじめラテン、ラテン・ジャズ関連は、まだまだCD化されていないものが山ほどありますよね?
須永 基本、7インチは出ていないですよね。しかも、7インチにいいのが集まっているんですよね、特にファニアは。
例えば、今度の「夜ジャズ」イベントで持っていってかけようと思っているのは、ラテン・テイストを持ったジャズ・・・アフロ・キューバンなリズムを使ったジャズなんか聴かせようと。やっぱり、その辺はブルーノートの諸作から抜き出してという感じで。こんな有名なアルバムに、実はこんな(ラテン・テイストを持った)曲が入ってるんですよって。58年から62年ぐらいまでのブルーノートのアルバムって、大抵1曲は入ってるんですよ。
1番好きなのは、フランシー・ボランかな。ケニー・クラークとフランシー・ボランのブルーノートからの唯一のアルバム『Golden Eight』。これは、ラテン色がかなり強いです。ファニアのような「どラテン」というか、「Body And Soul」なラテンではなくて、もうちょっと知的というか、ラテン解釈を加えたジャズで、大変聴きやすいかと思います。ラテン初心者の方でも楽しんでもらえると思います。
--- 例えば、サブーのようなラテン・パーカッション作品でオススメを挙げるとしたら?
須永 ただ、サブーはパーカッション・パートが長すぎて、リスニングとしてオススメできるかどうかってところがあるんですけど。ルイ・ラミレスとか、モンゴ・サンタマリアとかはオススメですね。モンゴ・サンタマリアは、一時「タッチ・オブ・フュージョン」な時代があったんでけど、その頃の作品は、ラテンでありながら、美しいんですよね。そして、ブルージーなんですよね。初心者には、非常にオススメなアルバムが多いです。アトランティック期のちょうど手前とかですね。
ラテンというと、どうしてもマニアックすぎて、CDになっていないものがほとんどなんですよ。いい曲はいっぱいあるんですけどね。
・・・じゃあ、今から実際にお店(HMV渋谷店)に行って、10枚ぐらい選んでみましょうか?見ながらじゃないと思い出せないところもあるんで。
--- 是非、お願い致しますっ!
というわけで、急遽、HMV渋谷店のラテンおよびジャズ・コーナーに場所を移し、須永さんに直接、オススメ・アルバムをピックアップしていただけることになりました!
8/3「夜ジャズ」のレコードコンサートのテーマに冠された「クラブジャズによるラテン解釈」を踏まえつつ、初心者にもわかりやすい、ラテンとジャズの蜜月(?)盤を中心としたレコメンド・ディスクを都合13枚セレクトしていただきました。「夜ジャズ」の予習にはもちろん、これからのクラブ・ジャズ・ライフを100倍楽しむために欠かせない名品が揃いました。是非チェックのほどを!
この1枚に、ファニアの魅力が全て詰まっています!