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パトリック・デンプシー インタビュー

2008年6月24日 (火)

無題ドキュメント
パトリック・デンプシー『近距離恋愛』
『近距離恋愛』主演、パトリック・デンプシー インタビュー


「20年におよぶキャリアを経た今もこの場にいられるだけで幸せだ」


--- この新作についてどう思われますか。

パトリック・デンプシー   楽しくスイートで古風なロマンティック・コメディだ。それにスラップスティックも少しある。僕のように昔のコメディが好きだった人だったら、気に入ってくれると思う。ミシェル(モナハン)も本当にいい人で、僕らのキャラクターたちとの相性も最高だった。

--- あなたが男性のブライズメイドを演じるということで、このジャンルの通常のパターンをひっくりかえしたことについてはどうお考えですか。

パトリック・デンプシー   『メラニーは行く!』で一緒だったニール・モリッツが、この脚本を僕のところへ持ってきてくれた。当時僕はとても疲れていて、少し休養をとりたいと思っていたんだが、彼がどうしてもと粘ったんだ。僕が演じるトムをもう少し感じの良い青年にして、作品の全体の雰囲気をよりスイートにしたことで、これはいい作品になるんじゃないかと思った。

この映画は、二人が大学時代に偶然出会ったところから始まる。そのとき彼の欠点について率直に発言したハナの正直さにトムは感心する。それから話は10年後に飛ぶ。2人はまだ親友同士だが、彼女がスコットランドへ出張する。彼女がいない間、彼は彼女との間の親密さこそ、自分が求めていたものだと気づく。だが、戻ってきた彼女は婚約しており、彼にメイド・オブ・オナーになってほしいと言う。だから彼は彼女を取り戻すために、関係者の立場からその婚約を壊さなければいけない。とても可笑しいシーンやスイートなシーンがある作品だ。

--- この作品で普通の男性の役ではなく、コミカルな演技が多かったことついてはどう感じましたか。

パトリック・デンプシー   『魔法にかけられて』では普通の男として皆を助演する立場だったが、今回はもっと前面に出てフィジカルコメディをするから楽しかった。初期の頃に出演した映画と同じような感じだったから、再びこういう作品に出演することで一歩後戻りするのではないか、という不安もあった。自分が楽にできるものに頼りたくなかったんだ。でもそれと同時にこの作品は、ロマンティックなキャラクターを演じながらも新しい何かをやれる最高の機会でもあると感じたんだ。


パトリック・デンプシー『近距離恋愛』


--- 撮影はいかがでしたか。

パトリック・デンプシー   一番気に入っているシーンは、結婚式とスラップスティックだ。映画後半の舞台となるスコットランドでの撮影もあった。それもこの映画に出たいと思った理由の一つなんだ。スコットランドのスカイ島に2週間滞在して撮影をした。それからロンドンに行き、それからイングランドの田園地帯で撮影した。僕の家族も連れて行くことができた。城を買って引越ししたくなったよ!

--- このキャラクターは今までの役に比べていかがでしたか。

パトリック・デンプシー   マックドリーミーや『魔法にかけられて』で演じた役と異なりながらも、同じ雰囲気を持ったキャラクターを演じるのは楽しかった。主役として作品を担うチャンスだった。できれば興行的に成功を収めてほしい。そうすれば、次の作品でまた新しいことに挑戦するチャンスを与えてもらえるからね。

--- 一人の女性と本気で交際することに対する彼の恐怖心についてはどうお考えですか。

パトリック・デンプシー   僕自身は当然そんな恐怖心は持っていないけれど、自分とはまったく違った考え方のキャラクターを演じるのは楽しかったし、これほど親しい2人が肉体的なつながりを持たない理由は何か、ということを考えるのも面白かった。結局、それは2人の大学時代に始まったという結論になった。というのは、彼女は彼を信頼していないし堅物でもある。そして10年の間にどちらも相手にヒントを投げかけてきたのに、いつも相手が正しいタイミングでそれに気づかなかったということもある。

--- テレビのファンたちのために、あの役と大きく異なる役をやらないようにしよう、という気持ちはありますか。

パトリック・デンプシー   皆に徐々に慣れてもらわないとね。『魔法にかけられて』、そしてこの作品と『グレイズ・アナトミー』でのロマンティックな役から、徐々に別の方向へ行き、もっと奥行きを持たせたいと思う。今、いくつかの作品のオファーを受けていて、そのうちの一つはまったく違う役なんだ。今後はそういうものもやってみたい。

--- ロマンティックな役に固定されてしまうという心配はありますか。

パトリック・デンプシー   この次にどういう作品を選ぶかが重要になると思う。そしてそれはこの作品がどれくらい成功するかによる。同時期に公開される作品がたくさんあるから、次の作品へと後押してくれる僕の支持者がどれだけいるかということが問題になる。

--- 作品中、ブライズメイドのドレスは着たのですか。

パトリック・デンプシー   複数のパターンで撮ったシーンがいくつかあった。その中に、自分がメイド・オブ・オナーになったらみんなは何と思うだろうと、トムが想像するシーンがあって、そのためにドレスを着たんだ。そのときにパパラッチに撮られた写真があちこちに掲載された。結局、完成した映画にはドレスを着ているショットは使われなかった。でもキルトは履いているよ。

--- 『愛の宅配ピザボーイ』でスターになったときのことで覚えていることは何かありますか。

パトリック・デンプシー   カースティ・アレイがすごく愉快で楽しく、いちゃいちゃするのが好きな子だったことは覚えている。ずいぶん昔のことだ。当時は私生活であまり楽しくないことがいろいろとあった。でもそれを乗り越えて今ここにこうしていられることが嬉しい。ハリウッドという町で20年も生き残れたことにびっくりしている。あらゆることを少しずつ経験してきたよ。

--- Will & Grace や Once & Againに準レギュラー役で出演していた頃のことはいかがですか。

パトリック・デンプシー   あれが僕のキャリアにおけるターニングポイントの始まりだったと思う。Will & Grace とOnce & Againで僕を再発見してもらえたことがよかった。『メラニーが行く!』は大きなブレイクのきっかけになったけど、主役は僕でなくリース・ウィザースプーンだったから、今回、映画タイトルの上に自分の名前がくる主役になれたことが嬉しいと同時に、大きなプレッシャーを感じている。

--- テレビおよび映画界のビッグスターになった今、どんな華やかな生活を送っているのですか。

パトリック・デンプシー   僕の日常生活を見たらきっと笑うと思うよ。大抵の朝は睡眠不足気味で始まる。というのは、夜中に娘がいつのまにかベッドに入り込んで、僕らの睡眠を邪魔するから。そして娘が学校に行き始めたので、妻か僕のどちらかが彼女を学校に送って行くために夜明けと共に起きる。息子たちが起きてきたら彼らに食べさせ、遊ばせ、昼寝させる。それから僕はエクササイズをしてから脚本を読んだり、レースチームのことで電話をかけたりする。そうしているうちに娘が学校から帰ってくるから、夕食をとり早寝する。でも楽しく華やかな日もあるよ。おむつ交換や食料品の買出しが終わったら、旅したり、遊んだり、あるいは仕事場に行ってエレン・ポンペオにキスすることもできる。脚本家組合のストライキのせいで彼女には数ヶ月間キスしていないけど、妻にはたくさんキスしているよ。

--- グレイズ・アナトミーではあなたの役は今後どうなるかご存知ですか。

パトリック・デンプシー   最近の回で出会った看護師といい関係になればと思っている。恋人としてではなく友人としてね。それから昔の知り合いが現れることで、彼が自分のことをもっと知ることになる。去年は、デレックとメレデスの関係がちっとも進展しなくてフラストレーションがたまった。だから彼女が結婚への恐怖を克服することで、二人が早く結婚し新たな問題に直面したり、彼女が妊娠したりすればいいなと思う。そうしたことを探求するための時間がたっぷりあるといいね。

--- 撮影の合間には何をしているのですか。

パトリック・デンプシー   家族と時間を過ごしたり、深呼吸をして次にどんな仕事をしたいか考えたり、休養したり。カーレースにも出ているので、僕らのチームのスポンサーを探したりもする。それからサイクリングも大好きだ。最近はメイン州まで母に会いに行った。母がガン治療を受けているCancer Hope and Healing Centerのために基金を設立したんだ。コミュニティに何かお返しをすることが大切だと思ったんでね。

--- スキーでオリンピックに出たいと思っていた10代の頃、こういう仕事に就いていることを想像していましたか。

パトリック・デンプシー   面白いことに、こうなる運命だったという人生の瞬間やその途中で直面する課題が見えるものなんだ。どんなことも可能だけれど、決して簡単な道はなく、痛みを伴うこともある。そうした困難を乗りこるためにはさまざまな葛藤や内省を経なければいけない。

--- あなたにとって大きなターニングポイントとなったのは何ですか。

パトリック・デンプシー   ジルと結婚し、メイン州に戻って家を買い、そこでとても幸せに暮らせることに気づいたことだと思う。そのおかげで気が楽になり、ロサンゼルスに暮らしていたときほど必死にならないですんだ。必死さがなくなったことで、周りの人たちの僕を見る目が変わった。それに僕自身が大人になる必要があった。昔有名になったときは、たった18ヶ月の間にいろいろな作品に出て、その後何もなくなった。だから長い間、仕事以外のことを充実させバランスのとれた人生を生きることを学ぼうともがき苦しんだ。結局、仕事上の成功は、一人で家にいるときに実感できるものではないから、とてつもなく虚しいものなんだ。それだからこそ、今のこの時期をより一層ありがたく思えるんだ。  

--- どうもありがとうございました!


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