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菊地成孔 ロング・インタビュー【第7回】

2008年6月20日 (金)

菊地成孔



音楽家/文筆家/音楽講師。
スクエアという言葉からはあまりにもかけ離れた
驚異的な視点と感性。
弁舌逞しい軽妙な語り口で、
縦横広大なスペースを緩急自在に駆ける、
菊地成孔。

最新プロジェクト=ダブ・セクステットのアルバム。
そして、2冊の著作『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスV世研究』、
『服は何故音楽を必要とするのか?』。
3つの最近クリエイションをメインにしながら
テーマは、ざっくりと「音楽とファッション」。

ブラック・ミュージック
ダーティ・サウス
ギャングスタ・シット
そして、”訛り”フロウと・・・

図らずもエンディングは、
嗜好性許多のヒップホップ論が
無尽蔵、且つ快活に展開。
こちら、フィナーレを迎えました。


   
サウス・ヒップホップが、
GIVENCHYのショーでかかるとか、
めちゃめちゃかっこいいですよね。



--- 例えば、菊地さんがファッション・ショーの音楽を演出されるとなったら、どのような曲を選ばれますか?


菊地  それこそ、この間、UNITED ARROWSの栗野(宏文)さんと対談した時に、あなたなら何をかけますか?っていうコーナーがあって、何曲か選曲したんですけど・・・いや、いっぱいありますよ。これ、いいんじゃない?っていうのが。


   ヒップホップは、それこそ未開のところだから、サウス・ヒップホップが、GIVENCHYのショーでかかるとか、めちゃめちゃかっこいいですよね。


--- サウス周辺ですと、例えばどのような曲がフィットしそうでしょうか?


菊地  今だったら、DJキャレドですよね。一番ダメっていうか(笑)・・・一番やんちゃで(笑)、一番怖い人たちの、っていうね。今、フッドの連中こんなでっかいナイフ持ってるの知ってる?


--- ナイフですか?


菊地  ナイフどころか、中華料理のピンタオみたいな形した包丁(笑)。フッドの人たちは、こんなのをパンツの下に忍ばせてんのよ(笑)。で、こう出してんのよ。銃も買えないっていう。それから、ブッチャーっていって、肉問屋から肉切りナイフかっぱらってきて、持ってるの。もう最悪で(笑)。そんな連中が聴いているのがDJキャレドだからさ。キャレドが、YVES SAINT LAURENTとかでかかったら、すごいですよね。ドキドキしますよ(笑)。でも、絵的にはかっこいいと思うんですよね。ダーティーなヒップホップでも、踊れる音楽はみんなファッション・ショーに合うから。


   栗野さんとの対談の時に、ボクが実際に挙げたのは、アントニオ・カルロス・ジョビンの「Urubu」っていう、BPMが120ぐらいの、ちょっと変わったブラジル音楽なんだけど、それなんかをPRADAとかで流したらいいんじゃないって話はしましたけど。でもやっぱり、ヒップホップ流したいですよね。スクラッチが入ったショーも聴きたいし。しかも、それは、東京コレクションみたいなものではなく、パリ・ミラノのコレクションでっていうさ。


--- スヌープ・ドッグだと、少しお高くとまってしまいそうでしょうか?


菊地  そうね・・・でも、全然いいですよ。スヌープぐらいだったら、もうエレガントだからさ。スターだもんね。スヌープも、スーツと、フード・野球帽の2本立てで行くっていう感じになってるでしょ。50セントもそうなったでしょ。ティンバランドに至っては、もう白人としかやらないような感じになってるもんね。カニエももうスマートでしょ。だから、東海岸は何かかったっておかしくないですよ。だから、むしろ、ダーティ・サウスだっていうね(笑)。音的に最悪で、ひとつも楽しくないっていうさ(笑)。


   スヌープ・ドッグは、ビッグになりすぎちゃって、みんなあまり細かい所には注目しなくなっちゃったけど、あの人のMCのモタりはすごくてね。日本の民謡みたいなさ。東北弁みたいな、ズーズー弁じゃない?(笑)歯とか悪いんじゃない?溶けちゃってんじゃない?って感じがいいんだよね(笑)。あれは唯一無二ですよね。


   ノートリアスB.IG.みたいな90年代中期ぐらいの、ちょっと打ち込みが進化したやつみたいなのもいいし(笑)。ノートリアスは、かなりスキルフルだと思うんですよ。MC的には、ボクのアイドルというか。バーに対して、オンとオフが、引っかかりそうで戻るっていうさ。モタる一歩手前みたいな。


   日本のオールドスクーラーだっていいですよ。いとうせいこうさんだったり、タイニー・パンクスだったりね。ああいうのが、東京コレクションで流れたらかっこいいんじゃないかなって思いますよね。


--- ビブラストーンなどはいかがでしょうか?


菊地  ビブラストーンは、ちょっと最近すぎるから、プレジデントBPMとかね。ああいうのが、UNDERCOVERとかNUMBER (N)INEとかで、バリバリにかかったらいいんじゃないかなって。でも、まぁ・・・かかんないと思いますけどね(笑)。


   日本人の選曲としては、もっとヒップホップやってほしいですけど・・・でも、色々あるんですよね、やっぱり。要するに、新宿・文化服装系、新宿でモード学園出た人、渋谷でAPE買う人って、縄張りみたいのができちゃって、文化的にも地域的にもぶつかってるから、東コレっていって、どんなに不良っぽくしたところで、ヒップホップから見たら、「あいつらどうせお坊ちゃんだろ、バカヤロウ」ってところがあると思いますし。東コレの人は東コレの人で、ロックとかを使って色々と不良ぶりたいんだけど、APEにふんぞり返られたら、もう意気消沈しちゃうっていうところがあると思うんですよ。オタクが第三項として繋ぐかも知れないですけど。ユーズ秋葉原が。でも、まだ分からないです、それは。流動的ですよね。



菊地成孔


 

ヒップホップ・リスペクトだっていうことは、
ほとんどのリスナーに通じないと思うんですけど(笑)、
やってるつもりなんですけどね。




--- 実際、ファッション・ショー云々を抜きにして、「菊地さんが選ぶヒップホップ/R&Bの何枚」のようなオファーも、これまでに各方面から色々とあったようですが。


菊地  それこそ今、ブラック・ミュージックもハイ・ファッションに寄ってるからさ。松尾(潔)さんとかが出てくるような雑誌の企画、季刊だけど、そこで、「菊地さんのオススメする大人のブラック・ミュージックは?」って訊かれたことがあって。あれとかさ、どちらかって言うと、もうフードはやめようよって本じゃない?DJもラグジュアリーに行こうぜって。


--- そこで、勿論、キャレドは選んでいないですよね?(笑)


菊地  選んでない、選んでない(笑)。あれは、完全に子供のブラック・ミュージックですよね(笑)。大人のブラック・・・ブラックって言っちゃったら、デューク・エリントンからルーサー・ヴァンドロスまでになっちゃうでしょ?だから、R&B/ヒップホップで「大人」っていうのは難しいよねって、松尾さんと話してましたね。だって、ドクタードレーでいくつ?


--- 40ちょっとだったかと思います。


菊地  でしょ。それで重鎮っていうかさ、ドレーでK点越えじゃん。だから、音楽業界的にまだまだ子供の世界ですよね。ジェイ・Zがいくつ?38、9でしょ?まだまだね(笑)。だって、50代の人ってほとんどいないもんね。グランドマスター・フラッシュとかぐらいでしょ?だから、「大人のヒップホップ」って言ったところでねぇ。まだまだ子供の国ですよ。ロックで言ったら、ビートルズ以前ぐらいですよね。まぁ、好きなものはありますけどね、常に。


--- 以前、菊地さんの著書の中で、リュダクリスをフェイヴァリット・ディスクに挙げているくだりなどもありましたが。


菊地  リュダクリスはそんなに好きじゃないんだけど(笑)、なんで挙げてたかっていうと、シカゴに行った時に、ハロウィンのすごく緊張してる状態の中で、黒人がハロウィン・パーティの前にでっかいバンを止めて威嚇してたんですよ。その時に、フル・ヴォリュームでかけてたのがリュダクリスで(笑)。おっかねえなって(笑)。リュダクリスでこんなことすんのかって、書いたことはあったんですけど。


   ボクは、50セントが好きなんですよね。カニエよりずっと好きです。こないだの『Curtis』は、めちゃめちゃいいですよね。ヒップホップ・ファンはみんな、あんまり良くないって言うじゃない?真味がないとか言うけど。ゴリラ系が好きだから、50セント、ジェイ・Zあたりのサルみたいな感じの人は、好きなんですよね(笑)。


--- 50セントは、トラック/ビーツも含めて、総合的にお好きなのですか?


菊地  ビーツも好きだし、MCも巧いよね。MCは、訛ってれば訛ってるほど好きだから。スヌープ・ドッグも好きですよ、訛るから。だから、ファレルがあまり好きじゃないのは、結構ジャストだし、子供っぽいってところで。あんまりフロウしないんで。やっぱり、今のところフロウする大物っていったら、50セントと、スヌープ・ドッグと、ジェイ・Zは、バーに対して、かなり、ガァーッて引っ張るじゃないですか?(笑)もたれるよね。あれが堪らないですよね。ちょっと、どもりというかね、ライムが訛っていくのが好きなんですよ(笑)。で、トラックはミニマルなほどいいから。あんまり、R&B系のラグジュアリーな感じは、ネリーとかさ、才能あると思うけど、得意ではないですね。


--- もっとギャングスタ・バンギンな感じの方が・・・


菊地  そうそう。ギャングスタ以下っていうね(笑)。フッド丸出しな感じのね。もう、ひどいねこれっていう(笑)。教育受けてないでしょ?っていう感じの(笑)。リリックの内容は最低だけど、とにかく訛ってるのと迫力があるのっていうのが好きなんですよね。一方で、カニエみたいなのも好きだけど、もうあれは、ヒップホップとは言えないって部分もあるし。すごく良く出来たブラック・ミュージックだから。インテリジェントすぎて。


--- カニエで言えば、一時期トレンドになった、ネタの早回しの手法をトラック制作に取り入れて、ソウル・ミュージックの要素を間接的に垂らし込んだりと、正当法からは、少し逸脱しているようなところを見せたりしますよね。


菊地  そう、カニエはね。だから、ボクは、この『Revolution Will Not Be Computerized』で、アコースティック・ジャズでそれがやりたいってところがあったんですよね。早回ししたり、特定の音だけ選んでピッチを下げるとかさ。ヒップホップ・リスペクトだっていうことは、ほとんどのリスナーに通じないと思うんですけど(笑)、やってるつもりなんですけどね。


   特に2枚目の『Dub Orbits』の方は、バーに対して、ライムの代わりのソロが訛っていくってことをやってるんで、完全にヒップホップに射程が定まってるっていうことになってるんですけど。次は、ヒップホップのアルバムを作りたいと思ってるんで、打ち込みの。


--- DJなども招いて、本格的に作り込む感じなのでしょうか?


菊地  そうですね。できれば、MCも自分でやってって思ってるんですけどね。まぁ、そこら辺はまだ夢の話で、やれたらいいなって。さっき言ったように、ウェアリングの話も、ジャズとヒップホップは同じなんで、ボク自身、ジャズ側にいますけど、シンパシーはヒップホップにあるんで。誰もボクのこと見て、ヒップホップのアーティストだなんて思わないし、やってないですけど。アルバムの中には、コスリも入ってるし、ヒップホップ・リスペクトにやってるつもりですけど、はい。


--- 今度、機会がありましたら、あらためてヒップホップのお話を伺いに来ても宜しいでしょうか?(笑) 菊地さんのヒップホップ話に、ものすごい興味があるのですが。


菊地  全然大丈夫ですけど(笑)、何もやってないんで・・・ただ好きなだけよ(笑)。だから、語る立場にないと思いますけどね(笑)。ジャズだったら演奏もしてるし、言及もしてるけど、ヒップホップは本当に好きなだけですからね。ラーメン好きな人が、片っ端からラーメン食ってきた話するようなもんで、ほとんど意味ないと思いますけど(笑)。まぁ、何かありましたら、是非。


--- 是非宜しくお願い致します。今日は長い時間ありがとうございました。


菊地  とんでもないです。ありがとうございました。


【取材協力:East Works Entertainment】








In Tokyo

 
4 NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
    『In Tokyo』
 «New«


20008年7月の渋谷DUOと、9月の赤坂BLITZのライブから選りすぐりのテイクを収録。菊地成孔、類家心平の火の出るようなアドリブ・ソロの応酬や、ますます冴えわたるパードン木村によるライブ・エフェクト。坪口昌恭、鈴木正人、本田珠也からなるリズム・セクションの強烈なドライブ感など、ライブならではの臨場感を完全パッケージ。スタジオ収録+事後編集というコンピューター内で、クール且つ精緻に制作されたオリジナル盤2作品(『Revolution Will Not Be Computerized』、『Dub Orbits』)を見事に再現した衝撃のライブ・アルバム。



 




記憶喪失学
4 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 『記憶喪失学』


何名かのメンバー・チェンジを終え、第二期ペペ・トルメント・アスカラールの音楽は、新しいサウンドを響かせ始めた。これまでのジャズ〜ラテン的なラウンジ感は残しつつ、さらに映画音楽、ブラジリアン・ミュージックの隠れた名曲を取り上げるなど、ペペから聴こえてくる音楽は、ポピュラー・ミュージックのあらゆる領域に拡がりをみせる。本作のために委嘱された菊地本人の作品(M-9)、中島ノブユキ(“エテ・パルマアンサンブル”を主催)の作品(M-8)、両者の共作(M-6)では、このアンサンブルが持つ底知れない可能性が楽しめるだろう。ポピュラー・ミュージックという音楽ジャンルが、映画、BGMなどに溜め込んできた名曲を、菊地はこのアンサンブルで、現代音楽を披露するかのように、慎重に取り上げ、古典/ロマン派を取り上げるように意匠を凝らした解釈を施す。



 




Dub Orbits

 
4 NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
    『Dub Orbits』


菊地成孔が初めて挑んだ、2管ハード・バップ+ダブ・エンジニアという編成のグループ=Dub Sextet。60年代マイルス第二期クインテット・サウンドを踏襲し大きな話題を呼んだ、1stアルバム『The Revolution Will Not Be Computerized』に続く、2ndアルバム。ウェイン・ショーターによる名曲「Orbits」のカヴァーをはじめ、よりファンキーでアッパーな楽曲が並ぶ。ダブ・マスター、パードン木村・主動によるブレイクビーツ・チューンもグループ新境地。アートワークには、美術家、グラフィックデザイナー、映像作家、VJ、文筆家等多彩な才能を持つ宇川直宏氏を迎えた大注目の1枚。



 




Revolution Will Not Be Computerized
4 NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
    『The Revolution Will Not Be Computerized』


自身に、新人トランペッター、類家心平を起用した2管に加え、リズムセクションを、クインテット・ライヴ・ダブからのメンバーである坪口昌恭(p)を中心に鈴木正人(b)、本田珠也(ds)で固めた、菊地成孔の新プロジェクト=Dub Sextet。『ESP』、『Miles Smiles』、『Sorceres』、『Nefertiti』というマイルス第二期クインテットのスタジオ4部作を母体としたサウンドにダブの抽象性を垂らし込んだ、アブストラクト且つスタイリッシュで、クールな緊張感も漂う快作。



 




M / D マイルス・デューイ・デイヴィスV世研究

4 『M / D マイルス・デューイ・デイヴィスV世研究』


『東京大学のアルバート・アイラー』でジャズ史を根底から覆した最強タッグ、菊地成孔×大谷能生・両氏のライフワークとも言える、帝王マイルス・デイヴィス論。2004年4月から通算3期に及んだ、東京大学教養学部における講義を書籍化。「モード・ジャズという概念が、服飾や流行現象としてのモードと同じであり、マイルスがそれを端的に体現している」という眼目において、マイルスの全貌を浮き彫りにする、大部800ページのガチンコ帝王論。講義録本編に加え、高村是州氏との鼎談、ケイ赤城氏へのインタビューなど圧倒の内容。







服は何故音楽を必要とするのか?

4 『服は何故音楽を必要とするのか?』


「ウォーキング・ミュージックという存在しないジャンルに召還された音楽達についての考察」。雑誌『Fashion News』の人気連載が、初のパリ・コレクション取材や、ショー音楽監督との対談を加えて書籍化。Kanye Westといったセレブリティ・ヒップホップ・アイコンを引き合いに出しながら、「ウォーキング・ミュージック」という名のもと、メゾン・ショーと音楽の融合乖離に、氏独自の鋭い考察力をすべりこませた注目著作。







サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍

4 『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』


「僕は生まれてから5年間だけ格闘技を見なかった」。「スペインの宇宙食」、「歌舞伎町のフットボール」に続く第3弾エッセイ集。自ら「聖域」と語る格闘技をテーマに据えた入魂の1冊。5年間の「凍結」を解き、自らの聖域と遂に対峙。「闘う人/闘ってみせる人」という存在に対する信仰の告白。2005年に発刊された著作の待望の文庫化。









ペペ トルメント アスカラール
4 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 『野生の思考』

 『南米のエリザベス・テイラー』のステージ・アクト用に結成された、バンドネオン、ハープ、弦楽四重楽団にツイン・パーカッションという12人編成のストレンジ・オーケストラ「菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール」。コンサートのレパートリーを中心に、エキゾチックかつ、過剰にロマンティークな世界感を表現。




Cure Jazz
4 UA × 菊地成孔 『Cure Jazz』

 UA『Sun』に、菊地成孔はSax奏者/ホーン・アレンジとして参加。UAは、菊地成孔『Degustation A Jazz』にヴォーカルで参加。2年の歳月を経てリリースされた2人によるコラボ・アルバム。誰もが知るスタンダード楽曲に加え、両者のケミストリーにより生み出されたオリジナル楽曲をもって、新たなジャズの世界が展開されている。




南米のエリザベス・テーラー
4 菊地成孔 『南米のエリザベス・テーラー』

 危険なまでの官能作品。菊地成孔が、アルゼンチンはブエノスアイレスの土を踏み、抗う事もできずに叩き込まれたであろう、様々な別世界の混沌を「官能」として捉え、氏の言語で放出した魅惑の逸品。カヒミ・カリィ、内田也哉子らをゲストに配し、妄想のタンゴ、ラテン・ジャズ、ポスト・モダンを濃密に搾り出す。

  



Degustation A Jazz Authentique / Bleue
4 菊地成孔 『Degustation A Jazz Authentique / Bleue』

 2004年に発表された、菊地成孔・初のジャズ・リーダー・アルバム『Degustation A Jazz』。本盤は、元々の41曲を30曲にダウンサイジングし、曲間にブランクを多めに設け、さらに曲順を入れ替えたディレクターズ・カット完全版。クインテット・ライブ・ダブによる最新実況録音 (intoxicate vol.11) 部分を追加収録。

 



Franz Kafka's America
4 Date Course Pentagon Royal Garden
    『Franz Kafka's America』


 2007年その8年間の活動に終止符。惜しくもラスト・アルバムとなってしまった、菊地成孔率いるDate Course Pentagon Royal Gardenの3rdアルバム。ジャズ、ファンク、ソウル、アフロ、現代音楽などを融合させた、マッシヴでカオティックな複合ビート。ハードコアでフロア・フィラーな「ダンス初期衝動空間」は唯一無二。




Musical From Chaos 3
4 Date Course Pentagon Royal Garden
    『Musical From Chaos 3 "HOA-KY"』


 クラブ・シーンはもとより、日本の音楽史に輝かしい名前を残したであろうユニット=DCPRGへのレクイエム。DCPRG勃興期から活動を共にする鬼才・映画監督、夏目元による、菊地成孔の内面からDCPRG現象を再構築する迫真の映像作品。もう生で体感することが出来ないであろう新曲を中心に、ライブ映像もたっぷりセレクト。