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『どこに行くの?』 松井良彦監督インタビュー6

2008年2月26日 (火)

無題ドキュメント
「どこ行くの?」 松井良彦監督 インタビュー

 

「どこに行くの?」
 松井良彦監督 インタビュ- 6/7


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2008年3月1日(土) ユーロスペースにて、レイトショー!
初日3月1日(土)、松井良彦監督、柏原収史、あんず、佐野和宏、長澤奈央ほかによる舞台挨拶を予定


続き・・・

--- さきほどおっしゃっていた、監督の思う「色気」とは、どういうものですか?

松井 難しいよねえ。あのー、何ていうのかな、やはりこう、セクシャリティーな役柄をね、佐野ちゃんに求めるのでね、『追悼のざわめき』だったらね、本当にマネキンを愛してる男を演じてくれてるとか。『錆びた缶空』では、愛するホモの子と同棲していて、嫉妬に狂ったり・・・。
 そういうところをね、見事に演じてくれるんですよね、僕が求めるものを。あるいは、僕が求める以上のものを。
 今回も、柏原くんに想いを抱く、情けない初老の刑事役をね、ちゃんとそれ以上のもので演じてくれたんで。それは本当にありがたいですね。
 彼以上の50歳以上の俳優さんは、世の中にいっぱいいると思うんですけど。僕の描こうとする世界と佐野ちゃんの演じる世界が本当にこう、クロスオーバーしてるなという気がしますね。気持ちでボーンと入って来てくれる人なんで。
 僕が求めるセクシャリティーを彼の中から感じるという、それが色気ですかね。でもね、人柄は・・・(笑)。

--- (笑)。でも、人柄は嫌いだけど、やっぱり使いたいっていうのは、それだけその・・・。

松井 (笑)だってね、『錆びた缶空』の時から、文句ばっかり言ってたからね、陰で(笑)。PFF入選したり、全国上映したり、客が来ると、「光栄です」って(笑)。
 『豚鶏心中』の時にね、彼ね、主役じゃなかったんですよ、ちょい役で。そしたらね、「何で俺を主役に使わないの?」って言うから、僕は正直に想いを言ったら、しゅんってしちゃって(笑)。ああなんか、申し訳ないなって思っちゃって(笑)。
 で、『追悼のざわめき』の時は、彼しかいないと思って、主役に据えました。で、試写が終わって、みんなが「すげえな」ってなって。でも佐野ちゃんだけ、陰でブツクサ言ってて。でも使っちゃうんですね、どうしてもね(笑)。

--- そうなんですね(笑)。映画の中だと、そういう人柄の話までわからないので、こういうお話が聞けて、すごくおもしろかったです。

松井 ・・・・・・・・(笑)。

--- でも、そういうところが逆に、色気につながってるかもしれないですよね?(笑)。

松井 いやー、違うね(笑)。

--- 違いますか?(笑)。では、違う質問に(笑)。今まで、モノクロ作品を多く撮り続けられていましたが、今回カラーになったのは・・・。

松井 初めこれもね、白黒で行きたかったんですよ。最初の『錆びた缶空』は8mmで、カラーしかなかったので、白黒には出来なかったんですが、『豚鶏心中』も白黒使ってますし、パートカラーですが。
 で、『追悼のざわめき』も白黒で。なぜかって言うとね、日本人の顔は、白黒の方が合うと僕は思っていて。で、佐野くんもそんなに凹凸のある顔じゃないし、その他の俳優さんも、凹凸のある顔じゃないと。強いて言うなら、隈井士門くん、美少年役くらいで。でも、彼一人のために、カラーにはしたくないなと。白黒で通そうと。他が全部白黒に合う、凹凸のない顔なんで。
 で今回『どこに行くの?』も、白黒で行きたかったんですね。あんずさんも、凹凸のない顔だと。ただ、柏原くん、主演男優が目鼻口のしっかりした美青年、その時に迷いました。「どっちにしたらいいのかな?」って。パートカラーも考えましたね。だけど今回は、カラーで行こうと。
 つまり、今回カラーにしたのは、柏原くんの目鼻口、佇まいがくっきりしてたので、それでカラーにしました。
 柏原くんには黒系の衣装を着させて、あんずさんには赤系で。あんずさんが柏原くんに恋をして、あることをする。その時には黒の衣装に変わっている。つまり、彼の色に染まると・・・。そういうことで、黒と赤というのを大事にしましたね。それが、カラーにした理由ですかね。柏原くんの顔立ちと衣装の黒と赤の意味合いですかね。

続く・・・

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