現在公開中!『どこに行くの?』
2008年2月4日 (月)
愛したい、愛されたい 悶えるすべての恋人たちへ
1988年の公開直後から、物議を醸し、いまや伝説となったインディペンデントの極北『追悼のざわめき』。86年の完成から実に22年、遂に、松井良彦監督が沈黙を破った。待望の新作は、性的トラウマを抱え、ホモ・セクシュアルになった青年とニューハーフとの究極の“初恋”の物語。
この作品を松井監督自身は、「非常にかわいらしい青春ラブ・ストーリー」と語っている・・・。
主人公アキラを演じるのは、『月の砂漠』(03)、『カミュなんて知らない』(06)の柏原収史。超過激な松井映画の中で、ときに妖しく、ときに残酷に魅せる性と暴力。ヒロイン香里には、新宿で人気のニューハーフ・あんずが抜擢され、ミステリアスなキャラクターの苦悩と葛藤を身ひとつで体現。そして、松井組の常連俳優、ピンク四天王の佐野和宏が、圧倒的な存在感で、松井組復活の狼煙をあげる。
『追悼のざわめき』に共鳴し、デジタルリマスター版では、音楽も担当したミュージシャン上田現によるエンディング・テーマ「水の記憶」は、道端にひっそりと咲く、ひなぎくの花のようにかすかな救いを感じさせる。
『どこに行くの?』 松井良彦監督サイン入りポスターを抽選で10名様にプレゼント!
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STORY
幼い頃に両親を亡くし、孤児院でひとりぼっちで生きてきたアキラ。 そんな彼の前に、女神のごとくあわられたニューハーフの香里。 何も言わずに優しく自分を受け入れてくれる彼女に惹かれ、 アキラは次第に心を開いていくが・・・
木下鋳工で働く立花アキラ(柏原収史)は、幼い頃から父親代わりでもあった工場の社長・木下(朱源実)から受け続けた性的虐待がトラウマとなり、今でも、うまく人を愛することができない。工場の外では、一回数万円で刑事の福田(佐野和宏)の相手をしている。高熱で溶かされた鉄、地味できつい労働・・・アキラの中には、やり場のない鬱屈がたまっていた。
そんなある日、バイクを飛ばしていたアキラは、トンネルを曲がったはずみで赤いワンピースの女をはねてしまう。道に投げ出された彼女を家に連れ帰り看病するが、目覚めた女は、何も言わずに立ち去る。それが山本香里(あんず)との出会いだった。
数日後、香里は、忘れ物のバッグを取りに、アキラの住むアパートを訪れる。その名は、「いづこ荘」・・・。アキラはいつになく、心を開いて香里に話しかけるが、玄関の外では、嫉妬に燃えた福田が聞き耳をたてていた。物音に気づいて立ち上がろうとしたアキラの腕を香里は無言でつかむ。「意外と力、強いんだ」
やがて、夫の気持ちに気づいた木下の妻(村松恭子)は、アキラに一方的な解雇を言い渡す。連れ戻そうと家まで押しかけてきた木下と争ううちに、運悪く包丁が落ちた。事の重大さに怯えるアキラは、その日、やってきた香里と衝動的に結ばれる。
香里とアキラは、木下の死体に灯油をかけて焼き、海に捨てる。もう元には戻れない。結婚指輪を買い、神社で二人だけの式を挙げたアキラと香里。「行こうか」「うん、行こう」。二人を乗せたバイクはどこへ向かうのか・・・。
STAFF
監督・脚本:松井良彦
音楽:上田現 エンディングテーマ曲「水の記憶」 作曲・編曲・演奏:上田現
CAST
柏原収史、あんず、朱源実、村松恭子、三浦誠己、長澤奈央、 佐野和宏・・・
COMMENT → オフィシャルHPに掲載中!
2008年3月1日(土) ユーロスペースにて、レイトショー!
初日3月1日(土)、松井良彦監督、柏原収史、あんず、佐野和宏、長澤奈央ほかによる舞台挨拶を予定!
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追悼のざわめき
松井良彦
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