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Mitsu the Beats Talkin'About Jazz後編

2008年2月1日 (金)


-例えば、クレジット買いみたいなことをする時に、この人は絶対はずせない、というようなプレイヤーや、プロデューサー/アレンジャーなどはいますか?

「昔は、David Axelrodは、見たら必ず買うようにしていたんですけど、最近は、プロデューサー/アレンジャーのKeith Mansfield(イギリスの作曲/編曲家)のクレジットが入っているものは、全部買うようにしていますね。展開とかがすごいなぁ、と思って。」

Kenny Barronがうしろでピアノ弾いてるやつは、結構買ってました。最後の方はあまり面白くなくなっちゃって、買わなくなりましたけど」

「あ、あと、カナダのジャズ・ギター・プレイヤーの、Ed Bickertが演っているものも、一時期ハマって全部買ってましたね。リーダー・アルバムが、何枚かあって。Concordとかから出ていて。こっちであまり売っていないんですけど。サイドで参加している作品も結構あったかな。Paul Desmondのバックでよく演っていたんですよ。コード感がものすごくかっこいいんですよ。リーダーより、バックの方がかっこいいじゃんみたいな。」


James Moody / Feelin'It Together
>James Moody 『Feelin'It Together』

徹底して主役を引き立たせる、サポート的な役回りを果たすBarronのピアノ。Dizzy Gillespie、Yusef Lateef、Stanley Turrentineらのバンドで活躍し、一貫して4ビ
ートのジャズ路線を歩んできた「燻し銀」。本作は、James Moodyの73年Muse盤で、
まさに名脇役の本領ともいえる好アシストを聴かせる。リーダー作を次々と発表した80
年代を経て、90年代ヴァーヴ・レーベル契約以降も、絶頂期ともいえる活躍をみせている。



Ed Bickert / Ed Bickert
>Ed Bickert 『Ed Bickert』

75年、トリオによるライブ録音。カナダを代表するギタリストの一人として多くのレコー
ディングに参加。主役ソリスト達の伴奏において、シンプルながらも多彩なコードワーク、
そして鮮やかなテクニックを持ち合わせた魅力的なバッキングを聴かせてくれる。54年
頃から精力的に演奏活動を開始し、70〜90年代までは地元カナダの有名なビッグバン
ド、Boss Brassに所属、80年代にはConcordと契約し多くのリーダー作を吹き込んで
いる。現在は音楽活動から退き、地元カナダで隠居生活を送っている。



Paul Desmond / Pure Desmond
>Paul Desmond 『Pure Desmond』

Jim Hallからの紹介でEdを知り、その卓越したギター・プレイを即座に気に入ったDesmondが、彼を自らのバックに招聘した、74年9月に録音された初共演録音盤。
フュージョン全盛のこの時代に、Edをはじめ、ベースにRon Carter、ドラムにConnie
Cayといった「でしゃばり過ぎない」ピアノレス・カルテットを迎えているという点にも注目
したい。Desmondの淀みないフレージングをたっぷりと堪能できる。



-ヴォーカルものはよく聴いたりしますか?

「たまに買うって感じですね。アカペラのSingers Unlimitedは、掘り尽くしましたけどね(笑)。ほとんど持っていると思います。あとは、すごいレア盤とかでいいものがあれば、視聴して買うって感じですかね。そんなレベルですよ。あまりヴォーカルだから、って意識して買ってはないです。たまに、家でしっとりと「耳が癒されたい」っていう時には、Chet Bakerとかを聴いたりしているぐらいです」


Singers Unlimited / A Capella
>Singers Unlimited 『A Capella』

50年代に活躍したグループ、Hi-Lo'sのメンバーだったGene Pueringと、Don Shelt-
onの2人に、Bonnie Hermanと、Len Dresslarを加えて、67年にシカゴで結成され
た無伴奏コーラス・グループ、Singers Unlimited。マルチ・トラック・レコーディングに
よる多彩なハーモニーは、美しいばかり。本作は、MPSからの71年盤。



Chet Baker / Sings
>Chet Baker 『Sings』

トランペッターだったChetが、歌うようになったのは50年代はじめのこと。そして、歌手
としての名声を確立したのが56年の本作。おなじみのスタンダードばかりが並ぶものの、Chetが耳元でソフトに囁くように歌えば、まさに「専売特許」といってもいい、唯一無二
のアンニュイで、ロマンティックな世界が成立する。







-最近盛り上がっているヨーロッパ・ジャズや、和ジャズなどはどうですか?

「買ってますね、結構。ヨーロッパものは多いですね。和ジャズもレアなものは、割と買ってますね。あとは、特に高いものではないですけど、今田勝さんの作品はほとんど買ったんじゃないですかね。」

-ヨーロッパ・ジャズ、和ジャズで何枚かオススメを教えていただけますか?

「まずは、Olli Ahvenlahti『Bandstand』。レーベルのロゴにやられたんですが、本当に素晴らしいアルバムですね。伝統的なジャズ〜ファンキーな曲まで、どれも素晴らしい曲ばかりです。」

「『SAS a San Salvador』は、82年のフランス映画のサントラです。この中の「Grand Theme Malko」という曲が凄すぎます。フェンダーローズの疾走感がたまりませんね。4つ打ち調のドラムがまた良いんですよ。」

「Puccio Roelens『Research Of A Sound』。アーティストの詳細は不明なんですが、内容は、良曲揃いです。特に、「A Silliness Song」という曲は、素晴らしいジャズ・ファンク。探している人も多いのではないでしょうか?」

市川秀男さんの『Invitation』。これは間違いなく1曲目のタイトル曲「Invitation」!イントロ〜ドラムが入ってくる辺りがツボです。最近のクロスオーバー・ジャズなんかとも一緒にかけられますよ。」


今田勝 / Now
>今田勝 『Now』

日本を代表するピアニスト今田勝の70年録音の代表作にして、同年にスタートした
我が国の伝説的ジャズ・レーベル(熱狂的なジャズ・ファンだった藤井武氏が、私財を
投じて、ブルーノートを手本に設立したレーベル)、スリー・ブラインド・マイスの2作目とし
ても知られる1枚。コマーシャリズムに毒されず、ミュージシャンが演奏している姿をあり
のまま記録する、という同レーベルの精神が隅々にまで生かされている。




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     小西康陽 「Talkin' about JAPANESE GROOVE」はこちら
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