HMVインタビュー: Tom Middleton ダンス&ソウル・インタビューへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

2007年9月26日 (水)

  インタビュー
  Tom Middleton
Global Communication、Jedi Knights、Cosmosなどの名義で知られる Tom Middleton(トム・ミドルトン)による最新作『Lifetracks』がリリース!昨年夏に本国イギリスで行われた『ビッグ・チル・フェスティバル』では THE BAYSや ZERO 7のメンバーを含む、総勢21名編成のバンド形態によるライブ・パフォーマンスを行ない大きな反響を呼んだそう。そして新作リリースにあわせ朝霧Jamでの来日も決定!リリース&来日記念として Tom Middletonにお話を聞くことができました!

Tom Middleton
  Tom Middleton

―― アルバムの完成おめでとうございます。アルバムが完成した今のお気持ちをお聞かせください。


Tom Middleton: 今回アルバムをリリースする事でこの音楽を皆とシェアする事が出来て、とてもワクワクしているよ。このプロジェクトは僕自身にとって、とてもパーソナルなプロジェクトなんだ。ここ数年の間、あちこちでDJをしたり、リミックスの仕事をしたりしながら密かに制作を続けて、ようやく完成した作品なんだ。




―― 今回、このタイミングで本人名義として作品をリリースされたその理由を教えてください。


Tom Middleton: 音楽制作をするにあたって、特定のスタイルを意味付けて、それぞれに名義を使い分けるのはとても楽しい事だけど、長年のキャリアの中であまりにも多くのプロジェクト名を使っていたので、ファンが僕の作品を探しにくい状況が生まれてしまったように思う。最近はトム・ミドルトン名義でDJやリミックスを引き受ける事が多くなってきたので、今回もその名義を使う事がごく自然なように感じたからさ。




―― なるほど。


Tom Middleton: この音楽を聴いてもらえば、本来の僕の性格が普段表に出ている娯楽好きなフェス/パーティーDJ兼リミキサーという表の顔とは全く逆の部分があるということがわかってもらえると思うよ。そうした僕の性格の本質が、グローバル・コミュニケーションの頃に持っていたコンセプト“音に対するピュアな感情”に再びフォーカスするように促していると思うんだ。




―― 今回リリースするアルバムタイトル『Lifetracks』の由来について教えてください。


Tom Middleton: この作品を作っているうちに、このアルバムに収録されている曲が、まるでここ数年間の自分の人生のサウンドトラックのように感じてきたんだ。人生(life)とサウンドトラック(soundtrack)の融合というコンセプトはなかなか面白いと思ったので、今回のタイトル『Lifetracks』にしたんだ。




―― 今作であなたが1番表現したかったこととはどんなことでしょうか?


Tom Middleton: ピュアな感情とアイディアをサウンドにて表現すること。 例えば、『愛』、『失われたもの』、『欲求』、『希望』、『平穏』、『人生の流動性』、『旅』、『人と人との相互関係』、『知覚の探求と遂行』について。




―― 3曲目に収録の「Shinkansen」について、エピソードがありましたら教えてください。


Tom Middleton: 子供の頃から、僕は日本の音楽、文化、歴史、芸術、技術、建築とデザインに魅了されてきたんだ。この作品は、東京から京都まで行く東海道新幹線の、自分自身の処女航海にちなんでいて…その時に初めて富士山の偉大さを目撃したんだ。僕は子供の頃から葛飾北斎の作品に親しんでいたから、もちろん『富嶽百景』も知っていたので、遂に本物の富士山を見た時にはとても感動したよ。




―― 『76:14』がリリースされてから早13年、HMVインターネットでは今でも週に1枚以上売れています。振り返ってみて、あなた自身この『76:14』という作品についてどのような作品だったと考えてらっしゃいますか?


Tom Middleton: 都会生活から遠く離れた片田舎で制作された、エレクトロニック・ミュージック史に残る金字塔。と同時に当時の僕らの人生のシンプルな回想でもある。この作品は、それこそ本当に人生の“サウンドトラック”と言っても過言ではないと思う。サウンドでのエモーション。僕自身今でもこの作品に収められている多くの本作を気に入っているんだ。通して聴くと、未だにいい感じだと思う。暖かい感じがして、満足感に満たされた、タイムレスなプロダクションだと思う。




―― 様々な名義で活躍されていますが、名義を使い分けることについて、どういったお考えをお持ちでしょうか?


Tom Middleton: 僕はブランディングしたり、それを特定したりするのが大好きな人間だから、割とインテリっぽいネーミングをする傾向があるね。ここ数年はそうやっていろいろな名義を使うのをやめて、自分自身の名前で活動出来ているから、それはそれで喜びを感じているよ。Evolution、Universal Language、Global Communication、Cosmos、Jedi Knightsなどという名前からもわかる通り、これらの名義は、性、国籍、年齢を問わず、全ての人に届く、最も広い意味での音楽を表しているんだ。例えばCosmosはギリシャ語で人々(people)という意味があると同時に、場所と時間の最も大きい概念も表しているんだよ。




―― 楽曲制作において一番重要と考えていることはなんでしょうか?


Tom Middleton: オリジナル作品はピュアな感情を表現するということ。リミックス作品は、既にあるものをいかに色付けするか。ダンストラックの場合は、その作品にエネルギーを注入し、よりドラマティックに聴こえるようにしているよ。あとはそれぞれの楽曲の性質に合うように、モード、時の流れ、季節に似合う、的確なテンポと構成を選択する事かな。




―― あなたに刺激を与えてくれるプロデューサーやミュージシャンは誰ですか?


Tom Middleton: 富田勲さんが、僕にとって最初のインスピレーションだった。それから、Brian Eno、Vangelis、Jean Michel Jarre、Harold Budd、Ennio Morricone、Pat Metheny、Herbie Hancock。最近のエレクトロニック・ミュージックだと、Ulrich Schnauss(ウルリッヒ・シュナウス)、Jon Hopkins(ジョン・ホプキンス)、Alucidnationあたりが気に入っている。彼らは、ピュアで正直な心からの作品を作っていると思う。作品にエモーショナルな満足感を感じるね。




―― 今やレコードやCDに取って代わるような形で、デジタル・ダウンロードによる販売が増えてきていますが、このような状況に対してのあなたのお考えを教えて頂けますか?


Tom Middleton: デジタル・ダウンロードは利便性があって、流通しやすくてリーズナブルなので、世の中の流れがそちらに向かうのは仕方ない事だと思う。僕ら人間は皆怠け者で、何でもすぐに欲しがるから。デジタル・ダウンロードは生活上の問題を楽にする。妥協点はサウンド・クオリティーだと思う。うまく行けば、CDクオリティーはスタンダードのまま残るだろうし、そのうち皆DVD HDクオリティーの、24bit 96khzの音質のサラウンド・サウンドで録音して、作品をリリースするようになればいいと思う。僕自身は今CDしかかけない。アナログは、レアでタイムレスなクラシックの作品である場合か、心底大事にしたいものだけ買うようにしているよ。




―― 今後の活動についておしえてください。来日公演も予定されているそうですが、どのような形での出演になりますか?


Tom Middleton: 10月5日(金)のリキッド・ロフトと、10月6日(土)に朝霧JAMフェスティヴァルでプレイする予定だよ。僕のバンドのメンバーはそのまま、僕の良き友達である THE BAYSでもあるので、本当はライブアクトでの出演を希望していたんだけど、残念なことに時間の制約で実現出来なかったんだ。だからDJでの出演になるよ。今回はニューアルバムのコンセプトに沿う形でのDJになると思う。そこに自分自身のインスピレーションを…例えば、富田勲さんの曲とかをミックスしていく感じになるかな。また日本でDJ出来る事をとても楽しみにしているよ。




―― ありがとうございました!


(取材協力:Musicmine)



 
 
  ☆ Tom Middleton 名義で新作をリリース!  
 
Lifetracks

CD Lifetracks
Tom Middleton

歴史的傑作 『76:14』 から13年…。よりオーガニックに、バンド指向でスケールアップしたサウンドを引っさげて、グローバル・コミュニケーションのトム・ミドルトンが帰ってきた!エレクトロニクスとアコースティック、アンビエント/ロック/フォーク/ジャズ/フュージョン/クラシックなど様々な音楽的要素が交錯する、エモーショナルかつエクレクティック(多種多様)なサウンドはまさに唯一無二!
 
 

ハウス/クラブミュージック最新商品・チケット情報